■ 第1章 何故に投資家はかくも相場に負けるのか Part1

2017/10/13

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長い間投資の世界で生きてきました。最初は先物の営業マンからスタートし、会社の自己資金を運用するプロップと呼ばれる部門を立ち上げ、自分自身もトレーダーとして日々トレードを行い、最終的にはプロップのマネジメントを専門的に行うようになりました。
 
トレーダーの育成も様々な方法で行いましたが、最終的にプロトレーダーとして生き残れる確率は、私の経験では1%程度だと思います。もちろんアマチュアのトレーダーを育成するのとレベルが違いますので、利益が取れるというだけではプロのトレーダーとして生き残ることはできません。プロトレーダーとして重要なことは、決められたリスクの範囲内で、継続的に一定以上の利益を得られるということなのです。いくら利益水準を満たしていてもリスクが大き過ぎてはダメですし、リスクが管理されていても利益水準が低過ぎてはダメです。プロのトレーダーとして生き残るのは、本当に至難の業なのです。
 
プロップのマネジメントを行うのと並行して、ブローカーと共同でアマチュアの投資家教育も行ってきました。これは投資家のすそ野を広げるということが、すなわち流動性の向上につながり、最終的にプロップの存続にもつながってくるからです。このアマチュア投資家の教育は、色々なブローカーと何年間にも渡って行いました。
 
営業マン時代の経験から、投資家教育を行った時の経験を通じて、投資家は何故こんなにも相場に負けるのかという話をさせて頂きたいと思います。何と夢の無い話だと思われるかもしれませんが、これだけ多くの投資家が相場に負けるという事実があるからこそ、そこに相場から利益を上げるための重要なヒントが隠されているのです。これからしばらくの間、私が経験してきたエピソードを通じて、この核心に迫ってみたいと思います。
 

<私の記憶によれば Part1>

今から30年以上も前に、まだ私が駆け出しの先物の営業マンだった頃の話です。当時はネット取引などなく、売買注文は全て電話を通じて行われていました。朝9時前になると、営業の電話がジャンジャン鳴り始めます。
 
新入社員であった私は、売買注文の取次は許可されておらず、注文は上司の課長が取り次ぎます。自分が開拓してきたお客からの電話が入った場合は、どうしても何を売買しているのか気に掛かります。しかし見ていると、課長が買い推奨したところは目先の高値掴みとなって買値から下がってしまっており、下落に耐えきれなくなって売ったところは、目先の安値となり、そこからまた上げ始めるという、所謂往復ビンタ状態となっていました。これが一度や二度ではないのです。
その不甲斐ない結果に、「なんて下手なんだろう」と悔しくさえなってきます。相場を傍目で見ていると、自分が上がると思ったところで上がり、下がると思ったところで下げています。なぜこれがわからないのだろうかと、上司の能力を疑い、お客を気の毒に思ったものです。
 
そして入社後半年が経過して、やっと注文の取次ができるようになりました。お客は電話であれこれと話をしながら、何をどう売買するかアドバイスを求めてきますので、やっと自分の能力を発揮できると、大喜びで自分の見通しを話しました。
 
しかし、上司の課長の売買推奨を「下手くそ」と思い、「自分はもっとうまくできる」と自信を持っていたのですが、その自信はあっという間に砕け散ってしまいました。お客の為を思って、儲けてもらおうと思えば思うほど、高値を買って安値を売るという、「下手くそ」な売買になってしまうのです。あれほど下手だと思っていた課長よりも、ずっと下手な売買になってしまいます。お客に儲けてもらおうと思えば思うほど、結果として損ばかりさせてしまっているという、地獄のような日々が続きます。
 
今なら、これがなぜそうなってしまったのか、はっきりとわかりますが、当時はどうしてこんなことになるのか全く分からず、自分で自分が嫌になってしまっていました。これが一番最初に私が受けた相場の洗礼でした。

*教訓その1:勝つと思うな、思えば負けよ

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株式会社シナジスタ
シナジスタが販売する、iTrade(日本株のバックテスト&完全自動売買プログラム )の基本設計を行った野川が、システムトレードに関して様々な角度からの解説をおこないます。
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