エーザイ<4523>ストップ安、第一三共<4568>ストップ高。両者の明暗を分けたものとは?

2019/04/12

3月下旬の株式市場において、医薬品セクターのエーザイ<4523>がストップ安を演じ、第一三共<4568>がストップ高を演じるという、好対照な値動きが見られました。両者の値動きを確認し、その明暗を分けたものを考えてみます。

 

 

エーザイ<4523>は3/21に、米国バイオジェン社と開発中のアルツハイマー病の治療薬に関する臨床第Ⅲ相国際共同試験を中止することを発表、このことにより投資家に失望が広がり、3/22と3/25に2日続けてストップ安で急落を見せました。

 

エーザイ<4523> 日足チャート

0411エーザイ日足

 

第一三共<4568>は、3/29に株式市場の取引開始前に、開発中のがん治療薬について、英製薬大手アストラゼネカとグローバルな開発や商業化契約を締結したと発表、同日はストップ高での急騰を見せました。

 

第一三共<4568> 日足チャート

0411第一三共日足

 

両者の材料は、前者が開発中の新薬候補の試験の中止という、株価にとって下落方向に働くネガティブ材料であり、後者が開発中の新薬候補の、開発や販売に関する国際展開の拡大という、株価にとって上昇方向に働くポジティブ材料であったことから、価格の動きは素直な市場の反応と考えることができます。

 

しかし材料の差だけではなく、両者の発表が行われたタイミングには、チャート的に見逃せない差が存在しています。上記の2社のチャート中には、長期トレンドの参考材料として、75日の移動平均線を赤で示しています。

 

エーザイ<4523>の発表日当日の75日線の向きは下向きであり、長期的なダウントレンドの環境下にあったと判断できます。これに対して第一三共<4568>の発表日当日の75日線の向きは上向きであり、長期的なアップトレンドの環境下にあったと判断できます。

 

ダウントレンドとは売りが優勢で下落しやすい傾向にあり、アップトレンドとは買いが優勢で上昇しやすい傾向にある値動きです。今回の両社の発表は、中身の差に加えて、長期トレンドが違ったことにより、その差がさらに鮮明になる形で市場に現れました。

 

株式市場において、ネガティブな材料もポジティブな材料も、どちらもいつでも出現する可能性があり、投資家は常にそれらに準備をしておく必要があります。そのためには、トレンドに沿って市場のエネルギーに準じる形で株式を保有することの意味が、今回の両社の違いを通して理解することができます。これが株式投資において、「トレンドが重要である」と言われる理由です。常にトレンドを確認しながら、トレンドに沿った投資を行いたいものです。

 

株式市場はランダムに動いているように見えても、ある部分では非常に論理的に解明できる値動きを形成します。それらが各種のテクニカル分析として理論化され、チャートを読むことにより利益を上げるアプローチが可能になります。そんな値動きの理論を知りたい人は、私が書いた書籍「誰も教えてくれなかった 結果を出す株式投資理論」を読んで手に入れてください。株式投資の精度が見違えるほど変わります。

 

books-image

この記事を書いている人

松下 誠
投資家を育てる専門家。これまで累計3万人に本物の投資を教育してきた。
セミナー講師として登壇した回数は過去200回以上。参加者は「とてもわかりやすい」「今まで誰も教えてくれなかった理論を教えてくれる」「甘い自分を律してくれる」とセミナーは毎回好評を評している。

まこと投資スクール株式会社
暴落・暴騰のカラクリ   まこと投資スクール株式会社
長く相場を経験していれば、暴落や暴騰などに何度も遭遇します。そのような大きな値動きがあった際に、値動きの背景やその後に取りうる投資戦略について分析・解説を行います。
本情報の正確性には万全を期しておりますが、情報は変更になる場合があります。 また、第三者による人為的改ざん、機器の誤作動などの理由により本情報に誤りが生じる可能性があります。本情報は、情報の提供のみを目的としており、金融商品の販売又は勧誘を目的としたものではありません。投資にあたっての最終決定は利用者ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本情報に基づいて行われる判断について、アイフィス・インベストメント・マネジメント株式会社は一切の責任を負いません。 なお、本情報の著作権は、アイフィス・インベストメント・マネジメント株式会社に帰属します。本情報の転用、複製、販売等の一切を固く禁じております。

コラム&レポート Pick Up