メキシコの18年10-12月期GDP速報~為替相場の展望

2019/01/31
  1. 実質GDPは前年同期比+1.8%でした。企業活動が慎重化した一方、個人消費は底堅い情勢です。
  2. 物価安定優先の金融政策の下、景気はやや減速する方向で、インフレは安定に向かうと予想されます。
  3. 景気減速で通貨ペソの上昇余地は限定的ですが、米国の利上げ打ち止めは追い風と考えます

消費マインド好調

1月30日、INEGI(メキシコ国立統計地理情報院)が発表した18年10-12月期の実質GDP(速報)は、前年同期比+1.8%でした。前期比は+0.3%でした。GDPの内訳は未公表ですが、足元の景況感は、企業は製造業PMIが2ヵ月連続で50を割り込むなど慎重になっている一方、家計は消費者信頼感指数が12年ぶりの高水準となっており、個人消費の活発さがうかがわれます。

メキシコでは、インフレ率が金融当局の目標(+3±1%)を上回っており、金融政策はインフレ抑制優先の引き締めスタンスです。米利上げに追随したという面もあります。今後の景気減速要因であり、19年、20年は+1%台の実質GDP成長率を予想しています。ただし、米利上げ打ち止めが近く、インフレ率は安定方向にあるため、年後半には利下げ余地も出てくると見込まれます。

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年後半には利下げ観測も

ペソ相場は、米国政治動向や国内での政治不安で何度か大きな下落がありました。しかし、最近数年の動きは、大きな上昇、下落のトレンドにはならず、5円台後半を中心に上下してきました。

景気減速傾向にあることから、ペソ相場は当面上昇余地は限られそうです。一方、米国の利上げ打ち止めが近付いており、ペソは割安感が台頭していると考えます。また、年後半にはインフレ安定化が見込まれます。CPI総合でインフレ目標の上限(+4%)を下回ってくれば、金利低下を見越した投資資金の流入で対円でも上昇することが期待されます。

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