アムンディ・ヨーロッパ通信~欧州諸国の付加価値税制の特徴

2018/09/28

実効税率は標準税率の60%強

欧州諸国の付加価値税(VAT)は税率が高いという印象があります。事実、多くの国の標準税率は20%以上です(2017年のユーロ圏平均は20.5%)。ただし、中・低所得の家計の負担を和らげるため、食費、医療費、書籍、交通費などに軽減税率が設けられ、ゼロも含めて3~5段階に分かれています。したがって、実効税率(実際の消費に対して負担するVATの比率)は、2017年は12.7%と、標準税率の約62%にとどまっています。

歳入に占める割合は安定

ユーロ圏発足後、標準税率の平均は18.3%から20.5%へ2.2%上昇しました。一方、実効税率の平均は11.9%から12.7%へ0.8%の上昇にとどまり、この間、総歳入に占めるVATの割合はほぼ14%台で安定していました。負担増を避けて軽減税率を充実させてきたことがうかがわれます。ちなみに、日本の消費税収は、2019年10月に例外なく税率が10%になると、一般会計歳入総額に占める割合が20%程度に達すると見込まれ(2017年度実績見込みは約17%と、すでにユーロ圏より高い)、家計負担の軽減を図る必要性が高いと思われます。

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