インドネシア経済の現状と市場展望~18年1-3月期GDPより

2018/05/08
  1. 実質GDP成長率は前年同期比+5.1%でした。やや減速ながら、内需主導で景気は依然好調です。
  2. 安定成長の下で投資活動が活発化し、当面は+5%台の成長ペースが維持されると予想されています。
  3. 利上げ懸念で市場が混乱していますが、景気見通しは依然良好で、市場心理の安定化が待たれます

内需主導の安定した成長は変わらず

7日、インドネシア中央統計局が発表した18年1-3月期の実質GDPは、前年同期比+5.1%でした。前期と比べて若干減速しましたが、+5%台は5期連続で、安定した成長が続いています。

主な需要項目の動きを見ると、最終消費が前年同期比+4.8%、固定資本投資が同+7.9%で、最終消費は前期と同水準、固定資本投資は加速しました。内需主導の成長は変わっていません。一方、外需(純輸出、輸出-輸入)の実質GDP成長率に対する寄与度は-1.1%で、前期の-0.6%からマイナス幅が拡大しました。輸入の伸びが高かったためで、堅調な内需の裏返しと見られます。現時点で、18、19年の実質GDP成長率は、投資活動の活発化から+5%台前半が予想されています

※IMF(国際通貨基金)(図中)、インドネシア銀行(中銀)の予想

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不安心理主導の株価、通貨下落

安定した成長を続けているにも関わらず、インドネシア資本市場は波乱状態にあります。2月中旬から、米金融政策の引き締め強化懸念をきっかけとした世界的な資本市場の混乱に伴い、株価、通貨双方が下落、さらに4月下旬以降も下落がきつくなっています。

米金融政策の引き締め強化懸念は後退したものの、米中貿易摩擦の激化で、中国との経済関係が強いASEAN(東南アジア諸国連合)諸国中心に株価が軟調です。インドネシアは通貨の下落も大きく、通貨防衛のための利上げ観測が台頭し、銀行、資本財、コングロマリットなど、資金調達コストの大きい業種で株価下落が目立ちました。しかし、景気、企業業績に対する良好な見通しは今のところ変わっていないほか、貿易摩擦の影響も限定的との見方が世界的にはコンセンサスになりつつあるので、ここは市場心理の落ち着きが待たれるところです。

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