インド、金融政策は様子見~為替、株価への影響は?

2017/10/05
  1. 政策金利は6.0%で据え置き。インフレ率が戻り歩調で、食品価格見極めるため様子見としました。
  2. 17年度の成長率見通しを下方修正しました。政策姿勢は中立ながら、緩和の可能性も残ります。
  3. 財政懸念から通貨ルピーは下落したものの、影響は小さそうです。株価は業績上積みが期待されます

景気とインフレのねじれで判断難しい局面

RBI(インド準備銀行)は3-4日、MPC(金融政策委員会)を開き、政策金利であるレポレートを6.0%に据え置きました。

景気は足元やや持ち直し、製造業PMIも8、9月と景気の良し悪しの境目である50を回復したものの、7-9月期も低めの成長が予想され、緩和余地が残ります。一方、8月CPIが前年同月比+3.36%と、直近の底(6月:+1.46%)から大きく上伸し、今回の政策金利据え置きの有力な理由となりました。RBIは、季節風による雨量が地域でバラつき、農産品の不作による価格上昇の可能性があることから、当面は食品価格の見極めが必要としています。インドのCPIは食料のウエイトが45.86%と最大で、食品価格の動向も考慮に入れて政策判断を下すことが一般的です。

また、17年度(年度は日本と同じ)実質GDP成長率の見通しを前回8月の会合時点の+7.3%から+6.7%へ下方修正しました。構造改革の一環で7月に導入されたGST(財・サービス税)は順調に機能していますが、制度の定着をにらみ、企業が活動を手控えていると見られ、回復は年度後半以降との見方が優勢です。したがって、物価動向次第では追加緩和の可能性も残ります。

201710054

好業績が株価下支え

ルピーは、インド政府による景気対策観測で財政赤字拡大懸念が強まり、対ドルで下落しました。しかし、実際には政府の資金調達額が計画の範囲内に収まり、懸念が後退し、足元は落ち着いています。

株価もルピー下落につられましたが、企業業績は引き続き上方修正方向にあり、足元では為替相場が落ち着いてきていることから、早晩、堅調さを取り戻すと期待されます。

201710055

アムンディ・マーケットレポートはこちら

http://www.amundi.co.jp/report/list.html

アムンディ・ジャパン株式会社
アムンディ マーケット・レポート   アムンディ・ジャパン株式会社
グローバル経済、金融政策、マーケットなどの動向、展望を、投資家の皆様に向けてタイムリーに分かりやすく解説します。本体であるアムンディ・パリからの経済、市場等の見通しも随時ご紹介します。
当資料は、アムンディ・ジャパン株式会社(以下、弊社)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたものではありません。当資料は法令に基づく開示資料ではありません。当資料の作成にあたり、弊社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に記載した弊社の見通し、予測、予想意見等(以下、見通し等)は、当資料作成日現在のものであり、今後予告なしに変更されることがあります。また当資料に記載した弊社の見通し等は将来の景気や株価等の動きを保証するものではありません。

アムンディ・ジャパン株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第350号
加入協会:一般社団法人 投資信託協会/一般社団法人 日本投資顧問業協会/日本証券業協会/一般社団法人 第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ