メキシコ、1年ぶりの据え置き~今後のペソ相場は?

2017/08/15
  1. 政策金利は7.00%で据え置きとなり、1512月から累計10回、4.00%の利上げは休止されました。
  2. CPIは87ヵ月ぶりの高水準ですが、物価高騰は一時的で来年末には+3%に収束する見込みです。
  3. NAFTA再交渉が注目されますが、相対的な好景気や高金利で通貨ペソは堅調に推移するでしょう。

利上げ休止

メキシコ銀行(以下、中銀)は、10日の金融政策会合で、政策金利である翌日物金利を7.00%で据え置くことを決定しました。15年12月から始まった計10回、累積4.00%に及ぶ利上げは終止符が打たれ、来年以降の利下げも視野に入り始めました。

果物・野菜の高騰(前年同月比+21.86%)を受け、7月CPIは同+6.44%と市場予想を上回り、08年12月以来、8年7ヵ月ぶりの高水準となりました。中銀は、トマトを除くと同+6.17%になるなど今回の物価上昇は一時的な影響によるものとし、物価上昇圧力の減退に変更はないとしています。これまでの利上げによるペソの回復もあいまって、18年末には目標中央値の+3%に収束するとの見通しを再度示しました。

また、相次ぐ弱い経済指標から米国の年内追加利上げ観測が後退し、メキシコの追随利上げの可能性も薄れており、インフレ率押し上げのベース効果が剥落する来年以降には、利下げに転ずるとの見方も出始めてきました。

 

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対米通商関係の改善を期待

昨年以降、ペソの重しとなっていた米国通商関係も、メキシコ製品に35%の関税をかけるというトランプ米大統領の主張が取り下げられるなど、対メキシコ姿勢は軟化傾向にあり、16日からワシントンで執り行われる、NAFTA(北米自由貿易協定)再交渉に注目が集まっています。

再交渉の結果次第や、来年のメキシコ大統領選をめぐる情勢で、これまで堅調だったペソは神経質な展開を余儀なくされる恐れもあります。しかし、相対的な好景気や高金利を選好する投資資金流入に下支えされ、ペソは堅調に推移すると見込まれます。

 

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