英中銀は引き続き政策据え置き~ポンド相場の展望

2017/02/03
  1. 英中銀は政策金利を0.25%で据え置き、量的金融緩和も現行の購入枠を継続しました。
  2. ポンド安が景気、物価を押し上げていますが、英中銀は中長期的な見方を大きく変えていません。
  3. EU離脱交渉の行方が不透明でポンドの戻りを抑える一方、景気の上振れが下支えしそうです。

通貨安による物価押し上げ

1-2日に開かれたMPC(金融政策委員会)で、英中銀(BOE、イングランド銀行)は、政策金利を0.25%、APP(資産購入プログラム)に基づく国債と社債の購入枠を、いずれも据え置きとしました。

足元でインフレ率が上昇しています。12月CPI(消費者物価指数)は前年同月比+1.6%と、目標の+2%に近付いています。これに対し英中銀は、当面は金融緩和の効果を見極めるとしています。昨年6月のEU(欧州連合)離脱決定後の英ポンド(以下、ポンド)安と8月に実施した金融緩和強化がインフレ率上昇の要因と見られますが、特に前者に対する先行き不透明感が根強く、利上げは時期尚早との見方です。

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政治リスク根強く、ポンドはこう着感強まる方向

同日発表された季刊のインフレーション・レポートによると、前回レポート(16年11月)に対して、実質GDP成長率は17年を中心に上方修正、CPIは足元上方修正ながら先行きは下方修正としました。また、政策金利は19年にも利上げとの見通しです。ここまでのポンド安の景気、インフレ押し上げ効果は中長期的には収れんと予想されています。

英中銀の今回の見通し修正は、いずれもポンドにとってはプラスです。しかし、EU離脱問題以外にもスコットランド独立の動きもくすぶり、政治リスクがポンドの上昇を抑えると思われます。したがって、ポンドは経済面でのプラス効果と政治面でのマイナス効果に挟まれ、当面は動きが乏しくなってくるのではないかと思われます。

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