インドネシアの金融政策と今後の市場展望

2016/11/22
  1. BIレート(7日レポ金利)は4.75%、3カ月ぶり据え置きとなりました。市場の予想どおりです。
  2. トランプ次期大統領の当選を受けた、金融市場の不透明感の高まりに対応するための措置です。
  3. 米国の政策次第では、インドネシアも恩恵を受け、ルピアが反発する余地も出てくると思われます。

米大統領選挙後の混乱に対応

11月16-17日、BI(インドネシア銀行)が定例理事会を開き、政策金利の新BIレート(7日レポ金利)を4.75%で据え置くことを決定し、市場予想通りの結果となりました。

重要な貿易相手国である米国において、予想外のトランプ次期米大統領が誕生したことを受け、米国金利は上昇、これまで高金利・高成長で人気のあったインドネシアからの資金流出が起こっています。選挙後に、海外投資家は19兆ルピア(約5億2000万ドル)相当のインドネシア株式、債券を売却し、同時に通貨ルピア(以下、ルピア)も急落、11日には一時1ドル=13500ルピア越えとなり、対ドルで5ヵ月ぶりの安値を付けました。市場の混乱を受け、中銀はルピア下支えのため為替介入を行いましたが、神経質な展開が続いています。

今回の据え置きについて中銀は声明で、米大統領選挙後の世界経済不透明感の拡大や、米国利上げ観測の高まり等を受けたものとする一方、資源価格持ち直しによる経常赤字の縮小や、目標下限で推移するインフレをあげるなど、インドネシア経済の安定性を強調しています。

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米国の貿易政策次第

トランプ次期米大統領が掲げる保護主義的な貿易政策や反ムスリム志向が、インドネシア経済に大きな影響を及ぼす懸念も台頭しています。一方で、石炭などの化石燃料の促進を掲げる同氏のエネルギー政策によって、石炭輸出国のインドネシアが恩恵を受けるのではという見方も出始めました。

時間は要するものの米国政策の方向性が見いだされ、市場が落ち着きを取り戻せば、相対的に高金利・高成長のインドネシアに資金が流入し、ルピアが反発する余地も出てくると思われます。

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