ユーロ圏の物価情勢(4月)、雇用(3月)

2016/05/02
  1. 4月のHICP総合は前年同月比-0.2%でした。サービス品目の一部の上昇率鈍化が要因です。
  2. 失業率は10.2%と約4年半ぶりの低水準です。失業者数が大幅減少し、環境改善を裏付けています。
  3. 雇用増加の継続で、17年にもインフレ率が目標に達する展望を描けるようになると予想されます。

一部動きの大きい品目に振らされた可能性

4月29日にEurostat(EU統計局)が発表した4月のHICP(速報)は、総合が前年同月比-0.2%、コア指数は同+0.8%でした。原油安の影響は徐々に薄らいでいますが、ユーロ高が進行したことで、振れの大きい一部のサービス品目が鈍化したことが影響と見られます。

内訳指数であるサービス指数は前年同月比+1.0%と、3月の+1.4%から鈍化、財指数は同じく+0.5%で変わりませんでした。財指数も、これまでの原油安の影響が出やすい非耐久財(化学製品など)が鈍化しており、国際商品市況下落の余波はまだ残りそうです。しかし、その影響も今後徐々に剥落し、インフレ率が上昇していく方向は変わらないと思われます。

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着実な雇用環境改善は変わらず

同日発表された3月の失業率は10.2%でした。11年8月以来4年7カ月ぶりの低水準です。失業者数も前月比-22.6万人でした。減少幅が大きかったのはフランス(-6.7万人)、イタリア(-6.3万人)、スペイン(-4.2万人)と、今回は失業者減少が遅れている国の減少も目立ち、環境改善の裾野の広がりが感じられます。

これまでの失業率の低下度合いから、長くても年内には10%を割り込んでくる可能性が高く、インフレ率も上昇しやすくなると思われます。ちなみに、以前に10%前後であった09年では、CPI前年同月比は年平均で+0.3%でした。この例から、年内にインフレ率が+1%を上回ってくる可能性は小さいと思われます。しかし、その後も失業率低下は続くと見込まれ、17年にも目標(+2%弱)に近付いていくと予想されます。

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