1月の雇用統計について(米国)

2016/02/09
  1. 非農業部門雇用者数は前月比+15.1万人と減速した一方、失業率は同-0.1ポイントの4.9%でした。
  2. 民間企業時間当たり平均賃金は前年同月比+2.5%でした。徐々にプラス幅が拡大しています。
  3. 強い数値と弱い数値が混在しており、再利上げ時期をめぐって市場の気迷いが続きそうです。

人材派遣の動向に要注意

2月5日、米労働省が1月の雇用統計を発表しました。非農業部門雇用者数は前月比+15.1万人と、4カ月ぶりに20万人を割り込みました。製造業が同+2.9万人と堅調でしたが、サービス業が同+11.8万人と12月の同+19.7万人から減速しました。小売が同+5.8万人と堅調でしたが、運輸・倉庫、人材派遣、教育サービスがマイナスに転じました。中でも人材派遣は雇用全体の動きに半年ほど先行する傾向があり、今後の動きに要注意です。

一方、失業率は前月比-0.1ポイントの4.9%と、08年2月以来の5%割れとなりました。失業者数が779.1万人と08年4月以来の低水準となったほか、就業者数は前月比+61.5万人で初めて1億5000万人の大台に乗せました(統計ベースが異なり、前月比は非農業部門雇用者数と異なることが多い、中長期的な両者の相関度は非常に高い)。

201602083

+2%台後半に入りつつある賃金、今後物価に反映か

「雇用のたるみ」の解消度合いを示す「広義の失業率」-失業率は5.0%と、前月比+0.1%でした。おおむね、物価上昇を促す水準と見られます。また、民間企業の時間当たり平均賃金は前年同月比+2.5%でした。+2%台後半に入ってきており、今後物価に反映されていくと見込まれます。今回の雇用統計は弱い数値と強い数値が混在しており、再利上げ時期については引き続き見方が分かれそうです。アムンディでは、年内は1回の利上げにとどまると見込んでいます。

201602084

201602085

☆雇用のたるみ:FRB(米連邦準備制度理事会)が利上げを判断する際に重視している概念。たるみは英語では”slack”。長期失業者数やパートタイム労働者の割合、失業期間などが、少なくとも前回の景気後退期(07年12月~09年6月)以前に戻る展望が描ける状態になることが、たるみ解消と見られている

アムンディ・マーケットレポートはこちら

http://www.amundi.co.jp/report/list.html

アムンディ・ジャパン株式会社
アムンディ マーケット・レポート   アムンディ・ジャパン株式会社
グローバル経済、金融政策、マーケットなどの動向、展望を、投資家の皆様に向けてタイムリーに分かりやすく解説します。本体であるアムンディ・パリからの経済、市場等の見通しも随時ご紹介します。
当資料は、アムンディ・ジャパン株式会社(以下、弊社)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたものではありません。当資料は法令に基づく開示資料ではありません。当資料の作成にあたり、弊社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に記載した弊社の見通し、予測、予想意見等(以下、見通し等)は、当資料作成日現在のものであり、今後予告なしに変更されることがあります。また当資料に記載した弊社の見通し等は将来の景気や株価等の動きを保証するものではありません。

アムンディ・ジャパン株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第350号
加入協会:一般社団法人 投資信託協会/一般社団法人 日本投資顧問業協会/日本証券業協会/一般社団法人 第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ