米企業の景況感(11月)~今後の景気・市場展望

2020/12/04
  1. ISM-PMIは製造業、サービス業共に伸び悩みましたが、安定成長に移行する過程と捉えられます。
  2. コロナ禍でのサービス業の業容拡大に限界はありますが、年率+3%程度の回復ペースが示唆されます。
  3. 新型コロナワクチンの効果が波乱要因も、経済正常化を前提とした市場の流れは変わらないと考えます。

年率+3%程度の成長ペース維持

SM(全米供給管理協会)が11月のPMIを発表しました。製造業は前月比-1.8の57.5、サービス業は同-0.7の55.9でした。コロナ禍による景気後退からリバウンした後の成長ペースを見るうえで重要な局面です。指数自体は伸び悩みましたが、水準は55を上回り、順調な景気回復が続いていることを示唆しています。現在の水準に応じた経済成長率は、実質でおおむね+3%程度と見られ、リバウンド後に安定成長へ移行する過程です。

注:非製造業景気指数(NMI)は、7月以降サービス業PMIに名称変更

構成指数を見ると、生産指数(サービス業は活動指数)と新規受注指数が双方低下しました。企業活動の回復ペースが低下してきたことが示唆されます。また、納品指数の上昇は、商品、サービスの需給状況の改善を示唆しています。雇用指数は明暗が分かれましたが、製造業は雇用者数の約8%に過ぎず、雇用の回復は進んでいると見られます。

 

市場は基本的に景気拡大モード

米国市場は、今後も景気回復が持続するとの見方を背景とした展開となっています。NYダウが初めて3万ドルの大台に乗せるなど、足元の業績の好調さもあいまって、株価は堅調に推移しています。また、長期金利はコロナショック後、しばらく低位で推移していましたが、秋口以降徐々に水準が切り上がり、10年国債利回りは一時1%近くまで上昇しました。

先行きにはまだリスクが残っています。新型コロナワクチンの実用化が近付いたとされていますが、その効果についてはまだ分からない部分が多いのも事実です。状況によっては短期的な波乱の展開(株安、金利低下、ドル安)にも留意する必要があると考えます。しかし、いずれにしても、市場は経済が正常化に向かうことを前提とした流れになっており、3月にあったような急落に見舞われるリスクは小さいと考えます。

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