アムンディ・ヨーロッパ通信~EU・英、遅れる通商協定交渉に新たな難題

2020/10/02

 

英・国内市場法案の問題箇所

EU(欧州連合)と英国との通商協定交渉は、英国のEU離脱移行期限(年末)までの合意が危ぶまれているのが現状です。そこに新たな難題が持ち上がりました。英国はEU離脱後の国内市場の円滑な運営を目指して国内市場法案を9月9日から審議開始し、9月29日に下院を通過しました。ところが、この法案の中に、北アイルランドに係る通関手続きなどに対し、英政府の判断でEUとの取り決めを省いてもよいという条文があったのです。これに対しEUが、当該条文を9月末までに撤回することを要求していましたが、結局、満足な撤回、修正もないままとなり、FTA(自由貿易協定)の締結が極めて不透明な情勢になりました。

英国の損失が大きいのは明らか

国内市場法案は北アイルランドの国内市場への自由なアクセスを担保することが目的とされています。しかし、EUとのFTA締結が、これが原因で大幅に遅れると、英国にとって損失が大きいのは明らかです。貿易額は、EUの対英シェアが12.6%、英国の対EUシェアが50.2%(2019年)です。こうした中での「瀬戸際外交」的なEUとの対し方がどのような結果をもたらすのか、市場は新たな不透明要素を抱えました。

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