中国経済の動向(2020年1-3月期GDP)~市場の行方は?

2020/04/20
  1. 実質GDPは前年同期比-6.8%でした。新型コロナウイルス対策の経済活動抑制で大幅マイナスです。
  2. IMFは2020年の実質GDP成長率を+1%台としていますが、見通しは極めて不透明としています。
  3. 株価、通貨の下落はそれほど大きくなく、一部経済活動の再開もあり、下落リスクは限定的と考えます。

見通しは極めて不透明

17日、中国国家統計局が発表した2020年1-3月期の実質GDPは前年同期比-6.8%、前期比-9.8%でした。新型コロナウイルス対策として、全国で40以上の都市が経済活動の抑制を実施したことから、消費、投資、貿易全般が大幅に減少しました。主な経済指標から1-3月期の前年同月比を見ると、小売売上高は-19.0%、固定資本投資は-16.1%です。貿易では輸出が-13.3%、輸入が-2.9%、貿易黒字は-81.9%となっています。国内民間最終需要と外需からは10%を超えるマイナスと計算されますが、在庫投資や政府支出の増加が一部をカバーしたと見られます。

4-6月期は経済活動が再開され始めたこともあり、前期比ではプラス成長になる公算が大きいと見込まれます。IMF(国際通貨基金)の見通しによると、2020年の実質GDP成長率は+1.2%です。年後半にも新型コロナウイルスの感染拡大が収束することを前提としていますが、「極めて不透明」としており、状況次第で大きな見通しの変更も有り得るとしています。アムンディが今月初めにリリースした見通しは+2.8%ですが、こちらも今後上下双方に大きく修正する可能性があります。

各種対策で株価、通貨の下落リスクは縮小

中国の株式、為替市場では、先進国ほどの大きな混乱は見られません。代表的株価指数である上海総合指数は、昨年末から最大で12.8%の下落、中国元も対ドルで同じく1.6%の下落にとどまっています。混乱の拡大を防ぐべく、当局が市場管理を強めたことも推察されます。

経済活動の一部再開に加え、利下げ、預金準備率引き下げ、地方債の追加発行容認など、景気下支えの施策が打たれており、ここからの大きな下落リスクは小さくなっていると見られますが、管理色が濃い分、上昇余地も限られると考えます。

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