日銀短観3月調査について

2020/04/01
  1. 業況判断DIは悪化が加速し、先行きは経済活動制限の影響でさらに大幅な悪化が見込まれています。
  2. 昨年度は収益が景気後退パターンになり、今年度は設備投資と共に厳しさが増すと予想されています。
  3. 年前半までは景気後退が避けられず、その後は制限解除に応じて景気対策効果の発現が見込まれます。

中小企業に大きなしわ寄せ

本日、日銀が短観(全国企業短期経済観測調査)を発表しました。大企業製造業の業況判断DI(最近)は、前回調査(12月)比8低下の-8でした。ウイルス禍による経済活動の制限もあり、前回調査のDI(先行き)の0を下回りました。また、規模が小さいほど経済活動制限の影響が大きく、製造業よりも非製造業の悪化が目立ちました。先行きは、さらに大幅な悪化が中小中心に見込まれています。

今回調査では、業種で明暗が大きく分かれました。大企業で見ると、最も悪化したのは宿泊・飲食サービスで前回調査の先行き+11に対して今回調査の最近が-59と急落、対個人サービスも同じく+23に対して-6でした。一方、物品賃貸が同+13に対して+29、情報サービスが同+33に対して+45でした。人の移動が制限される中、いわゆる「巣ごもり」関連業種の業況が良くなった形です。なお、先行きは、大企業中心に業況回復を見込む業種も見られましたが、経済活動の制限が解除される時期にもより、流動的です。

収益環境はさらに厳しくならざるを得ないが・・・

収益・設備投資計画では、2020年度の経常利益、設備投資の計画が発表されました。全産業全規模では、経常利益が前年度比-2.5%、設備投資が同-0.1%でした。いずれも例年に近い始まりですが、2020年度は、経済活動が制限されている影響で環境悪化が避けられず、双方とも景気後退パターン(下方修正方向)となる可能性が現状は高いと見込まれます。

国内の景気は年前半は後退が避けられない情勢です。今後の景気持ち直しは、経済活動の制限の解除がいつなされるかにより、現時点では予測が困難と言わざるを得ません。しかし、名目GDP比で10%を超える景気対策が打たれようとしており、制限が解除されて経済活動が正常化した後は、その効果が顕在化し、景気が早期に回復に向かうことで企業の業況も改善に転じると期待されます。

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