BOEが再度金融緩和強化

2020/03/23
  1. BOEは臨時金融政策委員会で政策金利を0.15%引き下げて0.1%とし、量的金融緩和を拡大しました。
  2. 世界で経済活動が制限される中、企業金融に対する不安が強まっており、大量の資金供給で支えます。
  3. 基軸通貨であるドルに資金需要が集中し、ドル独歩高で英ポンドは安値での推移を余儀なくされそうです。

経済活動の停滞に矢継ぎ早な対応

BOE(イングランド銀行、英国中央銀行)は19日、臨時の金融政策委員会(MPC)を開き、政策金利を0.15%引き下げ、0.1%としました。また、現在4450億英ポンド(以下、ポンド)(国債4350億ポンド、社債100億ポンド)の規模を維持している量的金融緩和(APP:資産購入プログラム)を2000億ポンド拡大し、6450億ポンドとしました。

新型コロナウイルスによる感染症拡大を阻止するため、世界の多くの国が、国内外での人の移動を制限しています。このため、世界的に経済が大きなダメージを受けるリスクが高まっています。すでに先進国でも矢継ぎ早に大規模な金融、財政政策を表明していますが、意図的に経済活動を止めている状況の下で、企業金融(資金繰りなど)に対する不安が強まっており、大量の資金供給でそれを下支えします。ちなみに、現在のBOEの総資産は約5500億ポンドであり、APPの2000億ポンド上乗せで、総資産は約36%拡大する計算となります。

経済正常化への道筋が読めない中で

世界的に経済活動が制限される中で、基軸通貨であるドルに対して需要が集中し、米ドルが急激な独歩高になっています。このため、ポンド相場も3月中旬以降、それまでの底堅い動きから一転して急落しました。対円でも下落しています。2月下旬から3月上旬にかけての円高傾向、それ以降の円安・ドル高への転換も、ポンドの対ドル下落が大きかったことが影響しました。

大規模な金融緩和は、経済活動が正常化しさえすればその成果を発揮し、景気を持ち上げることが期待されます。また、極端なドルへの需要集中も急速に是正される公算が大きいと考えます。しかし、現時点ではこの規模で十分なのか、いつまで続ける必要があるか、いずれも不透明であり、ポンド相場は、当面は特にドルに対して安値圏で推移することを余儀なくされそうです。

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