豪州の金融政策(2019年12月)~豪ドル相場の先行き

2019/12/03
  1. 政策金利は0.75%で据え置きでした。情勢に大きな変化なく、来年へ利下げ余地を温存した形です。
  2. 企業、消費者共に景況感が弱く、雇用環境も足踏みしており、インフレ期待が盛り上がりにくい状況です。
  3. 景気先行き不安減退の世界的な裾野が広がってくると、豪ドルにも上昇余地が出てくると考えます。

次回会合で追加利下げも

本日、オーストラリア(豪州)準備銀行(以下、RBA)が定例理事会を開き、政策金利であるキャッシュレートを0.75%に据え置きました。2ヵ月連続の据え置きです。情勢に大きな変化がない中、利下げ余地を来年に先送りし、様子見としました。

豪州の景気は、失速のリスクこそ小さいと見られますが、もたついた状況が続いています。製造業PMIや、消費者信頼感指数などの景況感指標は弱い状況にあります。また、雇用環境の改善が足踏みしており、現在、失業率は5%台前半で下げ渋っています。賃金コストは前年比+2%台で底堅く推移していますが、これらの経済指標に照らす限り、ここからさらに加速し、インフレ期待が盛り上がることは期待しにくい状況です。RBAは状況次第では追加緩和を辞さない姿勢であり、年明け後(次回会合は2020年2月4日)に利下げを実施することも十分に考えられます。

先行き不安後退の裾野の広がりを待つ

豪ドル相場は、対米ドルではもみ合い、対円ではやや強い動きとなっています。米国景気の先行き不安が和らぎ、米ドル高が進行したことでこのような動きになっています。

これまでの利下げの景気刺激効果は、年明け後にも徐々に出てくることが期待されます。豪ドルは足元底堅い推移ですが、追加利下げ観測が残る間は上昇余地が限られそうです。一方、世界的にも金融緩和が進められる中で、グローバルな面でも景気先行き不安が和らいできています。現時点では米国先行で不安が和らぎ、それが米ドル高につながっていますが、次第に不安減退の裾野が広がり、リスク選好が改善すると豪ドルは上昇余地が出てくると考えます。

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