トルコの金融政策(6月)~政策スタンスとリラ相場の展望

2019/06/13
  1. 政策金利は24%で据え置きでした。インフレ率は緩やかな低下も、当面様子見が続くと見込まれます。
  2. 景気は1-3月期に底打ちしたものの、当分は高金利の需要抑制効果で回復には時間が要しそうです。
  3. 高金利政策が経済の安定化に寄与しており、政治リスクが収まれば、通貨リラは持ち直すと思われます

景気底打ちも中銀は慎重

トルコ中央銀行(以下、中銀)は12日の金融政策委員会で、政策金利(1週間物レポ金利)を24%に据え置きました。昨年9月13日の大幅利上げ以来、6会合連続の据え置きです。この間インフレ率は徐々に鎮静化し、5月のCPIは総合が前年同月比+18.71%、コアは同+15.87%となっています。もっとも、中銀のインフレ目標+5%を大幅に上回る状況は変わりないため、インフレ抑制を最優先する姿勢が続けられています。

トルコは、2019年1-3月期の実質GDPが前期比+1.3%と4期ぶりにプラスに転じ、景気が底打ちしました。しかし、高金利の需要抑制効果が今後も続き、失業率が上昇、企業の景況感も製造業PMIが景況感の強弱の境目である50を13ヵ月連続で割り込んでいます。本格的な景気回復にはまだ時間を要すると考えます。また、中銀のサーベイでは、2019年末のCPIは前年同月比+16.7%と緩やかな上昇鈍化が予想されています。しかし、2ヵ月連続で上方修正されており、年内に利下げに転じる可能性は低くなったと考えられます。

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政治リスク減退でリラは目先底堅い支えにも

リラ相場は、金融政策が効果を発揮し、経済面では追い風にも関わらず、これまで下落基調でした。内政の混乱、対米関係の悪化など、政治リスクが大きいことが要因でした。

対米関係については現在改善しています。また、国内では6月23日にイスタンブール市長のやり直し選挙が控え不透明要素ですが、今のところ材料視されておらず、リラ相場は、目先底堅いと見込まれます。

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