5月の米国雇用統計~年後半の米景気と市場への影響は?

2019/06/10
  1. 5NFPは前月比+7.5万人でした。今年2度目の10万人割れで、内需減速の影響が出ています。
  2. 賃金の伸びは前年同月比+3.1%台と堅調ながら今年最低となり、総賃金の伸びの低下も続いています。
  3. 景気重視の金融政策スタンスが予想され、雇用下振れは深刻化せず、年後半は持ち直すと予想します

雇用下振れはここまでか

7日、米労働省が発表した5月の雇用統計(速報)は、非農業部門雇用者数(NFP)は前月比+7.5万人でした。3ヵ月ぶりで今年2度目の+10万人割れとなりました。1-3月期実質GDP成長率が前期比年率+3.1%と堅調も、内需の減速が鮮明化し、雇用に影響し始めていると見られます。建設業、経営管理サービス、ヘルスケアサービス、地方政府職員などで雇用増加ペースの鈍化が目立ちました。

また、民間企業時間当たり平均賃金は前年同月比+3.1%でした。依然+3%台と堅調ですが、伸び率としては今年最低でした。また、就業者数と労働時間を加味した総賃金は同+3.6%と、2017年10月以来の低水準でした。雇用増加ペースの鈍化が影響し、1-3月期に個人消費が減速した一因になったと見られます。

金融当局が緩和的な政策スタンスとなっており、状況によっては利下げの可能性も以前よりは高まっています。したがって、景気が失速し雇用が継続的に減少に向かう可能性は小さく、むしろ、年後半以降は幾分持ち直した後、安定した雇用増加ペースを確保すると考えています。

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政策による景気下支えが、ドル・円、株価の下支えにも

ドル・円相場、米株式相場は、米中貿易摩擦の再燃で、景気に対する先行き不透明感から、5月以降軟調です。当面は、ドル・円、株価共に政治リスクに神経質で、不安定な推移が続きそうです。しかし、緩和的な金融政策スタンスが景気を下支えし、年末に向けて株価は持ち直すと予想されます。ドル・円は明確な金利差拡大がなければ、ドル高にはなりにくいものの、少なくとも下げ止まり、105~110円のレンジで推移すると考えます。

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