アムンディ・ヨーロッパ通信~スペイン政局-予算否決と総選挙の展望

2019/02/15

地域政党への工作実らず

13日、スペイン下院は、政府が提示した19年の予算案を否決しました。18年6月にラホイ国民党政権の不信任で、第二党・社会労働党のサンチェス氏が首相となり政権を握りましたが、同党は下院350議席のうち84議席しかない少数与党で、左派政党ポデモスのほか、地域政党の協力が不可欠でした。しかし、カタルーニャ州地域政党が独立問題での政権の姿勢を不服として反対に回りました。予算が不成立となったことで、解散・総選挙の可能性が一気に高まっています。

右派・親EU政権へ?

本日15日にも、サンチェス首相が総選挙の実施を表明すると見られます(4月が濃厚)。新たな勢力図は右派色が濃くなると見込まれます。中道右派で最大野党の国民党は、16年の前回総選挙の時より支持率を下げており、現在現在の134議席を減らす可能性が高いものの、シウダダノス(カタルーニャ州地域政党ながら独立に否定的)に加え、最近、急速に支持率を伸ばした右派政党のVOX※が新たに議席を獲得し、国民党と合わせ過半数(176議席)を占め、政権交代する可能性があります。ただし、親EU色は今よりも強まり、EU体制が動揺するリスクは小さいと見込まれます。

※元国民党員が中心。「スペイン・ファースト」で、EUに対してはやや懐疑的な姿勢。反イスラム。

201902151

アムンディ・マーケットレポートはこちら

http://www.amundi.co.jp/report/list.html

 

アムンディ・ジャパン株式会社
アムンディ マーケット・レポート   アムンディ・ジャパン株式会社
グローバル経済、金融政策、マーケットなどの動向、展望を、投資家の皆様に向けてタイムリーに分かりやすく解説します。本体であるアムンディ・パリからの経済、市場等の見通しも随時ご紹介します。
当資料は、アムンディ・ジャパン株式会社(以下、弊社)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたものではありません。当資料は法令に基づく開示資料ではありません。当資料の作成にあたり、弊社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に記載した弊社の見通し、予測、予想意見等(以下、見通し等)は、当資料作成日現在のものであり、今後予告なしに変更されることがあります。また当資料に記載した弊社の見通し等は将来の景気や株価等の動きを保証するものではありません。

アムンディ・ジャパン株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第350号
加入協会:一般社団法人 投資信託協会/一般社団法人 日本投資顧問業協会/日本証券業協会/一般社団法人 第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ