星光PMC<4963>3Qまで減益だが、足元の原料安が来期はプラス要因に

2018/12/17

3Qまで減益だが、足元の原料安が来期はプラス要因に

リサーチノート
(株)QUICK 伊藤 健悟

3Q累計で、増収ながら原料高影響などで減益に
18/12期3Q累計の連結業績は、売上高が前年同期比5%増の191億円、営業利益が同8%減の14億円だった。製紙用薬品事業では、ネット通販の利用増加などを追い風として板紙の生産が堅調に推移したものの、出版物の発行部数減少やオフィスのデジタル化で紙の生産が落ち込み、紙・板紙の合計で国内生産量は同1.7%減少。中国では、貿易摩擦の影響による原料古紙不足により、需要は堅調ながら、板紙の生産が伸び悩んだ。こうした中で同社は、生産設備で事故のあった同業他社向けの出荷があったほか、事故からの回復後も既存の顧客以外への販売が拡大し、製紙用薬品事業全体で増収に。ただし原料高の影響が厳しく、利益は伸び悩んだ。印刷インキ用・記録材料用樹脂事業でも、オフセットインキなどの需要が低迷。グラビアインキなどの需要は増加したものの、前期下期にコピー機用トナーの出荷が好調だった反動に加え、低採算製品の取り扱いを縮小していることもあってこの事業全体で減収となり、原料高影響で利益も落ち込んだ。化成品事業では、主力の水性塗料用モノマーが、前期は中国の競合企業が環境規制で操業低下を強いられ、星光PMCが欧州で出荷を伸ばしていたのに対し、今期に入って稼働を高めた競合相手が安値攻勢を強めたことで輸出が減少。化粧品原料などは総じて好調だったが、化成品事業全体で苦戦を避けられなかった。

今期は通期でも減益が避けられないが、来期は採算改善を想定
18/12期通期の連結業績に関してQUICK企業価値研究所では、従来予想を売上高263億円→258億円(前期比3%増)、営業利益21億円→20億円(同10%減)へ小幅下方修正する。売上高は、製紙用薬品事業が堅調に推移する一方、他の2事業が想定よりも苦戦。利益面では、原料高の影響で従来予想を下回る見通しだ。続く19/12期は、売上高が前期比5%増の270億円、営業利益が同12%増の22億円を予想する。国内では紙、インキなどの市場が縮小傾向を辿るとみているが、シェア向上や海外での拡販、化成品事業の販売回復などにより、連結全体で小幅増収となろう。利益面では、18年秋以降原料価格が下落に転じており、この期は合理化や低採算製品絞込みの効果とあわせて利益回復が進むと考える。こうした見方に従来と大きな変更はない。なお、19年2月には新しい中期経営計画が公表される見込み。ランニングシューズ向けに実用化されたCNF(セルロースナノファイバー)に関する新しい取り組みや、その成果などに注目したい。

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