三洋貿易<3176>子会社不振で業績予想を下方修正も増益予想は変えず

2016/09/08

子会社不振で業績予想を下方修正も増益予想は変えず
リサーチノート
(株)QUICK 中村 宏司

海外、国内ともに子会社の不振で16/9期3Q累計は2%営業減益
16/9期3Q累計の連結業績は、売上高が前年同期比3.5%減の45,051百万円、営業利益が同2.1%減の3,040百万円となった。主力の化成品部門(同1%増収、同3%営業増益)と機械資材部門(同8%増収、同6%営業増益)は増収増益と堅調に推移した。しかし、円高の影響から、海外現地法人部門(同15%減収、同32%営業減益)が減収減益、国内子会社部門(同28%減収、同20%営業減益)が前年同期にあった大型案件の反動や、円高で輸出が伸び悩み減収減益となり、全体でも減収減益となった。化成品部門では、ゴム関連商品、化学品関連商品ともに販売不振だったが、新規連結効果で増収増益となった。機械資材部門は、産業資材関連商品では自動車内装用部品の販売が好調に推移。シート用高機能性部品・原材料販売も伸長し、増収増益となった。

16/9期通期の当研究所予想を下方修正。営業増益予想は変えず
会社側は16/9期通期の連結業績見通しについて、売上高64,000百万円(前期比5%増)、営業利益4,050百万円(同12%増)の期初計画を据え置いた。3Qは円高が急速に進み、海外現地法人部門などの業績に悪影響を与えたが、4Qには円高により輸入品の採算向上が見込まれることから、今回は会社計画を修正しなかったと説明している。主力部門では、化成品部門において、ゴム関連商品を中心に既存商売が減速傾向だが、16年2月に買収した会社の収益寄与を見込んでいる(3Qより連結業績に加算)。機械資材部門では、産業資材関連商品で自動車内装用部品の販売増や、科学機器関連商品で各種分析・試験機器の販売増を見込んでいる。
企業価値研究所では、16/9期通期の連結業績予想について、売上高を62,000百万円→61,000百万円(前期並み)、営業利益を4,200百万円→4,000百万円(前期比11%増)と、従来予想を下方修正した。急激な円高の進行により、3Qの業績が悪化したことを考慮した。4Qには円高により輸入品の採算向上が見込まれるものの、3Qの落ち込みをカバーすることはできないとみている。また、4Qも円高の影響から輸出品や、海外現地法人部門の販売不振が続くと考える。前期比では、海外現地法人部門、国内子会社部門は減収、営業利益は伸び悩むものの、化成品部門、機械資材部門の伸長で補い、全体の売上高は前期並みを確保し、営業増益になると予想する。

17/9期は業務提携や買収効果で営業増益基調が続くと予想
続く17/9期は売上高を66,500百万円→63,500百万円(同4%増)、営業利益を4,650百万円→4,250百万円(同6%増)と、従来予想を下方修正した。海外現地法人部門と国内子会社部門の業績を慎重に見直したことが修正の主因である。しかし、化成品部門、機械資材部門の伸長により増益基調が続くと予想する。特に機械資材部門では、業務提携や買収効果が収益を押し上げ、全体の業績を牽引するものとみている。
業務提携については、三洋貿易と洸陽電機の間で、ドイツのブルクハルト社製木質バイオマスコージェネレーション(熱電併給)システム(以下、本システム)の販売拡大や導入促進において提携することに合意した(16年6月14日発表)。三洋貿易は、本システムの日本総代理店として販売・メンテナンス体制の整備を進め、洸陽電機は、エンジニアリングやメンテナンスのほか、熱電併給を活用したエネルギー事業組成を支援する。本提携により電気だけでなく熱利用も含めたエンジニアリングを行い、高効率仕様のバイオマス熱電併給事業を推進するとしている。この業務提携による業績への影響は、16/9期はほとんどなく、17/9期は2社共同事業で合計売上高50億円(約半分が三洋貿易の売上高)を見込んでいる。
また、16年7月12日には日本ルフト全株式を取得し、子会社化することを決定した。日本ルフトは、医療機器の開発・製造販売、医療機器および理化学機器の輸入販売を手掛けている。日本ルフトの過去3年間の売上高は、13/8期:637百万円、14/8期:664百万円、15/8期:620百万円。売上規模は大きくないが、呼吸器系医療機器の折扱いを主軸とする日本ルフトを買収することで、医療機器産業へ新規参入するとともに、理化学機器輸入取引においては相乗効果が期待される。

 

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