朝日工業(5456・JASDAQスタンダード)

2013/03/21

鉄鋼建設資材の不振でQBR予想を下方修正
リサーチノート
㈱QBR 中村 宏司

13/3期第3四半期累計は鉄鋼建設資材の不振で営業赤字が拡大
13年3月期第3四半期累計(12年4~12月)の連結業績は、売上高が前年同期比8.0%減の29,198百万円、営業損益が954百万円の赤字(前年同期は248百万円の赤字)。主力の鉄鋼建設資材事業の不振が響き減収、営業赤字が拡大した。
鉄鋼建設資材事業は売上高が同13.0%減の18,674百万円、営業損益(全社費用等控除前、以下同じ)が577百万円の赤字(同121百万円の黒字)。建設需要は緩やかな回復基調となったものの、価格競争が激化する中、販売数量が伸び悩み減収となった。利益面では、電力料金の値上げに加え、販売数量減少に伴う生産数量の減少による製造固定費の負担増などが響き営業赤字に転落した。農業資材事業は売上高が同3.2%増の8,719百万円、営業利益が同6.3%減の424百万円。ホームセンター向け販売の増加などにより増収となったが、第2四半期(12年7~9月)に有機肥料の一部に棚卸資産評価損を計上したことや、ホームセンターへの製品出荷費用が一時的に増加したことが響き、営業減益となった。
環境ソリューション事業は売上高が同17.7%減の489百万円、営業損益が5百万円の赤字(同47百万円の黒字)。放射能分析の受注は増加したが、主力業務である水質分析、大気分析、土壌分析等の受注が減少したことから、減収、営業赤字となった。

13/3期通期の会社計画を下方修正。営業赤字へ
会社側は13年3月期通期の連結業績見通しについて、売上高を43,000百万円→41,000百万円(前期比5%減)、営業損益を100百万円の黒字→1,200百万円の赤字と、従来計画(12年10月公表)を下方修正した。
鉄鋼建設資材事業の不振が修正の主因。建設需要の回復が同社の想定よりも緩やかだったことから、販売数量が伸び悩んでいることから売上高を減額した。損益面では、12年4月から電力料金値上げの影響を受け、大幅なコストアップとなったが、年間を通じたコストダウン活動や省エネルギー活動を継続しているものの、すべてを吸収しきれていない。また、原料である鉄スクラップ価格の上昇に対する製品販売価格の引き上げが遅れていることから、従来見込んでいた値差(マージン)の確保ができていないため、営業損益は従来計画の黒字から赤字になる見通しである。

QBR予想は13/3期、14/3期ともに下方修正。14/3期は営業黒字への回復を予想
QBRでは13年3月期通期の連結業績予想について、会社計画と同額としていたが、今回、会社修正計画まで下方修正した。前回予想では、電力料金などのコストアップはコストダウン活動で吸収し、営業黒字は確保できるとみていた。しかし、第3四半期の業績を見ると、販売数量が想定以上に伸び悩んでおり、コストアップについてもコストダウン活動で吸収できていない。また、製品販売価格の引き上げが遅れている現状から、今回の会社修正計画が妥当なものと判断した。
14年3月期については、売上高を45,500百万円→44,800百万円(13年3月期QBR予想比9%増)、営業利益を700百万円→400百万円(13年3月期QBR予想は1,200百万円の赤字)と、従来予想を下方修正したが、今期QBR予想との比較では増収、営業黒字に回復するとみている。
鉄鋼建設資材事業では、政府の景気対策による公共工事関連の建設需要の増加を見込む。遅れている製品販売価格の引き上げも進み、マージンも徐々に改善に向かうと考える。農業資材事業では、有機肥料の事業規模拡大を目指して今後成長が見込まれる中国などアジア市場への参入を計画していることや、園芸事業での販売ネットワークの拡大、種苗事業での大玉トマト「アニモ」の拡販などが収益貢献する見通しである。主力の2事業の成長により、全体の業績も回復に向かうと予想する。

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