星光PMC<4963>通期でも2桁減益を見込むが、従来予想を上方修正

2020/12/08

通期でも2桁減益を見込むが、従来予想を上方修正

リサーチノート
(株)QUICK 伊藤 健悟

製紙用薬品の需要減少などで3Qまで2桁減益に
20/12期3Q累計の連結業績は、売上高が前年同期比9%減の189億円、営業利益が同15%減の17億円となった。国内の製紙業界では、印刷情報用紙や新聞用紙など「紙」の需要の漸減傾向が続いているうえ、18年まで拡大していた「板紙(段ボールの原料)」も、その後低調に推移。20年に入ると新型コロナウイルス感染症の流行に伴って一段と需要が落ち込み、5月から7月にかけて「紙」の生産量は同3割減となった。その後マイナス幅が徐々に縮小しているほか、いち早く景気が回復に転じた中国では足元の出荷が増加しつつあるものの、同社の手掛ける製紙用薬品の出荷も国内外で減少し、製紙用薬品事業は減収、大幅減益を強いられた。樹脂事業でも、国内で印刷インキやプリンター・コピー機用トナーなどの需要が落ち込んだため減収となったが、台湾子会社の新綜工業がスマートフォン向けの粘着剤を中心に好調に推移し、利益は小幅増を確保した。化成品事業では、主力の水系塗料向けモノマーが出荷を伸ばして増収、大幅増益となったが、連結全体では2桁減益を避けられなかった。

来期は需要急減の反動と海外での拡販、合理化などの効果で業績が回復へ
20/12期通期の連結業績に関してQUICK企業価値研究所では、従来予想を売上高249億円→255億円(前期比9%減)、営業利益18億円→24億円(同15%減)へ引き上げる。3Q累計で減収、大幅減益となっており、国内の製紙用薬品や印刷インキ用樹脂などは4Qも需要低迷が続く見込みだが、スマートフォン向けの粘着剤など、海外市場向けの製品を中心に従来予想との比較では総じて堅調に推移している。短期的にこうした傾向に大きな変化はなく、今期は通期でも減益となるものの、従来予想を上回る業績を確保できる公算が大きくなったと考える。続く21/12期は売上高が前期比7%増の274億円、営業利益が同18%増の28億円を予想する。印刷情報用紙や印刷インキなどの需要は漸減傾向が続くほか、足元で主要原材料の市況が上昇しつつある点も懸念されるが、新型コロナ影響による需要急減の反動と海外での販売拡大でこの期は主要製品の出荷が増加し、水系塗料向け樹脂など高付加価値の環境対応型製品の伸長による利益率向上や合理化の効果とあわせて業績は回復に向かうと考える。中長期的には引き続き、新規製品として注力する「CNF(セルロースナノファイバー)」の本格的な業績への寄与に期待したい。

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