星光PMC<4963>1Qは順調な滑り出し。ただしANの高騰など懸念材料も

2019/06/11

1Qは順調な滑り出し。ただしANの高騰など懸念材料も

リサーチノート
(株)QUICK 伊藤健悟

1Qは新規連結と製紙用薬品事業の拡大で増収、増益に
19/12期1Qの連結業績は、売上高が前年同期比9%増の67億円、営業利益が同7%増の6.2億円となった。国内の製紙業界では、印刷情報用紙など「紙」の生産が需要低迷で減少する一方、ネット通販の利用増加などを追い風として段ボールの原料となる「板紙」の生産は堅調に推移し、紙・板紙の合計で生産量は同微減だった。製紙用薬品事業では、前期1Qは同業他社の設備事故に伴う代替出荷があったのに対し、これが剥落した分をその後のシェア上昇でカバーして国内で出荷を拡大。中国では原料不足による紙の生産低迷などで伸び悩んだが、製紙用薬品事業全体で増収となり、原料安効果もあって利益を拡大した。樹脂事業では、工業用両面粘着テープ向けなどで使用される粘着剤を手掛ける新綜工業を19年1月に従来の持分法適用会社から連結子会社化。既存の主力製品である各種インキ用樹脂は需要低迷で苦戦し、新綜工業もスマートフォン市場低迷などで振るわなかったが、この部門の前年同期実績との比較では業績を大きく拡大した。化成品事業では、主力の水性塗料用モノマーが、欧州での販売体制変更で出荷を回復。利益は小幅増にとどまったが、連結全体で業績は順調な伸びをみせた。

通期でも増益を想定。原料市況の動向などには注意が必要
19/12期通期の連結業績に関してQUICK企業価値研究所では、売上高が前期比10%増の285億円、営業利益が同22%増の24億円を予想する。従来予想を若干下方修正したものの、今期は新綜工業の連結子会社化と板紙用紙力増強剤の出荷増などの効果で増収、増益になるとの見方に大きな変更はない。新規製品として開発を進めているCNF(セルロースナノファイバー)も、アシックス社のスポーツシューズ向けなどに販売を伸ばそう。ただし足元では、原油・ナフサ価格が下落する中で、同社にとっての原料となるAN(アクリロニトリル)の価格が急騰しており、下期以降の採算への影響が懸念される。また、新綜工業の粘着剤も、中国の通信機器大手であるファーウェイ社に対する米国による規制などの影響が出てくる可能性がある。1Qは国内の製紙用薬品事業の出荷増で総じて順調な滑り出しとなっており、今後も主力製品の出荷は堅調に推移するとみているが、中国マクロ経済の成長鈍化による段ボール需要の落ち込みなども含め、今後の動向を注視していきたい。

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