RIZAPグループ <2928>来期以降の再成長を目指し、構造改革を加速

2019/03/13

来期以降の再成長を目指し、構造改革を加速
リサーチノート
(株) QUICK 豊田 博幸

19/3 期3Q 累計は74%増収、営業損益は58 億円の赤字
19/3 期3Q 累計の連結業績は、売上収益が前年同期比73.9%増の1724 億円、営業損益が58 億円の赤字(前年同期は81 億円の黒字)、純損益が81 億円の赤字(前年同期は52 億円の黒字)。売上収益はボディメイク事業を中心としたRIZAP 関連事業の伸長や、新規連結の効果により大幅に増えた。セグメント別に売上収益(内部取引を含む)をみると、美容・ヘルスケア事業がRIZAP 関連事業の拡大や、体型補正用婦人下着販売のMRK HLD の貢献もあり前年同期比32.6%増の608 億円。ライフスタイル事業は、アパレル系の一部子会社が不振だったものの、インテリア雑貨が主力のイデアインターナショナルが好調だったことなどが貢献し同10.9%増の443 億円。プラットフォーム事業はワンダーコーポレーションを18 年3 月から連結子会社としたことなどから同4.6 倍の684 億円となった。大幅増収となった一方、営業損益はグループ入り間もない子会社の業績不振、先行投資(マーケティング費用、新規出店・事業拡大に伴う費用、その他先行投資・構造改革費用などで計96 億円)などから赤字に転落。ただ、四半期毎の営業損益をみると、19/3 期1Q37億円の赤字→同2Q51 億円の赤字→同3Q30 億円の黒字。3Q は全社的な経費見直しや、RIZAP 関連事業の好調もあり黒字を回復した。RIZAP 関連事業の売上収益は19/3 期1Q107 億円(前年同期比45%増)→同2Q114億円(同43%増)→同3Q105 億円(同30%増)と成長が続いている。RIZAP 関連事業の中心であるRIZAP ボディメイクジムは18 年12 月末の累計会員数が12.5 万人。店舗数も17/3 期末130 店→18/3 期末149 店→18年12 月末185 店と拡大している。

当研究所予想および会社計画ともに従来の通期予想を据え置き
QUICK 企業価値研究所による19/3 期通期の連結業績予想を据え置き、売上収益が2320 億円(前期比70%増)、営業損益が25 億円の赤字(前期135 億円の黒字)、純損益が60 億円の赤字(同93 億円の黒字)とする。RIZAP 関連事業の好調が続くものの、M&A(合併・買収)でグループ入りした企業の不振や構造改革を加速ることが響くため。RIZAP関連事業は、ボディメイクジムにおける客数拡大やシニア層の開拓に加え、ゴルフレッスンや英語教室の寄与もあり売上収益の拡大が見込まれる。ただ、消費不況もあり、グループ入り1年未満の企業を中心に業績悪化が続いている。加えて、新規のM&Aを原則凍結したことも響く。損益面では、RIZAP関連事業の好調による利益増があるものの、グループ入り1年未満の企業を中心にした業績回復の遅れ、経営再建のための構造改革費用(83.5億円を計画)の計上、新規M&Aの凍結による利益減などが響き、営業損益は赤字に転落するとみている。
会社は、19/3期通期の連結業績計画を、売上収益が2309億円(前期比70%増)、営業損益が33億円の赤字(前期135億円の黒字)、純損益が70億円の赤字(同93億円の黒字)として、現時点では据え置いた。ただ、来期以降の再成長に向け、業績不振の子会社の売却や、グループ横断的な資産売却・在庫圧縮などを積極的に進めており、進捗によっては損益の赤字幅が拡大する場合も想定されるとしている。
当研究所による20/3期連結業績予想を据え置き、売上収益が2520億円(前期比9%増)、営業損益は110億円の黒字(前期25億円の赤字)とする。20/3期は19/3期に引き続き、RIZAP関連事業の売上収益拡大を見込む。シニア層や女性など顧客層の拡大もありボディメイクジムの成長が続くほか、ゴルフレッスンや英語教室も拡大が見込まれる。会員層を拡大するためボディメイクジムの体験やカウンセリングなどを提案する店舗の運営、若年女性会員を獲得するためのヨガ教室なども寄与。生徒多数の教室形式のため、マンツーマンのボディメイクジムに比べ安い費用で指導を受けることが出来るため、ボディメイクジムへの誘導も期待できる。業績改善に取り組む子会社も事業の選択と集中の推進により効率が高まり、損益は改善に向かうとみている。

美容・ヘルスケアを中心にした成長事業に経営資源を集中
今19/3期中に構造改革を終え、来期以降は再び成長を目指す考えだ。具体的にはRIZAP関連事業を中心にした美容・ヘルスケア分野への経営資源を集中させていくとみられる。中期的には医療分野への展開も想定しているようだ。
主力のRIZAP関連事業のボディメイクジムはマンツーマンだけでなく、教室形式(教師と生徒多数)で気軽にサービスを受けられる方式の提供も強化。女性や、これまで取り込みがやや遅れていたミドル層以上の会員開拓も進める。これにより、教室形式→ボディメイクジムへという流れも期待できると、当研究所ではみている。
大学や医療機関と共同研究を実施し、単なる「やせる」だけではなく、政府の推進する「健康寿命延伸」に取り組んでいる。他のトレーニングジムは個人経営が多く、トレーナー個人の裁量での指導が一般的だが、同社はトレーナーにデータに基づいた指導をするよう徹底。加えて、医療機関との提携で医学的な効果裏付けも強化している。最近の例としては、18年12月に東京大学とサルコペニア(加齢に伴って生じる骨格筋量と骨格筋力の低下)予防に関する共同研究の内容を発表した。中間発表となるものだが、「周術期(入院、麻酔、手術、回復といった患者の術中だけでなく前後の期間を含めた一連の期間)・栄養療法が安全外科手術の一助となる可能性あり」というもので、RIZAPでのトレーニングの有用性を支持するものとなっている。

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