Amazia<4424> アプリ開発力とマネタイズ力で継続的な成長を目指す

2018/12/28

フリーミアム型マンガアプリ「マンガBANG!」等のサービスを提供
アプリ開発力とマネタイズ力で継続的な成長を目指す

業種: 情報・通信業
アナリスト: 髙木 伸行

◆ フリーミアム型マンガアプリの運営が中心
Amazia(以下、同社)は、主にフリーミアムモデル注1のマンガアプリ事業を展開している。同社はマンガアプリ事業の単一セグメントで、「マンガBANG!」と「マンガEpic!」のスマートフォンアプリを運営している。設立当初は共同購入クーポンサイトやeコマースサイトのシステム提供を行っていたが、14年11月にマンガBANG!のサービスを開始し、現在はマンガアプリ事業に経営資源を集中している。

◆ マンガBANG!
マンガBANG!はフリーミアム型マンガアプリで複数のマンガ雑誌に掲載されている有名作品に加え、オリジナル作品を一つのアプリで横断的に配信できるプラットフォーム型のスマートフォン向けマンガアプリである。18年9月末時点での累計ダウンロード数は7,795千人に達しており、18/9期の売上高のほぼすべてがマンガBANG!によるものである。

マンガBANG!で取り扱っている作品は、商業作品が大半を占めるが、一部オリジナル作品や出版社と協業した新作作品も取り扱っている。マンガBang!は「無料試し読み」コーナーと「ストア」コーナーで構成されている。

収益モデルは無料試し読みコーナーが話課金+広告収益モデルとなっている。話課金は1話毎に30円程度で24時間マンガを読める少額課金モデルである。広告収益はユーザーがアプリ内で配信された広告経由で広告品を購入したり、動画広告を視聴することで収益化するモデルである。

無料試し読みコーナーでは、毎日7時と19時にそれぞれフリーメダルが4個に回復し、ユーザーはフリーメダル1個につき1話分を読むことができる。また、広告主の無料アプリをダウンロードしたり、動画広告を視聴することで、ユーザーはSPメダルが貰え、SPメダル1個につき1話分を読むことができる。フリーメダルやSPメダルが無い時は話課金して読むことになる。課金が必要な場合でも1話レンタルの少額課金(ライト課金)となるため、ユーザーが利用し易いモデルとなっている。

ストアコーナーの収益モデルはユーザーが書籍を1巻単位で購入する際に対価(ストア課金)を受け取っている。ストアコーナーでは定期的に無料特集を行っており、数巻分を無料でダウンロードして読むことができ、ユーザーが作品に出会う機会を設けている。

◆ マンガEpic!
マンガEpic!は、17年12月に開始されたユーザー投稿型マンガサービスで、現時点ではデビュー前のマンガ家が約150名登録しており、その作品が無料で読める。

マンガEpic!の収益構造は広告による収益モデルである。アプリ内で配信された広告経由でユーザーが広告品を購入することなどで収益化している。将来的には、投稿したマンガ家の中から人気の高いマンガ家の作品や続編を販売するとともに、グッズや映画・ドラマ化などの版権ビジネスといったIP(知的財産)展開での収益化を視野に入れている。

◆ 販売先
開示されている同社の販売先は、Apple Inc.、Google Inc.といったプラットフォーム運営会社とユナイテッド(2497東証マザーズ)、アドウェイズ(2489東証マザーズ)といったネット広告代理店となる。プラットフォーム運営会社と広告代理店の合計で17/9期の売上高の9割以上を占めている(図表1)。

プラットフォーム会社への売上は、ユーザーから受け取る課金サービスの利用料であり、ネット広告代理店への売上は広告料収入となることから、6割~7割程度の収入は課金サービスによるものと推定される。

>>続きはこちら(1.03 MB)

一般社団法人 証券リサーチセンター
ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。

このページのトップへ