テクノクラフト(622A)シェア拡大と高付加価値化で成長を目指す

2026/10/02

ゴルフ場運営の効率化とゴルファーをサポートするゴルフカートナビでシェアトップ
シェア拡大と高付加価値化で成長を目指す

業種:情報・通信業
アナリスト:髙木 伸行

◆ ゴルフ関連事業、コミュナビ事業、健康見守り事業を展開
テクノクラフト(以下、同社)の事業は、ゴルフ関連事業、コミュなび事業、健康見守り事業の3 セグメントで構成されている(図表1)。健康見守り事業は24 年10 月に開始した新規事業である。

25/9 期の売上高構成比は、ゴルフ関連事業が87.0%、コミュなび事業が11.6%、健康見守り事業が1.3%であった。各セグメントの損益状況は、ゴルフ関連事業が358 百万円のセグメント利益を計上する一方、コミュなび事業は27 百万円のセグメント利益、健康見守り事業は事業開始初年度であることから73百万円のセグメント損失を計上しており、売上高、利益ともにゴルフ関連事業が主力となっている。

26/9期第3四半期累計期間においても、ゴルフ関連事業が売上高の86.0%を占めるとともに、セグメント利益が441 百万円となり、売上高、利益の大半を稼ぎ出す構図に変化はない。

◆ ゴルフ関連事業
ゴルフ関連事業は(1)カートナビ分野、(2)広告分野、(3)個人向けアプリ分野で構成されている。25/9 期のゴルフ関連事業売上高の約90%がカートナビ分野、約7%が広告分野、約3%が個人向けアプリ分野であった。

ゴルフ関連事業の売上高割合の大きい先としては、平和(6412 東証プライム)傘下のゴルフ場運営会社であるアコーディア・ゴルフが挙げられている。26/9 期第3 四半期累計期間において、総売上高の10.3%、ゴルフ関連事業売上高の12.0%をアコーディア・ゴルフ向けが占めた(図表2)。

(1)カートナビ分野カートナビ分野は、ゴルフカートに搭載するナビゲーション端末と、クラブハウス側の基地局システムから成る運行管理システム「マーシャルナビシリー
ズ」が中核製品である。1995 年の初号機納入以来、GPS を利用したカート間距離の把握、遅延カートの自動検知、危険エリアへの進入を制御するジオフェンス(仮想境界線)機能、前方、後方の録画が可能なゴルフ場向けドライブレコーダー「Wドラレコ」といった機能を充実してきた。

16 年にはタブレット型カートナビ「マーシャルAi(アイ)」を、24 年3 月には11.5 インチの大画面モデル「Marshal Ai Premium」を投入した。SIM を利用したマーシャルAi シリーズの収益モデルは、従来の売切り型と異なり、継続収入(リカーリング・レベニュー注1)を得られるものである。日本ゴルフ場経営者協会によれば25 年末現在で国内には2,096 のゴルフコースがあるが、1,148 のゴルフコースに同社システムが導入されている。同社は、無線型の従来品の更新の際にリカーリング・レベニューの得られるマーシャルAi シリーズに置き換えることで、収益構造の転換を進めている。

カートナビのゴルファー向け機能としては、前カートまでの距離や位置表示よる打ち込み防止、距離やグリーンのアドバイス、コース管理者との連絡装置といったものが挙げられる。コース管理者向けには、遅れカートの検出やプレースピードの改善を促すことができるカート位置管理機能や安全・危機管理機能等を提供しており、ゴルフ場業務の効率化に資する機能が充実している。

カートナビ分野の売上高は、カートナビの初期導入費用、リカーリング・レベニュー、カートナビの修理や移設、増設などに伴う収益で構成されているが、25/9期のリカーリング・レベニューは1,136百万円と、ゴルフ関連事業の売上高の55.1%を占めた。年間顧客単価であるARPA(Average Revenue Per Account)は22/9期846千円、23/9期944千円、24/9期959千円、25/9期969千円と順調に増加している。解約率を表す年間チャーンレート(期初ゴルフカートナビ導入ゴルフ場数に占める期中の離脱ゴルフ場数の割合)は一時期の水準からは低下しており、25/9期は0.63%であった。

(2)広告分野
広告分野は、タクシーアプリGOを⼿掛けるGO(581A東証グロース)と広告配信サービスを提供するフリークアウト・ホールディングス(6094東証グロース)との合弁会社であるIRISとの協業により開始した、カート後部のデジタルサイネージに広告を配信する「Golfcart Vision」、及び同社独自で運営する、カートナビ画面に広告を表示する「GOLチャン」で構成されている。両方ともゴルファーという購買力の高い層にダイレクトに訴求できる広告媒体である。

(3)個人向アプリ分野
個人向けアプリ分野では、スマートフォンやスマートウォッチから距離情報等を取得できる「スマートゴルフナビ」、「Ai CADDY」などを提供し26年2月時点で119万ダウンロードを突破している。

◆ コミュなび事業
コミュなび事業で提供している「コミュなび」は、幼稚園、保育園、こども園向けの出欠管理、園児情報管理、精算管理、送迎バスの運行管理等を一元化するクラウド型の業務支援システムで、25/9期末時点で1,052施設に導入されている。

コミュなびは園の事務作業軽減、保護者とのコミュニケーションの支援、決済連携といった保育士等の業務負担軽減につながる保育ICTツールである。付随サービスとして、保護者がプロの撮影した行事写真をクラウド上で購入できる「写真コレなび」、GPSを使用した子供見守りシステム「みまもりなび」も展開している。

◆ 健康見守り事業
健康見守り事業は24 年10 月に開始した事業で、同社は、将来的には収益の第三の柱にしたいと考えている。建設業、製造業、運輸業等の屋外作業従事者を対象に、心拍数や暑さ指数(WBGT 注2)から熱中症リスクを予測・検知するウェアラブル端末「TECHNO BAND」を提供するほか、医療機関・介護施設向けにバイタルデータ(血圧・脈拍・皮膚温等)をクラウドで一元管理する「バイタルナビ」を展開している。バイタルナビでは、医療機器認証を取得したウェアラブルデバイスを扱うファーウェイ・ジャパン(華為技術日本)と24 年11 月から連携している。

 

一般社団法人 証券リサーチセンター
ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。

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