LiNKX(584A)27年6月期は人員拡充と本開発案件の獲得を進め、売上・利益ともに成長加速へ
金融機関向け開発が好調、26年6月期は3割超の増収増益で着地
27年6月期は人員拡充と本開発案件の獲得を進め、売上・利益ともに成長加速へ
業種:情報・通信業
アナリスト:吉林拓馬
◆ 金融領域を中心としたシステムモダナイゼーション事業を展開
LiNKX(以下、同社)は金融機関を主な顧客として、システムモダナイゼーション注1事業を手掛けており、同事業はCloud&AIベースモダナイゼーション注2とAXベースモダナイゼーション注3で構成されている。銀行の勘定系、APIゲートウェイ注4、データ基盤など、高い信頼性と安全性が欠かせないミッション・クリティカル・システム注5を主な対象としている。
同社は、19年にプログレス・テクノロジーズグループ(339A 東証グロース)の新規事業として始まった。20年7月にプログレス・テクノロジーズが同社の前身となるリンクスを設立し、同年9月にデジタル技術を活用したシステムモダナイゼーション事業などを承継させた。
21年8月にふくおかフィナンシャルグループ(8354 東証プライム)傘下のみんなの銀行のスマホアプリ機能、22年9月にBaaS注6プラットフォームを共同開発し、同年12月にCCIグループ(7381 東証プライム)傘下の北國銀行との取引を開始した。23年11月にはラボオートメーション事業(ロボットなどを用いて研究所で行う実験作業を自動化する事業)を分割し、金融機関向けシステム開発に経営資源を集中し、25年11月に現社名へ変更した。
◆ Cloud&AIベースモダナイゼーション
Cloud&AIベースモダナイゼーションでは、顧客の開発チームに同社のエンジニアが加わり、企画、設計、開発、テスト、運用までを共同で担う。主な開発対象は預金、為替、融資、決済を扱うコアバンキング、基幹系と外部サービスを安全につなぐAPIゲートウェイ、データを集約して分析やAI利用を可能にするデータ基盤である。
同社のモダナイゼーション支援は、DXコンサルティングやPoC注7から始まり、本開発への移行後は、開発したシステムの保守・運用までを担い、同社は顧客のシステム開発を長期にわたって支援することになる。PoC・コンサルティングの支援期間は3~6カ月程度、稼働人員は1~3人程度であり、本開発の支援期間は半年から数年、稼働人員は5~15人程度である。短い開発期間ごとに設計、実装、検証を重ねるアジャイル開発を採用し、顧客への技術移転も進める。契約は準委任契約が主である。
◆ AXベースモダナイゼーション
AXベースモダナイゼーションでは、自社開発のAXceleratorを提供している。AXceleratorは独自のアルゴリズムで既存のソースコードを解析し、その結果に生成AIを組み合わせて、システム内の関連性・依存関係の可視化、設計書の作成、コード変換、テストなどを支援する。COBOL注8などで構築されたシステムを対象とし、刷新に必要な期間を短縮するとともに技術者の負担軽減を実現する。
導入時は同社の技術者が既存システムや移行要件を確認し、必要に応じてPoCを実施する。本開発では利用環境の整備などの技術支援に対して人月単価で課金し、環境構築後は月額利用料に加え、処理するシステムの規模に応じた従量課金が発生する。AI技術と技術者による支援を組み合わせ、既存システムの可視化からコード変換、テスト、品質評価まで一貫して支援できる点が強みである。
◆ 収益モデルと売上構成
同社の売上はコンサルティング、PoC、本開発などのフロー型収入と、保守・運用、月額利用料などのストック型収入に分類される(図表1)。26/6期の売上構成比はフロー型収入が95.6%、ストック型収入が4.4%であった。また、モダナイゼーションタイプ別の売上構成比はCloud&AIベースモダナイゼーションが98.2%、立ち上げ期のAXベースモダナイゼーションが1.8%であった。

