チャットプラス(598A)27年6月期は前期比12%増収、5%営業増益を計画
新規上場時の計画どおりの26年6月期決算
27年6月期は前期比12%増収、5%営業増益を計画
業種:情報・通信業
アナリスト:髙木伸行
◆ 問合せ対応を自動化するチャットボットシステムを提供
チャットプラス(以下、同社)は、人により行っていた社内外からの問合せ対応を自動化・省人化するチャットボット注1システムである「ChatPlus」、問い合わせ内容をAIが理解し回答するとともに運用管理の負担もAIにより削減するチャットボットシステムである「AI AgentPlus」を提供している。また、よくある質問・回答の記事を作成・整理・管理し、利用者が迷わず答えにたどり着けるようにするAIで自動化したFAQ注2システム「FAQPlus」の開発・提供も行っている。
26/6期の売上高の98.2%をチャットボットシステム及びFAQシステムが、1.8%をその他が占めた。その他はWebメディア運営会社向けの星占いや心理テストといったコンテンツの配信サービスである。販売については直販を基本としている。
同社のサービスはSaaS形式で提供され、チャットボットとFAQの両システムの月額/年額課金によるストック型収益が26/6期売上高の95.9%を占めており、安定性の高いビジネスモデルとなっている。フロー型の収益は、顧客の要望に基づく追加機能開発や初期設定作業に対する対価で構成されている。
◆ チャットボットシステム~ChatPlus/AI AgentPlus~
チャットボットは顧客問合せ対応、店舗や拠点支援、社内ヘルプデスクといった目的で活用されている。実用例としては、ネットショップにおいて商品の選び方相談、在庫確認、配送状況の案内などをチャットボットが担っている。また、大企業において総務・人事・ITへの「社内問い合わせ窓口」として利用されたり、小売・サービス業では本部への問い合わせをチャットボットに集約したりしている。
チャットボットの導入は単なるコスト削減や業務の効率化だけではなく、顧客満足度の向上、見込み客の獲得、マーケティングデータの蓄積、WebサイトやECサイトにおいて訪問者を適切な情報に誘導するといったマーケティング支援ツールとしても活用されている。
同社のChatPlusは業種業態や企業規模を問わない柔軟なプラン構成、価格や契約期間面でのハードルの低さに加え、有人チャット、シナリオ型チャットボット、自社開発AIを活用したフリーワード型チャットボットといった多様な機能を備えている点が特徴である。
AI AgentPlusは成長サービスに位置付けられている。ChatPlusに自社開発AIを搭載するとともにChatGPT等の生成AIを連携し、登録された回答に加えて、その場で最適な回答用の文章を生成することで、複雑な問合せに対して、自然な応対を実現するチャットボットである。
自社開発AIは顧客企業の登録データの中から質問内容と意味が近い情報を探索し、その情報に基づき連携する生成AIが回答を生成する仕組みを採用している。回答については登録データに限定し、不明な内容については回答を行わないことで誤回答の発生を防いでいる。
◆ FAQ システム~FAQPlus~
FAQPlusは、AIがマニュアル等を基にウェブサイトなどに掲載するFAQを自動作成し、ユーザーが自分で疑問を検索して解決できるようにするツールである。FAQの記事作成に加えて、品質管理、解決率改善も行ってくれる。
◆ 主要経営指標
SaaS形態でサービスを提供していることから、同社はARR注3を重視している。また、ARRは利用単価に加えて顧客アカウント数や解約率を表すChurnレートの影響を受ける。
ARRをサービス別で見ると、ChatPlusについては26/6期第1四半期をピークに低下傾向にある。一方、同社が成長サービスとして注力しているAIAgentPlusは順調に増加している(図表1)。

