ビーエイブル(604A)再稼働予定の原子力発電所の準備工事も手掛ける

2026/08/03

福島第一原子力発電所の廃炉作業と原子力発電所のメンテナンスがメイン事業
再稼働予定の原子力発電所の準備工事も手掛ける

業種:建設業
アナリスト:髙木伸行

◆ 福島第一原子力発電所の廃炉関連工事が主力
ビーエイブル(以下、同社)は、工事事業、再生可能エネルギー事業、及びその他事業を行っている(図表1)。

工事事業は同社の25/7期売上高の87.4%を占める主力事業で東京電力ホールディングス(9501東証プライム、以下、東京電力HD)の福島第一原子力発電所の廃炉関連工事、原子力発電所の再稼働に伴うメンテナンス業務や産業プラント工事等を手掛けている。

再生可能エネルギー事業は木質バイオマス発電所のオペレーション&メンテナンス、再生可能エネルギー発電事業、電力小売事業等を行っており、25/7期売上高の10.4%を占めた。

その他事業としては、機能訓練型デイサービス、居宅介護支援事業、訪問看護事業等を行っている。

(1)工事事業
福島第一原子力発電所の廃炉関連工事が工事事業売上高の7割程度を占め、残りの3割程度を原子力発電所の再稼働に伴うメンテナンス業務、及び一般産業分野のプラント工事及び鉄骨構造物の製作・据付工事等が占めている。

同社が対応する原子力発電所はBWR型注1及びABWR型注2原子力発電所が主である。BWR型及びABWR型は、東京電力HDを始め、東北電力(9506東証プライム)、北陸電力(9505東証プライム)、中部電力(9502東証プライム)、中国電力(9504東証プライム)が採用している原子力発電所の炉型である(他の電力会社はPWR型注3またはAPWR型注4原子力発電所を採用)。

廃炉関連工事については、東日本大震災以降、福島第一原子力発電所での事故収束作業や廃炉作業に一貫して従事しており、元請として各種廃炉作業を受注するなど、重要な役割を担っている。過去に例のない、対応が困難な現場特有の課題に対して、独自の工法やロボティクス技術を開発して、作業に取り組んでいる。

また、廃炉関連工事以外では、東京電力HDの柏崎刈羽原子力発電所、中部電力の浜岡原子力発電所、東北電力の女川原子力発電所といった原子力発電所のプラント建設工事及び定期点検工事、耐震補強工事等を行っている。また、関西電力(9503東証プライム)、九州電力(9508東証プライム)、北陸電力(9505東証プライム)に対してのメンテナンス実績がある。

一般産業分野のプラント工事においては、京葉・京浜地区における産業プラント設備に関する配管や設備の保守点検、改修工事、新設工事等を行っている。また、アミューズメント施設や各種イベント向け各種鉄骨構造物の製作及び据付工事等も行っている。千葉県木更津市に鉄骨加工工場を保有しているが、木更津工場の機能は27年12月に完成予定の富津工場に移転される予定である。

(2)再生可能エネルギー事業
再生可能エネルギー事業は、主に太陽光・バイオマス等の再生可能エネルギー発電所の建設・運用・保守、電力小売事業で構成されている。

東日本大震災発災後に、同社は廃炉作業に従事する社員の雇用維持及び事業の多角化を目的として、再生可能エネルギー事業へ参入した。福島県浜通り地域において、合計で5MWの太陽光発電所を運転している。

また、22年4月から、持分法適用関連会社(同社出資比率45%)であるエイブルエナジー合同会社が運営する福島いわきバイオマス発電所(112MW規模の木質バイオマス発電所)が運転を開始し、同社は発電設備の運転業務及び日常保守業務等を行っている。現状では、関連会社及び自社設備である太陽光発電所で発電した電力はFIT制度により一般送配電事業者である東北電力ネットワークへ販売している。一方、25年11月に開始した電力小売事業では市場から調達した電力を小売販売している。

当面は売電収入が中心であるが、数年後からは、エイブルエナジー合同会社から、有償減資及び配当等による収益を見込んでいる。

また、GE Vernova製の陸上風力発電所の機器を中心に現在55基のメンテナンス業務を受注している。

(3)その他事業
その他事業としては、機能訓練型デイサービス等の運営や料飲事業等を行っている。

◆ 収益構造と重要経営指標
26/7期第3四半期累計期間のセグメント情報を見ると、売上高の9割弱を占める工事事業が利益を上げている一方で、再生可能エネルギー事業及びその他事業は損失を計上している(図表2)。

工事事業及び再生可能エネルギー事業の工事の受注経路は、元請及び一次下請があるが、25/7期の受注金額の元請比率は61%に達している。一般的には、元請受注は作業を進める上でのスケジュール管理や仕様を自社でコントロールできることもあり、採算は良い。また、廃炉作業の利益率はメンテナンス等の再稼働関連の利益率よりも高い。

主要取引先としては、東京電力HDを始め、IHI(7013東証プライム)、IHI原動機、日立GEベルノバニュークリアエナジー、東京電力HD傘下の東京パワーテクノロジーといった先が挙げられ、廃炉作業関連や原子力発電所のメンテナンス関連の取引先が多数を占めている。とりわけ、東京電力HDへの売上割合が大きく、25/7期売上高の53.9%を占めた。

同社は10%以上の営業利益率及び経常利益率を経営目標としており、達成に向けて、(1)付加価値の高いロボット技術等を活用した高難度案件の提案による特命受注件数、(2)付加価値が高い大型案件の受注金額比率、(3)採算の良い元請案件の受注金額比率を主要KPIとしている(図表3)。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。

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