LiNKX(584A)金融機関向けの開発実績とDX需要を背景に中長期的な成長が見込まれる

2026/06/26

金融システム刷新に強みを持つITプロフェッショナル集団
金融機関向けの開発実績とDX需要を背景に中長期的な成長が見込まれる

業種:情報・通信業
アナリスト:吉林拓馬

◆ 金融領域を中心としたシステムモダナイゼーション事業を展開
LiNKX(以下、同社)は、金融機関を中心に老朽化したITシステムを新しい技術で作り直すシステムモダナイゼーション注1事業を手掛けている。銀行の勘定系システム、APIゲートウェイシステム注2、データ基盤システムなど、停止すると金融サービスに大きな影響が出るシステムが主な対象である。単なる受託開発ではなく、顧客の開発チームと一体となり、システムの設計、開発、テスト、保守・運用までを担っている。

同社は、19年にプログレス・テクノロジーズグループ(339A 東証グロース)の新規事業として始まった。20年7月にプログレス・テクノロジーズが同社の前身となるリンクスを設立し、同年9月にデジタル技術を活用したシステムモダナイゼーション事業などを承継させた。21年8月にふくおかフィナンシャルグループ(8354 東証プライム)傘下のみんなの銀行のスマホアプリ機能、22年9月にBaaS注3プラットフォームを共同開発し、同年12月にCCIグループ(7381 東証プライム)傘下の北國銀行との取引を開始した。23年11月にはラボオートメーション事業(ロボットなどを用いて研究所で行う実験作業を自動化する事業)を分割し、金融機関向けシステム開発に経営資源を集中し、25年11月に現社名へ変更した。

同社事業の重点領域はAPIゲートウェイシステム、データ基盤システム、勘定系システムの3つである。

APIゲートウェイシステムは、銀行の既存システムとインターネットバンキング、BaaS、決済サービスなどを安全につなぐための仕組みである。同社はみんなの銀行のBaaS開発や、トライアルホールディングス(141A 東証グロース)傘下のSU-PAYの決済システム開発を手掛けている。データ基盤システムは、顧客や取引に関するデータを集約し、分析やAI活用に使いやすくするための仕組みである。勘定系システムは、入出金、残高管理、決済など銀行業務の根幹を担うシステムであり、開発規模が大きく、高い安全性が求められる。

同社のサービス提供は、顧客の課題を整理するDXコンサルティングから始まる。まず、既存システムの構造や問題点を把握し、3カ月程度で企画・提案をまとめた後に、PoC注4と呼ばれる検証段階で、3~6カ月程度をかけて課題解決の可能性を確認する。その後本開発に入り、5~15名程度のプロジェクト体制で、ソリューション・コンサルタントとソフトウェアエンジニアが顧客の開発チームと連携しながら開発を進める。本開発は最短でも6カ月程度、長い場合は数年単位となる。開発後も、安定稼働のための保守・運用を継続する。

DXコンサルティング、PoC、システム開発にソフトウェアエンジニアをアサインすることで得る収入はフロー型であり、契約形態は主に準委任契約である。25/6期の売上高に占めるフロー型収入の割合は97.9%と大半を占めている。

開発したシステムの保守・運用、自社ソリューションである「BXConnect」や「AXcelerator」、他社サービスライセンスなどから得る収入はストック型であり、25/6期の売上高に占める割合は2.1%であった。今後は開発案件で得たノウハウを自社ソリューションや保守・運用に展開し、ストック型収入へつなげることが課題である。

25/6期の主な販売先は、北國銀行、SU-PAY、ふくおかフィナンシャルグループ子会社のゼロバンク・デザインファクトリー、第一三共(4568 東証プライム)であり、この4社合計で売上高の約9割を占めている(図表1)。また、ふくおかフィナンシャルグループとCCIグループとは資本業務提携関係にある。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。

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