バトンズ(554A)案件流通拡大やM&A業務の非連続な効率化により、中長期的な成長を目指す

2026/06/15

26年3月期は成約単価の拡大により、利益面は会社計画を上回る
案件流通拡大やM&A業務の非連続な効率化により、中長期的な成長を目指す

業種:情報・通信業
アナリスト:吉林拓馬

◆ M&Aプラットフォームサービスを展開
バトンズ(以下、同社)は、インターネットを活用したM&A総合プラットフォーム「BATONZ」の企画・開発・運営事業を手掛けている。従来は対面や個別紹介に依存していた案件の獲得をオンライン上で可能にし、案件登録、相手探索、打診、交渉、成約報告までを支援する仕組みを提供している。BATONZには全国・全業種の案件と利用者が集まり、26年2月末時点で交渉可能な譲渡希望案件は10,673件、買い手の累積登録数は303,275人、累計成約実績は3,315組となっている。

同社の事業セグメントは、M&Aテクノロジー事業の単一セグメントである。主要サービスは「M&Aプラットフォーム」、「M&A SaaS」、「その他」に分かれる。26/3期の売上構成比はM&Aプラットフォームが75.0%、M&A SaaSが21.9%、その他が3.1%であった(図表1)。

1)M&Aプラットフォーム
M&AプラットフォームBATONZは、売り手、買い手、M&A支援機関が利用するオンラインのマッチング基盤であり、①マッチングサービス、②ソーシング支援サービス、③FA支援サービスを提供している。

①マッチングサービス
中核となるマッチングサービスは、売り手と買い手に案件や相手先の探索の場を提供するサービスである。売り手側の案件登録経路は、売り手本人がWeb経由で直接登録する場合と、M&A支援機関が受託案件を登録する場合の大きく2つに分かれる。一方、買い手側はBATONZへのWeb経由での直接流入・登録が過半を占める。

買い手は無料会員登録後、業種、エリア、規模などの条件から案件を検索し、関心のある案件について売り手に打診する。売り手の承諾後に交渉へ進み、成約時には買い手から成約価額の2%をシステム利用料として受け取る。

②ソーシング支援サービス
ソーシング支援サービスは、買い手向けの有料オプションであり、同社が希望条件に沿った売り案件の探索を支援するサービスである。顧客ニーズに応じた複数の有料会員プランを設け、買収ニーズ広告の掲載、案件リスト作成、実名開示依頼の代行などを通じて、買い手の案件発掘を支援している。

③FA支援サービス
FA注1支援サービスは、売り手向けの有料オプションであり、同社のM&Aコンサルタントが売り手側の立場で成約までの実務を支援するサービスである。案件掲載後の買い手対応、面談調整、交渉支援に加え、案件化初期から成約までを支援する上位サービスも提供している。なお、M&A支援機関が持ち込んだ案件では当該機関がFA又は仲介者として関与するため、同社はFA支援サービスを提供しない。

2)M&A SaaS
M&A SaaSは、M&A支援機関向けに業務支援システムをSaaSの形で提供する。大手から中小まで幅広いM&A支援機関に対し、案件受託からエグゼキューションまでの主要業務をデジタル化・効率化する機能を提供し、月額システム利用料を受領する。M&A SaaSは①パートナープログラムと②B MASSに大別される。

①パートナープログラム
パートナープログラムは、M&A専門業者、士業等専門家、コンサルティング会社など支援専門家向けの会員プログラムである。BATONZ上での案件管理、マッチング、業務支援機能を利用できる仕組みであり、M&A支援機関は自らが受託した案件を登録し、交渉支援を進めることができる。26/3期末時点で同社のパートナーとなっているM&A支援機関数は1,964社である。

②B MASS
B MASSは、金融機関向けの業務支援システムである。顧客管理システムやM&Aマッチングシステムを中心に、支店担当者の案件発掘、提案、本部での案件管理、ディール実行を支援する。26/3期末時点でのサービス提供先金融機関は154社である。

3)その他
M&Aに関連する行政・地方自治体からの受託業務、講演、コンサルティング、情報メディア発刊のほか、M&A周辺ニーズに対応する各種サービスを提供している。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。

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