ギミック(475A)30年3月期には今期予想比3倍の営業利益を目指す

2026/05/29

将来に向けての成長投資を優先するため27年3月期は減益を覚悟
30年3月期には今期予想比3倍の営業利益を目指す

業種:サービス業
アナリスト:髙木伸行

◆ 医療特化型プラットフォーマー
ギミック(以下、同社)は、患者が最適な医師を選択出来るように、幅広い情報を集積した医療情報サイト「ドクターズ・ファイル」を中心とした医療特化型のプラットフォームを展開している。ドクターズ・ファイルの他には、医療情報マガジン「頼れるドクター」を出版している。また、「その他のサービス」としてクリニック等が抱える様々な問題の解決につながるサービスを提供している(図表1)。

同社の売上高は、サービス別に加えて、事業領域別、収益モデル別などに分類出来る。

事業領域別としては、主に患者とクリニックの間の情報の非対称性を解消する「マッチング領域」、院内DXを進めて労働集約的な院内環境を改善する「院内業務DX領域」、採用、評価、労務、組織など人材活用につながる「HR領域」、地域医療サービスの質の向上につながる「医療連携領域」に分類される。

収益モデル別としては、月額(年間)利用料として受け取る形態が多く、その他は掲載料、紹介手数料といったスポット型の収益で構成されている。

以上の分類に加えて、同社はドクターズ・ファイルに関する収入を「ストック収入」、医療情報マガジン頼れるドクターに関する収入を「リピート収入」、これら以外を「その他収入」として開示している。26/3期の売上高構成比はストック収入が70.7%、リピート収入が21.0%、その他収入が8.3%であった。ドクターズ・ファイルについては解約率が低く、頼れるドクターについても約4分の3のクリニックなどが継続して記事を掲載している。また、その他のサービスについても継続利用先が多く、収益安定性は高い。

◆ 医療情報サイト~ドクターズ・ファイル~
ドクターズ・ファイルは、医師や医療機関の「伝えたい」というニーズと、患者の「知りたい」というニーズの最適なマッチングを実現するサービスである。

客観的な立場で病院やクリニックの医師に対して取材を行い、他院の医師との違いを描き出し、情報プラットフォームにより患者へ伝えることで、患者が最適な病院やクリニックを選べるようにしている。営業力に加え、これまで約3万院もの医師を取材してきた経験から培った取材力やコンテンツ制作力がドクターズ・ファイルの差別化要因となっている。また、同社が制作する情報は、厚生労働省が定める医療広告ガイドラインを遵守して制作されている。

ドクターズ・ファイルの最大の特徴は患者を集めるための「医療広告」ではないという点にある。ドクターズ・ファイルは、患者が医療機関を選択する上でその医療機関について「知りたい」というニーズに応えるため、「医師の紹介記事」のほか、そのクリニックで受診できる検査方法などに関する「検査検診レポート」や、「医療トピックス」といった医療行為に関する情報も掲載している。また、医療機関を選択する際に有用な病気や症状についての情報記事は、全て医師の監修のもと作成され提供されている。

ドクターズ・ファイルは病院・クリニックから毎月一定額の利用料(月額3.5万円~)を得るストック型の収益モデルである。掲載クリニック数は24/3期末6,743件、25/3期末7,288件、26/3期末7,594件と順調に増加している。26/3期の解約率注1は前期よりは上昇しているものの0.81%と低く、継続率が高い安定した事業と言える(図表2)。

◆ 医療情報マガジン~頼れるドクター~
同社は、医療情報マガジンである頼れるドクターをエリア別に出版している。頼れるドクターは書店やインターネットで販売されているだけでなく、医療機関や薬局、銀行などへ無料で配本しており、対象エリアの生活者に有用な医療情報を届けるメディアとなっている。

各エリアにおいて年1回出版され、26/3期末時点では36エリア(19都府県)をカバーしている。ドクターズ・ファイルと同様のドクター紹介記事を掲載しており、ドクターズ・ファイルを利用している病院・クリニックが頼れるドクターも併せて利用する場合が多い。複数の媒体を利用することにより、患者あるいはその関係者への訴求力が増し、地図情報やクリニック詳細情報などの情報連携も可能になるという利点があるためである。

頼れるドクターも、継続率が高いことから安定的な収益が期待できるサービスとなっている(図表3)。

◆ その他のサービス
その他のサービスは売上高の8.3%を占め、頼れるドクターと並んでドクターズ・ファイルの顧客へのクロスセル商材となる。主なものはホスピタルズ・ファイル、ドクターズ・ファイルエージェント、クリニコ、アポレジタス、メディパシーなどクリニック等が抱える問題の解決につながるサービスを提供している(図表1)。

決算説明の際に、今後注力してゆきたいサービスとして院内コミュニケーションツールであるメディパシーが挙げられた。メディパシーはアカウント数が20までは無料で使えるサービスとして医療機関に提供されており、26/3期末時点で2,275件の医療機関に導入されている。医師だけでなく、その他の職種の医療従事者もアカウントを取得することができ、製薬会社、医療商社向けのマーケティングツールとして、あるいはHR領域におけるダイレクトマーケティングツールとして成長させたいとしている。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。

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