インフキュリオン(438A)BtoB決済のストック収入拡大、SMBCグループとの共同事業で成長を目指す
フロー収入、ストック収入とも好調で26年3月期は会社計画を上回る好決算
BtoB決済のストック収入拡大、SMBCグループとの共同事業で成長を目指す
業種:情報・通信業
アナリスト:鎌田良彦
◆ BtoC取引からBtoB取引まで、様々な事業者に決済・金融機能を実装
インフキュリオン(以下、同社)グループは、同社と子会社3社からなり、消費者向け(以下、BtoC)取引から事業者間(以下、BtoB)取引まで、様々な産業の事業者や金融機関に決済・金融機能を実装するプラットフォームをクラウド上で展開しているフィンテック企業注1である。
24年8月には、三井住友銀行及び三井住友カード(以下、SMBCグループ)と資本業務提携を行い、同年9月には三井住友フィナンシャルグループ(8316東証プライム)の持分法適用会社となった(被所有割合28.8%)。
同社の事業セグメントは、事業者に支払手段に関するサービスを提供するペイメントプラットフォーム事業、物やサービスを提供して資金を受け取る事業者向けにサービスを提供するマーチャントプラットフォーム事業、決済・金融領域のコンサルティングを行うコンサルティング事業からなる。
26/3期の売上高構成比は、ペイメントプラットフォーム事業が55.6%、マーチャントプラットフォーム事業が28.8%、コンサルティング事業が15.5%であった(図表1)。
売上形態別には、初期導入時の開発や追加開発、決済端末の販売等に伴うフロー収入、サービスの基本料や決済処理金額・処理件数に連動する従量型課金収入等のストック収入、及びコンサルティング収入に分類される。26/3期の売上高構成比は、フロー収入が48.2%、ストック収入が36.2%、コンサルティング収入が15.5%であった。
◆ ペイメントプラットフォーム事業
ペイメントプラットフォーム事業では、金融機関や事業者のサービスに、クラウド上の同社の決済・金融ソリューションをAPI注2で接続し、組み込み型の金融機能を提供している。同社と子会社のネストエッグが担当している。
主要サービスとしては、スマートフォン上で決済ができるオリジナルPayの構築をサポートするWallet Station(ウォレットステーション)、VisaやJCB等の国際ブランドのクレジットカード発行プラットフォームのXard(エクサード)、企業間の請求書のカード支払いプラットフォームのWinvoice(ウィンボイス)がある。
1)Wallet Station
Wallet Stationは、バーコード・QRコード決済、ユーザー管理、バリュー・ポイント発行、資金のチャージ手段等、金融機関や事業者がオリジナルPayを構築するための機能をワンストップで提供するスマートフォン決済プラットフォームである。顧客企業は必要な機能を選択して利用でき、既存のスマートフォンアプリへの組み込みができる。
2)Xard
Xardは、金融機関や事業者が自社オリジナルの国際ブランドクレジットカードの発行ができるプラットフォームである。国際ブランドのライセンス取得やカード発行・決済等のプロセシングシステム、オペレーション業務までをワンストップで提供し、カード利用時のリアルタイム通知やリアルタイムでの利用可否判定等も行える。
3)Winvoice
Winvoiceは、法人間の請求書払いにクレジットカード決済のサービスを提供したい事業者(以下、請求書カード払いサービス提供者)に向け、必要な業務プロセスとシステムを提供する請求書支払いプラットフォームである。
請求書カード払いサービス提供者は、請求者(請求書発行者)と支払者の間に立ち、請求者に対しては資金の立て替え払いを行う一方、支払者からは手数料を取ってクレジットカード払いを受け付ける。支払者はクレジットカードによる後払いで資金繰りが改善し、銀行振込による都度支払いの手間も軽減される。
◆ マーチャントプラットフォーム事業
マーチャントプラットフォーム事業では、店舗のキャッシュレス化、デジタル化を推進するプラットフォームを提供している、同社と子会社のリンク・プロセシングが担当している。
主要サービスとしては、クレジットカード等の加盟店向けに決済端末の提供等を行うキャッシュレスソリューションのAnywhereがある。新たなサービスとしては、CCIグループ(7381東証プライム、旧北國フィナンシャルホールディングス)と共同開発し、26年4月に提供を開始した、クレジットカードの加盟店開拓や管理を行うアクワイアラ向けの、フルクラウド型アクワイアリングシステムAxios(アクシオス)がある。
1)Anywhere
Anywhereは、加盟店とカード会社等を接続する決済端末、決済アプリの提供から、決済情報を各カード会社等に振り分けるゲートウェイ機能までをワンストップで提供している。クレジットカード、電子マネー、QRコード決済等のキャッシュレス決済手段に対応している。Anywhereは顧客のサービスに柔軟に組み込める点と、都度決済のみでなく、継続課金にも対応している点が強みとなっている。
2)Axios
Axiosは、加盟店でのカード利用時の信用照会、売上処理、加盟店への売上金支払い、国際ブランドへの接続等のクレジットカードのアクワイアリング業務に必要な機能をクラウド上で提供するシステムである。アクワイアラである北國銀行での利用に留まらず、他のアクワイアラでの利用を進める考えである。
◆ コンサルティング事業
同社は06年の創業以来、コンサルティング事業を行っていたが、14年の組織再編に伴い、インフキュリオン・コンサルティングを設立して事業を承継させた。決済・金融領域におけるコンサルティングサービスを提供しており、業界課題の把握や今後の動向について精通している。コンサルティング業務は、ペイメントプラットフォーム事業やマーチャントプラットフォーム事業のサービス導入支援の役割も果たしている。

