Enjin<7370> 営業のマニュアル化・制作運用のパッケージ化・オウンドメディアが強み

2021/06/23

中小・中堅企業、医療機関向けのPR支援サービスを展開
営業のマニュアル化・制作運用のパッケージ化・オウンドメディアが強み

業種: サービス業
アナリスト: 阪東 広太郎

◆ 中小企業・医療機関向けのPR支援サービスを主に展開
Enjin(以下、同社)は、主に中小企業、医療機関を対象としたPR注1支援サービスや顧客とメディアまたは決裁者をつなぐプラットフォームサービスを提供するPR事業を展開している。同社は、「PR事業」の単一セグメントであるが、売上高は「法人/経営者向けPR支援サービス」、「医療機関/医師向けPR支援サービス」、「メディチョク」およびその他として「アポチョク」の4つのサービスに区分される。21/5期第3四半期累計期間における売上構成比は、法人/経営者向けPR支援サービス79.5%、医療機関/医師向けPR支援サービス17.2%、メディチョク3.2%、アポチョク0.0%である(図表1)。

◆ PR支援サービス
法人/経営者向けPR支援サービス、及び医療機関/医師向けPR支援サービスでは、オウンドメディア注2である「KENJA GLOBAL」、「覚悟の瞬間」、「Qualitas」等を中心とした、複数メディアの中から顧客のニーズに合わせて露出をサポートしている。

既存のPR業界のリテーナー契約注3やスポット契約によるPRサービスは、顧客ごとのカスタマイズが必要なため、高額になりやすいこと、またメディア露出の結果に関わらず費用が発生するため、中小企業にとっては利用が難しかった。

同社は、営業のマニュアル化と制作運用のパッケージ化やメディアへの露出を獲得した場合にのみ顧客から対価を受け取る成功報酬型の収益モデルを採用する事で、中小企業も利用しやすい安価なPR支援サービスを提供している。

同社の顧客がPRを行う目的としては、人材採用、集客・営業が大半を占めているようである。求職者が応募候補先企業をインターネット検索する際や、生活者が近隣の医療機関を選ぶためにインターネット検索をする際に、全国区のメディアに掲載されること自体が、地方においては企業や病院のブランディングに繋がると同社は顧客に説明している。

法人/経営者向けと医療機関/医師向けでは、PR支援サービスの内容はほとんど同じであるが、医療機関/医師向けでは、医療法及びこれを受けて策定された医療広告ガイドラインを遵守するために、制作物の表現などに制限がある。

報酬には、成功報酬と月額課金の2種類がある。成功報酬は、顧客が希望するメディアへの露出を獲得した場合にのみ顧客から受け取る。月額課金は、掲載期間にわたって顧客から毎月継続的に受け取る報酬である。月額課金の金額は掲載メディア数などに応じて2万円から15万円である。顧客は中小企業や医療機関が多いことから、与信管理の観点から、同社は顧客から数カ月分の月額課金を前受金として受け取るケースが大半である。

1年契約が基本ではあるが、同社によると、顧客のサービス継続率は、1年目から2年目が約65%、2年目以降は約80%である。

◆ メディアマッチングサービス「メディチョク」
同社は、今までPR会社の担当者が仲介していたメディアとのマッチングを、PC・スマートフォン上で行うことができるサービスである「メディチョク」を20年1月より提供している。

顧客は、プラットフォーム上において、情報・メディアからの募集情報等を双方で確認できることから、PC・スマートフォンから自社の情報発信を直接、メディア担当者に行うことができ、メディア側からのオファー一覧から自社に適切なものを選んでアプローチすることが可能となる。

収益モデルとして、同社は顧客からプラットフォーム利用料を月次で受け取る。プラットフォーム利用料は掲載メディアなどで決まり、月額8万円から15万円である。契約期間は1年のケースが多いようである。実際にメディアにマッチングした際に追加の手数料は発生せず、マッチングの回数制限も設けていない。

同社によると、「メディチョク」の顧客は、PRの活用に慣れた中小企業が中心のようである。PR支援サービスの顧客である中小企業がPR活動に慣れて、「メディチョク」にシフトするケースもあるようである。

一般社団法人 証券リサーチセンター
ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。

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