(2722:東証2部) アイケイ 商品ポートフォリオ構築 下期推移に自信

2019/02/07

IK

今回のポイント

・独自のプロモーション戦略で商品の企画・製造・販売・物流を自社で一貫して行う「マーケティングメーカー」。雑貨類・食品類・化粧品といった商品を生協、通販会社、店舗、TVショッピングなど多様な販売先を通じて販売するメーカーベンダー事業、化粧品を販売するSKINFOOD事業、コンタクトセンターの構築等を提供するITソリューション事業の3事業を展開。経営理念に「ファンつくり」を掲げ、全てのステークホルダーにファンになってもらえる会社を目指している。

・19年5月期第2四半期の売上高は前年同期比0.9%増の93億56百万円。主力のメーカーベンダー事業がほぼ前年並み。テレビショッピングの主力商品「バタフライアブス」の売上効率が低下した。粗利率は上昇し、粗利額も増加したが、販管費増をカバーできず営業利益は同57.9%減の2億18百万円となった。18年10月に上期及び通期見通しを下方修正した。

・通期業績予想を下方修正したが下期の計画差異は僅少と会社側は判断している。19年5月期の売上高は前期比8.8%増の199億47百万円、営業利益は同7.5%減の8億31百万円の予想。配当予想に修正はなく、前期比2円/株増の12.00円/株の予定。予想配当性向は15.7%。

・上期及び通期業績予想を下方修正したが、通期の修正幅はほぼ上期分のみであり、会社側は下期の推移に自信を持っている。そのベースとなるのが、新しいビジネスモデルである「TVショッピングを起点としたマルチチャネル販売」の完成だ。前回レポートでは、「今後はいかに安定的にヒット商品を生み出せるかが大きなカギとなる。」と述べたが、「バタフライアブス2」を筆頭に採算の良好な商品ポートフォリオが構築することができた点も大いに注目される。第3四半期以降の業績進捗に期待したい。一方中長期に同社の成長を牽引すると期待されるメイクアップ化粧品「LB」に関するCFDA(中華人民共和国国家食品薬品監督管理局)の許可が遅れているのは気になる点である。3月ごろ目途とのことだが、こちらも進捗を見守りたい。

会社概要
独自のプロモーション戦略で商品の企画・製造・販売・物流を自社で一貫して行う「マーケティングメーカー」。雑貨類・食品類・化粧品といった商品を生協、通販会社、店舗、TVショッピングなど多様な販売先を通じて販売するメーカーベンダー事業、化粧品を販売するSKINFOOD事業、コンタクトセンターの構築等を提供するITソリューション事業の3事業を展開。
経営理念に「ファンつくり」を掲げ、全てのステークホルダーにファンになってもらえるグループ経営を目指している。【1-1 沿革】
高校・大学時代を自由な校風の中で過ごし、元来起業家精神が旺盛であった飯田 裕氏(現代表取締役会長兼CEO)は、損害保険会社勤務を経て1982年5月にアイケイ商事有限会社を設立。様々な商材の販売を手掛けていた中で、愛知県生活協同組合連合会の購買担当者の知遇を得て1983年4月に同生協の口座を開設し、職域生協との取引を開始した。

最初の商材である充電式クリーナーのチラシ販売が大ヒットとなったことが契機となり、全国他生協への横展開が進むとともに、取扱商品も増加し、業容は急速に拡大。2001年12月にJASDAQ市場に上場した。
上場に伴う認知度及び信用力の向上もあり百貨店通販や通販会社への商品供給も本格的に始まり、販売先も着実に拡大し、2007年5月期まで25期連続増収を達成した。

しかしリーマンショックで成長にブレーキがかかったのをきっかけに、独自のプロモーション戦略で商品の企画・製造・販売・物流を自社で一貫して行う「マーケティングメーカー」への転換を図るとともに、それまでの「B to B to C」に加え直接消費者に商品を提供する「B to C」チャネルも構築し再び成長軌道に回帰した。
2014年9月にはTVショッピング大手である株式会社プライムダイレクトを100%子会社にするなど、M&Aにも積極的に取り組んでいる。

【1-3 事業内容】
事業セグメントは、雑貨類・食品類・化粧品などを販売するメーカーベンダー事業、化粧品を販売するSKINFOOD事業、コンタクトセンターの構築等を提供するITソリューション事業の3つ。

(1)メーカーベンダー事業
メーカーとして企画・開発した化粧品、アパレル、靴・バッグ、美容・健康関連商品等を、生協、通販会社、店舗など多様な販売先に提供する「メーカーベンダー業態」と、自社WEBSITEや子会社のTVショッピング枠を通じて直接消費者に提供する「メーカー小売業態」の2業態を展開している。
アジアを中心とした海外のバラエティショップ、ドラッグストア、TVショッピング、WEBサイトにも商品を提供している。

2018年5月期No.1ヒット商品。
1分間に最大4,200回の電気振動を発生させるEMS商品。軽量、コンパクトでありながら、6種類のプログラムと10段階の強度設定が選べる等、使用者に合ったトレーニングが可能と好評。
このバタフライアブスのヒットにより、自社グループの保有する販売チャネルを活用したビジネスモデル「マルチチャネル販売」が完成。

「MAKE UP YOUR STYLE」をコンセプトに、メイクによって個性、美しさ、輝きを最大限に引き出すアイテムを提案している。
「LB」はLady Bird(テントウ虫)の略で、ヨーロッパでは古くから「テントウ虫が身体にとまると幸せがやってくる」という言い伝えがあり、LBのメイクアップを纏う全ての女性に沢山の幸せが届くようにとの思いが込められている。
数少ない100% made in Japan製品で、国内での拡販に加え、中国市場の本格的な開拓に乗り出している。

「ローカロ麺」、「ローカロ雑炊」をはじめ、美味しく楽しくダイエットができるローカロリー食品シリーズ。

史上初、すべての防腐剤を無添加とし、肌トラブルや日々のストレスから解放(B!FREE)する、化粧品シリーズ。

「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」を予防し、健康寿命をのばすことを目的としたフィットネスブランド。

「あった、わたしの欲しいもの」をコンセプトに、手軽に美味しく、からだに優しいものにこだわったブランド。

(2)SKINFOOD事業
100%連結子会社株式会社フードコスメが、韓国化粧品ブランドのフードコスメティック「SKINFOOD」の店舗展開を国内主要都市の駅ビルを中心に行っている。
店舗数は、2018年11月末現在、直営店21店舗、FC店2店舗の合計23店舗。

(3)ITソリューション事業
100%連結子会社アルファコム株式会社が、音声通話録音システム「Voistore」などコンタクトセンター構築に関わるシステムや、ビジネス版LINE「LINE WORKS」、チャットシステム「M-Talk」などを販売している。

【1-4 特長と強み:マーケティングメーカーとしてのビジネスモデル】
同社を特徴づけている最大のポイントは、独自のプロモーション戦略で商品の企画・製造・販売・物流を自社で一貫して行う「マーケティングメーカー」としてのビジネスモデルであろう。
同社のビジネスモデルは以下の3つの機能によって構成されている。

(1)強力な商品開発・発掘・調達力
幅広い販路から得た情報や30年以上に亘って培ってきた経験を活かし、魅力ある商品を開発・発掘・調達している。
月に1回「開発承認会議」を開催し、それぞれ7~8名で構成される化粧品、雑貨、食品の3チームが、役員や販売担当責任者に対して新商品の提案を行う。
チャレンジを貴ぶ同社では各チームが自由な発想の下、毎月平均10以上のアイテムを提案するが、全てが承認されるわけではない。
同社では商品開発について「オリジナリティ重視」、「徹底的な差別化」等を定めた「開発十訓」が定められており、提案された商品はこれを基に厳しく批評されたり、宿題を出されたりするが、こうしたプロセスが開発担当者を鍛え、更なる商品開発力の強化に繋がっている。

(2)高いマーケティング力
ヒット商品の開発にあたって大きな力を発揮しているのが「高いマーケティング力」だ。
候補となった商品が実際に売れるのかを多彩な販売チャネルを使ってテストマーケティングを実施。その結果を受け、パッケージ、時期、ターゲット、価格など、様々な点で工夫を加え新たなプロモーションを行うことで、数多くのヒット商品を生み出している。

(3)多彩な販売チャネル
上記の多彩な販売先に対し単に商品を提案するのではなく、他チャネルでの成功事例なども合わせ、その販売チャネルで最も売れる売り方や見せ方も提案している。
販売先のニーズやフィードバックにアイケイならではのアイデアを融合させ、日々ブラッシュアップを行っている。
商品選定にとどまらず、カタログや媒体の制作、品質管理、受注業務、物流業務、カスタマーサービスまで、販路に合わせた全てのソリューションを販売先に提供しているのも大きな特徴である。

多くの同業他社が商品の企画・マーケティングのみに特化していたり、販売チャネルが店舗に限られていたり、商品の製造や物流を他社に一任していたりするのに対し、同社は柔軟に対応できるシステムとノウハウを持つことで、他社には真似のできない独自のプロモーション戦略を実行することが可能である。

レバレッジは低下したが、18年5月期も大幅増益により売上高当期純利益率が大きく改善し、ROEも上昇した。今期の売上高当期純利益率は2.86%の予想で前期より低下するものの、引き続き高水準のROEを実現する見込みである。

2019年5月期第2四半期決算概要
売上は前期並み。売上効率の低下、販管費増で減益。
売上高は前期比0.9%増の93億56百万円。主力のメーカーベンダー事業がほぼ前年並み。テレビショッピングの主力商品「バタフライアブス」の売上効率が低下した。
粗利率は上昇し、粗利額も増加したが、販管費増をカバーできず営業利益は同57.9%減の2億18百万円となった。
18年10月に上期及び通期見通しを下方修正した。

TVショッピングの放映枠の増加と新商品のテスト販売の増加等で広告宣伝費の売上比率が上昇した。

四半期ベースでは、第2四半期(9-11月)は減収減益となった。

①メーカーベンダー事業
増収減益。
インバウンド需要の減速、中国でのCFDA登録の遅れもあり海外ルートは減収だったが、WEB・TVルートでの増収により、メーカーベンダー事業全体では増収となった。
前述のようにTVショッピングでの売上増を図るためTV媒体を増加させたことから広告宣伝費を増加させたがTVショッピングの売上効率(MR=メディアレーション、売上÷媒体費)がダウンしたことより、十分な収益を確保できなかった。

②SKINFOOD事業
減収減益。
2018年10月、SKINFOOD 事業のフランチャイザーである韓国・SKINFOOD Co.,Ltdがソウルの裁判所に回生手続(日本の民事再生手続に相当)開始の申立てを行った。翌週に裁判所から回生手続開始の決定がなされ、工場が再稼働したため商品供給に滞りはなく、日本国内の自社店舗では、ほぼ前年同期並みの売上を確保している。
ただ、インバウンド需要の減速によりインバウンド店舗運営代行での収入が減少したため減益となった。
18年11月末の店舗数は直営店21店舗(前年同期末20店舗)、FC店2店舗(同3店舗)の合計23店舗。

③ITソリューション事業
増収減益。
主力商品のVoistore(通話録音システム)、M-Talk(チャットシステム)の売上は堅調に推移した。
ただ、広告宣伝費(展示会による商品紹介)の増加等で販管費比率が0.1ポイント悪化し営業損失は拡大した。

たな卸資産の増加で流動資産は前期末に比べ2億78百万円の増加。固定資産は同22百万円減少し、資産合計は同2億55百万円増加の65億44百万円となった。借入金の増加などで負債合計は同1億83百万円増加の39億48百万円となった。利益剰余金の増加などで純資産は同72百万円増加の25億96百万円。
自己資本比率は前期末より0.4%低下し39.7%となった。

利益減、仕入債務の減少などで営業CFおよびフリーCFはマイナスに転じた。
長短借入金の増加で財務CFはプラスに転じた。キャッシュポジションはほぼ変わらず。

2019年5月期業績予想
増収減益。
前述のように通期業績予想を下方修正した。ただ下期の計画差異は僅少と会社側は判断している。
売上高は前期比8.8%増の199億47百万円、営業利益は同7.5%減の8億31百万円の予想。
配当予想に修正はなく、前期比2円/株増の12.00円/株の予定。予想配当性向は15.7%。(2)下期のセグメント別戦略
◎メーカーベンダー事業
1.TVショッピングでの販売効率アップ
温熱ベスト「スピードヒート」とバタフライアブスのリニューアル版「バタフライアブス2」の発売開始でMR(売上/媒体費)の向上を図る。
19年4月からの発売開始を予定しているバタフラウアブス2は機能アップの反面、価格は据え置きとし、集中的な出稿によるヒット商品化を図る。
一般的にMRは2.0が分岐点と言われているが、下期以降は、温熱ベスト「スピードヒート」やバタフライアブス2の投入によりMRの上昇を見込んでいる。

2.TVショッピングを起点としたマルチチャネル販売の促進
同社では新しいビジネスモデルである「TVショッピングを起点としたマルチチャネル販売」が完成したと考えている。前期は取り扱いがバタフライアブスのほぼ単品商であったのに対し今期は、「バタフライアブス2」を筆頭に夜用サポーター「足つらナイト」、ウォーキングシューズ「LOCOX」、温熱ベスト「スピードヒート」など採算の良好な商品ポートフォリオが完成したため、効果的なTV枠の確保が可能になり、上期低迷したMRの上昇が期待できると考えている。

3.LBを主体とした化粧品販売の強化
◆国内
「LB」の取扱店舗数を中間期の1,930店舗から、今期末2,500店舗へ拡大するほか、「ブラシ型ティントルージュ」、「パワーオブアイライナーリキッド」の新色2色をそれぞれ3月、5月に発売しラインアップを拡充させる。

◆海外
また、超敏感肌向けスキンケアブランド 「B!FREE+」の販売を開始した。リリース直後に日本最大のコスメ・美容の総合サイト「アットコスメ」でNo.1になるなど、今後の成長が期待されている。
ただ、「LB」に関するCFDA(中華人民共和国国家食品薬品監督管理局)の許可は遅れ気味となっている。

4.メーカーベンダー事業での自社開発商品の販売強化
粗利益率のアップを図るため、雑貨類・食品類ともに自社開発商品(PB商品)の開発と販売を引き続き強化する。
PB比率は前上期末の33.7%から今上期末の45.4%へと11.7ポイント上昇した。60%を目標としている。

◎SKINFOOD事業
1.既存店の収益力アップに注力
新規来店者を、「お客様」、「顧客」へと育成し、同社の経営理念である「ファン」まで昇華させる。
友人紹介カード、サンプル引換券の発行、店舗におけるハウスカード獲得、大型GWに合わせた顧客対象イベント実施など、反復来店の促進による既存店の収益力向上に注力する。

2.記憶に残る店つくり
接客時に必ず名前を名乗る(双方向でのありがとう)の強化を図る。そのために隔月のミステリーショッパーで定期的なチェックを行う。
その他、LINE会員やTwiterフォロワーの獲得や、Instagramアカウントのオフィシャル化を進める。

3.販路の拡大
Amazon、ZOZOTOWN、ASKUL等有力ECサイトへの出店を増加させEC系の販路拡大に注力するほか、ギフト系カタログへの販路拡大も図る。

◎ITソリューション事業
1. 営業面
大手企業からの引き合いも増えているチャットシステム「M-Talk」 導入の拡大と効率化を図る。
収益体制の改善による経営基盤の安定化のため、自社独自サービスを立上げる。
新バージョンの「VoistoreTOV」の事例を活用し、「Voistore(通話録音システム) 」の販売を強化する。

2. 管理面
事業拡大に向けた経営体制の検討を進める。個のレベルアップと組織化が必要と考えている。

今後の注目点
上期及び通期業績予想を下方修正したが、通期の修正幅はほぼ上期分のみであり、会社側は下期の推移に自信を持っている。
そのベースとなるのが、新しいビジネスモデルである「TVショッピングを起点としたマルチチャネル販売」の完成だ。
前回レポートでは、「今後はいかに安定的にヒット商品を生み出せるかが大きなカギとなる。」と述べたが、「バタフライアブス2」を筆頭に採算の良好な商品ポートフォリオが構築することができた点も大いに注目される。第3四半期以降の業績進捗に期待したい。
一方中長期に同社の成長を牽引すると期待されるメイクアップ化粧品「LB」に関するCFDA(中華人民共和国国家食品薬品監督管理局)の許可が遅れているのは気になる点である。3月ごろ目途とのことだが、こちらも進捗を見守りたい。
<参考:コーポレートガバナンスについて>
◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日:2018年12月14日<基本的な考え方>
当社は、コーポレート・ガバナンスが有効に機能することが求められる中、上場企業として社会的使命と責任を果たすため、経営基盤を充実し、尚且つ高い倫理観を保持し、経営の透明性を一層高めることで、信頼される企業を目指してまいります。
また、当社は経営環境の変化に迅速かつ的確に対応できる経営体制の確立を重要な経営課題の一つと考えており、定時取締役会(月1回開催)、臨時取締役会(必要に応じて随時開催)のほか、常勤取締役(監査等委員である取締役を含む)及び執行役員による社内役員会(週1回開催)、チームマネージャー職以上で構成されるTOP会議(週1回開催)の開催により、多方面からの情報共有に努めております。

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