(6184:東証1部) 鎌倉新書 各事業好調 利益目標を前倒しで達成か

2019/01/10

Kamakura

今回のポイント
・19/1期3Q(累計)は前年同期の非連結決算との比較で43.9%の増収、同84.3%の営業増益。お墓事業が同37%増、葬祭事業が同75%増、仏壇事業が同76%増と3事業全てで売上が大きく伸び、Webサービス全体で同50%の増収。3Qに入り成長が更に加速し、増収率が上期までの増収率を上回った。利益面では、売上の増加で広告宣伝費・業務委託費の増加や子会社コストを吸収。子会社コストが含まれない個別ベースでは108.4%の営業増益。一方、子会社2社は計画値を下回り、今後も計画に達する見込みがないと判断し、清算を決めた。

・通期予想は前期の非連結決算との比較で46.3%の増収、同82.7%の営業増益。「計画に対し、3事業とも大幅に上振れし、子会社の影響等を鑑みても、前回予想から、売上・利益共に大幅な増加が確実」として、売上を13.6%、営業利益を42.3%、上方修正した。子会社2社の清算に伴い発生する特別損失を吸収して最終利益も同57.0%増と大幅な増益が見込まれる(17.6%上方修正)。

・各事業で四半期ベースの紹介数の過去最高更新が続いている。SEOの再強化でサイトへの流入が増加する中、口コミ数も大幅に増大しているようだ。加えて、お墓事業における見学案内の強化、葬祭事業における新プラン導入と提携葬祭場開拓、仏壇事業におけるビジネスパートナーとの合同キャンペーン等、事業毎の施策も成果をあげている。単価も総じて堅調に推移しており、今後の業績を考えるに当たってネガティブな要素が見つからない。尚、代表取締役会長を務める清水祐孝氏が2019年2月1日付けで社長兼務となる。経営体制の強化・充実を図り、更なる企業価値の向上を目指していく考え。

会社概要
「人と人とのつながりのお手伝い」をコンセプトに、ライフエンディング市場にフォーカスした事業展開を進めている。ライフエンディング市場とは、死別後に備えた事前準備から、葬儀、仏壇、墓、更には遺族の生活の再構築に関わる市場の事。葬儀社・斎場・火葬場検索サイト「いい葬儀」、霊園・墓地・墓石店検索サイト「いいお墓」、及び仏壇・仏具店検索サイト「いい仏壇」等のポータルサイト運営を中心に、日本初で唯一の供養業界を網羅したビジネス誌である月刊「仏事」やライフエンディングに関連する書籍の制作・販売を手掛けている。【企業理念】
企業理念は、“私たちは、人と人とのつながりに「ありがとう」を感じる場面のお手伝いをすることで、豊かな社会づくりに貢献します”。
「親切」と「ありがとう」の交換は、豊かな社会を形成する土台である、との考えの下、人生の様々な局面で「ありがとう」を感じる瞬間を社会の中に増やしていく事、そのために鎌倉新書は存在していきたい、としている。

【沿革】
1984年4月、仏壇仏具業界向け書籍の出版を目的に設立されたが、清水祐孝氏の代表取締役就任を機に、「本を買う人は、紙の印刷物が欲しいのではなく、そこに書かれている情報を求めている」との考えの下、「自分たちの提供する価値は“情報”である」と改めて定義。情報加工業という視点から、事業領域を「インターネットビジネスを含めた情報ビジネス」として、2000年10月に全国の葬儀社や葬儀マナー等に関する情報サイト「いい葬儀」を開始した。

【事業内容】
事業は、お墓、葬祭、仏壇等のマッチングプラットフォームとなるポータルサイト運営を中心としたWEBサービス事業と、ライフエンディングに関わる書籍の企画・制作・賑売やセミナー等の書籍他事業に分かれる。18/1期の売上構成比は、WEBサービス事業89%(17/1期86%)、書籍他事業11%(同14%)。

WEBサービス事業
終活から葬儀、仏壇、墓、遺産相続といったライフエンディング全域をカバーするポータルサイト群を通してサービスや商品の情報を発信すると共に、お客様センターで問合せや相談に応じる事で、サイト利用者の意思決定をサポートしている。一方、ポータルサイトに掲載される葬儀社、仏壇仏具店、石材店、寺院霊園等の事業者に対しては、販売支援サービスの提供や掘り起こした見込み客の紹介を行う。サイト利用者には無料でサービスを提供し、紹介した見込み客と事業者との間で契約がまとまった時に成約報酬を受け取る(成約金額の10~20%程度)。事業者にしてみれば、“後払いの広告宣伝費”と考える事ができ受け入れやすい。
同業者としては、葬儀サービスでは、流通大手イオングループのイオンライフ(株)、「小さなお葬式」や「葬儀本.com」等を展開する(株)ユニクエスト・オンライン等があり、墓では、「もしもドットネット」を運営する首都圏石材協同組合、メモリアルアートの大野屋、(株)日本仏事ネット等を挙げる事ができる。市場規模は、葬儀市場が1兆4,000億円、仏壇仏具が1,639億円。

KPI(重視する経営指標)
成約報酬 = 紹介数 × 成約率 × 販売単価 × 手数料率

成約報酬の拡大に向け、同社は紹介数の増加と成約率の向上に取り組んでおり、その結果としてのシェア拡大を手数料率の引き上げにつなげていきたい考え。紹介数の増加には、コンテンツの充実、導線の改良、デザインの改良、広告等の活用がポイントであり、成約率の向上には、サイトユーザーとのコミュニケーション強化や事業者との連携強化が必要となる。

書籍他事業
供養業界の事業者に向けたビジネス情報誌である月間「仏事」(年間購読料:税込み16,200円)等、葬儀や墓・仏壇等、供養に関連する様々な出版物を発行している。出版社としての知名度や信頼感、業界ネットワーク、コンテンツ生成力がインターネットサービスにも活かされている。売上や利益では測れない、シナジーを有する事業である。

2019年1月期第3四半期決算
前年同期の非連結決算との比較で43.9%の増収、同84.3%の営業増益
売上高は前年同期比43.9%増の17億99百万円。営業人員の増員(前年同期末比30%増)による新規提携先の開拓、運営サイトのリニューアル、SEO対策強化等に加え、事業毎の施策も奏功し、Webサービスの売上が同50%増加。お墓事業が同37%増、葬祭事業が同75%増、仏壇事業が同76%増と3事業全てで売上が高い伸びを示した。

営業利益は同84.3%増の5億24百万円。広告宣伝費・業務委託費の増加や子会社コストの計上で営業費用が12億75百万円と同30.7%増加したものの、計画に沿った増加であり、営業利益率は29.2%と6.4ポイント改善。東証1部上場に伴う株式公開費用がなくなり、経常利益は5億10百万円と同102.8%増加。投資有価証券評価損43百万円や子会社清算(後述)に伴う固定資産の減損損失20百万円を特別損失に計上したが、最終利益は2億69百万円と同53.8%増加した。
尚、10月20日より、日本郵便との連携による「終活紹介サービス」を東京都江東区内の郵便局において開始した。

第3四半期(8-10月)は前年同期比55%の増収。霊園の見学予約の強化で紹介数が同24%増加し、単価が同11%上昇した。第2四半期(5-7月)との比較でも全てのKPIが上回り、四半期売上高が過去最高を更新した。

第3四半期(8-10月)は前年同期比105%の増収。、単価が同2%低下したものの、「いい葬儀プラン」の導入(74%のビジネスパートナーが導入)効果と提携斎場数の増加で紹介数が同52%増と大きく伸びた。紹介数の伸びが加速しており、四半期売上高が過去最高を更新した。

第3四半期(8-10月)は前年同期比100%の増収。ビジネスパートナーとの合同キャペーン(お盆キャンペーン等)効果で紹介数が同38%増加し、単価が同8%上昇した。18/1期は四半期毎に売上が増減したが、19/1期は増収基調が続いており、四半期売上高が過去最高を更新した。

第3四半期末の総資産は前期末の非連結決算との比較で3億51百万円増の28億13百万円。借方では、第3四半期の売上の増加で売上債権が増加した他、バックエンドシステムの更新で無形固定資産も増加。一方、評価損の計上による投資有価証券の減少で投資その他が減少した。貸方では、未払法人税等や純資産が増加した。自己資本比率87.0%(前期末の非連結ベース89.9%)。

2019年1月期業績予想
(1)子会社の解散
同社は、2018年2月1日にペットシッターサービスを主な目的として株式会社鎌倉新書Care pets(資本金20百万円、持ち分比率100%)を、同年3月9日にアクティブシニア向けにコミュニティ形成を念頭に置いたパソコン教室の運営を目的に株式会社鎌倉新書みんなのパソコン倶楽部(同5百万円、同75%)を、それぞれ設立した。
しかし、両社とも業績が当初計画を下回る状況であり、将来の採算性を検討した結果、今後も計画を上回る見込みがないと判断し、解散し清算する事とした。

前期比46.3%の増収、同82.7%の営業増益予想
「計画に対し、3事業とも大幅に上振れし、子会社の影響等を鑑みても、前回予想から、売上・利益共に大幅な増加が確実」として、通期の業績予想を上方修正した。
業績予想の修正に当たって、子会社2社の清算に伴い発生する特別損失を織り込んだ。第4四半期(11-1月)に子会社整理損他で約16百万円を特別損失に計上する予定。

今後の注目点
各事業で四半期ベースの紹介数の過去最高更新が続いている。SEOの再強化でサイトへの流入が増加する中、口コミ数も大幅に増大しているようだ。加えて、お墓事業における見学案内の強化、葬祭事業における新プランの導入と提携葬祭場開拓、仏壇事業におけるビジネスパートナーとの合同キャンペーン等、事業毎の施策も成果をあげており、来20/1期の目標としていた、営業利益7億円、経常利益6億90百万円、当期純利益4億60百万円の利益目標を1年目倒しで達成する(売上高は子会社戦略の見直しの影響を受ける)。単価も総じて堅調に推移しており、今後の業績を考えるに当たってネガティブな要素が見つからない。
同社は単なる情報提供に終わらない、豊かな人生を支える存在になる事を目指しており、「ライフエンディング」分野に限らず、高齢者と家族が必要とする多様なサービスを分かりやすくメリットがある形で提供していく事、そして社会の課題に積極的に挑戦していく事で業容拡大につなげていく考え。20/1期以降は清水会長兼社長の下、経営体制の強化・充実を図り、更なる企業価値の向上を目指していく事になる。
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎コーポレート・ガバナンス報告書更新日:2018年04月20日
基本的な考え方
当社は、企業価値を向上させ、株主利益を最大化するとともに、ステークホルダーと良好な関係を築いていくために、コーポレート・ガバナンスの確立が不可欠なものと認識しております。具体的には、代表取締役以下、当社の経営を負託された取締役等が自らを律し、その職責に基づいて適切な経営判断を行い、当社の営む事業を通じて利益を追求すること、財務の健全性を確保してその信頼性を向上させること、説明責任を果たすべく積極的に情報開示を行うこと、実効性ある内部統制システムを構築すること等が重要であると考えております。

<開示している主な原則>
【原則3-1情報開示の充実】
(1)会社の目指すところ(経営理念等)や経営戦略、経営計画
当社の企業理念については当社ホームページにて開示しておりますのでご参照ください。
http://www.kamakura-net.co.jp/company/principle.html
(2)本コードのそれぞれの原則を踏まえた、コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針
当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針は、当社ホームページに掲載しておりますのでご参照ください。
http://www.kamakura-net.co.jp/ir/governance/index.html
(3)取締役会が、取締役の報酬を決定するに当たっての方針と手続
取締役の報酬は、原則として月例固定報酬としており、株主総会において承認された報酬枠の範囲内で取締役会規程に基づき、独立社外取締役も出席する取締役会の承認を受けて決定しております。
(4)取締役会が取締役候補の指名を行うに当たっての方針と手続
取締役の指名に関しては、的確かつ迅速な意思決定に寄与する能力の有無と適材適所の観点より総合的に検討し、独立社外取締役も出席する取締役会の承認を受けて決定しております。
(5)取締役会が上記(4)を踏まえて取締役候補の指名を行う際の、個々の選任・指名についての説明
当社の取締役候補の指名理由は株主総会招集通知の株主総会参考書類をご覧ください。

【原則5-1株主との建設的な対話に関する方針】
当社では、経営管理部管掌役員が、経営企画、経理財務等のIR活動に関連する部署を統括し、IR体制を整備するとともに、株主・投資家の要請に応じて対話(面談)を逐次、実施しております。また、投資家に対しては決算説明会を半期に1回開催し、代表取締役社長自らが説明を行っております。

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