(4767:東証1部) テー・オー・ダブリュー 利益率大幅改善で大幅増益

2018/12/06

TOW

今回のポイント
・19/6期1Qは前年同期比2.6%の減収、同18.6%の経常増益。同社単体は増収となったものの、子会社ティー・ツー・クリエイティブの大型案件が伸び悩んだ。カテゴリー別には販促が減収するも、広報や文化・スポーツ、制作物が大幅増収。利益面では、高収益案件の増加に伴い、売上総利益率は14.8%から16.6%に上昇。販管費増を抑え、営業利益率は8.4%から10.1%に上昇した。

・通期予想に修正はなく、7.5%減収、8.5%経常減益を計画する。マス広告から総合プロモーション(デジタルを含む)へとシフトする顧客ニーズに応えるべく、同社の強みである「リアルプロモーション(イベント)」を軸として「ネット(SNS)プロモーション」、「AR/VR/アプリなどのデジタル技術を活用した体験イベント」、「動画制作・プロモーション」、「データに基づくPRプロモーション」等の新たな領域を組み合わせる“日本初の体験デザイン・プロダクション”を目指し、推進中。配当は26円(うち上期13円)を計画。

・子会社の伸び悩みで減収となったものの、利益率が大幅に改善し大幅増益となった。19/6期は減収減益予想。しかし、1Qの売上高、経常利益の進捗率は対通期予想、対上期予想で前期実績を上回っており、会社計画に対しても上回っていると推測される。また、今後は2020年案件の受注も盛り上がってくるだろう。今期は2020年に向けた谷間の1年となる可能性もあるが、着実なスタートとなった。配当利回りは約3%。1Qは好スタートで、2020年案件に向けて妙味ある水準といえそうだ。

 

会社概要
イベント・プロモーション業界で独立系No.1の東証一部上場会社。イベント及びプロモーションの企画・制作・運営や、セールスプロモーションに関するグッズ・印刷物の制作等を手掛ける。インターネットの影響力の拡大を踏まえ、長年培ってきたイベントの制作力とアイディア力にデジタルテクノロジーを加えたインタラクティブプロモーション(IP)に力を入れ、多くの実績を上げている。「世界一の“感動体験”をクリエイトし、笑顔を増やす」を経営理念とし、社名のテー・オー・ダブリューは、「Top Of The World」の頭文字に由来する。

グループは同社の他、イベントの制作・運営・演出及び映像制作を手掛ける(株)ティー・ツー・クリエイティブ(以下、T2C)、及び「スポーツ」の持つ様々な力を引き出し、「スポーツ」に関わる全ての領域で新しいビジネスの可能性を追求する(株)スポーツイズグッドの連結子会社2社(19年6月期1Q末現在)。
*18年11月22日に連結子会社(株)スポーツイズグッドの解散および精算の関するリリースを発表。
18年11月末をもって同社は解散予定。

尚、「インタラクティブ・プロモーション(IP)」とは、デジタル技術とアイディアで感動体験を創りだし、その体験を情報拡散・共感させるプロモーションである。

【事業内容】
イベントの企画から本番実施までの流れ
イベントは、主催者が何らかの目的(対象者に情報を発信したいとの意図)を持った時点で案件が発生する。同社は、主催者よりその目的についての説明を受け、企画の作成に入る。その後、幾度かのミーティングを繰り返す事で、企画書 → 基本計画書 → 実施計画書 → 詳細計画書へと段階的に移行し、最終的には進行台本、施工図面、タイムスケジュール表となり、各種資料に従い舞台作りやリハーサルが行われ、イベント当日を迎える。

同社の業務範囲
イベントの場合、同社は、上記の企画からイベント本番までを受注し、「企画」・「制作」・「運営」・「演出」を行うが、実際のイベント現場では多くの業務がある。具体的には、照明、音響、映像、舞台制作、モデル・コンパニオン・警備員の派遣、整理、撤収、清掃等種々雑多の業務があり、これらの専門業者を外注先として業務毎に発注し、イベント全体をトータルにディレクション、プロデュースする事で主催者の意図を来場者に伝える事が同社の業務である。連結子会社については、(株)ティー・ツー・クリエイティブがイベントの「制作」・「運営」を、(株)スポーツイズグッドがスポーツ体験のプランニング及びプロデュース業務を、それぞれ専業として行っている。
一方、プロモーションの場合は、「企画」、「デザイン」、「制作」が主な業務だが、印刷、プレミアム、グラフィックデザイン、事務局運営、OOH(Out of Home:交通広告や屋外広告等)、Web制作等の業務もあり、同社は、イベント同様、トータルにディレクション・プロデュースし納品する。

中期的方針
中期的方針日本初の「体験デザイン・プロダクション」
「体験デザイン」とは、買い方、作り方、売り方も含めたトータルなブランド体験を設計(デザイン)する事。ブランドとのWow!な体験を起点に、体験者がそのブランドのファンとなり、特にSNSをハブに多様なメディアで体験の拡散・共有を最大化させる仕組みを設計する。同社は日本初の「体験デザイン・プロダクション」を目指すと共に、2020年案件の取込みと更に踏み込んだアライアンス戦略を推進していく。また、規模拡大(=高い収益力維持×戦力増)も図る。

「体験デザイン・プロダクション」
強みである「リアルプロモーション(イベント)」を軸に、IPアライアンス・ユニットの活用とデータ活用&成果追及により、IPの次のフェイズを目指す。具体的には、「ネット(SNS)プロモーション」、「AR、VR、アプリ等のデジタル技術を活用した体験イベント」、及び「動画制作・プロモーション」による統合プロモーションに「データに基づくPRプロモーション」等を組み合わせる事でIP力を強化していく。

更に踏み込んだアライアンス戦略の推進
「リアル」、「デジタル」、「動画」、「PR」、「データ」等で強みを持つ企業と更に踏み込んだアライアンス関係を構築するべく、出資及びM&Aに積極的に取り組んでいく。「デジタル」ではCRブティック(株)ワン・トゥー・テン・デザイン及びコンテンツ制作会社(株)カヤックの2社と、「映像」では太陽企画(株)及び(株)ギークピクチュアズの映像制作会社2社と、「PR」ではPR会社(株)マテリアルと、それぞれアライアンス関係にある。「データ」では、ソーシャルメディア上でのトレンド分析が可能なブームリサーチを全社で導入した。全社員のパソコンからアクセスが可能で企画や効果検証に活用できる。

規模拡大
5年前から新卒を定期採用しており、若手(14年4月11人、15年4月15人、16年4月17人、17年4月20人)の増員と戦力化に取り組んでいる。17/6期末のグループ社員は16/6期末の 169人(TOW:133人、T2C:36人)から188人(TOW138人、T2C50人)、18/6期末には210人に増加した。19/6期以降も、高い収益力の維持を前提に戦力増を図っていく。

18/6期を含めた中期方針のレビューと対策
① 一部大手顧客の変革への対応
対応・適応力がまだ不十分
⇒“個の力”から“組織の力への変革
全社の営業を統括できる役員体制とし、営業・管理ナレッジの均質化を図り、中期的視点で受注力を向上

② 高い収益力維持×戦力増=規模拡大
高粗利・高勝率を維持しながら社員増
4年前から新卒を定期採用してきた若手の育成・成長は順調
③ 日本初の『体験デザイン・プロダクション』の深化
体験デザイン力も評価され体験デザイン型の中・大型案件も増加
デザイン力の更なる深化を目指す
⇒データ活用とアライアンスを含め、デザイン力向上と更なる深化を全社的に推進してゆく
広告市場では“非マス領域が伸びており、対応を進める
バイリンガルからマルチリンガルへ、「課題に合わせたデータ活用・メニューを開発し、体験デザインの精度と成果を追求する」
④ “2020年案件の取込み
案件の出現が見込みより遅く、受注はまだ少ない
⇒2年前、500日前、1年前、100日前・・・継続して積極的に仕掛ける
⑤ さらに踏み込んだアライアンス戦略
随時各社とコンタクト中⇒継続
2019年6月期第1四半期決算

前年同期比2.6%の減収、同18.6%の経常増益
売上高は前年同期比2.6%減の29億36百万円。同社単体は増収となったものの、子会社ティー・ツー・クリエイティブの大型案件が伸び悩んだ。カテゴリー別売上高は以下の通り。販促が減少したものの、広報や文化・スポーツ、制作物が大幅に伸びた。

営業利益は同16.1%増の2億95百万円。高収益案件の増加に伴い、売上総利益率は前年同期14.8%から16.6%に上昇した。販管費の増加を抑え、営業利益率も同8.4%から10.1%に上昇した。

18/9期末の総資産は、前期末比3億61百万円減少し、126億34百万円となった。
流動資産は3億83百万円減の108億81百万円となった。これは主に、未収入金が7億26百万円、未成業務支出金が6億15百万円増加したが、電子記録債権が8億27百万円、受取手形及び売掛金が5億8百万円、現金及び預金が3億85百万円減少したこと等によるもの。
固定資産は22百万円増の17億53百万円となった。固定資産のうち有形固定資産は、前期比5百万円増の89百万円となった。これは主に、リース資産の取得によるもの。無形固定資産は1百万円減少の19百万円となった。これは主に、減価償却によるもの。投資その他の資産は18百万円増の16億43百万円となった。これは主に、繰延税金資産が23百万円減少したが、投資有価証券が43百万円増加したこと等によるもの。
流動負債は、3億24百万円減の33億77百万円となった。これは主に、その他が2億40百万円、電子記録債務が84百万円、賞与引当金が44百万円増加したが、未払法人税等が3億51百万円、買掛金が3億48百万円減少したこと等によるもの。
固定負債は、43百万円増の5億4百万円となった。これは主に、繰延税金負債が45百万円増加したことによるもの。
純資産は、79百万円減の87億52百万円となった。これは主に、その他有価証券評価差額金が24百万円増加したが、利益剰余金が1億8百万円減少したこと等によるもの。

2019年6月期業績予想

19/6期計画は7.5%減収、8.5%経常減益
通期予想に修正はなく、19/6期は売上高が前期比7.5%減の154億36百万円、経常利益は同8.5%減の17億14百万円を計画する。前期に引き続きマス広告から総合プロモーション(デジタルを含む)へとシフトする顧客ニーズに応えるべく、同社の強みである「リアルプロモーション(イベント)」を軸として「ネット(SNS)プロモーション」、「AR/VR/アプリなどのデジタル技術を活用した体験イベント」、「動画制作・プロモーション」、「データに基づくPRプロモーション」等の新たな領域を組み合わせる“日本初の体験デザイン・プロダクション”を目指し、推進中。
上期予想は以下の通り

(2)配当
同社は、利益配分の指標として、連結ベースの配当性向及び株価配当利回りの二つを用いている。具体的には、連結ベースの配当性向40%で算出された1株当たりの予想配当金と、同決算発表日の前日(2018年8月7日)の終値に株価配当利回り4.5%を乗じて算出された1株当たりの配当金のいずれか高い方を最低配当金として配当金を決定している(内部留保を確保するため、連結配当性向換算で50%を上限としている)。
上記計算に基づき算出された19/6期の1株当たり配当金は25.14円。これを踏まえて、通期の予想配当金を前期に比べて1円減配の26円(うち上期配当13円)を予定している。

今後の注目点
子会社の伸び悩みで減収となったものの、利益率が大幅に改善し大幅増益となった。19/6期は減収減益予想。しかし、1Qの通期予想に対する進捗率は売上高で19.0%、経常利益では18.2%、前期実績ベースのそれぞれ18.1%、14.0%を上回っている。上期予想に対する進捗率も売上高36.8%、経常利益34.2%と、前期実績ベース33.4%、24.1%を上回っている。こうしたことから、会社計画に対しても上回っていると推測される。また、今後は2020年案件の受注も盛り上がってくるだろう。今期は2020年に向けた谷間の1年となる可能性もあるが、着実なスタートとなった。配当利回りは3.0%。1Qは好スタートで、2020年案件に向けて妙味ある水準といえそうだ。
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎コーポレート・ガバナンス報告書更新日:2018年10月10日
基本的な考え方

同社では、コーポレート・ガバナンスの意味を「企業価値の継続的な向上を目指して、経営層による適正かつ効率的な意思決定と業務執行、並びにステークホルダーに対する迅速な結果報告、及び健全かつ公正で透明性の高い経営を実現する仕組みの構築・運用」と考えている。
株主をはじめ、顧客、従業員その他のステークホルダーに対する責任を果たすとともに、当社の継続的成長と中長期的な企業価値の向上を図ることを目的として、以下の基本方針に則って、実効性あるコーポレート・ガバナンスを実現していく。

1.株主の権利を尊重し、平等性を確保する。
2.株主を含むステークホルダーの利益を考慮し、適切に協働する。
3.会社情報を適切に開示し、透明性を確保する。
4.取締役会による業務執行に対する監督機能の実効性を向上させる。
5.中長期的な株主の利益と合致する投資方針を有する株主との間で建設的な対話を行う。

<実施しない主な原則とその理由>
【補充原則1-2-4 議決権行使プラットフォーム利用、招集通知の英訳】
議決権電子行使プラットフォームの利用や招集通知の英訳については、同社の株主における機関投資家や海外投資家の比率などの動向を踏まえ、導入を検討していく。

【補充原則3-1-2 英語での情報開示・提供】
同社は英語版の事業報告書を作成するとともに、半年ごとに英語版のアナリストレポートを当社ホームページ等で開示しているが、今後は、同社の株主における機関投資家や海外投資家の比率などの動向を踏まえ、決算説明会資料、招集通知記載内容等についても英語での情報提供を検討していく。

【補充原則4-10-1 指名・報酬等に関する独立社外取締役の関与・助言】
取締役等の指名・報酬等に係る取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任を強化するために、指名・報酬等の検討に際しては、独立社外取締役との連携を深める等、より公正で、透明性の高い検討と手続きが実施できることを目指した体制整備の検討を進めます。なお、任意の諮問委員会については、必要性に応じ検討していく。

<開示している主な原則>
【原則1 -4 政策保有株式】
同社の純投資目的以外の投資を行う際の基本方針は、投資対象会社との業務提携、情報共有等を通じて当社の統合プロモーション事業におけるシナジー効果が期待されることであり、中長期的な視点で価値向上を図るために、取引先との関係強化の観点等を踏まえ、効果が見込まれると判断した場合に限り、必要最小限の上場株式を保有することとしている。
政策保有株式の議決権の行使については、適切な対応を確保するために、議案毎に、保有先企業の中長期的な企業価値の向上、当社及びグループ会社の中長期的な経済的利益の増大等の観点から総合的に判断するものとし、主要な政策保有株式については、議決権行使の状況を取締役会に報告する。

【原則4-9 独立社外取締役の独立性判断基準及び資質】
社外取締役候補者の選任にあたっては、東京証券取引所が定める独立性基準を満たす者としています。

【補充原則4-11-1 取締役会全体としての知識・経験・能力のバランス、多様性及び規模に関する考え方】
同社は、定款により、取締役の員数を14名以内と定めており、2018年10月1日現在 9名(うち社外取締役4名)で取締役会を構成。取締役会を構成するメンバーについては、経験、知見、能力等における多様性に配慮している。

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
同社は、株主・投資家との双方向の建設的な対話を促進し、これにより同社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向けた実効的なコーポレート・ガバナンスの実現をはかることを、同社の責任を果たす上での最重要課題の1つと位置付けており、このような考えに基づき、以下のような施策を実施する。

1.株主との対話に関する担当取締役の指定
経営トップ自らが株主との対話に取り組み、管理本部長がIR実務を統括する。

2.社内部署の有機的な連携のための方策
IR担当部署でもある総務チームが経理チームと日常的に打ち合わせや意見交換を実施しており、開示資料作成に際しても連携し、経営トップを交えて内容の検討を行っている。

3.個別面談以外の対話の手段の充実に関する取組み
株主総会を株主との重要な対話の場と位置付け、株主総会において、同社事業に関する十分な情報開示の確保をはじめ、株主の皆様からの信認を得られるような運営につとめる。
また、定期的に決算説明会を開催することにより、株主・投資家の皆様とのより緊密なコミュニケーションの実現につとめます。

4.株主の意見・懸念のフィードバックのための方策
株主・投資家との対話において把握されたご意見や当社に関する懸念を担当部署において取りまとめ、その重要性や性質に応じ、これを定期的に経営陣幹部や取締役会に報告するための体制を整備する。

5.インサイダー情報の管理に関する方策
株主・投資家の実質的な平等性を確保すべく、公平な情報開示につとめることを基本方針とし、当該方針に基づき、同社に関する重要情報については、適時かつ公平にこれを開示することとし、一部の株主・投資家に対してのみこれを提供することがないよう、その情報管理の徹底につとめる。

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