(8912:東証2部) エリアクエスト サブリース事業順調 最高益更新か

2018/11/22

areaquest

今回のポイント
 
・19/6期1Q(7-9月)は前年同期比20.8%の減収、同48.8%の営業減益。前年同期には5億円程度あったと思われる販売用不動産の売却収入が、ほぼ半減したと思われる。この影響による売上の減少で売上総利益が減少する中、人件費、採用費、支払手数料等を中心に販管費が同1.7%増加した。ただ、販売用不動産の影響を除くと、ストック収入であるサブリース事業を中心に増収・増益と推測され、19/6期の立ち上がりは順調と考える。

・上期及び通期の業績予想に変更はなく、通期で前期比0.9%の増収、同16.0%の経常減益予想。売上面では、販売用不動産の売却収入が減少するものの、契約の積み上げによるサブリース事業の売上増で吸収する。利益面では、営業部門や管理部門の人員増強と処遇改善による販管費の増加が負担になる。配当は2円増配の年4円(上期末2円、期末2円)を予定している。

・株主優待関連費用が想定を大幅に上回り、前18/6期は利益が下振れした。このため株主優待を1期で終わらせたところ、これを嫌気して株価は急落した。増配や自社株買いといった長期保有株主へ配慮した施策の発表もあり、その後、日経平均が急落する中でも同社の株価は落ち着いている。サブリース物件の獲得は順調に進んでおり、業績に不安はない。来20/6期は10%を超える営業増益が見込まれ、21/6期は最高益の更新が視野に入る。

 
会社概要
東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県の駅前店舗を対象にしたサブリースやビル管理・メンテナンス(清掃、設備保守、警備管理等)を中心に契約更新・契約管理(売買仲介を含む)等も手掛ける「ストック収入型ビジネス」と、テナント誘致等の「成功報酬型ビジネス」を展開。グループは、グループマネジメントが中心の同社の他、テナント誘致等を手掛ける(株)エリアクエスト店舗&オフィス、ビル管理等の(株)エリアクエスト不動産コンサルティングの連結子会社2社。「エリアクエスト」と言う社名には、「地域に根差して(エリア)、不動産の価値を追求する(クエスト)」と言う思いが込められている。【代表者プロフィールと会社沿革】代表取締役社長を務める清原雅人氏は1967年2月2日生の50歳。予備校までを熊本で過ごし、一浪して明治大学法学部に入学。卒業後は野村證券に入社。大阪で4年、名古屋で3年、営業の腕を磨いた。1998年4月に友人と起業し、2000年1月に独立してエリアリンク(株)を設立(2001年3月に社名を(株)エリアクエストに変更)。2003年2月に(株)エリアクエストを東証マザーズに上場させ、2014年11月に本則市場(東証2部)での上場を果たした。現在、(株)エリアクエスト、(株)エリアクエスト店舗&オフィス、及び(株)エリアクエスト不動産コンサルティングの代表取締役社長を務める。会社設立から上場後数年間はテナント誘致で業績を拡大させたが、需要一巡とリーマン・ショックによる景気悪化が重なり06/6期から4期連続の最終赤字。「業績の立て直しには、謙虚にビルオーナー等との信頼関係構築に取り組む事が必要」との認識の下、日常的に発生する設備の不具合・老朽化によるトラブルやテナント管理の問題への対応等、迅速かつ丁寧なアフターフォローに力を入れた。この取り組みが成果を上げ、ビルオーナー等との信頼関係の構築が進み安定収益源となる管理物件やサブリース物件が徐々に増加。テナント誘致事業、サブリースを含むビル管理事業、売買仲介を含む更新及び契約管理事業の三本柱による貸主・借主への徹底サービスを原動力に、18/6期で7期連続の増収・増益を達成した。【特徴・強み 1都3県の駅前商業地においてテナント誘致に強いビル管理サービスを提供】
特徴1  ビル管理事業(サブリースを含む) 清掃業務は「顧客満足度No.1」を自負
特徴2 更新及び契約管理事業
(売買仲介を含む)
トラブルの未然防止と、トラブルが起きてしまった場合の迅速対応
特徴3 テナント誘致事業 ビル管理事業とのシナジー

ビル管理事業や更新及び契約管理事業は2003年3月に100%子会社化した(株)日本総合ビルメンテナンスがベースになっているが、ビル管理事業では、清掃を中心にした日常対応に留まらず、水回り、電気、空調、ガス、エレベーターといった設備面での臨時対応をこなし(問題が発生すれば、いち早く駆けつけて対応)、更新及び契約管理事業では、更新及び契約管理に加え、消防法上問題となる共用部分の不正使用といったビルオーナー等の貸主共通の悩み事にも対応する等、同社ならではのサービスが加えられている。一方、テナント誘致は同社にとって祖業であり、会社設立から3年1カ月でマザーズ上場を果たす原動力となった。独自に分類した63業種・約3,000社の店舗テナントをデータベース化し、このデータベースに基づき営業活動が行われている。また、物件毎に、ビル管理事業、更新及び契約管理事業、及びテナント誘致事業の各事業部門から担当者が選出され、各担当者は担当業務をこなすと共に、チームを組んでテナント誘致に取り組んでいる。【成長をけん引するサブリース事業】12/6期以降、サブリースに力を入れている。サブリースは空室で賃料収入がなくても、賃料をビルオーナー等に払わなければならないが、テナント誘致での強みを活かす事ができ、もとより、人の流れの多い1都3県の駅前商業地に物件を絞り込む事でリスク低減を図っている。また、サブリース物件の開拓に当たっては、地域特性や立地に応じて物件の用途や機能を変更して性能を向上させたり価値を高めたりするリノベーションの提案も行っている。もともと同社がサブリースする物件は築年数が古い物件が多いため、リフォームはもとより、水回り、電気、空調、ガス等、躯体以外の設備の修繕が必要な物件が少なくない(物件によっては鉄骨を入れ床の補強を行った事もあった)。こうした費用は同社が負担するため、ビルオーナーは自ら負担する事なく、資産価値を高めると共に安定収益を享受できる。一方、同社は先行投資負担を織り込んだ収益性を試算した上で提案を行っているため、テナントが埋まれば先行投資を吸収して確実に利益を上げる事ができる。広告宣伝にもサブリース物件を活用オーナーの同意を得てサブリース物件を含めた同社の管理物件への広告看板設置を進めており、2018年8月24日現在、112箇所。同社の認知度の向上に寄与し、看板効果で問い合わせも増えている。広告看板は1箇所20万円程度の設置費用は必要だが、オーナーの同意を得てサブリース物件を含めた同社の管理物件に無料で設置させてもらっている。景気動向によっては店舗出店意欲の低下等が予想されるものの、サブリース収入等のストック収入を中心とした同社グループの利益に与える影響は少ない。19/6期は、販売用不動産の売却で17/6期及び18/6期と売上が押し上げられた反動で売上の伸びが鈍化するがサブリースの増加で吸収する。利益面では、17/6期に着手した営業部門や管理部門の強化(人員増強)と社員の処遇改善に向けた取り組みが本格化する。売上が前期比微増収にとどまる中で、販管費が増加するため減益となるが、販売用不動産の売却収益を除くベースでは増益基調を維持する。20/6期には前期比増収・増益に転じ、販売用不動産の売却収益が寄与した18/6期の利益水準を確保できる見込み。

 
 
2019年6月期第1四半期決算
前年同期比20.8%の減収、同48.8%の営業減益売上高は前年同期比20.8%減の8億56百万円。前年同期には5億円程度あったと思われる販売用不動産の売却収入が、ほぼ半減した模様。ただ、この影響を除いた売上は、ストック収入であるサブリース事業を中心に増加したようだ。営業利益は同48.8%減の1億46百万円。販売用不動産売却の際の利益率は前年同期と比べて若干低下したようだが、「ストック収入型ビジネス」よりも高く、同売上の減少で売上総利益が同31.6%減少。一方、販管費は、処遇改善や営業部門・管理部門の人員増強等で、人件費、採用費、支払手数料等を中心に同1.7%増加した。第1四半期末の総資産は前期末とほぼ同水準(30百万円増)の34億84百万円。販売用不動産の売却で得た資金を活用し、借入金の削減を進めると共に余資運用の投資有価証券を積み増した。自己資本比率50.5%(前期末48.0%)。自己株式の取得同社は、2018年9月7日開催の取締役会において、資本効率の向上を通じて株主利益還元の強化を図ると共に、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を可能とするべく自己株式取得を決議した。2018年10月末現在、1,102,900株を195,280,700円で取得している。2018年9月7日開催の取締役会での自己株式取得に関する決議内容
取得対象株式の種類 普通株式
取得する株式の総数 1,500,000株(上限)、発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合6.7%
株式の取得価額の総額 300,000,000円(上限)
取得期間 2018年9月25日~2019年3月29日
取得方法 市場買付け

ちなみに、2018年3月に株主優待を導入したところ、3カ月弱で株主数が5,500人から37,800人に32,300人も増加した。株主優待費用も増加し利益下振れ要因となったため、同社は株主優待の1期での廃止を即断した。これが嫌気され、同社株式は売られたが、これを補うべく、2円の増配を発表しており、保有株数が600株を超えていれば、増配の方が経済的なメリットは大きい。株主が約32,000人増加していたとして、全員が100株であるとすると、株数は3,200千株。増加した株主約32,000人の半分が株を売却したとすると、売られた株は1,600千株。上記の自己株式の取得(1,500千株)で、ほぼカバーできる計算だ。

 
 
2019年6月期業績予想
前期比0.9%の増収、同16.0%の経常減益売上高は前期比0.9%増の27億円。販売用不動産の売却収入が減少するものの、契約の積み上げ効果でサブリースの売上が16億74百万円と同15.9%増加する見込み。営業利益は同15.5%減の3億60百万円。利益率が高い販売用不動産の売却収入が減少する中、営業部門や管理部門の強化(人員増強)と社員の処遇改善による人件費の増加や株主数の増加に伴う信託報酬の増加(前期の2~3百万円から15~20百万円に増加)に加え、株主優待関連費用の当期引き当て分もあり、販管費が増加する。尚、サブリースの売上は前期末までの契約分のみを織り込み、今期の契約分は織り込んでいない。サブリースの売上総利益は同19.6%増の5億01百万円を見込んでいる。配当は、1株当たり上期末2円、期末2円の年4円を予定しており、年2円の増配となる(予想配当性向42.9%)。
 
 
今後の注目点
株主優待の導入に伴い、3カ月弱で株主数が5,500人から37,800人に32,300人も激増した。会社側では2年程度で15,000人程度の増加を想定していたため、3カ月弱で想定の約2倍の増加である。このため、株主優待関連費用が想定を大幅に上回り(信託報酬や株主総会費用も数千万円増と激増)、18/6期は営業利益が前期比微増にとどまり、予想に届かなかった。他社の傾向から、株主優待を続けると、4万人、5万人と、更に増加する可能性があったため、株主優待を18/6期の1期のみで終わらせた。これを嫌気した事に加え、19/6期が販売用不動産売却の減少で減益予想だった事や株価チャートの形が悪かった事もあり、株価が急落した。しかし、売りは一巡しており、増配や自社株買いといった長期保有株主への配慮もあり、その後、日経平均が急落する中でも同社の株価は落ち着いている。ちなみに、600株保有していれば、株主優待よりも、今回の増配の方が経済的なメリットは大きい。サブリース物件の獲得は順調に進んでおり、来20/6期は10%を超える営業増益が見込まれ、21/6期は最高益の更新が視野に入る。加えて、今回の対応に見られるように、迅速で的確な経営判断も評価できる。現在の株価が買値を下回っている株主の方もいると思うが、昨今の株価水準であれば、配当利回りは2.5%を超え、買い増しの絶好のチャンスかも知れない。そもそも、ファンダメンタルズの悪化で売られた訳ではない。
 
 
 
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎コーポレート・ガバナンス報告書更新日:2018年09月26日基本的な考え方当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、その重点を株主利益向上に置き、コーポレート・ガバナンスの充実を図ることが重要な課題と認識しております。その一環といたしまして、意思決定の迅速化、経営の透明化等を意識しコンプライアンスの徹底等が機能する体制の構築に取り組んでまいります。<開示している主な原則>【原則1-4】(いわゆる政策保有株式) 当社は、いわゆる政策保有株式については、その保有の意義が認められる場合を除き、保有しないことを基本方針としており、現時点では、政策保有株式を保有しておりません。しかしながら、今後、事業戦略上の重要性等を目的として保有する場合があります。その場合は、毎年、取締役会で中長期的な経済合理性や将来の見通しを検討し、企業価値向上の効果等が乏しいと判断される銘柄については、売却を行ってまいります。議決権行使にあたっては、投資先企業の中長期的な企業価値、株主価値の向上につながる観点等から検討し、総合的に判断した上で適切に行使します。【原則1-7】(関連当事者間取引) 当社は、当社及び関連当事者間の取引について、当該取引が当社や株主共同の利益を害することが無いよう、取引内容及び条件の妥当性について、取締役において審議することとしております。【原則3-1】(情報開示の充実)(1)会社の目指すところ(経営理念等)や経営戦略、経営計画 当社は当社ホームページや決算説明会資料等で、経営理念や経営戦略、中期経営計画を開示しております。(2)本コードのそれぞれの原則を踏まえた、コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針 当社ホームページにて「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」及び「コーポレートガバナンス・コードに基づく情報開示」等を開示しております。(3)取締役会が経営陣幹部・取締役の報酬を決定するに当たっての方針と手続 当社は、取締役の報酬は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に尽力する設定を行っております。取締役の報酬総額については、株主総会の決議により決定した年額80,000千円以内において、各取締役の責任範囲の大きさ等を勘案して、取締役会決議にて決定しております。(4)取締役会が経営陣幹部の選任と取締役・監査役候補の指名を行うに当たっての方針と手続 当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上の実現に貢献するための資質があり、専門的知識を有する人物を、幅広く候補者として人選し、取締役は取締役会において決定しており、監査役は監査役会において決定しております。(5)取締役・監査役候補者の選定の理由の開示 新任候補者、社外取締役候補者及び社外監査役候補者の選任理由は、株主総会招集通知にて開示しております。【原則5-1】(株主との建設的な対話に関する方針) 当社は、持続的な成長と中長期的案企業価値向上のためには、株主・投資家との積極的且つ建設的な対話が重要であると考え以下の体制の整備及び取り組みを行っております。・定時株主総会において、総会終了後に「株主懇親会」を開催し、株主から株主総会議案以外の質問も受け付け、代表取締役社長が適宜、回答するように努めている。・管理部を株主と対話する事務局とし、管轄する取締役を開示責任者とし、各部署連携に努め、迅速且つ的確な対応に尽力する。・代表取締役社長が説明を行うIR説明会を年2回以上開催し、中期事業計画も含め説明を行い、当社ホームページにおいて開示する。・重要な株主の意見等については毎月開催される取締役会へ報告を行い、取締役及び監査役との情報共有を図る。・株主及び投資家との対話にあたってはインサイダー情報を伝達しないことを方針とし、IR担当部署が適宜確認し、直接対話する者に対して指導を行う。
 
 

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