(3194:東証1部) キリン堂HD 既存店マイナスも新店寄与で売上高増

2018/11/16

kirindo

今回のポイント
 
・2019年2月期第2四半期(累計)の売上高は前年同期比2.2%増の650億35百万円。既存店はマイナスだったが新店が寄与した。小売事業においてヘルス&ビューティケア(HBC)商品の販売や、販促施策の見直しに注力したことなどから粗利率が上昇し、粗利額も増加。販管費も人件費、施設費を中心に増加したが吸収し、営業利益は同10.2%増の8億47百万円。販管費はほぼ計画通りだったが売上の計画未達により、営業利益も計画に及ばなかった。営業外収支の改善により経常利益以下は計画達成。

・業績予想に変更は無い。2019年2月期の売上高は前期比3.8%増の1,315億円を、営業利益は同33.2%増の25億80百万円を計画。第二次中期経営計画の柱となる重点課題(①既存店の活性化、②ヘルス&ビューティの強化、③作業システム改革、④調剤事業の拡大、⑤関西ドミナントの推進)に取り組み、国内営業基盤の拡大と営業利益率の改善を図る。配当は、同5円増の35.00円/株の予定。予想配当性向は26.8%。

・今期に入り苦戦が続いている既存店売上高だが、9月は前年同月比2.4%増と3カ月ぶりに増収に転じた。課題である客数はまだマイナスだったが、客単価は4..9%増となった。9月は台風による営業休止が2日あったことを考慮する必要があり、この回復傾向が今後も明瞭となっていくか注目したい。また、通期計画に対する第2四半期までの進捗率をみると、売上高はほぼ例年並みなのに対し、営業利益はややスローに見える。上期には災害など一過性の要因があったこともあるが、もとの計画自体が下期偏重となっており、こちらの推移も見守りたい。

 
会社概要
関西圏を地盤としてドラッグストア・保険調剤薬局を運営する(株)キリン堂を中心とした持株会社。医薬品等の卸売事業や医療・介護コンサルティング等も手掛ける子会社も有する。ドラッグストア事業では、近畿2府4県(大阪、京都、兵庫、奈良、和歌山、滋賀)を中心に、三重、香川、徳島、石川においてドミナント戦略を進めており(特定地域内に集中出店することで経営効率を高めるとともに、地域内でのシェアを向上させ競争優位に立つ戦略)、関東1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)でも店舗展開をしている。グループ店舗数は365店舗(FC1店舗を含む)。連結子会社は、下記4社。持分法適用関連会社として中国で主に卸売を展開する株式会社ビューネットホールディングスがある。連結の従業員数は1,757名。(いずれも2018年8月31日現在)1955年の創業以来、病気になってからではなく、健康な状態のうちに、より健康になるために役立ちたいと考え、「未病対策」をテーマに掲げている。前回レポート作成時からは売上高順位に変動はない。時価総額ではウエルシアHDがトップとなった。キリン堂HDの順位に変化はない。2018年2月期のROEは利益率の上昇により過去6年で最も高い9.8%に上昇した。第2次中期経営計画では、2020年2月期10%以上を目標としており、今19年2月期も10.2%の計画である。
 
 
2019年2月期第2四半期決算概要
新店が寄与し増収増益も、売上高、営業利益は計画未達。売上高は前年同期比2.2%増の650億35百万円。既存店はマイナスだったが新店が寄与した。小売事業においてヘルス&ビューティケア(HBC)商品の販売や、販促施策の見直しに注力したことなどから粗利率が上昇し、粗利額も増加。販管費も人件費、施設費を中心に増加したが吸収し、営業利益は同10.2%増の8億47百万円。販管費はほぼ計画通りだったが売上計画未達により、営業利益も計画に及ばなかった。◎出退店状況2019年2月期第2四半期(累計)の出店は8店舗、M&A等による増加が2店舗(いずれも調剤薬局)で、店舗数は6店舗増加した。退店は4店舗。2018年8月末のグループ店舗数はFC1店舗を含む365店舗となった。◎既存店の状況2019年2月期第2四半期(累計)の既存店売上高は、第1四半期と同じく前年同期比0.5%減となった。客単価は同2.5%増と堅調だったが、客数が同2.9%の減少となった。客数が減少した要因として、会社側は、粗利率改善のためのチラシの見直しなど販売促進活動におけるトライ・アンド・エラーをあげている。チラシの見直しに関しては、第2四半期(6-8月)に入りさらに見直しを加えたことにより、回復傾向にあると会社側は判断している。◎PB商品売上高の動向全体の粗利率向上につなげるため、当期も引き続き、相対的に粗利率の高いPB商品の売上構成比率上昇に取り組んでいる。高付加価値商品のリニューアル、新素材を取り入れた商品の開発、健康志向食品の強化、機能性表示食品の拡大など戦略的PB商品の開発および育成のほか、顧客視点の売場と接客の教育などが注力点である。新規開発SKU数は226SKUで、うちHBC商品は72SKUであった。小売事業の商品売上高全体に占めるPB商品の比率は9.2%で、前年同期に比べ0.1ポイント上昇。HBC商品売上高に占めるPB商品売上高の比率も10.2%と同0.1ポイント上昇した。健康食品、化粧品が堅調。医薬品は虫刺され治療薬などが低調で減収となったが粗利率は改善。薬価改定の影響で調剤売上高の粗利率は低下したが、HBC商品の販売や販促施策の見直しに注力したことなどから小売事業の粗利率は前年同期比0.4ポイント上昇した。調剤売上高の粗利率は下期回復する見込みである。チラシなど販促施策の見直しを行ったため販売費が前年同期および計画に対し減少した。◎調剤事業について調剤薬局、調剤薬局併設型ドラッグストア計6店舗を新たに出店したほか、M&Aで調剤薬局2店舗を取得、3店舗を閉店した結果、2018年8月末の処方せん取扱店舗数は5店舗増の83店舗となった。処方せん応需枚数は前年同期比7.8%増の約54.6万枚、調剤売上高は同10.3%増の62億31百万円となった。現預金、たな卸資産等の増加により、流動資産は前期末比23億51百万円増加。固定資産は無形固定資産の増加等で3億78百万円増加し、資産合計は同27億28百万円増加の521億9百万円となった。一方、仕入債務の増加などにより、負債合計は同22億円増加の378億14百万円となった。純資産は同5億27百万円増加の142億94百万円。この結果、自己資本比率は前期末より0.4ポイント低下の27.4%となった。
 
 
2019年2月期業績予想
業績予想に変更無し。増収・増益予想業績予想に変更は無い。売上高は前期比3.8%増の1,315億円を、営業利益は同33.2%増の25億80百万円を計画。第二次中期経営計画の柱となる重点課題(①既存店の活性化、②ヘルス&ビューティの強化、③作業システム改革、④調剤事業の拡大、⑤関西ドミナントの推進)に取り組み、国内営業基盤の拡大と営業利益率の改善を図る。ROEに関しては、中計の目標である「10%以上」となる10.2%を目指す。配当は、同5円増の35.00円/株の予定。予想配当性向は26.8%。(2)2019年2月期の重点課題3か年の第2次中期経営計画の2期目となる2019年2月期の重点課題と取り組みは以下の通り。②重点課題と進捗≪重点課題 ①既存店の活性化≫◎粗利率を維持しながらの客数アップ第1四半期(3-5月)はチラシの内容や部数を変更した結果、客数減となってしまった点を踏まえ、第2四半期は改善に取り組んだ結果、客数は回復傾向にある。粗利率も改善効果が出てきており、下期も第2四半期の販促方針を継続し、粗利率の改善と客数増に努める。粗利率維持のためにはヘルス部門構成比の拡大、客単価増のためには買い上げ点数増がポイントとなる。客数に関しては、カード会員は回復しているが、カードを持たない非会員の客数増も必要と考えている。◎利便性を高める売場改装来店回数および買い上げ点数増やカウンセリング機会の増加につながる売場改装は、重要な既存店活性化策であると考えており、2019年2月期は前期の35店舗を上回る45店舗(上期21店舗実施済、下期24店舗実施予定)の改装を予定している。◎高機能POSレジおよび自社電子マネー付プレミアムポイントカード導入QRコードや各種電子マネーなどキャッシュレスを中心とした決済手段の多様化に対応した高機能POSレジの全店導入に伴い、自社電子マネー付プレミアムポイントカード「KiRiCa」を導入した。キャッシュレスによる快適な買物体験とカードホルダーへの更なるポイント付与を通じた囲い込みを進め、来店回数・客単価・買い上げ点数増を図る。また、従来のポイントカードと合わせてよりきめ細かなマーケティングを実施していく。当面は全会員の8%が「KiRiCa」ホルダーとなることを目標としている。≪重点課題 ②ヘルス&ビューティの強化≫同社では1955年の創業以来テーマに掲げている「未病対策」を同業他社に対する差別化要因と位置付け、高付加価値商品のリニューアル、新素材を取り入れた商品の開発、健康志向食品の強化、機能性表示食品の拡大など戦略的PB商品の開発および育成に取り組んでいる。前述のように、2019年2月期はHBCにおけるPB比率向上に注力し、PB比率11.2%を目標としている。≪重点課題 ③作業システム改革≫需要予測発注システムを導入し、発注作業自動化によるバックオフィス作業の軽減、新POSレジとの連携による欠品リスクや過剰在庫リスクの低減を見込んでいる。今後は更に精度を向上させ、作業時間をより短縮して確保した時間で接客を充実させ、顧客満足度や店舗生産性の更なる向上を目指す。≪重点課題 ④調剤事業の拡大≫新規出店およびM&Aにより2019年2月期には処方せん取り扱い店舗を7店増の85店舗(単独37店舗、併設48店舗)とする計画だ。さらに、かかりつけ薬剤師の育成と在宅支援の取り組みを強化する。≪重点課題 ⑤関西ドミナントの推進≫2019年2月期の出店見込みを、期初計画の15店舗から17店舗に引き上げた。収益性を重視した出店戦略の下、上期10店舗の出店・取得に続き、下期は7店舗を予定している。このうち関西エリアは、上期実績9店舗、下期見込6店舗と、関西ドミナントを一層推進する。
 
 
今後の注目点
今期に入り苦戦が続いている既存店売上高だが、9月は前年同月比2.4%増と3カ月ぶりに増収に転じ、回復傾向を示したように見られる。この傾向が今後も明瞭となっていくか注目したい。また、通期計画に対する第2四半期(累計)の進捗率をみると、売上高はほぼ例年並みなのに対し、営業利益はややスローに見える。上期には災害など一過性の要因があったこともあるが、もとの計画自体が下期偏重となっており、こちらの推移も見守りたい。
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
◎コーポレートガバナンス報告書最終更新日:2018年5月28日に提出している。<基本的な考え方>当社は、コーポレート・ガバナンスの充実が求められる中、企業価値の最大化を図るために、経営判断の迅速化及び経営チェック機能の充実を目指すとともに、株主をはじめとする全てのステークホルダーからの信頼を得るべく、コンプライアンスの徹底及び経営活動の透明性の向上に努めております。また、このような経営を推進するため、当社グループ全社員がとるべき行動の指針として「自主行動基準」を制定いたしており、同自主行動基準を、当社グループ全社員が着実に遵守・実行することにより、企業理念に根ざした社会的責任を果たすよう努めていく所存であります。
 
 

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