(6465:東証1部,名証1部) ホシザキ 食器洗浄機特需剥落も増収見込む

2018/10/18

hoshizaki

今回のポイント
 
・2018年12月期第2四半期(累計)の売上高は前年同期比4.4%増の1,499億円。国内売上高は、同4.6%増の1,010億円。前期の食器洗浄機特需が剥落したが主に物件の受注増加が増収に貢献した。海外売上高は、同3.8%増の489億円。エリア別では欧州・アジアが好調に推移。営業利益は同6.2%増の214億円。粗利率は低下し、粗利額の伸びも増収率を下回ったが、コストコントロールが進み販管費率の改善が貢献した。

・2018年12月期通期業績予想に変更は無い。売上高は前期比2.0%増の2,879億円の予想。国内売上高は同2.1%増の1,905億円。食器洗浄機の特需剥落等が見込まれるものの、営業・サービス連携による地域密着販売の強化、保守・修理の積極的な取り込み等を見込む。海外売上高は同1.9%増の974億円の予想。米州では、米ドルを前期に対し円高方向に見込んだことによる、円換算後のマイナス影響に加えて、米国における炭酸飲料市場の縮小によるメーカーの設備投資抑制等を見込んでいる。欧州・アジアでは、欧州での販売機能統合後の一部業務混乱の収束による拡販強化と、インドでの経済環境変化の正常化等によるプラス貢献を見込む。営業利益は同0.1%増の361億円。国内、海外ともに主要原材料価格の値上げ継続等に加え、戦略費用および先行投資費用を見込んでいるため利益額は横ばいとなっている。経常利益は、同0.3%増の372億円の予想。配当は前期と同額の70円/株を予想。

・前期のコンビニ向け食器洗浄機特需はなくなったが国内においては物件の受注が好調であり、海外も欧州、アジアを中心に堅調で、売上、利益ともに例年を上回る進捗状況となっている。国内のリスク要因として人手不足に伴う飲食店の設備投資抑制を挙げているが、飲食店以外の市場開拓も着実に進んでいるようだ。第3四半期以降の業績動向を注目したい。

 
会社概要
飲食店、病院・介護老人保健施設(以下、病院老健)、学校・保育園、スーパー、コンビニエンスストア、オフィスなどを顧客とし、製氷機、冷蔵庫を始めとしたフードサービス機器の研究開発・製造・販売及び保守サービスを行っている。製氷機、冷蔵庫、食器洗浄機、生ビールディスペンサ等の主力製品では国内トップシェア。製氷機に関してはグローバル市場でもトップシェアである。独自の製品開発力、高品質、強力な営業力、迅速できめ細かなサービス&サポート体制等が強みであり、同業他社に対する大きな優位性となっている。海外売上高比率は33.9%(2017年12月期)。ホシザキを含む連結グループ会社は、2018年6月末時点で、国内18社、米州13社、欧州・アジア等22社の合計53社。工場は国内8、米州5、欧州・アジア7とグローバルでの生産体制を構築している。国内営業体制は、北海道から沖縄までの15販売会社及びその445営業所(2018年6月末時点)によって日本全国をカバーしている。また海外では米州、ヨーロッパ、アジア・オセアニアに販売会社を配置し、全世界を幅広くカバーできる体制を整備している。【事業内容】製品別売上は、製氷機17.6%、冷蔵庫25.3%、食器洗浄機8.4%、ディスペンサ10.4%、他社仕入商品11.9%、保守・修理16.7%、その他9.7%となっている(2017年12月期)。【特徴・強み】1.独自の技術に基づく製品開発&高い品質基準独自技術に基づいた製品企画から製品化までの一貫した研究体制を持つことにより、最終顧客の多様なニーズへ迅速に対応している。また、新製品開発、既存製品の改良や改善、シリーズ展開及び原価低減活動に加え、販売及び保守サービス活動から得られる情報や市場品質情報を製品開発に活用する体制を確立している。また、独自の品質基準を設定し、業務用という厳しい使用環境に耐えられる構造設計を行っており、過酷な条件で繰り返し行われるテストに合格した部品や技術のみが採用されている。2.主要製品でトップシェア高品質、サービス&サポート体制、省エネ・低環境負荷、耐久性、使いやすさ、デザイン性等といった様々なポイントが顧客に評価され、製氷機、冷蔵庫、食器洗浄機、生ビールディスペンサ等の主力製品では国内トップシェアとなっている。また、製氷機に関しては、グローバル市場においても、トップシェアである(同社推計)。3.きめ細かいサービス&サポート体制同社では国内を15販売会社及びその445営業所でカバーし、約2,600名のサービススタッフによる地域密着型のきめ細かいサービス&サポート体制をとっており、ユーザーから故障やトラブルの問い合わせがあった際は、短時間で駆けつける「即日対応」を掲げて、スピーディーな対応を行っている(いずれも2018年6月末現在)。4.営業力の強さと強固な顧客基盤約3,150名の営業スタッフが日本全国をカバーする直販体制による営業力の強さも同社の大きな特徴である。高い直販比率のため顧客との密着度は高く、現在の強固な顧客基盤の構築に繋がっている。また、サービススタッフとの緊密な連携により、顧客の状況に即応した提案を行う事が出来る機動性の高さも顧客から高く評価されている(2018年6月末現在)。
 
 
2018年12月期第2四半期(累計)決算概要
国内外とも堅調で増収、コストコントロールが進み営業増益。売上高は前年同期比4.4%増の1,499億円。国内売上高は、同4.6%増の1,010億円。前期の食器洗浄機特需が剥落したが主に物件の受注増加が増収に貢献した。海外売上高は、同3.8%増の489億円。エリア別では欧州・アジアが好調に推移。営業利益は同6.2%増の214億円。粗利率は低下し、粗利額の伸びも増収率を下回ったが、コストコントロールが進み販管費率の改善が貢献した。(国内)売上高は前年同期比4.6%増の1,010億円。営業利益は同5.1%増の152億円。前期の食器洗浄機特需が剥落し、飲食店向けも7年ぶりのフルモデルチェンジとなる冷蔵庫(5月発売)投入前の買い控えが発生したことなどで低調だったが、自治体等、物件の受注が増加したことに加え、加工販売、学校・保育園、オフィス工場等の飲食店以外の顧客への販売が好調に推移した。製品群別売上高構成比の変化等により粗利率は低下したが、増収効果およびコストコントロールにより増益となった。<海外>(米州)売上高は前年同期比3.2%減の320億円。営業利益は同3.1%増の52億円。天候不順(大雪)の影響による製氷機の停滞、炭酸飲料市場における需要停滞があったが、冷蔵庫および食器洗浄機の販売は好調に推移した。円ベースでは減収だったが、米ドルベースでは0.4%増と前年同期並みであった。(欧州・アジア)売上高は前年同期比20.1%増の168億円。営業利益は同40.0%増の14億円。欧州では前期に発生したホシザキヨーロッパ社(オランダ)とグラム社(デンマーク)の販売機能統合における一部業務混乱が収束、アジアでは前期に生じたインドの高額紙幣廃止等による一時的な需要停滞から回復し、今期は販売が好調に推移しているため増収となった。現預金、売上債権の増加等で流動資産は前期末に比べ202億円増加。固定資産は同20億円の減少。資産合計は同181億円増の3,348億円となった。一方、仕入債務、未払法人税等の増加等で負債合計は同118億円増加し、1,215億円となった。純資産は同63億円増の2,132億円となった。この結果、自己資本比率は前期末より1.5ポイント低下し63.2%となった。
 
 
2018年12月期通期業績見通し
業績予想に変更無し。増収増益を予想。売上高は前期比2.0%増の2,879億円の予想。国内売上高は同2.1%増の1,905億円。食器洗浄機の特需剥落やビールディスペンサの販売停滞継続が見込まれるが、営業・サービス連携による地域密着販売の強化、保守・修理の積極的な取り込み等を見込む。海外売上高は同1.9%増の974億円の予想。米州では、為替レートを前期比で円高に見込んでいるためのマイナス影響に加えて、米国における炭酸飲料市場の縮小によるメーカーの設備投資抑制等を見込んでいる。欧州・アジアでは、欧州での販売機能統合後の一部業務混乱の収束による拡販強化と、インドでの経済環境変化の正常化等によるプラス貢献を見込む。営業利益は同0.1%増の361億円。国内、海外ともに原材料価格の値上がり継続に加え、計画人員の確保や体制強化のための人件費増、新システム稼働による償却費増など、戦略費用および先行投資費用を見込んでいるため横這いの予想。経常利益は、同0.3%増の372億円の予想。外貨預金等による為替差損益は見込んでいない。配当は前期と同額の70円/株を予想。
 
 
今期実施中の施策
このうち、下半期の主な重点施策としては、「冷蔵庫を中心とした新製品の積極的な拡販」、「全国445営業所を活用した地域密着営業の強化」、「採算性に留意しながらの物件の積極的な獲得」を挙げている。また、経費削減活動にも継続的に取り組む。来期以降を見据えた施策としては、「食品業界など新規市場の攻略」、「新製品開発力の強化」に加え、顧客や他社との提携についても様々な視点から検討を始める。製造コストの構造的な見直しや低減についてもホシザキ株式会社(メーカー)に新たな部署を設立し、原価企画機能の強化により積極的に取り組んでいく。下期のリスク要因としては、人手不足等を背景としたフードサービス産業の設備投資抑制、世界経済の停滞に起因する国内消費の停滞や、中国における産業廃棄物輸入禁止に伴う引取料の値上がりなどを挙げている。(トピックス)◎冷蔵庫モデルチェンジによる拡販強化主力製品のタテ形冷蔵庫についてフルモデルチェンジを7年ぶりに実施。18年5月より販売を開始した。11年に発売した従来機種に対して10%の省エネ性能向上を実現している。また、業界で初めてフロントパネルの開閉なしで、エアフィルターの出し入れができるラクエコフィルターを採用し、メンテナンス性を向上させている。この競合優位性を武器に下期以降の拡販を図る。テーブル形冷蔵庫の新機種は18年11月より販売開始予定。◎HACCP資格者による衛生管理をきっかけにした物件攻略食品の製造工程における品質管理システムであるHACCPの関連資格保有者によるHACCP導入支援を契機とした、物件獲得を進めている。18年上期実績は、野菜カット工場、社員食堂、複合医療施設、大学医療センターなどで大口の物件を受注。HACCPなどの衛生管理に対するニーズは大きいため、今後も積極的な物件獲得を目指す。◎大規模災害時の支援大規模災害の発生時はホシザキグループとして様々な形で復興支援を行っている。今年7月の西日本豪雨などの大規模災害発生時にはホシザキグループの力を結集し、顧客先の復旧支援、復興ボランティア、義援金の送金、救援物資の配送、製氷機の無償貸出しなどを行っている。◎ホシザキチャリティクラブの取り組み国内グループ社員を会員とし、社会貢献を目的とした任意団体「ホシザキチャリティクラブ」を2012年に設立。会員は給与・賞与の端数2桁(99円まで)を給与天引で拠出することで、グループの規模を活かし少ない個人負担で大きな寄付による支援活動を行っている。2018年6月末現在の会員数は6,270名で国内グループ会社社員の約7割が会員となっている。これまでに延べ37の自治体や団体に寄付を実施。また、災害等で被災した国内グループ会社社員に対して見舞金を支給した。下半期の主な重点施策としては、「計画未達会社への事業戦略見直しやコストダウン徹底など個別指導強化」、「米国関税対策としての最適な製造拠点変更の検討」、「材料費値上がりに対応したコストダウン活動の強化」などを挙げている。また来期以降を見据えた施策としては、「米国および中国向け戦略製品(冷蔵庫、食器洗浄機)の投入」、「炭酸飲料市場の長期縮小傾向に対応したランサー社の事業多角化推進」、「M&A案件の開拓及び実施」などを挙げているほか、ホシザキ株式会社(メーカー)に新部署を設立しており、中長期的な各市場の需要動向に沿った最適な商品供給を行うためのグローバル商品企画機能強化を進めている。加えて、海外マネジメント人材の育成強化も重要な課題と考えている。下期のリスク要因としては、想定(USD=108円)以上の円高、原材料価格上昇、フードサービス産業の設備投資停滞、人件費上昇などを挙げている。(トピックス)◎製氷機市場シェアの向上18年第1四半期は米国において天候不順による影響があったものの、ホシザキアメリカにおける米国の製氷機の市場シェアは着実に上昇している。◎ステンレス製冷蔵庫の拡販インドのWestern社では2014年よりステンレス製タテ形冷蔵庫の製造販売を開始し、チェーン店を中心にインド国内で販売しているが、2017年からは東南アジア向けに輸出を開始した。2018年からはネパール・バングラデシュへの輸出も始まり、開発スピードの速さを競争優位性として更なる拡販を目指している。◎中国・愛雪社の持分を譲渡中国のグループ会社である愛雪社の持分全て(51%)を2018年6月に譲渡した。ホシザキグループは低価格製品の開発能力を武器として中国市場におけるシェア拡大を目的に愛雪社の持分を取得したが、競合他社の増加、Eコマースの台頭、原材料の高騰、市場の高品質志向など事業環境の変化により業績が急速に悪化していた。ホシザキグループとして継続的な支援を行ったが愛雪社の改革は上手く進まず、今後も事業計画の達成は困難と判断し、今回の持分譲渡に至った。今上期に特別損失2億48百万円を計上したが、通期業績への影響は軽微である。今後は、ホシザキ、Western社、蘇州工場の3社共同で中価格帯市場向け製品(冷蔵庫)を開発するほか、蘇州工場では食器洗浄機の生産を開始する。また、重点地域である上海・北京・広州・深センにおける営業リソースの強化、中価格市場向け製氷機のブランド構築のためのプロモーション強化や拡販、直接サービス力の向上及び保守サービス開始による競争優位性の確立にも取り組む。
 
 
今後の注目点
前期のコンビニ向け食器洗浄機特需はなくなったが国内においては物件の受注が好調であり、海外も欧州、アジアを中心に堅調で、売上、利益ともに例年を上回る進捗状況となっている。国内のリスク要因として人手不足に伴う飲食店の設備投資抑制を挙げているが、飲食店以外の市場開拓も着実に進んでいるようだ。第3四半期以降の業績動向を注目したい。
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
◎コーポレートガバナンス報告書最終更新日:2018年7月13日<基本的な考え方>当社は、経営の透明性、効率性の向上を図るため、株主をはじめとするステークホルダーの立場にたって企業収益、価値の最大化を図ることをコーポレート・ガバナンスの基本的な方針及びその目的としております。
 
 

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