(3134:東証1部) Hamee 来期海外収益はより増大

2018/10/05

hamee

今回のポイント
 
・19/4期1Q(5-7月)は前年同期比8.6%の増収、同1.0%の経常増益。プラットフォーム事業の売上が同44.1%増と伸びる中、小売と米国子会社を中心にコマース事業の売上も同2.8%増加。米国子会社は決算期変更のため2カ月決算ながら、前期に取引を開始した大手量販店向けが順調に拡大した。新規事業投資やネクストエンジン契約社数5,000社の早期達成に向けた先行投資で営業利益率が低下したものの、営業外損益の改善で吸収。計画に沿った着地となった。

・通期予想に変更はなく、前期比8.9%の増収、同9.8%の経常増益。iPhone新機種効果の不透明感からコマース事業を同4.9%増と保守的にみているものの、販売パートナーとの連携強化で契約の取り込みが加速するプラットフォーム事業の売上が同34.9%増と伸びる。前期4Qに子会社化したHamee(ハミィ)コンサルティング(株)と共にEC事業者向けコンサルティングをフロント側のEC事業者向けサービスとして育成していく。1円増配の6.5円(予想配当性向10.7%)を予定。

・同社は、「ネクストエンジン」を利用する約24,000店舗の年間6,860万件の匿名トランザクションデータ、4,000万点の商品データ、ECサイトの行動データをはじめとしたあらゆるEコマース関連データをAIに学習させている。パーソナライズレコメンデーション、融資判定、需要予測・トレンド予測等、ネクストエンジンの機能強化に役立てていく考えだ。8月に商品レコメンドAIのβ版をリリースしたように、実際のサービスとしての提供準備を始めている。グループでEC事業者向けコンサルティングの育成にも取り組んでおり、こうした先行投資負担を吸収して増益基調を維持している事を評価したい。

 
会社概要
happy mobile, easy e-commerce」(社名の由来でもある)を事業Domainと定め、「happy mobile」を実現するためのモバイルアクセサリーの企画・デザイン、インターネット販売及び卸販売事業(コマース事業)と「easy e-commerce」を実現するためのEC事業者向けクラウド型(SaaS)業務マネジメントプラットフォーム「ネクストエンジン」の開発・提供事業(プラットフォーム事業)の2事業を展開している。モバイルアクセサリーECではトップクラス。プラットフォーム事業も業界トップのユーザーを有する。グループは、同社の他、Hameeコンサルティング(株)、Hamee Korea Co., Ltd.(韓国)、Hamee US ,Corp.(米国)、Hamee Taiwan ,Corp.(台湾)、Hamee India Pvt. Ltd.(インド)、Hamee Shanghai Trade Co., Ltd.(中国)の連結子会社6社、及び持分法適用会社ROOT(株)、シッピーノ(株)。Domain:happy mobile, easy e-commerce-コマース事業でhappy mobile、プラットフォーム事業でeasy e-commerce-VISION   “クリエイティブ魂に火をつける”積極的に商品を企画し、中国・韓国で量産し、国内外で流通させているコマース事業に蓄積されたノウハウ、3,000社以上の企業に利用されているプラットフォーム事業のSaaS、そして、この間に位置するのが、IoT・AIやビッグデータ解析であり、現在、IoTガジェット等の開発を進めている。コマース事業とプラットフォーム事業及び事業間シナジーに加え、両事業から生まれるビッグデータを活用したIoT・AI関連事業の育成によりクリエイティブ魂に火をつけ、事業を拡大させていく。【事業概要】事業は、コマース事業、プラットフォーム事業、及び18/4期から区分したその他(コマース事業、プラットフォーム事業のいずれにも明確に分類できない新たなサービスに係るもの)に分かれる。18/4期の売上構成比は、コマース事業86.6%、プラットフォーム事業13.2%、その他0.2%。コマース事業   商品企画力を活かし流通の川上から川下までカバー、ネクストエンジンで自社ECを効率運営モバイルアクセサリーを中心とした雑貨等の商品企画・製造(ファブレスメーカー)及び仕入を行い、一般消費者へのインターネット通信販売(小売)や大手雑貨量販店・大手家電量販店等への卸販売を行っている。インターネット通信販売は、国内に加え、海外子会社を通して、一般消費者向けの現地ECサイト運営や海外ECショッピングモール等への出店(越境EC)も行っている。国内インターネット通信販売(小売) 自社ドメインサイトの運営や有力ECサイトへの出店を通して消費者に販売自社ドメインサイトに加え、同じタイプの店舗を、楽天やYahoo!等、複数のECサイトに出店している他、コンセプトやターゲットの異なる店舗を同一のモールに出店する等、多店舗展開を進めている。例えば、総合店舗と位置付けられている「Hamee(各モール店)」は、老若男女を問わず、わかりやすい店舗づくりが特徴で、男性向けの「iPlus」「Hamee TV」、女性向けの「Ketchup!」、店舗関係者が“可愛い”と思ったものを集めた「Kawaii館」等がある。商品部(商品開発)、CRマネジメント部(接客)、WEBマーケティング部(店舗づくり)が一体となった事業展開が強みとなっている。卸販売(卸売)   量販店及びEC業者に販売大手雑貨量販店や大手家電量販店を中心にモバイルアクセサリーの卸売を行っている他、EC事業者向けにインターネット卸販売サイトの運営を行っている。小田原本社(神奈川県)の他、東京、大阪に拠点を設け、ラウンダーと呼ばれる実店舗の売場構築を支援する人材を配置している。海外向け販売   韓国、米国、台湾、中国の子会社が一般消費者向けインターネット販売を展開韓国、中国、米国、台湾、インドの連結子会社5社を通じてインターネット通信販売及び小売り事業者向けの卸販売を行っており、韓国子会社は商品企画・デザイン・選定等の業務も手掛けている。インドは米国ECのバックオフィス業務の機能も担っている。中国では自社ドメインサイト1店舗を含む3店舗を展開している。尚、商品仕入については、500社を超える仕入先のネットワークを有し、モバイルアクセサリー関連の情報網としても機能している。また、社内に商品デザイナーを中心とした商品企画・デザイン専門チームを有し、海外を含む外部メーカーの協力を得て、利益率の高い自社企画商品の製作も手掛けている。この他、玩具や実用品等も取り扱っており、10,000種類を超える商品の卸販売を含めた販売状況を分析する事で、売れ筋商品をリアルタイムに把握し、商品仕入・企画に活用している。プラットフォーム事業   自社ECの運営ノウハウ注入による差別化・優位性、アプリ充実でプラットフォームとしての魅力向上自社サイトやインターネットショッピングモール等でインターネット通販を展開するEC事業者向けに、ネットショップ運営に必要なバックオフィス業務(受注、発注、仕入、在庫~分析等、ネットショップ運営に必要な業務)を一元管理できるマネジメントプラットフォーム「ネクストエンジン」を開発・提供している。「ネクストエンジン」は同社グループがECを展開する中で開発されたECのバックオフィスシステムであり、現在も同社グループのコマース事業において使用されている基幹システムである。海外展開も視野に入れており、「海外現地法人で実際にECを運営し、各国のECショッピングモールとの連携等、ノウハウを蓄積したうえで現地(海外)版ネクストエンジンを開発、リリースする」事を基本戦略としている。インターネット通信販売事業者向け業務マネジメントプラットフォーム「ネクストエンジン」をSaaSとして提供「ネクストエンジン」は、メール自動対応、受注伝票一括管理、在庫自動連携、商品ページ一括アップロード等の機能を有し、ネットショップ運営の業務プロセスの自動化を進め、EC事業者の経営効率向上を支援するSaaS型のシステム。ネットショップのルーティーン業務を可能な限り自動化すると共に、自社ネットショップや大手ネットモール等、異なるインターネットショッピングモールに出店した複数のネットショップの一元管理や複数のネットショップの在庫数表示の同期が可能。業務効率アップにより残業削減はもちろん、販売戦略や商品開発のための時間創出にも寄与する。メイン機能(標準仕様)とアプリケーション(拡張機能、以下「アプリ」)でユーザーニーズに柔軟に対応「ネクストエンジン」には、メイン機能(標準仕様)とアプリケーション(拡張機能、以下「アプリ」)があり、ユーザーはニーズに合わせて機能を使い分ける事が可能。メイン機能はEC事業者の利便性に資する標準的な機能がワンパッケージで搭載されており、アプリはそれ以上の特殊なニーズに対応するためのオプションと位置付けられている。また、「ネクストエンジン」のOEM提供も手掛けており、GMOソリューションパートナー(株)が「ストックマネージャー」と言うサービス名で、GMOコマース(株)が「すごい!ネットショップ管理」と言うサービス名で、それぞれの顧客にサービス提供している。「ネクストエンジン」の基本料金は、ユーザーであるEC事業者の受注件数に応じた従量課金制(ユーザーの事業規模に応じた料金体系)。また、専用サーバープランやカスタマイズ(ネクストエンジンオーダーメイド)等のサービスもあり、この場合は顧客毎に個別料金を適用している。ネクストエンジン上の各種アプリについては、アプリによって異なる(無料、定額料金制、従量課金制)。プラットフォーム化(システムからプラットフォームへ)2013年12月に「ネクストエンジン」のAPI(※)を公開した事で、「ネクストエンジン」上で自社及び外部ディベロッパーが開発した各種アプリの展開が可能となる等、いわゆるプラットフォーム化が実現した。プラットフォーム化により、アプリとネクストエンジンを連携させる事によるユーザー企業の環境に応じたシステムの構築・運用が可能になった。※API(Application Programming Interface)あるコンピュータプログラム(ソフトウェア)の機能や管理するデータ等を、外部の他のプログラムから簡単に呼び出して利用できるようにするインターフェイスのこと。ここで言うインターフェイスとは、機能の呼び出し手順や記述方法等を定めた仕様を指す。APIが提供されている機能は独自にゼロから開発する必要がないため、プログラムの開発を効率的に行うことが可能になる。
 
 
2019年4月期第1四半期決算
前年同期比8.6%の増収、同1.0%の経常増益売上高は前年同期比8.6%増の22億34百万円。Hameeコンサルティング(株)の連結効果と前期までの契約の積み上げによるオーガニックな成長でプラットフォーム事業の売上が同44.1%増と伸びる中、コマース事業の売上が同2.8%増加。コマース事業では、新型iPhoneの発売を今秋に控えた買い控えの影響で国内卸売が減少したものの、前期に取引を開始した米国大手量販店との取引拡大で海外が大きく伸びた事に加え、国内小売も、横展開の奏功と旧モデル用のケースを中心にしたiFaceシリーズの寄与で堅調に推移した。プラットフォーム事業では、初期設定の円滑化やサポート強化に加え、販売代理店やパートナーの活用効果もあり、メイン機能契約数が164社の純増となり、前年同期の125社を大きく上回った事も注目点。利益面では、機能開発やサポート人員の増員、及び契約社数5,000社達成に向けたインフラ投資等の影響を、契約社数の増加ピッチの加速とEC事業者向けコンサルティングを手掛けるHameeコンサルティング(株)(2018年4月に子会社化)の寄与でプラットフォーム事業の売上総利益率が54%と1.4ポイント改善。卸売比率の低下と自社企画商品効果でコマース事業の売上総利益率も48.7%と0.5ポイント改善した。連結対象となる子会社の増加及び人材投資に伴う人件費やIoT関連等での研究開発費(約21百万円増)を中心にした販管費の増加で営業利益が同6.4%減少したものの、為替差益の計上(18/4上期△3百万円→19/4期上期11百万円)による営業外損益の改善で経常利益は2億39百万円と同1.0%増加した。連結売上高は金額ベースで1億77百万円の増加。プラットフォーム事業が1億28百万円増加し、コマース事業では、米国子会社の好調で海外が1億15百万円増加し、国内小売も16百万円増加。一方、iPhone発売前の買い控えで国内卸売が82百万円減少した。プラットフォーム事業では、機能強化のためのエンジニア、初期設定の円滑化やサポート強化等、ピッチを上げながら増加する契約社数への対応、契約社数5,000社達成に向けた営業・マーケティング強化等で積極的に人員増強を進めている。
 
 
2019年4月期業績予想
業績予想に変更はなく、前期比8.9%の増収、同9.8%の経常増益予想売上高は前期比8.9%増の102億14百万円。iPhoneの新機種効果の不透明感から国内の想定を前期並みにとどめたためコマース事業の売上が同4.9%の増加にとどまるものの、ECビジネスのバックオフィス強化やHameeコンサルティング(株)の子会社化効果とパートナーとの連携強化による契約の取り込みでプラットフォーム事業の売上が同34.9%増と伸びる。利益面では、プラットフォーム事業の売上構成比の上昇で売上総利益率が52.3%と1.6ポイント改善する見込み。ECビジネスのバックオフィス強化や連結対象子会社の増加による人件費等の増加を吸収して営業利益が14億03百万円と同1.7%増加。関係会社の減損一巡による営業外損益の改善で経常利益は13億91百万円と同9.8%増加する見込み。コマース事業は、国内売上が横ばいにとどまるものの、海外の増加で吸収する。国内は小売・卸売共に前18/4期下期におけるiPhoneXの動向を反映した。iFaceシリーズについては、旧モデル向けを含むラインナップの充実及びガラスフィルム等関連商品への展開で足元は好調。保守的な予想にとどめたため、今秋発売予定の新型iPhone商戦の動向次第では、大幅に上振れする可能性がある。プラットフォーム事業については、Hameeコンサルティング(株)の子会社化効果と契約社数5,000社の早期達成に向けた販売代理店などパートナーとの連携強化による契約の取り込みで売上が伸びる。ただ、利益面では、サーバー増強等の先行投資に加え、上記の営業強化やHameeコンサルティング(株)の子会社化に伴う人件費の増加等のコスト増を織り込んだ。(3)トピックス第2四半期に入り、子会社がモバイルアクセサリー事業を譲受した他、ネクストエンジンのユーザーに対して商品レコメンドAIのβ版をリリースした。また、営業力の強化に向け、大塚商会が提供するERPとネクストエンジンの連携が実現した。連結子会社Hamee Korea Co.,Ltdによるモバイルアクセサリー事業の譲受2018年8月1日。連結子会社Hamee Korea Co.,Ltd(以下、Hamee Korea)が、韓国PNS Holdings Inc.(以下、PNS Holdings)が運営するモバイルアクセサリー事業の譲受契約を締結した。Hamee Koreaは、韓国国内においてiFaceシリーズに代表されるモバイルアクセサリーの企画及びインターネット販売による小売並びに卸販売を手掛けると共に、同社グループにおける商品供給機能を担っている。今回の事業譲受により、顧客層の拡大と海外展開の強化が期待できる。具体的には、PNS Holdingsの保有するモバイルアクセサリーブランド「PATCHWORKS」事業は女性男性の区別なく幅広く支持されているため、Hameeグループは、iFaceブランドの中心支持層である女性に加え、男性まで幅広く訴求できるブランドの構築が可能になる。また、PNS Holdingsが「PATCHWORKS」事業で有する海外26か国での卸販売先を取り込む事ができるため、Hameeグループの海外展開の強化にもつながる。譲受金額は21億50百万ウォン(2億15百万円)だが、クロージング後5年間、業績等の達成水準に応じて条件付取得対価を追加で支払う契約になっている。のれんが発生する予定であり、今期業績予想への影響が発生する場合はあらためて開示がある。ネクストエンジン、商品レコメンドAIのβ版をリリース2018年8月17日、EC 自動化プラットフォーム「ネクストエンジン」のEC データを活用した商品レコメンドAI のβ版をリリースし、この機能のトライアル企業の募集を開始した。商品レコメンドAI機能を活用する事で、ネクストエンジンから購入者向けに配信されるメールに、パーソナライズされた商品レコメンドが自動で掲載される。同機能はネクストエンジンの強みでもある複数モールを横断した受注、在庫、商品データを活用しており、同社が運営するネットショップで数ヶ月間試験運用されたα版で売上増の効果が立証されている。同社は、引き続き精度向上に努める事で、更なる売上増、リピーターの確保、商品の認知度UPが図れると考えている。また、「ネクストエンジンから自動配信される注文受付メール(開封率が高い)にレコメンドを自動掲載する事で成約率の向上につながるため、ゆくゆくは有料アプリ化を検討する」としている。トライアルの申し込みは、こちら(ネクストエンジンの利用が前提)https://goo.gl/q1UCi7(同社資料より)ネクストエンジン、大塚商会とのERP 連携で販売パートナーシップを強化2018年8月30日。(株)大塚商会(証券コード4768)が提供する、サービス&サポートプログラム「たよれーる」への掲載及び、基幹業務システム「SMILE BS2 販売」との連携を開始した。Hamee(株)は、「ネクストエンジン」の更なる拡張と進化を実現するために、契約社数5,000社の早期達成に向けたパートナーシップ強化に努めている。一方、大塚商会は、基幹業務システム「SMILE BS2 販売」による経営資源の最適化、及びサービス&サポート事業「たよれーる」による総合支援サポートを行なっている。EC バックヤード自動化システム「ネクストエンジン」と基幹業務システム「SMILE BS2 販売」をERP連携させる事で、(株)大塚商会の「たよれーる」に掲載され、EC 事業者へ経営資源の有効活用を提案できるようになる。この結果、大塚商会が持つ全国拠点の営業担当者によるワンストップ販売が実現し、より多くのEC 事業者様に両社サービスを提案する事が可能になる。大塚商会「たよれーる」への掲載後、パートナー販売を最大化すべく「ネクストエンジン」パートナープログラムの強化改善に努め、プラットフォームとしての価値を高めていく考え。
 
 
成長戦略と株主還元
国内EC市場は2015年の15.4兆円から2022年には26.0兆円に拡大する見込み(経済産業省実績及び野村総研予想)。世界では、1.3兆ドルから3.6兆ドルへの拡大が見込まれている(総務省平成28年「IoT時代におけるICT産業の構造分析とICTによる経済成長への多面的貢献の検証に関する調査研究」)。同社は、高い成長が見込まれるEC市場において、コマース事業とプラットフォーム事業のそれぞれの拡大と事業間シナジーを追求する事で、国内外でそれぞれの事業を拡大させると共に、コマース事業で培った製造・流通のノウハウとBIGデータ、プラットフォーム事業が有する顧客資産とシステム、そして「ネクストエンジン」を通して得られるBIGデータ、更には研究開発を進めているIoTガジェット等のIoT・AI関連の技術を融合した新たなソリューションの提供により成長力を高めていく考え。【事業別の取り組み】コマース事業コマース事業の強みは、商品起点のブランディングに成功している事。携帯アクセサリーの流通からスタートし、ロングテールの品揃えにより卸売(リアルでの自社販売は行わず)・小売(ネットでは自社販売のみ)を拡大させた同社だが、その後、ファブレスメーカーとして製造機能を備える事で売上拡大と共に収益性を高めてきた。しかし、スマートフォンアクセサリ市場の競争は激しく、ネット通販自体、商品があふれ、商品を探すのが難しいほど。このため、しっかりした商品のつくり込みはもちろんだが、何よりもブランディングが重要になってくる。こうした観点から同社が重視しているのが、「商品起点のブランディング」であり、言い換えると、「ユニークな自社企画商品によるブランド価値の創造」。実際、大ヒットしている「iFaceシリーズ」は言うまでもなく、3つのコンセント差込口を備え、4台充電やタブレットへの充電が可能な高速充電タップ、iPhone 8/7/6s/6専用のダイアリーケース「salistyQ」、高い人気を誇るディズニーのキャラクターを使ったBluetooth Speaker等、ユニークな自社企画商品を積極的にリリースする事でブランドの向上と粗利率の改善に成功している。その上で、IT強化(システム開発)による自動化の徹底と生産力向上により、コストの伸びを抑えての業容拡大を実現し、IPOにつなげた。現在、更なる成長に向け、小売分野ではマルチブランド戦略を推進している。小売については店舗が出そろった感があるため、ターゲットを明確にした、言い換えるとブランド戦略に基づく店舗(サイト)づくりに取り組んでいる。もちろん、商品起点のブランディングが基盤になっている。一方、卸売については、これまでの家電量販店や雑貨店に加え、アパレルやカバン・バッグ等のファッション関係等の新たな販売チャネルの開拓を進めていく。プラットフォーム事業ネクストエンジンを起点とする関連サービスの育成とネクストエンジンの更なる進化に取り組んでいく。関連サービス育成の一環として、18/4期第4四半期にEC事業者向け営業支援コンサルを手掛けるHameeコンサルティング(株)を100%子会社化した。プラットフォーム事業では、ネクストエンジンの提供で販売後のバックオフィス業務を支援してきたが、今後はHameeコンサルティング(株)の営業支援コンサル(販売前)とのシナジーを追求し、バックオフィスとフロントオフィスの両面から、EC事業者の成長ステージに合わせたサービスを創造していく。また、地方銀行大手の静岡銀行とネクストエンジンのトランザクションデータを活用した新たな金融サービスの開発で合意した。一方、ネクストエンジンについては、データ・プラットフォームへの進化に向けた開発を進めている。ネクストエンジンは受発注処理や在庫管理等、日々のルーティーン業務の自動化と複数のショッピングモールの一元管理による業務の効率化のシステムとしてスタートしたが、その後、様々なAPIを搭載する事で多くのアプリの開発・利用が可能なプラットフォームとして進化した。アプリの増加で利用者が増え、利用者の増加でアプリが増え、という好循環で膨大なデータが蓄積されていく。18/4期期末時点の「ネクストエンジン」のメイン契約社数は前期末比17.1%増の3,095社、有料アプリ契約数は同51.9%増の1,486社、店舗数は同17.7%増の23,852店。長期的には、メイン機能契約社数5,000の早期達成とそのデータを活用するデータ・プラットフォームとして進化したネクストエンジンにより、「AI・BIGデータ」ソリューションを展開していく。グローバル展開韓国(hamee.co.kr)、中国(taobao:strapya.world.taobao.com)、米国(hamee.com)、台湾(Yahoo!:tw.mall.yahoo.com/store/hamee_taiwan)及びインドでEC事業を展開している。特に伸びているのが、中国と米国。中国では、ショッピングモールtaobaoでの販売と「天猫国際(TMALL GLOBAL)」での越境ECを手掛けており、18/4期第3四半期以降、売上の伸びが顕著。特に越境EC(販売は日本法人、オペレーションは現地法人)が急拡大している。足元、taobao・越境EC共に好調が続いており、19/4期は更なる事業の拡大が期待できる。一方、米国では、堅調なBtoCをベースに、ハローキティのキャラクターグッズ(SQUISHIES:スクイーズ)の好調等でBtoBが伸びている。今後は、戦略製品であるiFaceシリーズ(世界出荷累計は1,200万個超)のラインナップ拡充やガラスフィルム等関連商品への展開で事業を拡大させていく。グローバル展開では、Eコマースの現地化を進めながら必要なシステムを自社開発してきた。こうした取り組みが軌道に乗ってきたため、今後はシステムを現地版の「ネクストエンジン」に進化させプラットフォーム事業を展開していく。長期的には、各国のプラットフォームをネットワーク化する事で、「ネクストエンジン」をECに不可欠なグローバルプラットフォームに育てていく考え。 現在は、いずれの国も投資フェーズ(コマース事業の現地化)の段階にあるが、19/4期については収益貢献が一段と高まる見込み。【中長期成長イメージ】自社企画商品の強化によるブランド力向上と自動化の徹底による生産性の向上でコマース事業を安定成長させ、これをベースに、プラットフォーム事業を成長エンジンとしていく。プラットフォーム事業では、アプリの充実と外部システムとの連携強化、新たな顧客層の獲得、及び、中期的にはAI・BIGデータ・ソリューションの展開がポイント。更に、海外におけるコマース事業の深耕、ネクストエンジンのリリース、そして各国のプラットフォームのネットワーク化に取り組む事で、コマース&プラットフォームによるグローバル展開で成長を加速させていく。【株主還元】当面は、上記成長戦略を進めつつ配当性向10%を確保する方針だが、将来的には20%~30%の安定配当で株主に報いる考え。19/4期は1株当たり1円増配の6.5円を予定。16/4期の初配以来、3期連続の増配となる(2015年4月、東証マザーズ上場)。
 
 
今後の注目点
同社は、EC自動化プラットフォーム「ネクストエンジン」を利用する約24,000店舗の年間6,860万件の匿名トランザクションデータ、4,000万点の商品データ、ECサイトの行動データをはじめとしたあらゆるEコマース関連データをAIに学習させている。パーソナライズレコメンデーション、融資判定、需要予測、不正取引検知、顧客ランク判定、VIP判定、トレンド予測等、ネクストエンジンの機能強化に役立てていく考えだ。商品レコメンドAIのβ版リリースにみられるように、単なる構想ではなく、実際のサービスとして提供され始めている。この他、強い営業力と優良な顧客資産を有する(株)大塚商会とのパートナーシップ強化も注目材料であり、米国子会社の好調や韓国子会社によるモバイルアクセサリー事業の譲受等、コマース事業の海外展開の加速にも期待がかかる。尚、2018年9月12日、米アップルが、iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XRの3シリーズを発表した。XS(税別112,800円~)が前年に発売した iPhone Xの後継機種となり、ディスプレーは5.8インチ有機EL。XS Max(同124,800円~)は画面サイズがiPhone最大となる6.5インチ有機EL。XR(同84,800円~)は6.1インチ液晶を採用し、カメラを1つにする事で価格を抑えた。日本では、XSとXS Maxが9月14日16時01分に予約を開始し、発売は9月21日。XRは10月19日に予約を開始し、発売は10月26日。また、新機種の発売に伴い、旧機種の価格を5万円程度に引き下げたようだ。旧機種の価格引き下げも同社にとって好材料と思われる。年末商戦に注目したい。
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
◎コーポレート・ガバナンス報告書更新日:2018年07月26日<基本的な考え方>当社グループは、「We Create the Best“e”for the Better“e”World.(より“e”世界につながるもっと“e”を創造する。)」をPhilosophy(経営理念)に掲げ、企業の継続的な発展と株主価値向上のため、コーポレート・ガバナンスに関する体制の強化と経営理念の推進を経営の最重要課題としております。また、当社では、社外取締役(2名)及び社外監査役(3名)により取締役会の監督機能を高め、経営の健全性・透明性の確保に努めております。今後も、取締役及び全従業員が法令・定款を遵守し、健全な社会規範のもとにその職務を遂行し、リスク管理、監督機能の強化を図り、経営の健全性・透明性を高めていく所存であります。<開示している主な原則>【原則1-4】当社では、原則としていわゆる政策保有株式を保有しないことを基本方針といたします。現状において政策保有株式を保有しておりません。【原則1-7】当社は、関連当事者取引について、取引を行うこと自体に対する合理性があり、取引条件の妥当性があることが担保され、グループの利益が損なわれる状況にないもの以外は、これを行わないことを基本方針としております。関連当事者との取引を開始する際には、上記内容が担保されているかを慎重に判断し、会社法並びに当社稟議規程、職務権限規程に則り、取締役会決議等の決裁を受けることとしております。また、役員に対し定期的に関連当事者間の取引の有無を確認しており、有価証券報告書で開示しております。【原則3-1】(1)当社のPhilosophy(経営理念)は、当社ホームページに開示しています。経営戦略・計画については、決算説明資料や会社説明資料、当社ホームページ等に開示しています。(2)コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針はコーポレート・ガバナンス報告書に開示しています。(3)経営陣幹部・取締役の報酬体系等に関しては、月額定額報酬・単年度業績連動報酬を基本としており、報酬額は株主総会で承認された範囲内で取締役会において決議しております。(4)経営陣幹部の選解任と取締役及び監査役候補者の指名を行うに当たっては、当社のPhilosophy、経営戦略をもとに、その経験、見識、専門性などを総合的に評価・判断して取締役会で決定します。(5) 各社外役員候補者の選任理由については、株主総会招集通知において開示しています。今後は、すべての取締役・監査役候補者の指名に係る説明を株主総会参考書類にて開示する予定です。【原則5-1】当社は、その持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、株主等との建設的な対話を重視しており、代表取締役社長及びIR担当取締役ならびにIR&コミュニケーション室を中心に様々な機会を通じて株主や投資家との対話を持つように努めております。なお、IR&コミュニケーション室は、経理部門及び総務部門と一週間に一度の定例ミーティングを実施し、有機的な連携につとめております。現在のところ、社長が出席する決算説明会を年に2回開催しているほか、随時国内外の機関投資家とのミーティングを実施しており、電話取材、年に複数回の個人投資家説明会等も実施しています。それらの結果は、適宜、取締役会に報告しています。なお、株主との対話に際してはインサイダー情報の漏洩防止を徹底しています。
 
 

株式会社インベストメントブリッジ
ブリッジレポート   株式会社インベストメントブリッジ
個人投資家に注目企業の事業内容、ビジネスモデル、特徴や強み、今後の成長戦略、足元の業績動向などをわかりやすくお伝えするレポートです。
Copyright(C) 2011 Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved.
本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。 また、本レポートに記載されている情報及び見解は当社が公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。 当該情報や見解の正確性、完全性もしくは妥当性についても保証するものではなく、また責任を負うものではありません。 本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあり、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。 投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。