(2462:東証1部) ライク 保育事業の見直し効果で増収増益

2018/09/20

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今回のポイント
 
・18/5期は前期比14.0%の増収、同56.0%の経常増益。総合人材サービスが同12.5%増収する中、公的保育を中心にした施設の増加と受託保育の契約見直し効果で子育て支援サービスが収益性の改善を伴いつつ同20.7%増収と伸長。介護関連サービスも、一部施設の増床と順調な運営で同4.3%増収した。人件費・採用教育費や社名・事業内容の認知度向上に向けた広告宣伝費の増加による販管費の増加を吸収して営業利益が同25.6%増加。設備補助金収入が同2倍に拡大し営業外収益も大幅に増加した。

・19/5期予想は前期比11.7%の増収、同10.0%の経常減益予想。オペレーション力の向上による収益力の改善を優先するため総合人材サービスで受注を抑制する。その一方で、20/5期に始まる新中期経営計画で飛躍的な成長を遂げるべく、グループの根幹を担う人材の採用・育成、保育・介護施設の開設に注力するため、営業利益が小幅な伸びにとどまる。配当は、1株当たり5円の記念配当を落とした年24円を予定(上期末12円、期末12円)。

・子育て支援サービス事業の受託保育は、ピーク時には施設数が180を超えていたが、その30%程度が赤字で、個々の赤字額も、「ささいな金額ではなかった」(岡本社長)と言う。しかし、契約の見直しによる改善と一部話し合いが不調に終わった施設からの撤退が進んだようで、その成果が18/5期の決算に反映された。今後はグループ全体で新規の開拓を進め、利益を確保しつつ旺盛な企業内保育の需要を取り込んでいく考え。

 
会社概要
 
「…planning the Future ~人を活かし、未来を創造する~」をグループの経営理念として掲げ、人生のどの段階においてもなくてはならない企業グループを目指して、保育・人材・介護サービスを営んでいる。
 
【事業セグメントとライクグループ】
事業セグメントは、人材派遣、業務受託、紹介予定派遣・職業紹介、及び採用・教育支援等の総合人材サービス事業、公的保育施設運営と受託保育の子育て支援サービス事業、介護施設運営の介護関連サービス事業、及び携帯電話キャリアショップ運営のマルチメディアサービス事業に分かれる。

グループは、純粋持株会社である同社の他、連結子会社5社及び持分法非適用関連会社1社。連結子会社は、派遣や業務請負等の総合人材サービスと携帯電話キャリアショップ運営を手掛けるライクスタッフィング(株)、物流・製造(ファクトリー)業界向け総合人材サービスのライクワークス(株)、ライクキッズネクスト(株)とその傘下で受託保育事業と公的保育事業(認可保育園の運営)を手掛けるライクアカデミー(株)、及び介護施設運営のライクケアネクスト(株)。この他、ライクスタッフィング(株)が20%、携帯電話販売代理店最大手の(株)ティーガイア(東証1部:3738)が80%、それぞれ出資する合弁会社(株)キャリアデザイン・アカデミーが、法人顧客向け研修サービスを提供している。
 
 
最終となる19/5期は売上高510億円、経常利益35億円を目指す。経常利益に変更はないものの、総合人材サービスにおいて、オペレーション力の向上による収益力の改善を優先することから、売上を42億円減額した。20/5期以降の中期経営計画で飛躍的な成長を遂げるべく、グループの根幹を担う人材の採用・育成に注力する。
 
【株主優待】
クオカードを、期末(5月末)時点で100株以上500株未満の株主に1,000円分、同500株以上の株主に2,000円分、それぞれ進呈している他、ライクケアネクスト(株)が運営する介護施設の入居金割引券300,000円分(有効期限:2020年8月末日/1枚につき1室分の利用)を同100株以上保有の株主に進呈している。
 
 
2018年5月期決算
 
 
前期比14.0%の増収、同56.0%の経常増益
売上高は前期比14.0%増の456億63百万円。モバイルや物流・コールセンターをけん引役に主力の総合人材サービスの売上が同12.5%増加する中、施設の増加と受託保育の契約見直し効果で子育て支援サービスが同20.7%増と伸長。介護関連サービスも、一部施設の増床効果と既存施設を含めた順調な運営で同4.3%増加した。

経常利益は同56.0%増の38億89百万円。売上の増加と売上総利益率の改善で人件費・採用教育費・広告宣伝費を中心にした販管費の増加を吸収し、営業利益が19億15百万円と同25.6%増加。子育て支援サービスにかかる設備補助金収入が前期の9億81百万円から19億20百万円へほぼ倍増し、営業外収益が増加した。当期純利益の伸びが同89.2%増と大きいのは特別損失の減少による(前期は関係会社整理損等で4億27百万円の特別損失を計上した)。

売上総利益率の改善は、運営補助金の加算効果等があった子育て支援サービスの売上総利益率改善(2.4ポイント改善)によるもの。総合人材サービスの同利益率は業務委託契約における一部案件のオペレーションの不足で1.4ポイント悪化し、新規開設に伴うコストで介護関連サービスの同利益率も0.6ポイント悪化した。一方、広告宣伝費の増加は、社名・事業内容の認知向上のため、2018年1月よりTVCM等の露出を開始したため。広告宣伝費が前期と比べて1億32百万円増加した。

配当は、1株当たり5円の創業25周年(2018年9月)記念配当を含む19円の期末配当を予定しており、上期末配当と合わせて年29円となる(配当性向35.6%)。2017年9月に1株を2株に分割しているため、実質58円となり、22円の増配。
 
 
総合人材サービス事業
売上高217億86百万円(前期比12.5%増)、営業利益21億70百万円(同2.2%増)。求職者の経験を問わず、就業先で活躍できるようマッチング・就業フォロー・研修体制を強化した結果、前期比増収となったが、業務委託契約における一部案件のオペレーションの不足で期初予想には届かず、利益率も低下した。

契約形態別では、業種・職種を問わず人材不足が深刻化する中、経験を問わず活躍できるスキームを強みに派遣契約(当セグメント内売上構成比63.0%)が同15.7%増加した。一方、業務委託契約(同36.3%)は現場ニーズを反映した同社独自の運営オペレーションに対する需要は強いものの、オペレーション力の不足でモバイル関連の受注を抑制したため同7.8%の増加にとどまった。求職者ニーズの派遣へのシフトで、紹介予定・職業紹介契約(同0.7%)は同10.7%減少した。

業界別では、主力のモバイル(当セグメント内売上構成比77.8%)が同10.3%増、アパレル(同7.2%)が同17.2%増、物流(同6.4%)が同64.9%増、コールセンター(同4.2%)が同13.0%増等、全ての業界で売上が増えた。物流やコールセンターは店舗からネットへの商流の変化が追い風となっている。モバイルは需要旺盛ながら、オペレーション力の不足により受注を抑制した。保育(同1.4%)や介護(同0.3%)は、事業規模は小さいものの、それぞれ同20.0%増、同38.3%増と伸びた。保育はライクキッズネクスト向け売上1億64百万円(前期比21百万円増)、介護はライクケアネクスト向け売上1億71百万円(同43百万円増)が、それぞれ消去されている。
 
 
子育て支援サービス事業
売上高177億76百万円(前期比20.7%増)、営業利益3億87百万円(前期は76百万円の損失)。ライクスタッフィングとの連携と処遇改善により、保育士の採用数と定着率が向上した事に加え、第1四半期に発生した認可保育園における運営補助金の加算2億円や受託保育事業における契約の見直し効果もあり(交渉が不調に終わった一部施設から撤退したため受託保育の施設数が減少)、収益性が改善した。
 
 
介護関連サービス事業
売上高55億25百万円(前期比4.3%増)、営業利益90百万円(同40.8/%減)。ライクスタッフィングへの採用業務の委託により介護士の充足が進みサービス品質が向上しているが、2017年6月のサンライズ・ヴィラ藤沢羽鳥の増床や2018年5月・7月の新規開設に係る先行コストの発生で利益が減少した。
 
 
期末総資産は前期末と比べて30億95百万円増の277億38百万円。現預金や新規開園に伴う有形固定資産が増加した。自己資本比率28.1%(前期末26.6%)。
 
 
2019年5月期業績予想
 
 
前期比11.7%の増収、同10.0%の経常減益予想
主要3セグメントで売上の増加を見込んでいるものの、総合人材サービスでは、オペレーション力の向上による収益力の改善を優先するため受注を抑制する。一方、20/5期に始まる新中期経営計画で飛躍的な成長を遂げるべく、グループの根幹を担う人材の採用・育成、保育・介護施設の開設に注力するため、営業利益が小幅な伸びにとどまる。

配当は、1株当たり5円の記念配当を落とし、年24円を予定(上期末12円、期末12円、予想配当性向32.3%)。
 
 
(2)事業別戦略
総合人材サービス事業
全ての業界で人材確保が経営の課題になっている。こうした中、同社は、求職者への適性が高く、かつ、希望に適う仕事の提案と週3日や時短等の求職者の希望を反映したクライアントへの多様な提案によるマッチング、現場経験豊富な研修担当による座学と店舗でのOJTによる研修、そして、就業後の現場視点でのフォローによる定着率の向上、といった未経験者を戦力化するグループ独自のノウハウにより就業人口を増やしていく。今後の増加が期待される海外人材においても、スキルチェックや研修による戦力化が可能だ。
研修では、ライフスタイルやスキルを問わず活躍できる内容となっており、受講者が自分のペースで受講する事が可能。職種毎に現場に精通した講師が、顧客企業が必要とするスキル等を伝授している。また、業界・職務内容の説明だけでなく、実際に求職者に現場を見学させ、魅力ややりがいを伝える事で、就業人口の増加と定着率の向上につなげている。
 
主なサービス提供業界の状況
 
取り組み
日本人の総人口が9年連続で減少し、15~64歳の生産年齢人口も全体の6割を切る中(2018年1月1日人口動態調査)、学歴、業務経験や社会経験、就業形態、勤務時間、国籍等に捉われず、多様な働き方を推進することが必要となっている。また、求職者と顧客企業の双方に対し、多様化するニーズのマッチング、きめ細かなアフターフォロー等のオペレーションも不可欠である。
同社は、20/5期以降の中期経営計画での飛躍的な成長を見据え、オペレーション力の向上による収益力の改善を優先するべく、19/5期の売上成長率を当初計画から引き下げた。
 
物流・製造業界向けサービスの強化
2018年6月には、物流・製造業界向けサービスの拡大に向け、同業界向けのサービスをライクスタッフィングから分社し、ライクワークスを設立した。急成長する物流業界や顧客企業の物流・製造部門において、梱包やピッキング等の軽作業を中心とした人材の派遣や業務受託、コールセンター、店頭販売までの一連の業務に対する知見を活かし(大手ECサイト運営企業向けで実績)、顧客企業のニーズに幅広く対応しサービスの拡大を図る考え。また、ライクキッズネクストとの連携により、人材の提供だけでなく、保育施設の設置等にも取り組んでいく。
 
子育て支援サービス事業
企業・病院・大学等が設置する企業主導型保育をはじめとする事業所内保育を全国で154ヶ所受託運営しており、認可保育園・学童クラブ・児童館等の公的保育施設は179ヶ所を運営している。18/4期(子会社は4月決算)の新規開設実績は39ヶ所。内訳は、認可保育園19ヶ所、学童クラブ等10ヶ所、受託保育施設10ヶ所(指定管理型で運営していた公立保育園1ヶ所について認可保育園への昇格があったため、認可保育園の実質新規開設数は20ヶ所、合計40ヶ所)。
保育施設の増設と保育人材の確保に取り組むと共に質の高い保育サービスの提供に努める事で、深刻化する待機児童問題(保育施設の不足と保育人材の不足)の解決に貢献していく考え。売上・利益共に成長し続ける日本一の保育事業者を目指している。
 
保育施設の増設
受託保育事業においては、グループの豊富な取引先を活かして案件を選別し、適正利益での受託数の増加に注力する。一方、公的保育事業においては、待機児童問題解消後も利用者に選ばれ続ける保育施設を目指して、優れた施設の増設(ハードの拡充・充実)と保育サービスのコンテンツ(ソフト)の拡充・充実に力を入れていく。
 
保育人材の確保
ライクスタッフィング(株)の採用・就業後フォローのノウハウを活かす事で、採用力の強化と定着率の向上を図る。具体的には、グループ内人事交流によるノウハウ共有やマッチング力強化、更には研修コンテンツのグループ共有に取り組む。
尚、保育士が働きやすい環境整備の一環として、2016年2月に「イクボス企業同盟」に加盟した。「イクボス」とは、職場で共に働く部下・スタッフのワークライフバランス(仕事と生活の両立)を考え、その人のキャリアと人生を応援しながら、組織の業績も結果を出しつつ、自らも仕事と私生活を楽しむことができる上司(経営者・管理職)の事(NPO法人ファザーリング・ジャパン)。
 
介護関連サービス事業(デイサービス施設3施設を含む23施設・1,320室)
看取り介護を含め医療連携の強い有料老人ホームを神奈川・東京・埼玉で展開している。特徴・強みは、介護・看護スタッフによる24時間365日サポート、質の高いスタッフの確保と介護業界での安心の実績、及び元気の源となる毎日のこだわりの食事である。
 
 
高品質の介護サービスを追求し、サービスの差別化と介護人材の確保に取り組んでいく。サービスの差別化では、24時間看護師が常駐し、医療機関と連携した看取り介護(希望者には、ほぼ100%対応)等、他社との差別化を明確にした高品質の介護サービスを提供する事で、選ばれ続ける介護施設を実現する。介護人材の確保では、未経験者を戦力化するライクスタッフィングとの連携により介護人材を創出すると共に、定着率を向上させる事で就業人口の増加を図る。また、2016年11月28日に公布された「技能実習法」、「改正入国管理法」の施行状況を鑑み、海外人材の受入れに備え、研修コンテンツの拡充にも力を入れる。
 
 
今後の注目点
子育て支援サービス事業の受託保育は、ピーク時には施設数が180を超えていたが、その30%程度が赤字で、個々の赤字額も、「ささいな金額ではなかった」(岡本社長)と言う。しかし、契約の見直しによる改善と一部話し合いが不調に終わった施設からの撤退が進み、その成果が18/5期の決算に反映された。一部契約期間が長期にわたる施設があり、これら施設との話し合いは、これからだが、2019年3月までには全て終わる見込み。今後は同社グループの取引先を中心に新規の開拓を進め、利益を確保しつつ旺盛な企業内保育の需要を取り込んでいく。一方、公的保育は収益性を伴いながら、順調に施設数を増やしている。課題は人材(保育士)の確保であり、自治体とも情報交換しながら取り組んでいく考え。また、同社グループ独自の取り組みとして、2019年4月入社から、管理職志望の保育士向け職種「総合職保育士」を導入する。保育職から他職種への転換が一般的でない保育士を、総合職として採用し、運営の中核を担う管理職を育成する。新たな給与体系や研修制度等を設け、キャリア形成を支援していく考えだ。
 
 
 
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
 
 
◎コーポレート・ガバナンス報告書       更新日:2018年08月27日
基本的な考え方
当社は、「…planning the Future~人を活かし、未来を創造する~」をグループ理念とし、人生のどの段階においても社会になくてはならない企業集団を目指しており、コーポレート・ガバナンスへの取組みを重要な経営課題として認識しております。これを実現するために、当社グループの役員、従業員及びサービス利用者が、常に公正で機能的な行動をとることができるよう、持株会社体制であることを活かし、コンプライアンス体制を 持株会社に集約し、持株会社の機能をグループ全体の経営管理に集中させることにより、グループ全体のコーポレート・ガバナンスの強化を図っております。

1.株主の権利・平等の確保
株主総会における議決権をはじめとする株主の権利が実質的に確保されるよう、適切な対応を行っております。
2.株主以外のステークホルダーとの適切な協働
当社のグループ理念に基づき、行動規範や行動原則を遵守し、サービス利用者、クライアント、株主、従業員等全てのステークホルダーの皆様に対し誠実に行動することにより、継続的に企業価値を拡大してまいります。
3.適切な情報開示と透明性の確保
法令に基づく情報開示を適切に行うとともに、法令に基づく開示以外の情報や非財務情報の提供にも積極的に取り組んでまいります。
4.取締役会等の責務
取締役会は、グループの経営の基本方針や戦略の策定、事業会社の管理・監督を行っており、グループ全体における業務の意思決定及び取締役会による業務執行を監督する機関として位置付け、運営しております。なお、社外取締役は、経営規律の強化を図るとともに、透明性をより一 層高める役割を担っております。
5.株主との対話
グループの企業価値の極大化のため株主との対話を重視しており、株主からの対話の申し込みに対しては随時対応しております。 株主との対話は、IR担当部署、IR担当役員、経営陣幹部が必要に応じて行っております。
 
<開示している主な原則>
【原則5-1】
・当社は、当社グループのIR活動全般を行うIR担当役員とIR担当部署を設置し、株主との建設的な対話の促進を図っております。
・情報開示については、基本的な考え方をまとめた「ディスクロージャー・ポリシー」を定め、これに則り、公正かつ適時・適切な開示に取り組んでおります。
・ディスクロージャー・ポリシーについては、当社HP(https://www.like-gr.co.jp/ir/policy.html)において開示しております。
・IR活動の詳細につきましては、本報告書の「株主その他の利害関係者に関する施策の実施状況」の2.に記載のとおりであります。
 
 

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