(2477:東証マザーズ) 手間いらず 訪日外国人の増加の追い風に乗る

2018/07/19

temairazu

今回のポイント
・18/6期3Q(累計)は前年同期比21.0%の増収、同46.9%の営業増益。宿泊予約サイトコントローラー(複数のオンライン予約サイトの情報を一括管理するサービス)のユーザー(宿泊施設)の増加と既存ユーザーのバージョンアップで主力のアプリケーションサービス事業の売上が同24.0%増と伸びた。増収効果とインターネットメディア事業の広告宣伝費の抑制等による販管費の減少で営業利益率が62.5%と11ポイント改善した。

・通期の業績予想に変更はなく、前期比14.8%の増収、同25.9%の営業増益。3期連続の営業最高益更新が見込まれる(経常利益、当期純利益は4期連続)。通期予想に対する進捗率は、売上高77.6%(前期実績73.6%)、営業利益85.3%(同73.1%)。1株当たり10円の期末配当を予定している(予想配当性向17.5%)。

・日本政府観光局によると、2018年1-3月の訪日外国人(インバウンド)は前年同期比16.5%増の761万人。1月、2月、3月の各月で過去最高を記録したと言う。航空路線の新規就航や増便、中国人に対するビザ発給要件の緩和が追い風となり、今後もインバウンドは増加傾向が続くとみられている。同社は、インバウンドの増加に伴う宿泊需要を取り込むべく、人員増強を含め営業体制を強化すると共に、サイト接続連携強化と効率化・省力化の追求によるTEMAIRAZUの機能強化に取り組んでいく考え。

会社概要

宿泊予約サイトコントローラー「TEMAIRAZU(手間いらず)」シリーズの開発・提供を中心に、比較サイトの運営を行っている。宿泊予約サイトコントローラーとは、複数のオンライン予約サイトの在庫・料金等の情報を一括管理するシステム。宿泊施設の予約業務を効率化する事で、販売チャネルの拡大を可能にすると共に運用コストの低減を実現する。

【事業内容】

事業は、宿泊予約サイトコントローラー「TEMAIRAZU」シリーズの開発・提供を行うアプリケーションサービス事業と、比較サイトの運営を通して広告収入を得るインターネットメディア事業に分かれ、17/6期はアプリケーションサービス事業が売上高全体の92.8%を占めた(連結調整前の営業利益ベースで96.2%)。

アプリケーションサービス事業

ホテルや旅館等の宿泊施設を顧客とし、宿泊予約サイトコントローラー「TEMAIRAZU」シリーズの開発・提供を行っている。予約サイトコントローラーとは、複数のオンライン予約サイトの情報を一括管理するシステムで、販売チャネルの拡大による収益の向上と宿泊施設の予約業務の効率化(運用コストの削減)を図る事ができる。同社が提供する「TEMAIRAZU」シリーズは、複数の宿泊予約サイトを操作一つで簡単に管理でき、スピーディーかつ自動更新のためオーバーブッキングも回避できる。また、ASP型サービスのため、インターネットが接続できれば場所を選ばず、面倒な設定をする事なく利用が可能だ。

複数の宿泊予約サイトも操作一つで簡単管理

在庫や料金の管理を一括で行い、面倒な管理業務から解放。宿泊予約サイト管理の業務フローの統一化が管理コストの削減につながる。

スピーディー&自動更新でオーバーブッキング抑止

予約情報の取得間隔が短いため、素早い在庫調整が可能。急な予約が入った場合でも、一括で各宿泊予約サイトの部屋を手仕舞う事ができる。

インターネット接続できる環境があればOK!

インターネット経由での使用のため、施設・本部等場所を問わず管理可能。専用サーバでの情報管理のため、故障等による急なPCの買い替えでも同じアカウントで利用できる。
自社宿泊予約システム、海外宿泊予約サイト、ホールセラー(法人向け卸売)のシステム等の各種Webサービス、PMS(予約から客室管理、請求までを処理する宿泊施設の基幹システム)、リアルエージェント(店舗展開する旅行会社)の予約システム、更にはCRS(航空会社系のコンピュータ予約システム)等、多様なチャネルからの集客機能の強化を目的にシステム連携を積極的に進めており、インバウンドの集客にも有効なシステムとなっている。

宿泊予約サイトコントローラーとは、複数のオンライン予約サイトの情報を一括管理するサービス。販売チャネルの拡大による収益の向上と宿泊施設の予約業務の効率化による運用コスト削減に寄与する。

(同社資料より)

2015年にブランドを「TEMAIRAZU」に改め、現在、「TEMAIRAZU」シリーズとして、インテリジェントな機能を搭載したシステムである「手間いらず.NET2」及び「TEMAIRAZU YIELD」をラインナップしている。「TEMAIRAZU YIELD」は、従来からの機能に加え、需要予測に基づく客室単価の値上・割引機能や販売先の制限等で収益の最大化に寄与するイールドマネジメント機能をフルに搭載しており、「手間いらず.NET2」は一部の最新機能を省く事で価格を抑えた。両システム共に、在庫・料金等の情報を一括管理する利便性だけでなく、稼働率と平均客室単価の向上が可能で、開発に当たって労働コストの削減もより意識された。月額の固定料金と利用件数に応じた従量制の料金体系をとっている。

インターネットメディア事業

比較サイト「比較.com」を中心とした広告媒体の運営を行っている。広告主のウェブサイトへユーザーを誘導し、成約件数に応じた手数料収入を得る「顧客誘導サービス」と保険や引越しの各種見積もり・資料請求等に応じた手数料収入を得る「情報配信サービス」のアフィリエイト広告を中心に、バナー、テキスト、記事コンテンツ等の広告業務を行っているが、広告に依存した事業構造から脱却するべく、事業構造の見直しを進めている。

【沿革】

2002年、オンライン宿泊予約サイトが出現して間もない頃、インストール型アプリケーション予約サイトコントローラー「手間いらず!」は誕生した。2010年6月に予約サイトコントローラーをASP化した事でAPI連携も可能になり使い勝手が劇的に向上。国内の宿泊予約サイトはもちろん、自社宿泊予約システムや海外宿泊予約サイト・ホールセラーとの連携が進んだ事に加え、PMSとの連携やリアルエージェントとの予約情報の連携もできるようになった。更に、CRSとの連携も可能となり、インバウンド集客にも有効なシステムとなった。
現場ニーズに応えるべく様々な機能追加や改善を行い、2015年に新生「TEMAIRAZU」としてリニューアル。2016年7月には、自動で料金調整やサイト掲載の手仕舞いを行うインテリジェント機能を搭載した「TEMAIRAZU YIELD」と搭載する新機能を絞り込む事で価格を抑えた「手間いらず.NET2」を発売。2017年10月、宿泊予約サイトコントローラー「TEMAIRAZUシリーズ」の更なる認知度・ブランド力の向上と効果的な事業展開を図るべく、手間いらず株式会社に商号を変更した。

2018年6月期第3四半期決算
前年同期比21.0%の増収、同46.9%の営業増益

売上高は前年同期比21.0%増の8億19百万円。構造改革を進めているインターネットメディア事業の売上が減少したものの、予約サイトコントローラーのユーザー(宿泊施設)の増加と既存ユーザーの「手間いらず.NET2」及び「TEMAIRAZU YIELD」へのバージョンアップで主力のアプリケーションサービス事業の売上が同24.0%増の7億74百万円と伸びた。

営業利益は同46.9%増の5億12百万円。エンジニアの人件費やデータセンターコストが中心の売上原価が70百万円と同19.0%増加したものの、増収効果で売上総利益率は91.4%と0.2ポイント改善。一方、販管費は、費用対効果を踏まえた比較サイトの広告宣伝費抑制や「TEMAIRAZUシリーズ」の代理店手数料の減少等で2億36百万円と同12.1%減少した。

アプリケーションサービス事業

売上高7億74百万円(前年同期比24.0%増)、セグメント利益5億65百万円(同35.7%増)。システム連携では、訪日需要の強いアジア市場への対応強化の一環として、2月20日にアジアに強みを持つ日本ワールドエンタープライズ株式会社(東京都豊島区、代表取締役 杜 瑪蕾)が運営する、海外の旅行代理店向けホテル予約システムとの連携がスタートした。民泊需要への対応としては、3月23日に株式会社タップ(東京都江東区、代表取締役会長 林 悦男)が提供する小規模施設に特化したホテルシステム「accommod」との連携を開始した他、同じく23日に、株式会社アルメックス(東京都港区、代表取締役社長 馬淵 将平)が提供する民泊・簡易宿所向け宿泊管理システム「innto」とのシステム連携で合意した(現在、連携準備が進行中)。この他、3月26日に、神姫バスツアーズ株式会社(兵庫県姫路市、代表取締役 今井 治生)が運営する、バスと宿泊のダイナミックパッケージ予約サイト「LIMON」との連携を開始した他、第4四半期入りした4月2日に韓国の宿泊予約サイト「HOTELONSEN.com」と連携を開始した。

02月20日 日本ワールドエンタープライズ株式会社が運営する海外旅行代理店向けホテル予約システムと連携開始
03月23日 株式会社タップが提供する宿泊管理システム「accommod」と連携開始
03月23日 株式会社アルメックスが提供する宿泊管理システム「innto」との連携に合意
03月26日 神姫バスツアーズ株式会社が運営するバス+宿泊予約サイト「LIMON」とシステム連携開始
04月02日 韓国の宿泊予約サイト「HOTELONSEN.com」と連携開始

営業面では、営業人員の増員により営業体制の強化が進み、活動範囲が広がり、新規及び既存客に対する訪問件数も増加した事が、新規契約及びバージョンアップの獲得につながった。また、2月(2月20日~23日)には、アジア最大級のビジネストレードショーと位置付けられている「第46回 国際ホテル・レストラン・ショー(HOTERES JAPAN 2018)」(東京ビッグサイト)に出展した他、「ホテル・旅館業界 IT&リノベーション展示商談会(沖縄)」、「ダイナテックカンファレス 東京2018」、民泊カンファレンス等のイベントに参加し、認知度の向上を図った。

インターネットメディア事業

売上高45百万円(前年同期比14.1%減)、セグメント利益22百万円(同7.9%増)。比較サイト「比較.com」において、広告出稿の最適化、サービスの統廃合、更にはコンテンツの再構築等の抜本的な構造改革を引き続き行い、減収ながら、利益率を改善させた。

現預金と純資産の増加等で、第3四半期末の総資産は28億84百万円と前期末との比較で2億79百万円増加した。現預金が増資産の92.6%(前期末92.4%)を占めており、自己資本比率93.9%(同94.1%)。

2018年6月期業績予想
業績予想に変更はなく、前期比14.8%の増収、同25.6%の経常増益

通期予想に対する進捗率は、売上高77.6%(前期実績73.6%)、営業利益85.3%(同73.1%)、経常利益85.3%(同73.2%)、純利益87.6%(同70.3%)。売上高・利益供に順調に推移しており、引き続き、民泊市場への対応強化、営業体制の強化、サイト接続連携強化、及びTEMAIRAZUの機能強化に取り組んでいく考え。

配当は、1株当たり10円の期末配当を予定している(予想配当性向17.5%)。

今後の注目点
日本政府観光局によると、2018年1-3月の訪日外国人(インバウンド)は前年同期比16.5%増の761万人。1月、2月、3月の各月で過去最高を記録したと言う。航空路線の新規就航や増便、中国人に対するビザ発給要件の緩和が追い風となり、今後もインバウンドは増加傾向が続くとみられており、中期的には、2020年の東京オリンピック・パラリンピックも控えている。同社は、インバウンドの増加に伴う宿泊需要を取り込むべく、人員増強を含め営業体制を強化すると共に、サイト接続連携強化と効率化・省力化の追求によるTEMAIRAZUの機能強化に取り組んでいく考え。一方、宿泊施設の供給面では、民泊が注目される。新聞報道によれば、楽天の民泊子会社の楽天ライフルステイ(東京・千代田)が仲介だけでなく、民泊の運営代行にも参入すると言う。また、全日本空輸が民泊仲介最大手の米エアビーアンドビーと提携し、住友林業も中古マンションや古民家を改装して民泊市場に参入する計画だ。「手間いらず.NET2」及び「TEMAIRAZU YIELD」の潜在顧客として期待される。

尚、通期予想に変更はなかったが、計画を上回って推移しているものと思われる。季節要因も含めて第3四半期までのペースを維持できれば、売上高11億円、営業利益7億円程度での着地が予想される。

<参考:コーポレートガバナンスについて>
◎コーポレートガバナンス報告書        更新日:2018年04月02日
基本的な考え方

当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、企業価値を継続的に高めていくために不可欠な経営統治機能と位置づけており、コーポレート・ガバナンス体制の強化及び充実に努めております。また、迅速かつ適切なディスクロージャー(情報開示)の実施と、意思決定における透明性及び公平性を確保することがバランスのとれた経営判断につながり、コーポレート・ガバナンスを有効に機能させるうえで重要であると考えております。

当社におけるコーポレート・ガバナンスは、取締役会の適時適切な意思決定により、各取締役がその担当職務の執行を迅速に行える体制を整えております。また、当社は少人数小規模組織ではあるものの、社内規程や業務マニュアルを制定し、その規程等に従って業務活動を行っております。これらの経営上の意思決定や業務活動については、定期的な監査役監査および内部監査により内部統制を働かせております。

また、当社ではコーポレート・ガバナンスを経営統治機能と位置づけており、企業価値を継続的に高めていくための不可欠な機能であるとの認識に基づき、コーポレート・ガバナンス体制の強化および充実に努めております。また、株主に対する説明責任を果たすべく、迅速かつ適切な情報開示の実施と意思決定における透明性および公平性を確保した経営を行って参ります。さらに、健全な倫理観に基づくコンプライアンス体制を徹底し、株主、投資家および事業パートナーをはじめとするステークホルダー(利害関係者)の信頼を得て、事業展開を行って参ります。

<実施しない原則とその理由>

当社は、コーポレートガバナンス・コードの基本原則を全て実施しております。

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