(2317:東証1部) システナ 主力事業の収益性向上

2018/06/14

systena

今回のポイント
・18/3期は前期比17.4%の増収、同40.0%の営業増益。車載・社会インフラを中心にソリューションデザイン事業の売上が同11.4%増加する中、フレームワークデザイン事業やITサービス事業等との連携強化でシステムインテグレーターとして事業が拡大したソリューション営業の売上が同28.8%増と伸長。フレームワークデザイン事業、ITサービス事業、更には自社商材・サービスの拡充が進んだクラウドの売上も増加した。利益面では、主力事業の収益性が一段と向上し、営業利益率が9.5%と1.5ポイント上昇した。

・19/3期は前期比3.2%の増収、同16.3%の営業増益が見込まれ、7期連続の増収、5期連続の営業増益。営業利益は4期連続で過去最高を更新する見込み。大型案件の反動を織り込んだソリューション営業を除く全ての事業セグメントで前期比増収が見込まれ、開発投資や人材投資を吸収する。配当は、1株当たり上期末6.5円、期末6.5円の年13円を予定している(予想配当性向33.4%)。2018年6月1日を効力発生日として、1株を4株に分割した。株式分割を考慮すると、実質年52円となり、6円の増配(4期連続の増配)。

・2015年の発表当時はハードルの高さを感じた中期4ヵ年計画の目標が手の届くところに来た。19/3期の業績予想は開発投資や人材投資等の先行投資を織り込む等、例年通り保守的。このため業績予想の達成(=中期4ヵ年計画の目標達成)の確度は高いと考える。ただ、今となっては、売上高1,000億円、営業利益100億円を目指す20/3期以降に視線を移すべきだろう。19/3期のポイントは、中期4ヵ年計画の目標達成よりも、米StrongAuth社と展開するセキュリティ事業と米Plasma社及び合弁会社ONE Tech社とのIoTプラットフォーム事業の進捗である。どれだけ実績を積み上げる事ができるか注目していきたい。

会社概要

2010年4月1日に(株)システムプロが、持分法適用会社だったカテナ(株)を吸収合併して誕生。旧(株)システムプロのモバイル端末の設計・開発・検証に係る技術・ノウハウとオープン系技術、旧カテナ(株)の金融分野の業務知識及び基盤系技術を融合した事業展開により新たな領域の開拓を進めている。連結子会社9社及び持分法適用会社3社と共にグループを形成している。

【会社の経営の基本方針 -安定と成長のバランスを重視した経営-】

経営目標は、「日本を代表するIT企業となり、日本経済を底辺から支える」。その実現のために、「破壊と創造」、「安定と成長」、「保守と革新」という相反する課題をバランス良くコントロールし、常に振り子の中心点に経営の軸足を置いた、バランス経営を基本方針としている。

【目標とする経営指標】

・安定した高配当
・高い株主資本利益率
・高い売上高営業利益率

目標とする経営指標として、安定した高配当、高い株主資本利益率、高い売上高営業利益率を掲げており、その実現に向け、経営の基本方針に則り、高収益体質を目指して行く考え。当面の目標(中期経営目標)は、19/3期に連結売上高560億円、営業利益55億円、ROE20%の達成と年間配当1株当たり52円の実施(配当性向40%以上)。
【事業内容】

事業は、ソリューションデザイン事業(18/3期売上構成比34.7%)、フレームワークデザイン事業(同8.5%)、ITサービス事業(同12.9%)、ソリューション営業(同42.1%)、クラウド事業(同1.8%)、コンシューマサービス事業(同0.9%)、海外事業(同0.1%)及び投資育成事業(同0.0%)に分かれる(調整額△1.0%)。

ソリューションデザイン事業   (株)システナ、(株)ProVision、(株)IDY、HISホールディングス(株)、Systena Vietnam Co.,Ltd.

モバイル端末開発で培ったノウハウを強みとする自動運転やテレマティクス等の「車載」、電力、交通、航空、宇宙、防衛等の「社会インフラ」、通信キャリア、Eコマース、教育、電子書籍等の「ネットビジネス」、スマートフォン、家電、ロボット等の「スマートデバイス/ロボット/AI」及びワークフローや受発注システム等の「業務システム」の5つのカテゴリーに経営資源を集中させている。いずれのカテゴリーも、IoT関連のシステムやサービスの開発及び検証の引き合いが活発である。また、ベトナムの現地法人Systena Vietnam Co.,Ltd.が、ソフトウェア開発・検証評価・保守運用、ITサービス全般等を手掛けるオフショア拠点としての機能を担っている。

フレームワークデザイン事業   (株)システナ、(株)ProVision、Systena Vietnam Co.,Ltd.

国内外の生・損保や銀行を顧客として、金融系システム開発や基盤系システムの開発を行っている。生損保業務では、情報系、契約管理業務、保険料計算、代理店業務から営業管理業務に至るまで幅広い業務ソリューションの開発実績を有し、銀行業務では、メインフレームへの対応はもちろん、オープンシステムの分野においても、営業店系システム及び対外系チャネルシステム等で豊富な開発実績を有する。現状では、業務の大半を金融系システムの開発・運用が占めているが、ITサービス事業やソリューション営業との連携による両事業が有する顧客へのクロスセル、或いはスマホアプリやWebアプリ等のソリューションでのソリューションデザイン事業との連携により、金融系の深耕と他業種への横展開を進めている。また、ソリューションデザイン事業と同様にSystena Vietnam Co.,Ltd.がオフショア拠点としての機能を担っている。

ITサービス事業   (株)システナ、東京都ビジネスサービス(株)

システムやネットワークの運用・保守、ヘルプデスク、ユーザーサポート、データ入力、大量出力等のITアウトソーシングサービスを手掛ける。顧客は電機メーカー、金融機関、外資系企業、官公庁等。

ソリューション営業事業   (株)システナ

ITプロダクト(サーバー、PC、周辺機器、ソフトウェア)の企業向け販売やシステムインテグレーションを手掛ける。ハード販売型のビジネスからサービス提供型のビジネスへシフトを進めており、ITサービス事業等とも連携して所有から利用(クラウド等)へと変化するニーズを取り込む事で事業拡大、高付加価値化を図っている。顧客は電機メーカー、外資系企業等。

クラウド事業   (株)システナ

クラウド型サービスの導入支援からアプリケーションの提供までを手掛けており、「G Suite」と同社開発の「Cloudstep」を組み合わせたシステナ版グループウェアのクラウドサービスや本年5月にサービスを開始したクラウド・データベースサービス「Canbus.\キャンバスドット」、スマートフォン向けフィッシング対策ソリューション「Web Shelter」などを提供している。現在、パブリック・クラウドに特化しているが、プライベート・クラウドへの対応も進めている。尚、「Cloudstep」とは、「G Suite」等のクラウド型サービスの使い勝手を向上させるための業務アプリケーションや運用者向け管理ツール等の総称。

コンシューマサービス事業   (株)GaYa

連結子会社(株)GaYaを中心とする事業である。(株)GaYaは、スマートフォン向けゲームコンテンツを開発し、大手SNSサイトへ提供している他、他社が開発・リリースしたゲームの運営受託も手掛けている。

海外事業   Systena America Inc. Systena Vietnam Co.,Ltd.

米国の現地法人はモバイルや通信関連の開発・検証支援と米国の最新技術・サービスの動向調査・インキュベーションを二本柱とし、ベトナムの現地法人はソフトウェア開発・検証評価・保守運用、ITサービス全般等を手掛けるオフショア拠点との位置づけ。

投資育成事業

2016年4月1日に設立した戦略子会社(株)インターネットオブシングスが、IoT、ロボット、FinTech、ソーシャルメディア関連の企画・開発・販売・サービス提供を手掛けている。

2018年3月期決算
前期比17.4%の増収、同40.0%の営業増益

売上高は前期比17.4%増の543億20百万円。車載や社会インフラを中心に主力のソリューションデザイン事業の売上が同11.4%増加する中、フレームワークデザイン事業やITサービス事業等との連携強化でシステムインテグレーターとして事業が拡大しているソリューション営業の売上が同28.8%増と伸長。フレームワークデザイン事業、ITサービス事業、更には自社商材・サービスの拡充が進んだクラウドの売上も増加した。

利益面では、全ての事業で収益性が改善し、営業利益が51億70百万円と同40.0%増加。投資有価証券評価損・売却損の減少による営業外損益の改善や税負担率の低下(35.5%→30.8%)で当期純利益は35億42百万円と同61.2%増加した。

期初予想との比較では、ソリューション営業での大規模なクライアントPCリプレース案件の寄与で売上が上振れし、売上の上振れに加え、全ての事業で想定以上に収益性が改善した事で利益も期初予想を上回った。4月20日に期初予想を上方修正しており、修正値に沿った着地となった。

期末配当は、1株当たり7円増配の25円を予定している。通期で10円増配の46円となり、配当性向31.7%。

期末総資産は前期末と比べて32億17百万円増の284億24百万円。現預金、投資有価証券(8億82百万円→20億82百万円)、純資産の他、期末が金融機関の休日だったため売上債権も増加した。自己資本比率59.5%(前期末58.2%)。

利益の増加やたな卸資産の減少による運転資金の減少で営業CFが43億80百万円と前期比95.3%増加。米国での暗号化・認証製品企業やIoTパッケージ企業への投資等で投資CFは増加したが、29億51百万円のフリーCFを確保した。財務CFは自己株式の取得と配当金の支払いによる。

ROE分析
セグメント別動向と見通し
ソリューションデザイン事業

18/3期は売上高188億33百万円(前期比11.4%増)、営業利益26億57百万円(同39.5%増)。インターネットサービス関連のシステム開発が堅調に推移する中、成長分野と位置付ける、車載(インフォテインメント)、ロボッ卜、AI、IoT関連の売上が増加した。車載では、自動車と通信の融合に伴い車載テレマティクス分野の受注も増えている。

19/3期予想は売上高212億16百万円(前期比12.7%増)、営業利益32億75百万円(同23.2%増)。車載、社会インフラ、インターネットサービス及びロボットを事業の柱として展開を進めていく。車載では、車内空間の快適性向上に向けたインフォテインメント(情報)分野や車載テレマティクス分野に加え、安全(自動運転)分野、省燃費(エンジンECU)分野等での受注拡大に取り組む。社会インフラでは、航空管制システム、交通・電力、防衛、xEMS、公共事業関連、インターネットサービスでは、大手通販企業のeコマース・ペイメント分野、スマートデバイスを活用したWebビジネス分野及びIoT・AIをキーワードとしたプロジェクトに力を入れる。ロボットでは、サービスロボットを活用したソリューション開発及びコンサル、IoT・AIをキーワードとしたロボット活用プロジェクトに展開していく。

フレームワークデザイン事業

18/3期は売上高46億00百万円(前期比9.3%増)、営業利益6億62百万円(同11.0%増)。既存顧客の保険システムの追加受注や決済等の新規領域での案件取り込みに加え、業務自動化ツール導入サービスの寄与もあり、売上が増加し、収益性が改善した。

19/3期予想は売上高51億00百万円(前期比10.9%増)、営業利益7億円(同5.7%増)。収益性の高い案件ヘシフ卜すると共に、品質と生産性の向上で競争力を強化する。足元、損害保険会社のシステム再構築案件が堅調に推移する中、決済サービスをキーワードとしたプロジェクトへの参画に力を入れている。本部間連携やプロダクトベンダーとの協業(営業・マーケティングチャネルの活用)により、クラウド、データ分析及び運用自動化ツール等を強化する。オフィス増床や人員増強で営業利益率が13.7%と0.7ポイント低下する。

ITサービス事業

18/3期は売上高70億10百万円(前期比10.1%増)、営業利益8億20百万円(同26.0%増)。当事業は、従来、顧客の社内IT部門に対してヘルプデスク等のサービスを提供していたが、高付加価値化と共に同一顧客のプロフィット部門に対する営業に力を入れており、徐々に成果が現れてきた。18/3期は、社内IT部門への仮想化デスクトップやWindows10の導入案件に加え、プロフィット部門でのスマートデバイスの導入等の高付加価値なスポット案件が寄与した。

19/3期予想は売上高77億78百万円(前期比11.0%増)、営業利益10億01百万円(同22.0%増)。「シェア拡大、パイの拡大、売上拡大」を追求すると共に、高収益なビジネスモデルの構築に取り組む。高収益化に向けては、「へルプデスク」、「システムオペレー夕ー」といった人員動員力を強みとしたビジネスを脱し、これまでに培ってきた丿ウハウや英語対応力を活かせる「ITサポート」、「ITインフラ」、「PMO(Project Management Office:プロジェクトの統括的な管理やサポートを行うための機能)」、「LAB(研究開発)」といったサービス単位での請負型業務にシフトしていく。

ソリューション営業

18/3期は売上高228億85百万円(前期比28.8%増)、営業利益9億97百万円(同40.6%増)。サーバー・ストレージ等のシステム系ハードウェアの低迷が続いているが、セキュリティ強化の一環としてのWindows10への大型PCリプレース案件の取り込みに成功した。また、“働き方改革”をキーワードに、「モバイル」、「セキュリティ」、「クラウド」を中心にした需要喚起が奏功した他、ロードマップの把握から、IT機器の導入、インフラ構築、システム開発、保守運用に至る高付加価値のワンストップサービス案件も拡大した。

19/3期予想は205億円(前期比10.4%減)、営業利益8億93百万円(同10.4%減)。大型PCリプレース案件が18/3期の収益押し上げ要因になった事を踏まえて、保守的に減収・減益予想とした。オンプレミス(自社所有運用)からハイブリッド(オンプレミス+クラウド)にシフトする顧客ニーズへの対応を強化する考えで、サービス部門の人員を増員すると共にALLシステナ体制による営業活動を展開する。また、クラウド事業で開発した自社商材とサービスを組み合わせて顧客ニーズに応じつつストックビジネス化を図る他、(株)インターネットオブシングスとの連携を強化してセキュリティをキーワードとするIoT関連商材の拡販にも取り組む。

クラウド事業

18/3期は売上高9億72百万円(前期比21.8%増)、営業利益1億55百万円(同36.0%増)。展示会出展やプロモーションによる販促を本格化した新サービス「Canbus.(キャンバスドット)」が横浜銀行に採用される等で増収に寄与した。「Canbus.」は「部門からはじめるIT経営」をコンセプトとし、散在していたデータを資産に変え、あらゆる部門のIT経営を促進するクラウドデータベースである。情報システム部門だけでなくプロフィット部門等での利用も見込める。

19/3期予想は売上高10億円(前期比2.8%増)、営業利益1億円(同35.5%減)。「Canbus.」、「Cloudstep」、「Web Shelter」といった自社商材の販売を強化し高付加価値ビジネスへの転換を推進する。この一環としての営業やエンジニアの増員、更には自社商材ブラッシュアップのための開発費が負担になる。「Canbus.」については、拡販に向け、営業、開発及びサポートの人員を増員すると共に積極的なクロスメディア戦略を展開する。「Cloudstep」、「Web Shelter」については、顧客満足度向上によるサービス継続率向上と新規獲得に向け、機能とサポートの両面を強化すると共にエンジニアを増員する。

海外事業(Systena America Inc.)

18/3期は売上高72百万円(前期比56百万円減)、営業損失1億72百万円(同32百万円増)。米StrongAuth社への20%出資が完了し、世界各国に向けてセキュリティサービスの営業を本格化した。また、One Tech社を設立(米Plasma社との合弁会社)してIoTビジネスでのソリューションパッケージ化を開始した。Plasma社とは、End to EndのIoTソリューションでのPoC(Proof of Concept:概念実証)案件も展開中である。

19/3期予想は売上高1億90百万円(前期比1億17百万円増)、営業利益4百万円(同 1億76百万円増)。StrongAuth社、One Tech社を通じた新ビジネスを推進する他、Plasma社との協業によるEnd to End IoTソリューションとLoRaWAN機器・センサー、IoT Gatewayの販売を米国内外で強化する。

尚、今回出資したStrongAuth社は暗号化及び認証製品の開発・販売を手掛けている。一方、合弁会社(50%出資)のOne Tech社(ONE Tech, Inc.)は総合IoTソリューションパッケージの開発・販売を手掛ける。

コンシューマサービス事業

18/3期は売上高5億01百万円(前期比48.6%増)、営業利益65百万円(前期比72百万円増)。TVCMや人気IPコラボ企画等、露出強化が奏功し、協業アプリ「アルテイルクロニクル」のユーザー数(250万DL)が増加し、月間売上が過去最高を更新した。売上が増加する中、新規タイトルの開発を絞り込んだため開発費が減少し営業損益が黒字転換した。既存タイトルと受託タイトルで売上の80%以上を確保し、新規タイトル依存からの脱却による収益の安定化に取り組んでおり、その成果が顕在化してきた事も18/3期の特徴。17/3期の売上構成比は、新規タイトル31%、既存タイトル44%、受託タイトル25%だったが、18/3期は、それぞれ、8%、75%、17%。

19/3期予想は売上高4億84百万円(前期比3.4%減)、営業利益31百万円(前期比52.3%減)。第3四半期に受託タイトルのリリースを予定しており、現在、顧客要件を基にしたシステム構築に取り組んでいる。この他、第4四半期に新規タイトルとして、ソーシャルゲームの王道ゲーム1タイトルのリリースを予定している。売上を保守的にみている事と、上記2タイトルに係る先行投資負担を織り込んだ。

2019年3月期業績予想
7期連続の増収、5期連続の営業増益。4期連続の営業最高益更新を見込む

大型案件の反動を織り込んだソリューション営業を除く全ての事業セグメントで前期比増収が見込まれ、売上高が560億45百万円と同3.2%増加。開発投資や人材投資を吸収して営業利益は60億12百万円と同16.3%増加する見込み。
配当は、1株当たり上期末6.5円、期末6.5円の年13円を予定している(予想配当性向33.4%)。2018年6月1日を効力発生日とする1:4の株式分割を考慮すると、実質年52円となり、6円の増配(4期連続の増配)。
現在進行中の中期4ヵ年計画(16/3期~19/3期)において19/3期の目標としていた、売上高560億円、営業利益55億円を上回り、配当及びROEも目標を達成する見込み。

(2)中期4ヵ年計画(16/3期~19/3期)
【ストラテジー -自動運転、スマートシティ、ロボット、IoTソリューションの4分野に注力-】

今後10年間で最も伸びる分野に経営資源を集中させていく考えで、具体的なターゲットとして、自動運転、スマートシティ、ロボット及びIoTソリューションの4分野を挙げている。4分野は、いずれも無線通信技術が不可欠な事から同社の強みを活かす事ができる。また、ロボットはAIの領域でもあり、今後、幅広い用途や需要が期待でき、この分野でいち早く技術とノウハウの蓄積を図る事の意義は大きい。

(2)主要セグメントの目標と取り組み
ソリューションデザイン事業

車載・ロボット、Webシステム開発・検証の実績を活かした交通・電力といった社会インフラへの展開及びネットビジネスの支援(新たなサービスの創造を支援する)等で、19/3期に、売上高185億円、営業利益22億円の達成を目指しており、セグメント全体で売上高を1.6倍、営業利益を2.1倍に拡大させる考えで、中核となる車載・ロボットと社会インフラについては、合計で売上高3.7倍、営業利益4.8倍(売上高19億円、営業利益1.8億円 → 売上高71億円、営業利益8.7億円)を見込んでいたが、ソリューションデザイン事業全体では、18/3期において早くも中期4ヵ年計画目標を達成した(売上高188.33億円、営業利益26.57億円)。19/3期では、売上高、営業利益ともにさらなる拡大(19/3期業績予想は、売上高212.16億円、営業利益32.75億円)を目指している。

フレームワークデザイン事業

金融(保険・銀行)での開発実績やノウ八ウを活かして他業種の基幹システム関連等へ水平展開(ワークフロー開発や長期保守)を進めると共に、本部間協業の拡大によるストック型ビジネスへの転換を図り、19/3期に売上高65億円、営業利益8億円の達成を目指している。売上を15/3期比1.5倍、営業利益を同2.1倍に拡大させたい考えで、本部間協業・新規サービスについては売上20倍、営業利益40倍を目指している。

ITサービス事業

ヘルプデスクやシステム運用保守で培ったノウ八ウの活用と本部間協業により高付加価値サービス(グローバル競争力強化支援、ITサポート環境最適化、LABO運営、インフラ最適化、プロジェクト推進等)への転換を図る事で、19/3期に売上高70億円、営業利益7億円の達成を目指していたが、18/3期において早くも中期4ヵ年計画目標を達成した(売上高70.1億円、営業利益8.2億円)。19/3期では、売上高、営業利益ともにさらなる拡大(19/3期業績予想は、売上高77.78億円、営業利益10.01億円)を目指している。

ソリューション営業

サービス売上高を40億円に引き上げ、売上構成比を20%とする事で、15/3期に3.2%だった営業利益率を4.0%に高める。当事業が総合営業としてシステナの全ての商材・サービスを販売していく事を基本方針とし、オンプレミスのサーバーとクラウドサービスとの連携によるハイブリッド環境への対応強化、ストックビジネスの拡大及び本部間連携によるシナジー拡大に取り組んでいくことで、19/3期に売上高200億円、営業利益8億円の達成を目指していたが、18/3期において早くも中期4ヵ年計画目標を達成した(売上高228.85億円、営業利益9.97億円)。19/3期では、前期に生じた大型案件の駆け込み需要を除いた堅めの計画を立てている(19/3期業績予想は、売上高205億円、営業利益8.93億円)。

新企隊本部

新企隊本部を発足させた目的は二つあり、一つは、IoT、セキュリティ、FinTech、ロボティクス、コンテンツをキーワードとする高付加価値な事業創造を通じて、ストックビジネス(ロイヤリティ・ビジネス)の拡大を図る事。この一環として、関係事業を集約し投資効率の向上と営業連携の強化に取り組む。もう一つは、海外事業を早期に軌道に乗せる事。早期の黒字化に向け、海外子会社独自で事業活動を行うビジネスモデルから、システナ本体との連携強化によるALLシステナの経営資源を有効活用するビジネスモデルへの転換を図る。19/3期に売上高40億円、営業利益10億円の収益寄与を目指している(15/3期 売上高9.2億円、営業利益0.4億円)。

ロイヤリティ・ビジネスを20/3期以降の収益の柱とするべく、19/3期は以下2事業を開始する。
暗号化及び認証製品の開発・販売を手掛けている米StrongAuth社と、世界の中央銀行、大手金融機関、軍事機関が認めた認証&暗号化ソリューションの日本独占販売契約を締結し、20%の出資を行った。某西欧の中央銀行、某国軍事機関、国際機関、イベント切符業界で世界最大級のマーケット・メーカー、US最大級テレコム会社、APAC最大級テレコム会社等で導入実績がある等、全世界の多くの大手企業で採用されている。システナグループは暗号化ソリューションだけでなく、ヨーロッパや米国で話題の次世代認証システム(FIDO)を日本企業へ提案していく。
また、全米屈指のIoTプラットフォームを持つ米Plasma社と合弁会社ONE Tech, Inc.を米国に設立した。オールインワンのIoTプラットフォームを利用したビジネスを日本・米国で加速させる。Plasma社は、米国の代表的な大都市のスマートシティ計画におけるIoTプラットフォームに選定されている他、その他、AT&T、HP、米国大手石油会社、大手物流、大学、医療関係、建設会社、豪州最大畜産会社等、IoTプラットフォームの採用実績が豊富だ。

今後の注目点
成長分野への経営資源のシフトを進めているソリューションデザイン事業の売上が収益性の改善を伴いながら増加しており、旧カテナ事業も、ALLシステナ体制による営業強化の成果が顕在化しつつあり、高付加価値化も進みつつある。この結果、2015年の発表当時はハードルの高さを感じた中期4ヵ年計画の目標が手の届くところに来た。19/3期の期初予想は開発投資や人材投資等の先行投資を織り込むなど例年通り保守的。このため業績予想の達成(=中期4ヵ年計画の目標達成)の確度は高いと考える。
ただ、今となっては、売上高1,000億円、営業利益100億円を目指す20/3期以降に視線を移すべきだろう。19/3期のポイントは、中期4ヵ年計画の目標達成よりも、米StrongAuth社と展開するセキュリティ事業と米Plasma社及び合弁会社One Tech社とのIoTプラットフォーム事業の進捗である。19/3期に、どれだけ実績を積み上げる事ができるか注目していきたい。
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎コーポレート・ガバナンス報告書       更新日:2017年06月27日
基本的な考え方

当社は、激しい経営環境の変化に対応し、経営の効率性を高めるために迅速な意思決定によるスピード経営を推し進め、永続的な事業発展と株主価値の増大および株主への継続的な利益還元を行っていくと同時に、株主、顧客、取引先、従業員および地域社会などのステークホルダー(利害関係者)との利害を調和させ、全体としての利益を最大化することを目指し、かつ、経営の健全性確保およびコンプライアンス(法令遵守)の徹底に努めるためにコーポレート・ガバナンスを強化させていきたいと考えております。
このため、外部専門家(監査法人、主幹事証券会社、弁護士、社会保険労務士、司法書士等)やステークホルダーからの指摘や提言を真摯に受け止め、経営の公平性、透明性に関して更なる充実を図る所存であり、持ち前の当社の機動性を活かし、会社規模に応じた体制を構築し、株主などのステークホルダーを絶えず意識した上場企業として一層の自己改革を図り、コーポレート・ガバナンスの強化と適時適切な情報開示に努める所存であります

<実施しない主な原則とその理由>

【原則1-2 株主総会における権利行使】
【補充原則1-2-4】
現在、当社の株主における機関投資家や海外投資家の比率は相対的に低いため、現行の書面投票制度で支障はないと考えております。今後とも当該投資家の保有比率の動向を踏まえ、議決権の電子行使を可能とするための環境作り(議決権電子行使プラットフォームの利用等)や招集通知の英訳を検討してまいります。

<開示している主な原則>

【原則1-4 いわゆる政策保有株式】
当社は、政策保有株式として上場株式を保有しない方針であります。なお、旧カテナ株式会社との合併により引き継いだ政策保有株式については、平成29年3月期において全株売却いたしました。

【原則1-7 関連当事者間の取引】
当社は、取締役の利益相反取引・競業取引を取締役会の付議・報告事項としており、取引毎に取締役会による事前承認・結果の報告を実施しております。

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
当社は、株主との建設的な対話を促進するために、ディスクロージャーポリシーを定め、開示しております。詳細は、当社ホームページに掲載しておりますので、ご参照ください。
https://www.systena.co.jp/ir/management_policy/disclosure.html
また、そのための体制整備・取組については、本報告書「III 株主その他の利害関係者に関する施策の実施状況」の「2.IRに関する活動状況」をご参照ください。

株式会社インベストメントブリッジ
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