(4319:東証1部) TAC 2015年3月期第3四半期業績レポート

2015/02/25

TAC

今回のポイント

・15/3期3Qの現金ベース売上高は前年同期比6.8%減の144億35百万円。原価では講師料、市販外注費を削減したが、業務委託費などの諸経費が増加。販管費も本社ビル取得に伴う修繕引当金繰入のほか、のれん償却費等が増加し営業利益は同71.2%減少の359百万円。

・第3四半期(累計)の通期見通しに対する進捗率は、売上についてはほぼ順調に推移。利益においては第2四半期累計時よりも低下しているが、業績の季節変動要因が反映されている部分もあると思われ、また各種施策のための先行投資及びその効果にについて見極めている段階のため、会社側は通期予想の修正は行っていない。今後もコスト削減努力を継続し、計画達成および上積みを図る考えだ。配当は前期と同じく1.0円/株の予定。

・株価の低迷が続いている。1ケタ台のPER、1倍割れのPBRという水準に入っていても2014年1月以降の安値を更新する結果となっており、残念ながら投資家の期待に応えることが出来ていない。税理士講座における速修コースの開講により12月の売上が前年同月を上回るなど、明るい兆しも見られるが、短期的な業績動向を見る上では減少が続く公認会計士試験受験者数がいつごろ底を入れ、上向くかがポイントとなる。ただこれは同社のみの力ではいかんともしがたい部分が大きく、投資家としても現時点でそこに大きくベットする訳にはいかないだろう。やはり前回のレポートの繰り返しになるが、増進会出版社とのアライアンス、医療事務や介護系資格取得支援など新分野における早期の成果実現が強く望まれる。

会社概要

「資格の学校TAC」として、資格取得スクールを全国展開。社会人や大学生を対象に、公認会計士、税理士、不動産鑑定士、社会保険労務士、司法試験、司法書士等の資格試験や公務員試験の受験指導を中心に、企業向けの研修事業や出版事業等も手掛ける。

【沿革】

1980年12月、資格試験の受験指導を目的として設立され、公認会計士講座、日商簿記検定講座、税理士試験講座を開講。2001年10月に株式を店頭登録。03年1月の東証2部上場を経て、04年3月に同1部に指定替えとなった。09年9月には司法試験、司法書士、弁理士、国家公務員Ⅰ種・外務専門職等の資格受験講座を展開していた(株)KSS(旧・早稲田経営出版)から資格取得支援事業及び出版事業を譲受。これにより、会計分野に強みを有する同社の資格講座に法律系講座が加わると共に、公務員試験のフルラインナップ化も進んだ。2013年12月、小中高生向け通信教育事業を柱とする(株)増進会出版社と資本・業務提携契約を締結。2014年6月には医療事務分野への進出を狙いM&Aを実施。

【強み】
(1)試験制度の変化や法令改正へのきめ細かい対応

同社は、会社設立間もない頃から講師陣が毎年テキストを改訂し、試験制度の変化や法令改正にきめ細かく対応することで他社との差別化を図り受講生の支持を得てきた。事業が200億円規模になると、毎年発生するテキスト改訂コストを吸収することが可能だが、新規参入を考える企業はもちろん、同社よりも事業規模の劣る同業者にとっても、テキストを毎年改訂することは大きな負担である(ノウハウの蓄積が進み高い生産性を実現していることも強みとなっている)。

(2)積極的な講座開発と充実したラインナップ

同社は大学生市場の開拓も含めて積極的に新しい分野(新講座の開設)にチャレンジすることで業界トップに上り詰め、業界初の株式上場を果たした。また、09年には、Wセミナーの資格取得支援事業を譲受し、従来手薄だった法律系講座や公務員試験のラインナップを拡充した。法律系講座及び公務員講座は、会計系3講座(公認会計士、税理士、簿記検定)と共に3本柱を形成し、マーケットの大きい3本柱を中心に多様な講座をラインナップしている。

(3)受講生中心主義の下でのサービスの先進性

サービスの先進性も同社の強みである。教育メディアや講師を受講生が自由に選択できるシステムを、資格取得学校市場で最初に導入したのは同社である。その背景にある受講生中心主義の経営姿勢は、テキストの品質と共に、「資格の学校TAC」のブランド醸成に一役買っている。

同社のROEは前々期、前期共に非常に高い水準にある。ただ、前々期は特別利益に移転補償金17億円が計上された影響がある。一方それがなくなった前期も21.9%と東証1部の平均を大きく上回る。
ただ、要因を見てみると、前々期の6.59から4.79へと低下はしているが有利子負債増等によるレバレッジが効いていることが高ROEの背景にある。今後は売上高利益率の向上も期待したい。

2015年3月期第3四半期決算概要
売上高について

各講座の受講者は受講申込時に受講料全額を払い込む必要があり(同社では、前受金調整前売上高、あるいは現金ベース売上高と呼ぶ)、同社はこれをいったん「前受金」として貸借対照表・負債の部に計上する。その後、教育サービス提供期間に対応して、前受金が月毎に売上に振り替えられる(同社では、前受金調整後売上高、あるいは発生ベース売上高と呼ぶ)。損益計算書に計上される売上高は、「発生ベース売上高(前受金調整後売上高)」だが、その決算期間のサービスや商品の販売状況は現金ベース売上高(前受金調整前売上高)に反映され(現金収入を伴うためキャッシュ・フローの面では大きく異なるが、受注産業における受注高に似ている)、その後の売上高の先行指標となる。このため、同社では経営指標として現金ベース売上高(前受金調整前売上高)を重視している。

季節的特徴について

同社が扱う主な資格講座の本試験は、第2四半期(7月~9月)及び第3四半期(10月~12月)に集中しており、特に公認会計士・税理士講座等の主力講座においては、第2・第3四半期は試験が終了した直後で、翌年受験のための新規申し込みの時期となり、一方、第4四半期(1月~3月)及び第1四半期(4月~6月)は全コースが出揃う時期にあたる。
第2・第3四半期は、現金売上及び売掛金売上は多いものの受講期間に応じて前受金に振り替えられる一方、経費は毎月一定額計上されるため売上総利益率は減少する傾向がある。これに対して第4・第1四半期はこれらの前受金が各月に売上高に振り替えられる期になるため売上総利益率は増加する傾向がある。

減収率は縮小するものの

現金ベース売上高は前年同期比6.8%減の144億35百万円。発生ベース売上高は同5.2%減の147億53百万円。
講師料、市販外注費を削減したが、業務委託費などの諸経費が増加し、売上原価はほぼ前年同期と同水準の90億64百万円。
販管費は本社ビル取得に伴う修繕引当金繰入のほか、租税公課、支払手数料、のれん償却費が増加し前年同期を上回る53億53百万円となった結果、営業利益は同71.2%減少の359百万円となった。
営業外収益において円安に伴う保有債券の償還・売却により投資有価証券運用益3億21百万円があった一方、営業外費用においては支払手数料51百万円、持分法による投資損失13百万円等があった結果、経常利益も同約6割減少の6億円となり、四半期純利益も同じく約6割減少の3億64百万円となった。

【個人教育事業】

現金ベース売上高は前年同期比10.8%減少の92億13百万円。
税理士講座、公務員講座、司法書士講座、公認会計士講座などが、消費税増税の駆け込み申込みの反動で減少した。ただ四半期(3か月間)ごとの前年同期比減収幅は縮小している。
講師料、教材制作のための外注費、賃借料等の営業費用は同2.5%減少し、コスト削減を進めたものの、4億15百万円の営業損失となった。前年同期は4億59百万円の営業利益。
発生ベースの売上高は同9.0%減少の95億20百万円、営業損失は1億8百万円だった。前年同期は営業利益588百万円。

【法人研修事業】

現金ベース売上高は前年同期比3.1%減少の32億63百万円。
法人研修事業セグメント売上高の5割強を占める企業研修は、アベノミクスによる景気回復を追い風に企業が採用人員を増加させたことから内定者研修や新人研修の受注が好調だったが、地方の不採算案件を一部受注しなかったこともあり、同2.5%減となった。

経営・税務系研修が同16.1%増、宅建研修が同7.9%増と増加した一方、財務・会計系研修が同1.0%減、宅建や証券アナリストが堅調ないし横ばいだった金融・不動産系研修はFPやビジネススクールが低調で同5.4%減と減少した。CompTIA研修は同6.1%増と好調。情報処理研修は同9.8%減。

提携校事業は税理士、司法書士、公務員などの駆け込み申込みの反動のため同11.0%の減少となり、地方の専門学校に対するコンテンツ提供も同様の理由で同12.7%のマイナスとなった。提携校数は2014年12月末現在15校。
一方大学内セミナーは、就職状況の好転に伴い大学間の競争が激しくなってきており、少しでも学生の就職の成果を上げるために各大学ともセミナーの強化を進めていることをうけ、同6.8%増と好調だった。
この他では、自治体からの委託訓練は予算削減傾向が顕著で同4.9%の減少だったが、消費税ソフトのバージョンアップという特需も追い風となった税務申告ソフト「魔法陣」が同16.3%増と好調だった。
積極的営業展開によりコストが先行し、現金ベースの営業利益は同15.2%減少の8億83百万円となった。
発生ベースでは売上高32億74百万円(同1.5%減)、営業利益8億94百万円(同10.5%減)となった。

【出版事業】

売上高は前年同期比7.2%増加の15億62百万円。(同事業では、前受金調整がないため現金ベースと発生ベースの売上高は一致する。)
第2四半期までの刊行点数はTAC(株)および子会社(株)早稲田経営出版共に前年同期を下回っていたが、第3四半期に入り積極的な発刊を進めた結果、第3四半期の刊行点数は「TAC出版」が338点(前年同期は324点)、子会社による「W出版」が115点(同115点)となった。
講座の傾向同様、簿記・税理士・司法書士・社会保険労務士等の書籍売上が減少したが、FP・宅建・行政書士等が売上を伸ばした。また、新しいジャンル開拓のため、みのもんた氏の「敗者の報道」をTACBOOKとして刊行し、出荷が増加している。
販路としては、Amazonは同社の方針変更によりやや売上が減少したが、委託・注文を増やし返品を減らす地道な販売努力により取次経由の実売を増加させたことに加え、自社直販サイト「サイバーブックストア」での売上増、低価格・独学者向けの商品パッケージである「独学道場」の販売増加によるTAC講座への誘導等、各種施策が功を奏した。
また、第2四半期まではフルカラー化のための製作費などが先行したが。第3四半期累計の営業利益は3億64百万円(同1.0%減)と減益幅は大幅に縮小した。

【人材事業】

売上高は前年同期比20.2%増加の4億30百万円。営業利益は同66.7%減少の31百万円。
子会社の(株)TACプロフェッションバンクが手掛ける人材事業は、景気回復に伴い会計業界の人材ニーズが高まっており、会計士・税理士受験者向けの就職説明会への出展が好調で求人広告売上は同9.5%増加。人材紹介は同3.4%の減少。人材派遣は就職環境の好転により正社員志向が強まったこと等による登録者減少で同32.7%の減収となった。
この結果(株)TACプロフェッションバンクの単体売上高は同8.9%減の3億26百万円、営業利益は同11.6%減の82百万円となった。2014年6月30日に買収した株式会社クボ医療及び株式会社医療事務スタッフ関西が行う医療事務関係の人材派遣については、第3四半期累計の両社合計売上高は1億9百万円、営業損失は36百万円となっている。

【マーケット概要】
当社が取り扱う各種資格試験の2013年の本試験申込者は2,620千人(前年比 -3.4%)と3年連続して減少。
2014年の途中経過は以下の様な概況となっている。
<減少>
公認会計士10,870人(前年比 2.3千人減少)、税理士49,876人(同5.4千人減少)、公務員(国家総合・一般)80,449人(同2.2千人減少)。この他、司法書士、行政書士、社労士、公務員(地方上級)も減少となっている。
株式市場の上昇などで新規公開企業数も増加しており、監査法人の求人ニーズは旺盛で環境は好転。タイムラグはあるものの、公認会計士資格は底に近いと会社側はみている。ただ、景気回復に伴い一般民間企業の給与を含めた雇用条件面での比較から受験者数の増加度合いはいまだ不透明ともいえる。公務員も同様に民間企業への就職人気上昇に伴い受験者数は減少傾向にある。

<増加>
宅建238,343人(同3.7千人増加)、司法試験関連(司法試験、ロースクール、予備試験)の合計はほぼ前年並み。建設業経理士、ビジネス会計検定は微増。
この他、同社が近年力を入れている教員採用試験の申込者は毎年15万人前後で安定的に推移している。
(以下、同社動向。)

財務・会計分野

発生ベース売上高は前年同期比11.3%減少の22億55百万円。
公認会計士試験については、新規株式公開件数の回復等を背景に大手4大監査法人は昨年から積極採用姿勢に転じ、本試験合格者はほぼ全員が採用されている。リーマン・ショック後にリストラ実施と共に給与水準を引き下げた大手監査法人の新人の給与水準が、民間企業の条件との兼ね合いで魅力度が薄れてきているという見方もあるものの、新規学習者向け入門コースでの受講申込みは回復傾向にあり、同微減となっている。一方再受験者向け上級コースは受験者の母集団が減少しており、この結果公認会計士試験講座の現金ベース売上高は前年同期比9.7%の減少となった。
簿記検定講座は、3級合格率の低下により2級への進級が低調だったことに加え、単価の高い3級・2級向けコースが減少し、現金ベース売上高は前年同期比5.7%の減少となった。

経営・税務分野

発生ベース売上高は前年同期比8.5%減の30億98百万円。
平成26年の税理士試験の受験申込者数は49,876名(前年比9.9%減、国税庁発表値)と、例年5%程度の減少率を大きく下回った。こうした状況に対し、11月の日商簿記受験生向けに12月速修コースを開講したことにより、12月は前年を上回る受講申込みを獲得することができた。
公認会計士講座の簿記入門と統合した新コースの投入や、夜の時間帯の講義時間を変更して受講しやすくする等の施策の効果もあり、現金ベース売上高は同11.8%減と第2四半期累計の14.3%減からは改善した。
中小企業診断士講座は、2次本科生が好調だったが、主流の1次・2次ストレート本科生の申込みが低調に推移し、現金ベース売上高は同7.3%減となった。

金融・不動産分野

発生ベース売上高は前年同期比5.7%増の22億33百万円。
景気回復や不動産市場の活発化の恩恵を受け、駆け込み申込みの反動減の影響は他の分野と比較して小さく、不動産鑑定士の現金ベース売上高は同2.2%増加、宅建主任者の現金ベース売上高は同10.9%の増加となった。開講3年目に入る建築士講座は、認知度向上に加え、2級製図試験での合格者増が1級講座の申込みに繋がっており、現金ベース売上高は同54.1%増となった。
FP講座は、出版物が好調だったものの、CFPコースの申込み減少で現金ベース売上高は同2.3%減。新規開講した銀行業務検定の一環である相続アドバイザーコースは好調な滑り出し。証券アナリスト講座は1次コースやCFAコースが好調に推移し、現金ベース売上高は同2.2%増。ビジネススクール講座は、法人研修部門で地方の採算割れ案件を見切った分の減収を埋め切れておらず、現金ベース売上高は同7.5%減にとどまり、法人研修向けのヒューマンスキル講座の現金ベース売上高も同8.3%減と低調だった。

法律分野

発生ベース売上高は前年同期比11.6%減の13億59万円。
予備試験受験者数が約12,600人を超えるなど法科大学院よりも人気が出てきており、事業環境に明るい兆しも見えてきた司法試験講座においては、同社の「4A基礎講座」も人気が高まり、現金ベース売上高は同5.1%増と増加に転じた。ただ、消費増税の反動減は他の法律系資格で厳しく、現金ベース売上高は、司法書士講座は同15.0%減、行政書士講座は同10.3%減となっている。弁理士講座は、国の政策として過去数年間、高い合格率で推移してきたが、昨年来、合格者を絞るように試験が難化しているため受講申込みが減少し、現金ベース売上高は同19.8%減となった。また、法律系資格の入口にあたるビジネス実務法務検定講座の現金ベース売上高も同15.7%減と低迷している。

公務員・労務分野

発生ベース売上高は前年同期比4.3%減の38億17百万円。
社会保険労務士講座は、合格者が大幅に増加したことが総合本科生および上級本科生の申込みの低迷に繋がり、現金ベース売上高は同11.2%減となった。
公務員講座は、国家総合職・外務専門職コースの現金ベース売上高は同3.8%減となり、国家一般職・地方上級コースも、民間の就職状況が好転しているためニーズが低下し、警察官・消防官向けコース等を中心に低調で、現金ベース売上高は同8.4%減となった。

情報・国際分野

発生ベース売上高は前年同期比9.8%減の10億12百万円。
情報処理講座は、景気の好転を受け基本情報技術者等の個人向けコースが2ヶ月連続で前年を上回るなど、好調に推移したが、高度系の試験区分や企業研修が伸び悩み、講座全体での現金ベース売上高は同9.3%減となった。一方、CompTIA講座は、メインの企業研修が好調で現金ベース売上高は同5.2%増となったが、米国公認会計士講座の現金ベース売上高は、試験制度変更により申し込みが伸び悩み、同13.3%減となった。

その他

売上高(現金ベース売上高=発生ベース売上高)は前年同期比11.0%増加の9億75百万円。
税務申告ソフト「魔法陣」は消費税ソフトのバージョンアップがあり売上高は好調に推移し同16.3%増となった。また、出版物ではTACBOOKで時機を捉えた企画ものが好評で、同2倍となった。
一方、子会社TACプロフェッションバンクが行う人材ビジネスについては、夏の会計業界向け就職説明会を含む広告売上高が前年を上回ったが、登録者数減少で派遣売上が低迷した。一方、2014年6月30日に買収した株式会社医療事務スタッフ関西が行う医療事務関係の人材派遣等に関しては、第3四半期から売上高1億9百万円を人材関連売上として連結業績に組み込んだため、人材関連売上は同23.1%増となった。

第3四半期における受講者数は、前年同期比3.9%減の160,035名となった。
個人受講者は同6.1%減の107,194名だったが、法人受講者は同0.8%増の52,841名と、わずかではあるが増加した。
個人・法人を合わせた講座別では、会計系3講座は受講者数減少に歯止めがかからず、簿記検定講座で同8.0%減、公認会計士講座で同5.3%減、税理士講座で同9.3%減となった。また、法律系講座も全般に低調で、司法試験講座が同15.9%減、司法書士講座が同10.7%減、弁理士講座が同14.5%減、行政書士講座が同13.2%減となった。
一方、金融・不動産分野の主要講座は好調なものが多く、宅建主任者講座が同2.0%増、証券アナリスト講座が同11.2%増、ビジネススクールが同29.1%増、建築士講座が同60.8%増となった。公務員講座(国家一般職・地方上級コース)も同8.7%増と引き続き好調だったが、社会保険労務士講座は同6.9%減となった。情報・国際分野はCompTIA講座が同12.5%増だった一方で、USCPA講座は同20.5%減と大幅に減少した。

現預金、売上債権等の増加で流動資産は前期末比5億97百万円増加した。本社ビル取得に伴う有形固定資産およびM&Aに伴うのれんの増加などで固定資産も同29億86百万円増加し、資産合計は同35億84百万円増加の222億15百万円となった。
本社ビル取得にあたり借入を行ったため有利子負債残高は同40億44百万円増加の84億45百万円となり、負債合計も同32億5百万円増の176億69百万円となった。純資産は利益剰余金の増加で3億78百万円増加の45億46百万円。
この結果、自己資本比率は前期末より1.8%低下の20.5%となった。
前回のレポートでも触れたように、有利子負債残高は拡大したが、家賃削減額2億円強、円安に伴う有価証券の償還により相当程度の返済原資は確保可能と会社側は考えている。

(6)トピックス
◎医療事務スタッフ派遣などを手掛ける子会社を設立

2014年12月、医療事務スタッフの派遣および診療報酬請求事務の請負などを手掛ける子会社「株式会社TAC医療事務スタッフ」を設立した。
TACは2014年6月に実施した株式会社医療事務スタッフ関西及び株式会社クボ医療の子会社化により、2社の事業とTACが有する教育ノウハウを融合して自ら育成した医療機関系人材を幅広い医療機関に提供する事が可能になった。
そこで2社の地盤である関西エリアにとどまらず、関東エリアにおいても医療機関のニーズを取り込み、グループの収益基盤強化を図っていく。

◎相続アドバイザー3級講座を開講

<相続アドバイザー試験とは?>
法務、財務、税務、証券、投資信託、外国為替、年金アドバイザーなど金融機関等の業務に必要な知識を認定する試験として年3回(3月・6月・10月)実施されている銀行業務検定に2014年3月より新たに加わった試験で、昨年行われた初回の試験では受験者が約1万人に達するなど、注目度は高く、相続税及び贈与税の税制改正が行われたこともあり、更に受講者の関心が高まると同社では予想している。
同社では、年金アドバイザー試験に続き、非常に幅広い試験種を有する銀行業務検定の対策講座を、一般の個人にも広くアピールすることによって同検定の受験者層拡大を目指していく。

<TACコースの特長>

知名度の高い銀行業務検定の試験種をフォロー。
銀行、証券、保険、不動産業界関係者、相続開始後の各種手続きについて学びたいFPや仕業、自身の相続について準備を始めておきたい個人などに最適。
(株)経済法令研究会発行のテキスト・問題集を使用して学習を進める。
本試験の同形式の模試が付属。自宅での自己採点形式で、試験直前の総仕上げをマイペースで行うことができる。
スマホ、タブレット対応のWeb通信講座。
10,000円の追加コストでWebフォロー(欠席・復習用)も可能。
日本FP協会の継続教育の単位取得が可能(相続事業承継:AFP7.5単位~CFP15単位)。
2015年3月期業績予想
業績予想に変更無し。営業利益ベースで微減収・微増益を見込む。

第3四半期(累計)の通期見通しに対する進捗率を見ると上記のように、売上についてはほぼ順調に推移しているようだ。利益においては第2四半期累計時よりも低下しているが、これは前述の通り、業績の季節変動要因が反映されている部分もあると思われ、また各種施策のための先行投資及びその効果にについて見極めている段階のため、会社側は通期予想の修正は行っていない。
今後もコスト削減努力を継続し、計画達成および上積みを図る考えだ。配当は前期と同じく1.0円/株の予定。

今後の注目点
株価の低迷が続いている。1ケタ台のPER、1倍割れのPBRという水準に入っていても2014年1月以降の安値を更新する結果となっており、残念ながら投資家の期待に応えることが出来ていない。
税理士講座における速修コースの開講により12月の売上が前年同月を上回るなど、明るい兆しも見られるが、短期的な業績動向を見る上では減少が続く公認会計士試験受験者数がいつごろ底を入れ、上向くかがポイントとなる。ただこれは同社のみの力ではいかんともしがたい部分が大きく、投資家としても現時点でそこに大きくベットする訳にはいかないだろう。
やはり前回のレポートの繰り返しになるが、増進会出版社とのアライアンス、医療事務や介護系資格取得支援など新分野における早期の成果実現が強く望まれる。
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