(2884)株式会社ヨシムラ・フード・ホールディングス 海外事業の回復で増益

2022/07/07

 

 

 

吉村 元久

代表取締役CEO

株式会社ヨシムラ・フード・ホールディングス(2884)

 

 

企業情報

市場

東証プライム市場

業種

食料品(製造業)

代表取締役CEO

吉村 元久

所在地

東京都千代田区内幸町二丁目2番2号 富国生命ビル18階

決算月

2月

HP

http://y-food-h.com

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

529円

23,782,272株

12,580百万円

8.5%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

0.00円

15.76円

33.6倍

265.39円

2.0倍

*株価は4/21終値。各数値は22年2月期決算短信より。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2019年2月(実)

23,716

354

420

263

12.04

0.00

2020年2月(実)

29,875

808

740

177

8.02

0.00

2021年2月(実)

29,289

523

787

417

18.59

0.00

2022年2月(実)

29,283

655

993

500

21.03

0.00

2023年2月(予)

30,526

835

783

468

19.60

0.00

*単位:百万円。予想は会社側予想。

 

株式会社ヨシムラ・フード・ホールディングスの2022年2月期決算概要などをお伝えします。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2022年2月期決算概要
3.2023年2月期業績予想
4.成長戦略
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

今回のポイント

  • 22年2月期決算の売上高は前期並みの292億83百万円。新型コロナウイルスの影響の下、国内事業はコロナ禍の影響で減収。海外事業はコロナの規制緩和により増収。営業利益は同25.1%増の6億55百万円。国内事業は人材採用により人件費が増加し若干の減益も、利益率が高い分野中心に海外事業が回復し増益。経常利益は同26.2%増の9億93百万円。為替差益が同1億84百万円増加した。EBITDAは同1.9%減の15億77百万円。計画に対しては、国内外ともに、想定以上にコロナの影響が長期化したことで売上高および営業利益は未達。経常利益・当期純利益は、為替差益およびコロナ関連補助金収入等により計画を上回った。

     

  • 23年2月期の売上高は前期比4.2%増の305億26百万円の予想。国内事業は、現状維持を前提とし、十二堂が新たに加わることで増収、海外事業は、緩やかな回復を見込んでいる。営業利益は同22.2%増の8億円の予想。国内事業は、価格改定及び生産効率化等による増益を、海外事業は、売上の回復による増益を見込んでいる。なお、新たなM&Aによる成長は含めていない。

     

  • 同社は食品業界において「中小企業支援プラットフォーム」を核とした独自のビジネスモデルを構築し、「M&Aを通じたグループ企業数の拡大による成長」と「既存グループ会社の業容拡大による成長」の2つのエンジンによって成長を追求している。基本的な戦略、道筋に変更は無いものの、M&AからPMI、事業成長支援までの流れを高速化し、より多くのM&Aを実行、成長支援を実施し、企業価値を向上させるため、「戦略①:M&A強化」「戦略②:事業モデルの再強化」「戦略③:提携先との協業および不足する機能の内製化」「戦略④:海外販路強化」という4つの戦略を掲げている。

     

  • 新型コロナウイルスの影響は弱まりつつある一方、原材料価格の高騰、為替レートの変動など、同社を取り巻く事業環境においては、今期も不透明要因が多い。価格改定(値上げ)及び規格改定(内容量変更)に加え、より一層の製造合理化、コスト削減がどのように業績に寄与していくのか注目していきたい。

     

  • 中期的には、「戦略①:M&A強化」「戦略②:事業モデルの再強化」「戦略③:提携先との協業および不足する機能の内製化」「戦略④:海外販路強化」という4戦略の進捗を注目したい。特に、「戦略③:提携先との協業および不足する機能の内製化」において、株式会社ONESTORYの子会社化は、マーケティング機能強化という観点からONESTORYの株式の譲受相手で引き続きONESTORYの株主でもある株式会社博報堂DYメディアパートナーズとの関係強化も期待できる。国分本社とのアライアンスも合わせてその成果に期待したい。

     

1.会社概要

優れた商品や技術力を有しながらも、事業承継など様々な問題を抱えている全国の中小食品企業をM&Aによりグループ化。中核スキルである「中小企業支援プラットフォーム」により問題を解決し、グループ各社を活性化することで、グループ全体の成長を図っている。投資ファンドや大企業に対する圧倒的な優位性、強固な参入障壁が強み。アライアンスによる成長加速を目指している。2022年2月末の主要連結子会社は22社。

 

【1-1 沿革】

大和證券株式会社、モルガン・スタンレー証券株式会社の事業法人部で上場企業の資金調達やM&Aなどを手掛けていた吉村氏は、ある時、経営難に陥っているが買い手の見つからない食品会社を紹介される。
元より、大和證券在籍中の米国MBA留学時から「食」を通じて日本がもっと高く評価されるべきだと強く感じていた吉村氏は、2008年3月、(株)ヨシムラ・フード・ホールディングスの前身となる(株)エルパートナーズを設立し、個人でこの食品会社を引受け、それまでに培ってきた経験やネットワークなどを活用して活性化に取り組んだところ、黒字化に成功。
この評判を聞き、多くの中小食品会社が支援を求めてきたところ、1社ごと個別に手掛けるのではなく、持株会社体制の下で、商品開発、製造、販売などの各機能を相互に補完することにより効率的に成果も上げることができると判断し、2009年8月、商号を(株)ヨシムラ・フード・ホールディングスとした。

 

以降も、事業承継問題を抱えたり、単独での経営に行き詰まったりした企業のグループ化を進めていく。大手食品会社や投資ファンドと競合しない独自のポジショニングや売却しないというポリシーが評価され、日本たばこ産業(JT)などから出資を受けるとともに、業容も拡大。2016年3月に東証マザーズに上場し、2017年3月には東証1部に市場変更した。2022年4月、プライム市場に移行。
日本企業のみでなく、シンガポール、マレーシアなど、海外企業のグループ化も進め、更なる成長を追求している。

 

【1-2 目指す社会像】

企業としての社会的存在意義を改めて『いつまでも、この“おいしい”を楽しめる社会へ ~消費者が多様な食文化を享受できる豊かさの実現~』をミッションとし、ビジョン(果たすべき役割)、バリューズ(大切にする価値観)を改めて示すこととした。

 

 

 

ミッション

いつまでも、この“おいしい”を楽しめる社会へ~消費者が多様な食文化を享受できる豊かさの実現~

*私たちは、人々が、多種多様な選択肢から自分の嗜好に合わせて自由に選択でき、それが尊重される社会こそ、豊かで幸せであると考えます。

*私たちは、世界中の消費者が、多種多様で高品質な“おいしい”を自由に選択し、それを楽しめる豊かな社会を目指してまいります。

ビジョン

地域の“おいしい”を守り、育て、世界へ

*私たちは、「いつまでもこの“おいしい”を楽しめる社会」を実現するため、日本および世界で大切にされてきた“おいしい”を見つけ、守り、育て、世界へと届けてまいります。

*そのために、私たち独自の“おいしい”を見つける目利き力、“おいしい”を守る事業基盤、“おいしい”を育てる支援機能、“おいしい”を世界へと届ける販売網を構築してまいります。

*その結果として、世界の食文化と多様化、地域社会の活性化を推進するグローバルプロデューサーとなります。

バリューズ

「あなた“らしさ”を大切にします」

*私たちは、私たちに関わる全ての方のあなた“らしさ”を大切にします。

*私たちは、私たちのグループで働く社員の“個性”、“新しい発想”、“チャレンジ精神”を大切にします。

*私たちは、私たちのグループ企業が持つ“歴史”、“文化”、“社員”、“取引先”、“地域社会”を大切にします。

*私たちは、私たちのグループ企業が持つ“強み”を伸ばし、“弱み”を補い合い、共に成長してまいります。

*私たちは、私たちに関わる全ての人の“らしさ”を大切にした結果、多様な選択肢のある豊かな社会づくりに貢献します。

 

【1-3 市場環境・設立の背景】

日本全国の中小企業の支援・活性化を目的として設立された同社は、中小食品企業を取り巻く状況について以下のように述べている。
(同社有価証券報告書、同社資料を基にインベストメントブリッジが抜粋・要約・編集)

 

(中小食品企業を取り巻く状況)
*日本食は世界的にも極めて高い評価を受け注目されている分野であると同時に、国内の食品産業は1990年代から一貫して事業所数、雇用者数、GDPの面から最大の業種であり、日本が誇る基幹産業。
*企業数の99%は中小企業で、それぞれが優れた商品や技術力を有している。
*しかし、少子高齢化等により国内の市場規模は縮小し続けており、一部の中小食品企業にとっては、単独での生き残りが難しい経営環境が続いている。
*そのため、多くの企業が事業継続をあきらめて廃業や事業停止を選択せざるを得ない状況となっている。

 

(中小企業の事業承継の状況)
*経営者の平均引退年齢は70歳前後となる中、経営者の平均年齢は60.1歳に達し、今後10年間で約50%の経営者が平均引退年齢を迎えることが予想される。
*そうした中、国内企業の3分の2にあたる65.1%が後継者不在となっており、現時点において事業承継を考えている企業は、全産業合計で34%にとどまるなど、事業承継の準備は進んでいない。
*加えて、2020年の中小企業の休業・廃業件数は49,698件と2007年の約21,000件から13年で急増している。
(中小企業庁「中小企業白書」(2021年版)、㈱帝国データバンク「全国社長年齢分析(2021年)」、㈱帝国データバンク全国「後継者不在企業」動向調査(2020年)、中小企業庁「中小企業実態基本調査」(令和元年確報(平成30年度決算実績))などより。

 

(中小食品企業における事業承継の受け皿の状況)
*中小食品企業における事業承継ニーズが高まる一方で、受け皿となる会社や組織は少ない。
*中小食品企業は大企業が受け皿となるには規模が小さいことが多く、また、投資ファンドは、単独での高い成長と数年以内の売却を主な目的としていることから、成熟市場にある中小食品企業は投資対象になりにくい。
*こうしたことから事業承継の担い手は圧倒的に不足している。

 

【1-4 事業内容】

同社グループは、ヨシムラ・フード・ホールディングスを持株会社として、22年2月末現在、グループ会社22社で構成されている。
ヨシムラ・フード・ホールディングスは、食品の製造および販売をおこなう中小企業の支援・活性化を目的とし、後継者難に直面している中小食品企業をM&Aでグループ化。グループ全社の経営戦略の立案・実行および経営管理をおこなうとともに、グループ会社に対し、セールス・マーケティング、生産管理、購買・物流、商品開発、品質管理、経営管理といった機能ごとに支援および統括を行っている。

 

①ビジネスモデル
同社は食品業界において独自のビジネスモデルを構築しており、2つのエンジンによって成長を追求している。

 

一つはM&Aを通じたグループ企業数の拡大による成長。
2008年の創業以来、同社が受け皿となることで、事業承継や経営難などの問題を抱える中小食品企業が廃業・事業停止に至ることを防ぎ、それらの問題を解決してきた。
2022年2月時点でグループ会社は22社まで拡大。近年は日本企業のみでなく海外企業のグループ化にも注力している。
案件のファインディング(発掘)は、M&A仲介会社、地銀を中心とした地方金融機関、弁護士、会計士からの紹介による「間接的アプローチ」が中心だったが、今後はスピードアップのため、ターゲットリストを作成して自らアプローチして関係を構築したり、アライアンス先である国分グループ本社のネットワークを活用したりする「直接的アプローチ」を強化し、より主体的、積極的に案件を発掘していく考えだ。

 

もう一つが、既存グループ会社の業容拡大による成長。
優れた製品や技術を持ちながらも、販路がない、人手が足りない、経営管理が不十分などの理由で成長できない企業に対し、「中小企業支援プラットフォーム」が各機能別に統括することで、課題を解決し各社の業容拡大を支援している。

 

(同社資料より)

 

「中小企業支援プラットフォームとは?」
この独自のビジネスモデルの核となるのが、同社が食品の製造・販売に特化して取り組んできた実績とノウハウの蓄積により構築した「中小企業支援プラットフォーム」だ。

 

持株会社として、グループ全社の経営戦略の立案・実行および経営管理をおこなう同社は、各グループ会社が行う業務(セールス・マーケティング、生産管理、購買・物流、商品開発、品質管理、経営管理、人材確保など)を、同社の統括責任者が会社の壁を超えて横断的に統括し、有機的に結び付けて経営を支援することで、各社経営基盤の強化を図っている。

 

例えば、優れた製品を持っているが売上が伸び悩んでいるA社には、全国的な販売網を有するB社の販路を利用したり、販売ノウハウを活用したりするといったことである。また、上場企業である同社の信用力を活用した資金調達力によって安定した資金繰りを実現している。
統括責任者にはグループ内で最もノウハウを有した人物が就くことにより、こうした連携をより効果的なものとしている。
このように、グループ全体で各グループ会社の優れた商品や技術、販路や製造ノウハウといった「強み」を共有し、人材・資金・販路不足といった「弱み」を補完する仕組みが「中小企業支援プラットフォーム」である。

 

「中小企業支援プラットフォーム」は、現在の体制においても有効に機能し効果をあげているが、今後さらに子会社が増加することにより、新たな強みとなるノウハウが加わりグループの経営資源もさらに蓄積され、それによって既存の子会社にとっても更に業績拡大の機会や生産効率化ノウハウの獲得などを図ることができるという新たなシナジーが生じることとなる。
こうしたプラットフォームの拡張性はヨシムラ・フード・ホールディングスの事業基盤をさらに強固なものとする。

 

(同社資料より)

 

②セグメント
セグメントは、「製造事業セグメント」と「販売事業セグメント」の2つ。

 

◎製造事業セグメント
それぞれの会社が独自の商品を開発、製造し、国内企業は主に卸売業者を通じて日本全国のスーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストアへ販売し、海外企業は主にシンガポールおよびマレーシアのホテル、飲食店、スーパーマーケット等へ販売している。2022年2月末現在、グループ会社は以下の17社。

 

(製造事業セグメント グループ会社)

会社名

特色

楽陽食品株式会社

(東京都足立区)

国内5カ所の工場で、チルドシウマイおよびチルド餃子を製造販売している。チルドシウマイの生産量は国内トップシェアである。

株式会社ダイショウ

(埼玉県比企郡ときがわ町)

ピーナッツバターのパイオニアであり。独自の製法により作られる「ピーナッツバタークリーミー」は1985年の販売開始以来続くロングセラー商品。

白石興産株式会社

(宮城県白石市)

1886年創業、宮城県白石市特産の白石温麺を主力商品とし、伝統的な製法により製造される乾麺等の製造販売をおこなっている。

株式会社桜顔酒造

(岩手県盛岡市)

1973年、岩手県の地場の10の酒蔵が結集して設立。日本最大の杜氏集団である「南部杜氏」の技により生み出された日本酒は、フルーティな味わいで高い評価。

株式会社オーブン

(愛媛県四国中央市)

供給量が限られた広島県産カキを調達する独自のルートをもち、かきフライを主力商品として、鶏なんこつのから揚げやささみフライ等を製造販売している。

株式会社雄北水産

(神奈川県足柄上郡大井町)

船上で捕獲直後にマイナス50度からマイナス60度で瞬間冷凍される船凍品のマグロ等を使用したねぎとろ、まぐろ切り落としを製造販売。

純和食品株式会社

(埼玉県熊谷市)

 

埼玉県HACCPを取得するなど、万全な生産管理体制を構築しており、ゼリーの製造においては新興企業ながら、大手GMSに評価されるなど、技術力と商品力には定評がある。

株式会社エスケーフーズ

(埼玉県大里郡寄居町)

チルド・冷凍とんかつ等の製造販売を主力とし、顧客ニーズに対応する製品を生産している。また、商社等を介さず、直接仕入れ、直接販売もおこなっている。

株式会社ヤマニ野口水産

(北海道留萌市)

半世紀にわたり、北海道特産品である鮭とばや、にしん等を熟練工によって独自の製法により製造販売している。

JSTT SINGAPORE PTE.LTD.

(シンガポール)

シンガポールにおいて、空輸で運ばれた新鮮な日本産の魚介類等を使用し、寿司、巻物、おにぎり等の製造販売を行っている。

株式会社おむすびころりん本舗

(長野県安曇野市)

自社開発のフリーズドライ装置により、製菓原料、非常食等を製造している。「水もどり餅」は、スペースシャトル「エンデバー」に携行されたことで有名。

株式会社まるかわ食品

(静岡県磐田市)

浜松エリアにおける餃子の有名店。こだわりぬいた素材を創業以来秘伝のレシピにより餃子の製造・販売をおこなっている。

PACIFIC SORBY PTE. LTD.

(シンガポール)

シンガポールにおいて、チルド及び冷凍水産品の加工、卸売りをおこなっている。

株式会社森養魚場

(岐阜県大垣市)

養殖鮎の生産量は国内トップクラスであり、採卵・ふ化から育成・出荷まで安定的に生産できる独自のノウハウを蓄積している。また、雄雌を産み分ける技術も有している。

NKR CONTINENTAL PTE. LTD.

(シンガポール)

シンガポールおよび子会社のあるマレーシアにおいて、厨房機器の製造、輸入販売、設計施工、メンテナンスをおこなっている。

株式会社香り芽本舗

(島根県出雲市)

ソフトタイプのわかめふりかけ、ひじきふりかけ、わかめスープ、わかめ茶漬け等の自社商品からОEМ商品まで、高品質かつ多様なラインアップの商品を製造している。

十二堂株式会社

(福岡県太宰府市)

ソフトふりかけ「梅の実ひじき」等を製造、販売。全国に多くのファンを持ち根強い人気を誇る。

 

◎販売事業セグメント
販売力と企画力を強みとしており、国内企業は主に産業給食事業者、生活協同組合等へ、海外企業は主にスーパーマーケット、ホテル、飲食店等へ販売をおこなっている。2022年2月末現在、グループ会社は以下の3社。

 

(販売事業セグメント グループ会社)

会社名

特色

㈱ヨシムラ・フード

(埼玉県越谷市)

業務用食材の企画・販売を主とし、自社で物流機能を持たず、販売先へ直送するビジネスモデルを構築している。

㈱ジョイ・ダイニング・プロダクツ

(埼玉県越谷市)

冷凍食品の企画・販売をおこなっている。日本全国の生活協同組合に直接口座を有しており、それを活用してグループ商品の販売もおこなっている。

SIN HIN FROZEN FOOD PRIVATE LIMITED

(シンガポール)

アジア各地の有力な水産会社から高品質かつ安心・安全な冷凍水産品および冷凍水産加工品を仕入れ販売している。

 

◎その他セグメント

会社名

特色

株式会社ONESTORY

(東京都港区)

イベントビジネス等を実施。地域に眠る「食」や「文化」等を再発掘・再編集し、プレミアムなコンテンツとしてプロデュースしている。

SHARIKAT NATIONAL FOOD

(シンガポール)

シンガポールにおいて食品工場兼食品用定温倉庫を所有し不動産賃貸業を行っている。

*株式会社ONESTORYは22年4月1日に子会社化

 

【1-5 特徴と強み】

①事業承継の受け皿としての優位性
M&Aにおける有力なプレーヤーは、大手食品会社や投資ファンドなどであるが、同社は主として以下の3点で確固たる競合優位性を有している。

 

*受け皿としての広範な受容力
同社ではグループ化した会社の売却を目的としておらず、短期的な業績回復を図るだけでなく、中長期的な視点から会社の持続的な成長の実現を目指している。そのため、事業規模が小さく成長に時間がかかる企業や、成長のための経営資源が不足しているような企業などを含め、幅広い中小企業の受け皿になることができる。
この点で、対象とする企業規模について一定のスケールが必要な大手食品会社、投資ファンドとの大きな差が生まれている。
また、売却してキャピタルゲインを得ることが目的の投資ファンドの場合、中小食品企業のオーナー経営者の信頼を得ることは容易ではなく、この点でも、中期的な視点で持続的成長を目指すグループ一体経営を実践している同社は大きなアドバンテージを有している。

 

*高度なM&A実行力
創業以来、中小の食品関連企業を多数グループ会社化し、その後の再成長を実現してきたため、食品業界の市場環境・商習慣、中小食品企業特有のリスク等を熟知しており、数ある中小企業の中から強みを持つ企業を選ぶ優れた目利き力を有する。
加えて、デューデリジェンスや交渉のノウハウ、知見の蓄積も豊富であり、M&Aの実行力は極めて高い。

 

*幅広いネットワークを通じた豊富かつ良質なM&A情報
都市銀行、地方銀行、信用金庫、証券会社などの金融機関や、M&Aアドバイザリー業務をおこなう企業等との幅広いネットワークを構築しており、豊富な中小食品企業のM&A情報を収集することができる。
また「食品業界に特化」「売却を目的としていない安心感」といった要因により、量のみでなく同社のニーズに則した質の高い情報を得ることもできている。

 

②中核スキル:中小企業支援プラットフォーム
グループ全体で各グループ会社の優れた商品や技術、販路や製造ノウハウといった「強み」を共有し、人材・資金・販路不足といった「弱み」を補完する仕組みである「中小企業支援プラットフォーム」によって、グループ会社の活性化を実現しており、その実績は高く評価されている。

 

③地域活性化への貢献
子会社の株式会社桜顔酒造(岩手県)、白石興産株式会社(宮城県)、株式会社オーブン(愛媛県)をはじめとした、地方の中小食品企業の事業承継等を積極的におこなってきた。
中小企業支援プラットフォームを活用することで、これまで地域を限定して販売されていた魅力ある商品を全国(および一部海外)に展開することや、グループの資金を活用して新たな設備投資を行うことが可能であり、これによって地方の中小食品企業の再成長と地方経済の活性化に貢献している。

 

【1-6 配当政策・株主優待制度】

(配当政策)
株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つと位置付けているが、現在は成長過程にあると考えているため、現金は設備投資等による積極的な事業展開およびプラットフォーム拡充による経営基盤の強化を図るための投資等に充当させることが、株主に対する最大の利益還元に繋がると考えている。
このため設立以来配当は実施しておらず、今後においても当面の間は、事業拡大のための投資および既存事業の必要運転資金とする方針である。将来的には、各事業年度の経営成績および財政状態を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針だ。

 

(株主優待制度)
保有株式数に応じて以下のような株主優待を実施している。

保有株式

優待回数

優待内容

300~499株

年1回(毎年2月末日現在の株主名簿に記載された株主)

800円相当の同社グループ製品を贈呈

500株~2,499株

年1回(毎年2月末日現在の株主名簿に記載された株主)

1,500円相当の同社グループ製品を贈呈

2,500株以上

年2回(毎年2月末日および8月31日現在の株主名簿に記載された株主)

それぞれ4,000円相当の同社グループ製品を贈呈

 

【1-7 ESG経営】

前述した目指す姿「いつまでも、この“おいしい”を楽しめる社会へ ~消費者が多様な食文化を享受できる豊かさの実現~」を基本理念として「ESG経営」に取り組んでいる。

 

項目

主な取り組み

E(環境)

環境に配慮した持続可能な製品製造•

*環境変化に依存しない、もしくは、環境に負荷をかけない持続可能な製品製造技術・ノウハウを保有

*限られた食料資源の有効活用や効率的な生産を実施

 

森養魚場:気候変動、河川の水質汚染等の影響により天然鮎が減少する中、独自技術にて養殖鮎を安定供給

ヤマニ野口水産:端材やサイズ不揃い品を用いた製品開発により食材ロス削減への貢献

雄北水産:原材料の有効活用により、ネギトロや中落ちを効率的に生産・販売

 

製造工程にて発生した産業廃棄物の再利用

*グループ各社:製造工程にて発生した廃棄物を地域の畜産業者などに提供することによる食品廃棄物の有効活用

 

消費電力削減

*グループ各社:工場の使用電力削減を目的とした、LED化、高効率ボイラーの採用などを順次実施

S(社会)

地域に強力なファンを抱える企業を引き受けることにより、事業の存続に貢献

 

地域社会における食の多様性への貢献

*地域の消費者から高いニーズがあり、こだわりを持った原材料・レシピによる製品開発を実施

 

香り芽本舗:地元中国地方のふりかけ市場にてトップクラスのシェア

まるかわ食品:鮮度抜群の豚肉や(主に)地場産キャベツを中心としたこだわりぬいた原料と秘伝のレシピ

おむすびころりん本舗:信州安曇野の立地条件とフリーズドライ技術を生かした地域の特産品開発

榮川酒造:地域が誇る日本名水百選に選定された「龍ヶ沢湧水」を使用した清酒造り

ダイショウ:保存料、着色料不使用。なめらかな食感と飽きのこない味

オーブン:広島の清浄海域、条件付清浄海域に限定したカキの仕入れ

 

*学生等へ昼食の無償支援プロジェクト参画(おむすびころりん本舗)や小学生向け社会見学の場として開放およびプレゼントの提供(森養魚場・純和食品)

 

従業員の多様性

*グループ各社:女性の活躍の場を整備、障害者、外国人の登用など各種取組みを実施

G(ガバナンス)

中小企業支援プラットフォームによる支援

*グループ会社の自律性を担保しつつ、状況に合わせた事業計画立案や進捗管理への関与

*機能別の統括部署を設置し、グループとして事業支援や各種進捗管理などを実施

 

経営リソースのサポート

*グループ会社の資金調達や次世代経営者の育成により、グループ会社経営を支援

 

同社では、後継者不在企業を譲り受け、グループ化して活性化する事業はESG経営そのものと認識している。
また、ESG経営の推進により地域社会への貢献や消費者への価値提供を進め、同社グループに共鳴して参画を希望する優良企業や同社グループに共感して株主として支援する企業・消費者を増やすことが、持続的な成長の実現に繋がると考えている。

 

(同社資料より)

2.2022年2月期決算概要

【2-1 連結業績概要】

 

21/2期

構成比

22/2期

構成比

前期比

予想比

売上高

29,289

100.0%

29,283

100.0%

-0.0%

-4.3%

売上総利益

6,209

21.2%

6,343

21.7%

+2.2%

販管費

5,685

19.4%

5,687

19.4%

+0.0%

営業利益

523

1.8%

655

2.2%

+25.1%

-18.6%

経常利益

787

2.7%

993

3.4%

+26.2%

+22.6%

当期純利益

417

1.4%

500

1.7%

+19.7%

+44.5%

EBITDA

1,607

5.5%

1,577

5.4%

-1.9%

-5.6%

*単位:百万円。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。EBITDAは営業利益に償却費(減価償却、のれん)、コロナ関連補助金収入およびM&Aにかかる取得費用を加算して算出。

 

売上は前期並みも海外事業の回復で増益
売上高は前期並みの292億83百万円。新型コロナウイルスの影響の下、国内事業はコロナ禍の影響で減収。海外事業はコロナの規制緩和により増収。
営業利益は同25.1%増の6億55百万円。国内事業は人材採用により人件費が増加し若干の減益も、利益率が高い分野中心に海外事業が回復し増益。
経常利益は同26.2%増の9億93百万円。為替差益が同1億84百万円増加した。
EBITDAは同1.9%減の15億77百万円。
計画に対しては、国内外ともに、想定以上にコロナの影響が長期化したことで売上高および営業利益は未達。経常利益・当期純利益は、為替差益およびコロナ関連補助金収入等により計画を上回った。

 

【2-2 セグメント動向】

 

21/2期

構成比

22/2期

構成比

前期比

売上高

 

 

 

 

 

 製造事業

21,706

74.1%

21,743

74.3%

+0.2%

 販売事業

7,582

25.9%

7,540

25.7%

-0.6%

 合計

29,289

100.0%

29,283

100.0%

-0.0%

営業利益

 

 

 

 

 

 製造事業

607

2.7%

788

2.7%

+29.7%

 販売事業

435

1.5%

373

1.3%

-14.3%

 調整額

-519

-506

 合計

523

1.8%

655

2.2%

+25.1%

*単位:百万円。営業利益の構成比は売上高営業利益率。

 

*製造事業セグメント
増収増益。
国内製造子会社は、第1四半期において発生した巣ごもり特需の反動や、長引くコロナ禍において食品スーパーやドラッグストア等小売店向けの販売が落ち着きを見せた一方で、生産効率化や物流費をはじめとした費用の削減等を推進したが、減収増益。
海外製造子会社は、新型コロナウイルス感染症による社会経済活動の規制が徐々に緩和されたことでスーパー等小売店向
けの販売が好調に推移したこと、また、ホテルや飲食店向けの売上が徐々に回復したこと等により増収増益。

 

*販売事業セグメント
減収減益。
国内販売子会社は主に産業給食向けの売上が減少した一方で生協向けの売上は増加し、前年並みの実績。
海外販売子会社はシンガポール国外向け輸出販売の減少や一部原料価格が上昇し減収減益。

 

【2-3 財務状態とキャッシュ・フロー】

◎主要BS

 

21年2月末

22年2月末

増減

 

21年2月末

22年2月末

増減

流動資産

14,828

12,545

-2,283

流動負債

7,009

6,367

-641

 現預金

4,942

3,293

-1,649

 仕入債務

2,465

2,338

-126

 売上債権

4,973

4,347

-626

 短期有利子負債

2,458

2,208

-250

 たな卸資産

4,681

4,503

-177

固定負債

8,821

9,060

+239

固定資産

8,321

11,197

+2,876

 長期有利子負債

8,621

8,354

-266

 有形固定資産

3,843

5,672

+1,828

負債

15,831

15,428

-402

 無形固定資産

3,762

4,160

+398

純資産

7,319

8,314

+995

 投資その他の資産

715

1,365

+649

 利益剰余金

2,633

3,115

+481

資産合計

23,150

23,743

+593

負債純資産合計

23,150

23,743

+593

 

 

 

 

有利子負債合計

11,079

10,562

-516

*単位:百万円

 

現預金、売上債権、たな卸資産が減少した一方、シンガポールにおいて不動産所有企業であるSharikat社の株式を譲り受けたことで有形固定資産が増加し、資産合計は前期末比5.9億円増加の237億円。
有利子負債の減少等で負債合計は同4億円減少の154億円。
利益剰余金の増加、為替換算調整勘定の増加などで純資産は同9.9億円増加の83億円。
自己資本比率は前期より3.0ポイント上昇し26.6%。

 

◎キャッシュ・フロー

 

21/2期

22/2期

増減

営業CF

2,092

1,320

-772

投資CF

-387

-1,168

-780

フリーCF

1,704

151

-1,553

財務CF

359

-1,938

-2,297

現金同等物残高

4,544

2,879

-1,664

*単位:百万円。

 

営業CF、フリーCFのプラス幅は縮小。
キャッシュポジションは減少した。

 

【2-4 トピックス】

(1)SHARIKAT NATIONAL FOOD PTE. LTD.(シンガポール)を子会社化
21年12月、海外事業を統括するYOSHIMURA FOODHOLDINGS ASIA PTE. LTD.(YOSHIMURA FOOD ASIA)が、シンガポール子会社3社の拠点集約及び事業拡大を目的として、シンガポールに食品工場兼食品用低温倉庫を所有するSHARIKAT NATIONALFOOD PTE. LTD.(Sharikat社)の株式を取得し、子会社化した。

 

(Sharikat社概要)
2009年4月設立。
シンガポールにおいて食品工場兼食品用低温倉庫を1棟所有し不動産賃貸業を行う。同不動産をSharikat社のグループ企業及び第三者へ賃貸しており、YOSHIMURA FOOD ASIA及びシンガポールの子会社SIN HINも、その一部を賃借している。
Sharikat社の親会社で、シンガポールで複数の不動産を所有し、不動産管理業を行うSHARIKAT NATIONAL PTE. LTD.がグループ内の再編を行うことを決定し、YOSHIMURA FOOD ASIAが株式を譲り受けることとなった。

 

(子会社化の目的)
子会社化後、JSTT及びPACIFIC SORBYは同不動産へ本社・工場を移転し、YOSHIMURA FOOD ASIA及びSIN HINを含めた4社が一つの拠点に集約されることになる。これにより、グループ内で以下のシナジー効果を発揮できるとともに、Sharikat社はヨシムラ・フード・ホールディングスグループ以外の第三者への賃貸を継続し賃料収入を得るため、売上・利益の増加が期待できる。

 

①物流効率化

現在、SIN HINは、PACIFIC SORBY及びJSTTへ日々商品を配送している。拠点の集約により配送が不要となることから、物流費用を削減することが可能となる。

②賃借料の内製化

現在、SIN HIN及びPACIFIC SORBYは、第三者より工場及び低温倉庫を賃借し、賃借料の支払いが発生しているが、同不動産へ移転することで賃借料の支払いを内製化し、費用を削減することが可能となる。

③JSTTの生産キャパシティの増加

シンガポールで寿司等の製造販売を行うJSTTは、高品質な商品が評価され、既存スーパーから取引量の増加及び新規スーパーから取引開始の打診を受けているが、既存の工場スペースが不足しているために、新規受注が受けにくい状況にある。同不動産へ移転することで工場スペースを拡張できるため、今後は新たな受注に対応し、売上を増加できる可能性がある。

④ PACIFIC SORBYの生産キャパシティ増加及び品質管理体制の強化

PACIFIC SORBYは、新型コロナウイルス感染症が発生する以前は、シンガポール国内の加工済冷凍水産品に対する需要増加・好調な受注に伴い工場稼働率が増加し、生産キャパシティが不足していた。今後、新型コロナウイルス感染症が終息し以前の受注水準に戻る場合には、同不動産への移転により工場スペースを拡張できるため、新規受注への対応が可能となり、売上増加の可能性がある。また、品質管理体制強化による新たなホテル等の開拓も可能となり、業績拡大につながる可能性がある。

⑤ グループ内協業の推進

拠点集約によりグループ各社のコミュニケーションが円滑となり、タイムリーに情報の共有を行うことで、グループ内での販路共有やコスト削減等、より大きなシナジー効果の創出が可能となる。

 

シンガポールでは、食品加工及び食品用倉庫のための不動産に対し、シンガポール食品庁の許認可や様々な規制が存在する。一方で、冷凍食品等の需要増加により食品向け低温倉庫の供給がひっ迫し、賃借料は上昇傾向にある。
今回、Sharikat社の株式取得により同不動産を取得することで、将来的な賃借料の増加を抑えることが可能となり、コスト面で中長期的な優位性を保つことができると考えている。
今回の子会社化により業績の向上及びグループ間のシナジー効果を創出し、YOSHIMURA FOOD ASIAの早期のシンガポール証券取引所上場を目指す。

 

(2)株式会社ONESTORYを子会社化
22年4月1日、株式会社博報堂DYメディアパートナーズから、同社の100%子会社である株式会社ONESTORYの株式の70%を取得し、連結子会社化した。

 

(株式会社ONESTORY概要)
2016年4月設立。
「日本に眠る愉しみをもっと。」をコンセプトとし地域に眠る「食」や「文化」等を再発掘・再編集し、プレミアムなコンテンツとしてプランニング・プロデュースすることに強みを有する。
ONESTORYが企画・運営する「DINING OUT」(https://www.onestory-media.jp/diningout/)は、「日本のどこかで数日だけオープンするプレミアムな野外レストラン」として2012年から開催し、現在まで19回(国内18回、海外1回)を実施。地域で育まれた食材やその土地の豊かさを伝えてきた。
開催ごとに招聘する著名な料理人が、スペシャルメニューや特別な演出を通じ、その土地で育まれた食材に新しい感覚を吹き込み、参加者には日本各地の新しい愉しみ方を、そしてその土地に暮らす人達には新たな地元の魅力を再発見してもらう等、日本に眠る愉しみを再発見できる場をプロデュースしている。
また、DINING OUT開催地以外の日本各地へも深く丁寧に時間をかけて取材をおこない、「ONESTORY MEDIA」(https://www.onestory-media.jp/)を通じて、その土地の魅力を発信している。
これらの事業を通じて培った独自のプランニングノウハウやトップシェフ・世界を舞台に活躍する著名人らのネットワークをもとに、地方自治体や各広告主企業に対して、マーケティングソリューションを提供。広告制作・商品開発・ブランディング支援・空間プロデュース等のほか、地域の魅力を掘り起こして再価値化する地方創生支援も含め事業を展開している。

 

(子会社化の目的)
ヨシムラ・フード・ホールディングスは、ONESTORYが持つ「食」に関連する独自のマーケティングおよびブランディングのノウハウ、企業や地方自治体等とともに「地域」を巻き込みながら事業を展開する推進力と実行力、独自のノウハウを活用しながら「食」関連の新たなビジネスや販売チャネルを絶えず創出する企画開発力等に魅力を感じ、株式を取得することとした。
ONESTORYが行う事業を、ヨシムラ・フード・ホールディングス及び提携先である国分グループのネットワークを活用して益々発展させることに加え、ONESTORYが持つ独自のノウハウやトップシェフ等のネットワークといった強みを活用することで、ヨシムラ・フード・ホールディングスの「中小企業支援プラットフォーム」のセールス・マーケティング領域の更なる強化、協業を通じたグループ各社の商品および企業ブランド力の向上、マーケティング力の底上げを図る。
また、ヨシムラ・フード・ホールディングスグループが培ってきた経営支援ノウハウや地域ネットワーク力を掛け合わせることで、日本各地に眠る新たな魅力の再発掘と共に、そこで得られる新たなビジネス機会創出にも取り組む。

 

今回、ヨシムラ・フード・ホールディングスはONESTORYの発行済株式70%を取得するが、引き続き博報堂DYメディアパートナーズは30%を保有する。メディア・コンテンツホルダー等との強固な関係性を持つ博報堂DYメディアパートナーズとの協業も今後推進していくことで、ヨシムラ・フード・ホールディングスおよびONESTORYの業績向上に向けて取り組む。

 

3.2023年2月期業績予想

【3-1 業績予想】

 

22/2期

構成比

23/2期(予)

構成比

前期比

売上高

29,283

100.0%

30,526

100.0%

+4.2%

営業利益

655

2.2%

835

2.7%

+27.5%

経常利益

993

3.4%

783

2.6%

-21.2%

当期純利益

500

1.7%

468

1.5%

-6.2%

EBITDA

1,577

5.4%

1,660

5.4%

+5.3%

*単位:百万円。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。EBITDAは営業利益に償却費(減価償却費、のれん)およびM&Aにかかる取得費用を加算して算出。

 

増収、営業増益
売上高は前期比4.2%増の305億26百万円の予想。
国内事業は、現状維持を前提とし、十二堂が新たに加わることで増収、海外事業は、緩やかな回復を見込んでいる。
営業利益は同27.5%増の8億35百万円の予想。
国内事業は、価格改定及び生産効率化等による増益を、海外事業は、売上の回復による増益を見込んでいる。
なお、新たなM&Aによる成長は含めていない。

 

【3-2 原材料価格高騰及び為替の影響について】

グローバルなサプライチェーンの混乱や天候不順、エネルギーコストの上昇により、食品原材料価格が世界中で高騰している。同社グループで購入する原材料、包装資材、物流費も高騰しており、これらの増加に対応するため価格改定(値上げ)及び規格改定(内容量変更)を実施するとともに、より一層の製造合理化、コスト削減を実施することで、利益率の維持・向上を図る。

 

また、為替相場が大きく変動しており、主に同社からシンガポール子会社に対する貸付金等の評価額が変動し、為替差益、もしくは為替差損が発生する可能性がある。シンガポールにおける事業を今後も継続するため、為替予約等によるヘッジは行わない方針である。

4.成長戦略

同社は食品業界において「中小企業支援プラットフォーム」を核とした独自のビジネスモデルを構築し、「M&Aを通じたグループ企業数の拡大による成長」と「既存グループ会社の業容拡大による成長」の2つのエンジンによって成長を追求している。

 

基本的な戦略、道筋に変更は無いものの、M&AからPMI、事業成長支援までの流れを高速化し、より多くのM&A実行、成長支援を実施し、企業価値を向上させるため、「戦略①:M&A強化」「戦略②:事業モデルの再強化」「戦略③:提携先との協業および不足する機能の内製化」「戦略④:海外販路強化」という4つの戦略を掲げている。

 

(同社資料より)

 

そして、各戦略を有機的に結びつけることで、ビジョンの実現やミッションの達成を目指している。

 

(同社資料より)

 

【4-1 戦略①:M&A強化】

「事業ユニット戦略」「地域密着商品・ニッチ市場戦略」「プラットフォーム強化戦略」の3戦略によりM&Aを積極化し、シナジー効果を効果的に発揮し、利益率を向上させる。

 

「事業ユニット戦略」
一定程度の事業規模、市場占有率があり、新たな柱(コア)となる企業を新規にM&Aする。
その後、同分野の企業をロールアップ(M&A)し効率化を進める。
ユニット内でシナジーを創出し利益率を向上させる。

 

「地域密着商品・ニッチ市場戦略」
ニッチ市場で高シェア、商品力があり、利益率が高い企業をM&Aする。
プラットフォームを活用し、売上増加により利益拡大を図る。

 

「プラットフォーム強化戦略」
中小企業支援プラットフォームの強化につながる企業をM&Aする。
特に、商品開発・マーケティング、EC販売分野を強化する。

 

(同社資料より)

 

新型コロナウイルスの影響によりM&A案件紹介件数、実行件数とも一時的に落ち込んだものの、直近は回復傾向にある。今後はM&Aの更なる加速化により、より一層の業績拡大を図る。

 

【4-2 戦略②:事業モデルの再強化】

専門人材の採用より、「経営支援」「機能別支援」を強化し業績向上を目指す。
「経営支援」においては、経営経験が豊富な人材を採用しグループ企業の社長として配置する。
また、優秀な若手人材を採用し、グループ企業での経営経験を積ませ、経営革新に取り組む。
「機能別支援」においては、中小企業支援プラットフォームを活用した支援を行う。機能別の専門人材を採用し、プラットフォームを強化する。

 

(同社資料より)

 

【4-3 戦略③:提携先との協業及びM&Aによる機能強化】

バリューチェーンごとに最適なパートナーと提携やM&Aを行うことで、より一層の成長を目指す。

 

(同社資料より)

 

国分グループ本社株式会社との協業
得意先数約35,000社、取引メーカー数約10,000社、グループ会社数54社、商品ラインアップ約60万アイテムに加え、300年を超す業によって培われたノウハウなどを有する、国分グループ本社との協業の進捗は以下のとおりである。

 

 

協業内容

進捗

販売

国分が持つリソースを活用したヨシムラ・フード・ホールディングスグループ商品の販売促進

国分取引先(大手スーパー等)へヨシムラ・フード・ホールディングスグループ商品を提案し、一部で新規採用決定

購買

国分を窓口とした仕入ルートの増加

仕入コスト低減による粗利増加

消耗品の一括購入条件見直し

原材料の一部を国分経由への調達に切替えることで、コスト削減に成功

消耗品の購入についても、国分が運営する集中購買システムへ切り替えを行うことで、グループ全体でコストを削減

商品開発

国分の知見やノウハウを活用した、新商品・国分のPB商品(缶つま等)の共同開発、ヨシムラ・フード・ホールディングスでの製造

国分と協同で、缶つま等の新商品開発により、製品化

国分の持つマーケティング情報のヨシムラ・フード・ホールディングスグループへの共有、営業面における活用

物流

国分の物流ノウハウ・自社倉庫等を活用した物流網の見直し

商品供給(販売)エリアの拡大

グループ子会社毎に、地域性を考慮しながら物流コスト低減に向けた協議を実施中

M&A

国分と協同でM&A案件を発掘、検討

国分と協同でPMIを実施

国分の情報網を活かしM&Aニーズをタイムリーに収集できる体制の構築に向けた取り組みを実施中

具体的に両社で検討できる案件については、協同でのPMIやバリューアップ施策含め、随時検討を実施中

その他

会社対会社の協業推進

中長期的な協業の実現

国分エリアカンパニーへのヨシムラ・フード・ホールディングスグループの紹介、及び共同事業に向けた協議を実施中

国分から常駐の出向者を受け入れ、常時緊密な連携を維持

 

【4-4 戦略④:海外販売強化】

中小企業支援プラットフォームの一つの機能として、国内グループ企業商品のシンガポール子会社をとおした販売を強化する。

 

そのために、シンガポールを中心とし、東南アジアや中国へも販路を拡大する。英語でのコミュニケーション可能な人材の採用も必要である。
また、引き続き、東南アジアを中心に、グループの成長に繋がる会社について随時M&Aを検討する。
自社及び国分などの提携先のリソースを活用した成長を目指す。

 

実例
シンガポール西部で最大のショッピングモールであるJurong Pointにおいて、日本のグループ会社の商品販売強化を目的とした独自の販売コーナーを設置した。

 

5.今後の注目点

新型コロナウイルスの影響は弱まりつつある一方、原材料価格の高騰、為替レートの変動など、同社を取り巻く事業環境においては、今期も不透明要因が多い。価格改定(値上げ)及び規格改定(内容量変更)に加え、より一層の製造合理化、コスト削減がどのように業績に寄与していくのか注目していきたい。
中期的には、「戦略①:M&A強化」「戦略②:事業モデルの再強化」「戦略③:提携先との協業および不足する機能の内製化」「戦略④:海外販路強化」という4戦略の進捗を注目したい。
特に、「戦略③:提携先との協業および不足する機能の内製化」において、株式会社ONESTORYの子会社化は、マーケティング機能強化という観点からONESTORYの株式の譲受相手で引き続きONESTORYの株主でもある株式会社博報堂DYメディアパートナーズとの関係強化も期待できる。国分本社とのアライアンスも合わせてその成果に期待したい。

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態、取締役、監査役の構成

組織形態

監査役設置会社

取締役

5名、うち社外2名(2名とも独立役員に指定)

監査役

3名、うち社外3名(3名とも独立役員に指定)

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日:2021年12月29日

 

<基本的な考え方>
当社は、株主の皆様をはじめとして、顧客、取引先、従業員、地域社会等のステークホルダーの方々との信頼と協働によってこそ、持続的な成長と中長期的な企業価値を創造できると考えております。
そのため、当社では経営の健全性、透明性、効率性を確保する基盤として、コーポレート・ガバナンスの継続的強化を経営上の最重要課題としており、意思決定の迅速化、業務執行に対する監督機能の強化、取締役に対する経営監視機能の強化、および内部統制システムを整備することで、会社の透明性・公平性を確保し、すべてのステークホルダーへのタイムリーなディスクロージャーに努めてまいります。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由(抜粋)>

原則

実施しない理由

(補充原則 2-4-1中核人材の登用等における多様性の確保)

当社は、人材の多様性確保と育成が中長期的な企業価値の向上に繋がるものと考え、性別、年齢、国籍などにかかわらず、能力・実績を重視した公正・公平な人材採用・登用に取り組んでおります。現時点では女性・外国人・中途採用者の管理職への登用に対する測定可能な数値目標を定めてはおりませんが、今後も引き続き多様性の確保に向けた施策を推進するとともに、目標についても検討してまいります。

(補充原則3-1-3 サステナビリティへの取り組み)

当社は、サステナビリティに関する取り組み指針や具体的な取り組み内容について、決算説明資料等を用いて情報開示を行っております。人的資本や知的財産への投資等については開示しておりませんが、当社の経営戦略、経営課題との整合性を意識し、開示を検討してまいります。また、気候変動に係るリスク及び収益機会が当社の事業活動や収益等に与える影響については、当社に関するリスク・機会分析により対応課題等を整理したうえで、開示の方法や枠組みについて検討してまいります。

<原則5-2>

当社は、決算説明資料等により中長期的な成長戦略を開示しておりますが、今後、具体的な目標及び実行施策等について株主の皆様に分かりやすい説明の方法を検討してまいります。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示(抜粋)>

原則

開示内容

<原則1-4 政策保有株式>

当社は、取引関係の維持・強化等を目的として、限定的かつ戦略的に株式を保有いたします。この場合、取引関係の維持・強化によって得られる利益とリスク、資本コスト等を総合的に勘案し、当社の企業価値の増加に資するか否かの観点から、投資の可否を判断いたします。取締役会は、毎年個別の政策保有株式について、保有に伴う便益、リスクが資本コストに見合っているか、中長期的な観点から当社の企業価値の向上に資するかどうかについて経済合理性等を検証し、保有の意義が必ずしも十分でないと判断される銘柄については、縮減を図ります。また、議決権の行使にあたっては、中長期的な視点で企業価値向上につながるか、または当社の株式保有の意義が損なわれないかを判断基準として、適切に行使いたします。株式価値を毀損するような議案については、会社提案・株主提案にかかわらず、肯定的な判断をおこないません。

<原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針>

 

 

当社は、株主・投資家との建設的な対話やコミュニケーションを図るため、管理本部をIR担当部署として体制を整備しております。株主・投資家からの取材につきましては、主に代表取締役CEOが、合理的な範囲内において積極的に対応し、また、四半期毎に決算説明会を開催し、その内容を動画にて配信しております。株主・投資家との対話で得られたご意見等は、都度、取締役及び経営幹部に対して報告しております。

 

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