(6890)株式会社フェローテックホールディングス 売上高・利益は過去最高を更新

2022/02/03

 

賀 賢漢 社長

株式会社フェローテックホールディングス(6890)

 

 

企業情報

市場

JASDAQ

業種

電気機器(製造業)

代表者

賀 賢漢

所在地

東京都中央区日本橋 2-3-4 日本橋プラザビル

決算月

3月

HP

https://www.ferrotec.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(期末)

時価総額

ROE(実)

売買単位

3,835円

38,955,486株

149,394百万円

14.3%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

46.00円

1.2%

604.70円

6.3倍

2,521.86円

1.5倍

*株価は1/13終値。発行済株式数、DPS、EPS、BPSは2022年3月期第2四半期決算短信より。ROEは前期実績。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2018年3月(実)

90,597

8,437

7,157

2,678

77.08

24.00

2019年3月(実)

89,478

8,782

8,060

2,845

76.90

24.00

2020年3月(実)

81,613

6,012

4,263

1,784

48.12

24.00

2021年3月(実)

91,312

9,640

8,227

8,280

222.93

30.00

2022年3月(予)

125,000

22,500

23,500

23,500

604.70

46.00

*予想は会社予想。単位:百万円、円。21年3月期の配当には記念配当4.00円/株を含む。22年3月期の配当予想には特別配当18.00円/株を含む。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。以下、同様。

 

 

(株)フェローテックホールディングスの2022年3月期第2四半期決算概要、2022年3月期業績予想などについて、ブリッジレポートにてご報告致します。

 

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2022年3月期第2四半期決算概要
3.2022年3月期業績予想
4.中期経営計画(22/3期~24/3期)の進捗
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 22/3期第2四半期の売上高は前年同期比43.8%増の598億26百万円。世界的な半導体不足を背景に半導体製造プロセスに使用されるマテリアル製品(石英、シリコンパーツ、セラミックス、CVD-SiC)の増加等で半導体等装置関連事業が同24.7%増加した他、電子デバイス事業も、次世代通信システム5G関連機器向け等が好調で同71.6%増加した。利益面では、増収に伴い売上総利益が増加し、稼働率の上昇等で粗利率も3.3pt上昇。販管費の増加を吸収し、営業利益は同174.3%増の107億33百万円と大きく増加。売上・利益ともに8月の修正予想を上回った。

     

  • 21年8月に続き、11月にも通期業績予想を上方修正した。22/3期の売上高は前期比36.9%増の1,250億円、営業利益は同133.4%増の225億円の予想。売上高、営業利益ともに過去最高を更新する。

     

  • 売上面では、世界的なリモートワークの浸透に伴い、企業や学校でのWEB会議システムの普及拡大により、パソコンやデータセンター用サーバーなどの需要が増加したため、メモリなど半導体デバイスの需要が旺盛であり、デバイスメーカー各社は設備投資の前倒しを決め、保有する製造設備の稼働率も高水準である。利益面では、半導体マテリアル製品、精密再生洗浄サービス、パワー半導体基板等の増収効果に加え、21年3月期第3四半期に実施した半導体ウエーハ事業子会社の連結子会社から持分法適用関連会社への移行により、同事業の償却負担等の費用の連結への取り込みが無くなったため、営業利益、経常利益ともに大幅に増加する。配当予想に修正はない。普通配当28.00円/株に、特別配当18.00円/株を加え年間合計46.00円/株を予定。予想配当性向は7.6%。

     

  • 2度の上方修正により、中期経営計画で策定した23/3期予想を1年前倒しで達成および超過する見通しとなった。

     

  • 8月の修正時点では、下期は対上期減収、営業利益は横ばい予想で、高水準ながらもモメンタムは弱まると見ていたが、世界的な半導体不足に加え、米中摩擦の影響で中国国内メーカーの半導体増産ニーズが一段と高まっていることから、拡大基調は継続する見通しだ。加えて、中国に多数の拠点を有し、長年にわたり事業展開をしている同社のアドバンテージも大きく寄与している。

     

  • 中期経営計画で策定した23/3期予想を1年前倒しで達成および超過する見通しとなったわけだが、売上・利益の水準のみでなく、量産と自動化導入により利益率が大きく上昇している点も注目される。2031年3月期「売上高3,000億円、当期純利益300億円」達成という長期ビジョンに至る過程で、中計最終年度の24/3月期にどのような数値目標を掲げるのか期待したい。

     

1.会社概要

半導体やFPD製造装置等の部品、半導体の生産工程で使われる消耗部材やウエーハ、更には装置の部品洗浄等を手掛ける半導体等装置関連事業と、冷熱素子「サーモモジュール」を核とする電子デバイス事業の二本柱で事業展開しており、傘下に子会社等64社を擁する(連結子会社55社、持分法適用非連結子会社及び関連会社9社)。
1980年、NASAのスペースプログラムから生まれた磁性流体を応用した真空技術製品や冷熱素子として用途が広がっているサーモモジュール等、独自技術を核にした企業として誕生。創業から42年にわたって培われてきた多様な技術は、エレクトロニクス、自動車、次世代エネルギー等、様々な産業分野で応用されている。また、トランスナショナルカンパニーとして、日本、欧米、中国、アジアに展開し、マーケティング、開発、製造、販売、そしてマネジメントと、それぞれの国・地域の強みを活かした経営も同社の特徴。2017年4月、持株会社体制へ移行した。

 

【組織力強化・持続的発展へ向けた基本的な考えと重点方針】

同社グループは、顧客、株主、従業員、取引先、地域社会などステークホルダーに向け、成長する企業であり続けること、企業活動において、法令遵守、社会秩序、国際ルールなど、社会的良識をもって行動することで、信頼される企業を目指している。

 

企業価値向上のための取り組み

各事業子会社の経営自立化を推進、経営資源の再配分

品質を第一とした意識の徹底

顧客に喜ばれる設計・製品品質の徹底、社内外へのサービス品質の向上

コーポレート・ガバナンスの強化

内部統制・関係会社管理の徹底、リスクマネージメント・コンプライアンス強化

 

【1-1 事業セグメント】

事業は、半導体・FPD・LED等の製造装置に使われる真空シール、石英製品、セラミックス製品等の「半導体等装置関連事業」、サーモモジュールが中心の「電子デバイス事業」、及び報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、シリコン結晶や太陽電池ウエーハ、ソーブレード、工作機械、表面処理、業務用洗濯機等の「その他」に分かれる

 

半導体等装置関連事業
半導体、FPD、LED、太陽電池等の製造装置部品である真空シール、デバイスの製造工程に使われる消耗品である石英製品、セラミックス製品、CVD-SiC製品、石英坩堝。この他、シリコンウエーハ加工や製造装置洗浄等も手掛け、エンジニアリング・サービスをトータルに提供している。

 

主力製品で世界シェアNo.1の真空シールは、製造装置内部へのガスやチリ等の侵入を防ぎつつ、回転運動を装置内部に伝える機能部品で、上記の製造装置に不可欠。真空シールの内部には創業からのコア技術である磁性流体(磁石に反応する液体)シールが使われている。ただ、いずれの分野も設備投資の波が大きいため、比較的需要が安定した搬送用機器や精密ロボット等、一般産業分野での営業を強化しており、真空シールを組み込んだ真空チャンバーやゲートバルブ等(共に真空関連の装置で使われる)の受託製造にも力を入れている。
一方、石英製品、セラミックス製品、CVD-SiC製品、及び石英坩堝は共に半導体の製造工程に欠かせない消耗品。石英製品は半導体製造の際の高温作業に耐え、半導体を活性ガスとの化学変化から守る高純度のシリカガラス製品。材料や加工技術を核とするセラミックス製品は国内外の半導体製造装置メーカーを主な顧客とし、半導体検査治具用マシナブルセラミックスと半導体製造装置等の部品として使われるファインセラミックスが二本柱。CVD-SiC(※)製品は「CVD法(Chemical Vapor Deposition法:化学気相蒸着法)」(シリコンと炭素を含むガスから作る)で製造されたSiC製品の事。現在、半導体製造装置の構造部品として供給しているが、航空・宇宙(タービン、ミラー)、自動車(パワー半導体)、エネルギー(原子力関連)、IT(半導体製造装置用部品)等への展開に向け研究開発を進めている。
シリコンウエーハ加工では、6インチ(口径)と8インチに加え、21年3月期からは12インチの売上計上が始まった。
製造装置洗浄では中国で過半を超えるトップシェアを有する。

(同社資料より)

 

電子デバイス事業
事業の核となっているのは対象物を瞬時に高い精度で温めたり、冷やしたりできる冷熱素子「サーモモジュール」である。
サーモモジュールは自動車用温調シートを中心に、半導体製造装置でのウエーハ温調、遺伝子検査装置、光通信、家電製品、およびその応用製品のパワー半導体用基板等、利用範囲は広く、世界シェアNo.1。高性能材料を使用した新製品開発や自動化ライン導入によるコスト削減と品質向上により、新規の需要開拓や更なる用途拡大に取り組んでいる。
この他、スマホのリニアバイブレーションモーターや4Kテレビや自動車のスピーカー、高音質ヘッドフォン等で新たな用途開発が進んでいる磁性流体も世界シェアトップである。

 

 

 

その他

 

 

(同社資料より)

 

2.2022年3月期第2四半期決算概要

【2-1 連結業績】

 

21/3期2Q 

構成比

22/3期2Q 

構成比

前年同期比

期初予想比

修正予想比

売上高

41,595

100.0%

59,826

100.0%

+43.8%

+17.3%

+3.1%

売上総利益

14,098

33.9%

22,238

37.2%

+57.7%

+1.9%

販管費

10,185

24.5%

11,505

19.2%

+13.0%

営業利益

3,913

9.4%

10,733

17.9%

+174.3%

+35.9%

+7.3%

経常利益

2,824

6.8%

12,493

20.9%

+342.3%

+73.5%

+4.1%

四半期純利益

70

0.2%

17,268

28.9%

+242.5%

+321.2%

+7.9%

* 単位:百万円。修正予想比は21年8月13日公表の修正予想に対する比率。

 

大幅な増収増益、修正予想を上回る
売上高は前年同期比43.8%増の598億26百万円。世界的な半導体不足を背景に半導体製造プロセスに使用されるマテリアル製品(石英、シリコンパーツ、セラミックス、CVD-SiC)の増加等で半導体等装置関連事業が同24.7%増加した他、電子デバイス事業も、次世代通信システム5G関連機器向け等が好調で同71.6%増加した。
利益面では、増収に伴い売上総利益が増加し、稼働率の上昇等で粗利率も3.3pt上昇。販管費の増加を吸収し、営業利益は同174.3%増の107億33百万円と大きく増加。
売上・利益ともに8月の修正予想を上回った。

 

【2-2 セグメント別動向】

セグメント別売上高・利益

 

21/3期2Q 

構成比・利益率

22/3期2Q

構成比・利益率

前年同期比

半導体等装置関連

28,784

69.2%

35,895

60.0%

+24.7%

電子デバイス

7,116

17.1%

12,213

20.4%

+71.6%

その他

5,693

13.7%

11,717

19.6%

+105.8%

連結売上高

41,595

100.0%

59,826

100.0%

+43.8%

半導体等装置関連

2,177

7.6%

7,104

19.8%

+226.3%

電子デバイス

1,867

26.2%

3,052

25.0%

+63.4%

その他

344

6.1%

700

6.0%

+103.1%

調整額

-476

-123

連結営業利益

3,913

9.4%

10,733

17.9%

+174.3%

* 単位:百万円

 

(1)半導体等装置関連事業

 

21/3期2Q 

構成比

22/3期2Q

構成比

前年同期比

真空シール

4,377

15.2%

6,018

16.8%

+37.5%

石英製品

7,713

26.8%

10,132

28.2%

+31.4%

シリコンパーツ

1,411

4.9%

2,778

7.7%

+96.9%

セラミックス

5,681

19.7%

8,422

23.5%

+48.2%

CVD-SiC

1,143

4.0%

1,389

3.9%

+21.5%

EBガン・LED蒸着装置

1,450

5.0%

2,056

5.7%

+41.8%

ウエーハ加工

3,102

10.8%

43

0.1%

-98.8%

装置部品洗浄

3,458

12.0%

4,483

12.5%

+29.6%

石英坩堝

450

1.6%

574

1.6%

+27.7%

半導体等装置関連事業売上高

28,785

100.0%

35,895

100.0%

+24.7%

* 単位:百万円

 

増収増益。売上高は前年同期比24.7%増の358億95百万円、営業利益は同226.3%増の71億4百万円。

 

世界的なリモートワークの拡大に伴いスマートフォンやパソコン、サーバー等の需要増加により、電子部品の需給はひっ迫している。半導体不足から各種産業への影響も出始めており、半導体デバイスメーカーや素材メーカー各社は増産体制構築の計画を発表している。
半導体製造プロセスに使用されるマテリアル製品(石英・セラミックス等)は、デバイスメーカーの稼働率が高水準であることや半導体プロセス微細化の進行などから、顧客である半導体製造装置メーカーからの受注は好調に推移した。
顧客の要望によりシリコンパーツ増産のため、中国国内において第三者割当による資金調達を行い設備投資に充当する予定。また、液晶や半導体製造装置などの部品洗浄サービスも需要増加により好調だった。

 

(2)電子デバイス事業

 

21/3期2Q 

構成比

22/3期2Q 

構成比

前年同期比

サーモモジュール

5,501

77.3%

8,424

69.0%

+53.1%

パワー半導体

1,313

18.5%

3,349

27.4%

+155.1%

磁性流体・その他

302

4.2%

440

3.6%

+45.8%

電子デバイス事業売上高

7,116

100.0%

12,214

100.0%

+71.6%

* 単位:百万円

 

増収増益。売上高は前期比71.6%増の122億14百万円、営業利益は同63.4%増の30億52百万円。

 

主力のサーモモジュールは、5G用の移動通信システム機器向けやPCR等の医療検査装置向けは安定した販売を継続している。美容家電を含む民生分野向け、半導体装置向けは計画を上回る水準で推移。自動車温調シート向けは、世界各国の自動車販売の影響により弱含みの展開で推移した。新たに自動運転に使用される自動車レーダー用途に参入した。

 

パワー半導体用基板は、IGBT向けDCB基板が需要回復により増産傾向となり、車載向けのAMB基板は量産が進み伸長した。同製品は前年比で倍増の売上となり、需要が強く今後の成長が見込めるため、中国国内において第三者割当による資金調達を行い設備投資ならびに研究開発費用に充当する予定である。

 

磁性流体は、スピーカー向けとスマートフォンのバイブレーションモーター用途は一定水準で推移した。

 

【2-3 財政状態とキャッシュ・フロー】

◎財政状態

 

21年3月

21年9月

増減

 

21年3月

21年9月

増減

流動資産

88,077

116,254

+28,177

流動負債

58,890

65,190

+6,300

現預金

30,202

48,210

+18,007

仕入債務

20,269

25,537

+5,267

売上債権

32,201

37,754

+5,553

短期有利子負債

17,407

17,143

-263

たな卸資産

17,126

21,798

+4,672

固定負債

40,059

37,335

-2,724

固定資産

89,112

111,151

+22,039

長期有利子負債

30,222

26,219

-4,002

有形固定資産

53,043

66,695

+13,652

負債合計

98,949

102,525

+3,575

無形固定資産

1,814

1,796

-18

純資産

78,239

124,880

+46,640

投資その他の資産

34,254

42,659

+8,404

利益剰余金

18,221

34,820

+16,598

資産合計

177,189

227,405

+50,216

負債純資産合計

177,189

227,405

+50,216

*単位:百万円

 

第三者割当増資による現預金増、再生ウエーハ・シリコンパーツ・坩堝・石英の設備投資による有形固定資産の増加などで、資産合計は前期末比502億円増加し2,274億円。
有利子負債減少の一方、仕入債務の増加などで負債合計は同35億円増加し1,025億円。
利益剰余金および為替換算調整勘定の拡大で純資産は同466億円増加し1,248億円。
自己資本比率は前期末比5.2ポイント上昇し、43.1%となった。

 

◎キャッシュ・フロー

 

21/3期2Q

22/3期2Q

増減

営業キャッシュ・フロー

5,529

6,369

+840

投資キャッシュ・フロー

-9,966

-8,226

+1,740

フリー・キャッシュ・フロー

-4,437

-1,856

+2,580

財務キャッシュ・フロー

15,874

18,274

+2,400

現金及び現金同等物期末残高

34,880

48,210

+13,329

* 単位:百万円

 

3.2022年3月期業績予想

【3-1 連結業績】

 

21/3期 

構成比

22/3期(予) 

構成比

前期比

修正率

売上高

91,312

100.0%

125,000

100.0%

+36.9%

+8.7%

営業利益

9,640

10.6%

22,500

18.0%

+133.4%

+12.5%

経常利益

8,227

9.0%

23,500

18.8%

+185.6%

+17.5%

当期純利益

8,280

9.1%

23,500

18.8%

+183.8%

+17.5%

* 単位:百万円。修正率は21年8月公表予想からの修正率。

 

業績予想を再度上方修正
21年8月に続き、11月にも通期業績予想を上方修正した。売上高は前期比36.9%増の1,250億円、営業利益は同133.4%増の225億円の予想。売上高、営業利益ともに過去最高を更新する。

 

売上面では、世界的なリモートワークの浸透に伴い、企業や学校でのWEB会議システムの普及拡大により、パソコンやデータセンター用サーバーなどの需要が増加したため、メモリなど半導体デバイスの需要が旺盛であり、デバイスメーカー各社は設備投資の前倒しを決め、保有する製造設備の稼働率も高水準である。
利益面では、半導体マテリアル製品、精密再生洗浄サービス、パワー半導体基板等の増収効果に加え、21年3月期第3四半期に実施した半導体ウエーハ事業子会社の連結子会社から持分法適用関連会社への移行により、同事業の償却負担等の費用の連結への取り込みが無くなったため、営業利益、経常利益ともに大幅に増加する。

 

配当予想に修正はない。普通配当28.00円/株に、特別配当18.00円/株を加え年間合計46.00円/株を予定。予想配当性向は7.6%。

 

【3-2 セグメント別動向】

 

21/3期 

構成比・利益率

22/3期(予)

構成比・利益率

前期比

修正率

半導体等装置関連

60,669

66.4%

76,379

61.1%

+25.9%

+15.2%

電子デバイス

17,273

18.9%

26,094

20.9%

+51.1%

+22.1%

その他

13,370

14.6%

22,528

18.0%

+68.5%

+29.8%

連結売上高

91,312

100.0%

125,000

100.0%

+36.9%

+19.0%

* 単位:百万円。修正率は期初予想から21年11月公表の修正予想への修正率。

 

(1)半導体等装置関連事業

 

21/3期 

構成比

22/3期(予)

構成比

前期比

修正率

真空シール

8,795

14.5%

13,218

17.3%

+50.3%

+19.3%

石英製品

17,116

28.2%

20,332

26.6%

+18.8%

+7.8%

シリコンパーツ

3,226

5.3%

7,278

9.5%

+125.6%

+53.8%

セラミックス

12,267

20.2%

17,572

23.0%

+43.2%

+17.5%

CVD-SiC

2,186

3.6%

2,949

3.9%

+34.9%

-0.4%

EBガン・LED蒸着装置

3,872

6.4%

4,066

5.3%

+5.0%

+10.8%

ウエーハ加工

4,638

7.6%

43

0.1%

装置部品洗浄

7,579

12.5%

9,483

12.4%

+25.1%

+11.5%

石英坩堝

990

1.6%

1,434

1.9%

+44.9%

+5.3%

半導体等装置関連事業売上高

60,669

100.0%

76,379

100.0%

+25.9%

+15.2%

* 単位:百万円。修正率は期初予想から21年11月公表の修正予想への修正率。

 

半導体マテリアル、洗浄、真空シールのいずれも売上増大が継続する見通し。

 

*半導体マテリアル
石英は、半導体関連メーカーからの増産要請が継続、常山工場・東台工場の稼働により売上が伸長。
シリコンパーツは、需要拡大が著しく、生産体制拡充した銀川工場の稼働により、急速に売上が拡大する。
セラミックスは、半導体関連メーカーの需要拡大が継続することに加え、プローブカードメーカー向けも堅調
CVD-SiCは、半導体関連メーカーの需要が拡大し売上が伸長する。

 

*洗浄事業
中国における半導体関連の洗浄需要は堅調に拡大する。工場新設やサービス分野の拡大を進めており、売上伸長が継続する。

 

*真空シール
半導体製造装置向けの真空シールの需要拡大に加え、半導体製造装置向けのチャンバー・ロボット部品等の金属受託加工事業を積極的に拡大しており、売上が伸長する。

 

(2)電子デバイス事業

 

21/3期 

構成比

22/3期(予)

構成比

前期比

修正比

サーモモジュール

13,036

75.5%

17,124

65.6%

+31.4%

+17.4%

パワー半導体

3,491

20.2%

8,049

30.8%

+130.6%

+41.8%

磁性流体・その他

746

4.3%

920

3.5%

+23.3%

-16.5%

電子デバイス事業売上高

17,273

100.0%

26,094

100.0%

+51.1%

+22.1%

* 単位:百万円。修正率は期初予想から21年11月公表の修正予想への修正率。

 

サーモモジュール、パワー半導体基板とも、売上が増大する見通し。

 

*サーモモジュール
5G通信機器向け、医療分野とも需要は堅調で、家電民生品分野の需要も拡大し、売上は増大する。

 

*パワー半導体基板
DCB基板は需要拡大が継続しており、売上が増大。
量産体制を構築したAMB基板の需要も拡大が継続し、急速に売上が拡大する。

 

4.中期経営計画(22/3期~24/3期)の進捗

今期をスタートとする3か年の中期経営計画の進捗は以下のとおりである。

 

【1 22/3期2Qの振り返り】

旺盛な半導体需要を受け、各製品・サービスが伸長し、業績は好調に推移。2度の上方修正を実施した。売上高・営業利益はともに過去最高を記録した。

 

注力製品である半導体マテリアル、装置部品洗浄は好調で、EVやグリーンエネルギー市場の発展により、パワー半導体基板の需要も急拡大。安定事業であったサーモモジュールにも新たな需要が生れている。

 

設備投資に関しては、新型コロナウイルスの影響で停滞していた企業の設備投資も回復の兆しを見せ、需要は旺盛なため、中期経営計画の投資方針に則り、注力製品群へ積極投資を実施した。

 

有利子負債は前期末比40億円以上減少、自己資本比率は43.1%と、中計目標(24/3月期)の40%を超えた。好業績を背景に財務体質は改善傾向にある。
子会社の持分法適用会社化、中国資本との共同出資等で投資負担を分散するとともに、子会社の上場を視野に、中国での資本調達計画も展開した。

 

2度の上方修正により、中期経営計画で策定した23/3期予想を1年前倒しで達成および超過する見通しとなった。

 

(中期経営計画のKPI)

 

21/3期

22/3期

(期初予想)

22/3期

(修正予想)

23/3期

(中計)

24/3期

(中計)

売上高

91,312

105,000

125,000

125,000

150,000

営業利益

9,640

15,000

22,500

19,000

25,000

売上高営業利益率

10.6%

14.3%

18.0%

15.2%

16.7%

当期純利益

8,280

7,800

23,500

11,000

15,000

売上高当期純利益率

9.1%

7.4%

18.8%

8.8%

10.0%

ROE

14.3%

27.4%

15%

ROIC

7.2%

24.4%

8%

自己資本比率

37.9%

43.1%

40%超

設備投資額

14,297

40,000

32,000

29,000

26,000

年間配当

30円

28円

46円

利益成長により株主還元を増加

*単位:百万円。22/3期(修正予想)のROE、ROIC、自己資本比率は第2四半期時点の実績。

 

【2 新中期経営計画の基本方針】

「事業成長」「財務強化」「品質強化」「人材強化」それぞれについて以下のような基本方針を掲げている。

 

事業成長

事業成長・利益成長を徹底的に追及、成長投資を継続

成長期待の高い半導体分野、電子デバイス分野での増産投資を進め、当社ポジションを引上げ

将来の成長に向け、EV(電気自動車)関連等への投資も推進

財務強化

財務強化を更に推進、投資機会と財務状況の適切なバランスを確保

当期純利益をKPI化、投資リターン・ROIC管理を強化、外部資本活用を適切に検討

品質強化

「品質は命」と考え、品質管理の強化を進める

品質管理、自動化・デジタル化による生産体制強化を推進

人材強化

人材の強化、組織の構造改革を推進

企業規模が拡大するなか、更に持続的な成長を実現するため、人材の採用・育成、組織態勢の改革、企業文化の醸成を推進

 

【3 市場環境】

世界的な需要拡大を受け半導体、半導体製造装置、半導体材料の各市場は2016年から2020年にかけ、CAGRで5.7%~14.6%の成長を見せているが、同社の半導体等装置関連事業はそれを上回る17.1%という高成長を実現している。

 

特に、中国ローカル半導体企業の国産化の動きも追い風になり、中国資金・知財・人材を活用することで、高い成長が見込まれる中国半導体市場のメリットを最大限に享受している。
また、米中摩擦により、米国製造装置の先端プロセス向けの中国への輸出制限が継続しており、日本の製造装置各社も足並みを揃えている。このため、中国でのレガシー半導体投資が拡大しており、中国製の製造装置の国産化が加速する見通しで、フェローテックでは、マテリアル製品、部品洗浄、金属受託加工などの売上増を期待している。
このため、中国半導体企業主要拠点の近くに生産拠点を配置し、顧客の満足度向上に取り組むことで、国産化を前提とした市場成長に貢献し、同時に事業拡大を実現する考えだ。

 

 

 

【4 各事業の状況、下期見通し】

(1)半導体装置関連セグメント
同セグメントでは、石英製品、シリコンパーツ、セラミックス、CVD-SiCからなる主力のマテリアル製品に加え、真空シール、洗浄・再生ウエーハをサービスとしてラインアップしている。
こうした製品ポートフォリオの強みは、真空シールのような設備投資の増減との相関度合いが高い製品のみでなく、半導体デバイスメーカーの生産稼働との相関度合いが高いリピート消耗材であるマテリアル製品を有していること、およびサービスの提供により幅広い各種需要を取り込むことができる点である。

 

①半導体マテリアル
半導体市場は、5G関連やテレワークによるデータセンターの需要拡大等、堅調に推移する見通しである。
半導体マテリアル製品については消耗品需要が多いため、一部投資連動型もあるものの半導体メーカーの生産稼働率に連動する割合が高い。
半導体前工程製造装置市場は、21年、22年と前年比プラス成長見通しであることから、マテリアル製品も随時生産能力を増強し、需要増に対応する。

 

石英製品
半導体製造装置メーカーおよびデバイスメーカーの高水準の新規投資に加え、消耗品需要の底堅さが顕著である。
半導体製造装置市場は21年~22年もプラス成長の見通しで、中国の浙江省杭州・常山、江蘇省東台、日本の山形市に工場を配置し、増産を継続中である。

 

シリコンパーツ
半導体プロセスの微細化が進むなか、シリコンウエーハと熱膨張係数が同一で高純度なシリコン製部材への切替え需要が拡大中である。このため、半導体製造装置メーカー、デバイスメーカー向けの顧客需要に対応し、同製品製造子会社(銀川)において、第三者割当増資を実施し、大幅な生産能力増強を実施している。
中国の寧夏省銀川、および浙江省杭州に工場を配置し、シリコンパーツ、および石英坩堝を製造する銀川製造子会社の中国市場での上場を準備中である。

 

セラミックス
22年10月竣工を目標に石川第二工場を建設中で、国内FC/MC増産体制を強化している。
売上全体の8割を占めるファインセラミックスは、国内海外とも半導体製造装置部品の販売が好調であり、中国浙江省杭州工場では、生産能力増強に対応中である。
売上全体の2割を占めるマシナブルセラミックスは、国内海外半導体検査治具用セラミックス部品の販売が大幅に増加している。今後はレーザー加工(高付加価値)品の販売を更に強化する。

 

CVD-SiC
岡山工場で開発、量産を担うCVD-SiCは、日本における「材料、加工、コーティング技術」の開発優位性を強みとしている。
日米半導体製造装置向けの需要増に対応するほか、熱処理炉、エッチャーパーツなどへの新規採用に注力中である。
中国や日本顧客の中期的な成長に連動した、生産能力整備も重点課題と認識している。

 

真空シール
半導体製造装置向け新規投資の需要が堅調に推移している。また、中国市場などを中心に、金属加工受託ビジネスも伸長している。
中国では杭州、常山に量産拠点を構えるが、今後、金属加工受託ビジネスの拡大が想定されるため、常山での生産能力増強を実行予定である。

 

部品洗浄
中国国内に特化した事業であり、半導体、およびFPD(有機EL、液晶)顧客の生産拡大に連動して毎年順調に事業規模を拡大している。
半導体マテリアル製品と同様に、顧客の生産稼働に連動する「ストック型」事業の為、安定した売上が確保できる。
今後も事業拡大が堅調に続く見通しで、5拠点7工場を整備し、増産対応を継続している事から、中国国内での同社シェアは60%に迫る。顧客の近くできめ細かいサービスを展開するため、22年からは6拠点9工場体制へ拡大する計画。

 

安徽省銅陵の政府系ファンドも出資先に加わったことから、安徽省の銅陵を中心とする組織再編を実施し、深圳創業板の申請を済ませ、上場の準備を進めている。
中国半導体、FPD顧客向けの生産能力増強を継続中である。

 

再生ウエーハ
ウエーハ事業のリソースおよび洗浄事業のノウハウを転用する。被膜除去プロセスは、パートナーとの技術提携により取り組んでいく。
20年11月に安徽省銅陵市内に竣工した再生ウエーハ工場は、21年4-6月に試作を開始した。本格量産は22/3期 1Q(1-3月)以降の見通しである。
中国半導体国産化の加速により、ウエーハ再生需要が急増しており、12インチを中心に、旺盛な顧客需要に対応するため、第1期の月産能力を6.5万枚から12万枚に増強した。最終的には20万枚を想定している。

 

投資資金を調達するために、第三者割当増資を20年12月、21年3月に実施し、合計11.4億円(7.1億人民元)の増資を実施した。
この結果、再生ウエーハ子会社「安徽富楽徳長江半導体材料股份有限公司」の資本金は、189.9億円(12.1億人民元)となった。

 

半導体ウエーハ(非連結の事業)
半導体ウエーハ子会社(CCMC(旧FTHW))の株式譲渡、及び2度に渡る第三者割当増資により、フェローテックグループの株式保有は23%台へ低下した。21/3期第4四半期から持分法適用関連会社に異動している。

 

6インチの足元での需要は堅調。22年度以降、月産45万枚の生産能力に対し、更なる増強を検討中である。
8インチは自社での直販体制を強化中で、上海・杭州で21年度内に月産35万枚体制へ引き上げる。22年度中に月産45万枚体制を目指す。
12インチは月産3万枚体制から、段階を踏み、23年度以降に20万枚体制を構築する予定。設備投資資金は、中国内での第三者割当増資を活用する。
21年度末には、月産7万枚体制を目標に増産中である。
杭州ウエーハ工場の8インチ、12インチの新規顧客認定を強化するとともに、量産規模を拡大中である。

 

SiC(炭化ケイ素)事業
20年10月安徽省銅陵市に、中国科学院、政府・民間系ファンドとの合弁会社を設立し、中国での最先端半導体(第三世代半導体)として今後の市場成長が期待される、SiC(炭化ケイ素)単結晶のインゴット、ウエーハの開発、製造に取り組んでいる。
2021年10月に竣工した。

 

SiC(炭化ケイ素)単結晶は、結晶育成(大口径化)、基板化加工、電気特性制御、結晶欠陥制御などの技術的難易度が高い。
欧米、日本の一部企業が量産化を実現している中、中国では、電気自動車などの自国需要が増大する中で、国産化実現を目指す戦略技術である。
フェローテックグループは、半導体Si単結晶事業で培った欠陥制御技術や装置製造技術および、CVD-SiC(半導体製造装置向け治具)事業を通じたSiCに対する知見と顧客基盤を有しており、中国科学院の知財や人材、政府・民間系ファンドおよび政府補助金による資金を活用し、SiC(炭化ケイ素)単結晶のインゴット、ウエーハの開発・製造技術を確立する。

 

(2)電子デバイスセグメント
サーモモジュール
5G通信機器用途が引き続き好調のほか、PCRなどバイオ装置用途、半導体分野も伸長中である。
一方、既存の自動車温調シート向けは減収基調であり、今後は、カップホルダーなどのエクステリア用途の他、自動運転等に使用されるカメラ向けやセンサー向けなど重要機能部品用途において、販売拡大を目指す。

 

パワー半導体用絶縁基板
江蘇省東台の子会社を中国市場で上場させるための準備を進めている。
東台にパワー半導体研究院を建設中で、22年度以降稼働の予定。
東台のパワー半導体基板工場は生産能力拡大中で、来期以降も増収の見通しである。 月産能力はDCB基板で、60万枚
から100万枚へ、AMB基板で10万枚から20万枚へ拡大させる。
更に、高耐熱・高強度のDPC基板を投入し、光通信やパワーLED製品等への展開も強化する計画だ。

 

車載関連市場への展開
サーモモジュール、磁性流体、パワー半導体基板といった同社のコア技術製品を活用し、EV、PHV、自動運転システム等、アプリケーションの大きな変化が見込まれる自動車市場への参入を今後本格化させる計画である。
例えば、小型かつ軽量で温度調整が可能なサーモモジュールはEV・自動運転技術向けに活用が期待される。
21年3月に資本業務提携契約を締結した大泉製作所とは、大泉製作所の車載・空調用の温度センサー技術とフェローテックのサーモモジュール技術を組み合わせた新たな事業分野の創出を目指している。

 

【5 成長投資と財務強化】

投資金額は3年間で総額950億円を予定している。
半導体分野、電子デバイス等の市場拡大機会を捉えた増産投資(550億円)を実行すると共に、「半導体分野の製品レンジ拡充」「EV、新エネルギー車関連」「新たな柱となる事業への投資」など、長期的な成長に向けた戦略投資(400億円)を積極的に検討する。
長期投資については、ROICを3年以内に5%以上達成を目途とし、投資案件を検討する。

 

この投資計画950億円の原資として、営業キャッシュフロー(当期純利益+減価償却費)は650億円を計画しており、当期利益をKPIとし、利益増加による積み上げを図る。

 

2021年11月には、新株発行と売り出しを発表した。
手取概算額合計上限は193.1億円で、資金使途は以下の通り。

(同社資料より)

 

中国子会社においては、投資資金需要・事業ボラティリティ・財務負担等を勘案しながら、成長機会を捉えるための投資資金として、第三者割当等を実行していく。22年3月期第2四半期までに、約800億円の外部資金を調達した。

 

引き続き投資水準の管理、投資リターン・ROIC管理を強化するとともに、財務強化を継続し、事業機会・成長投資と財務の適切なバランス確保に努める。

 

【6 品質強化・人材強化】

更なる業績拡大を実現し、持続的な発展を図るため、「品質強化」と「人材強化」を経営の重点項目に置き、経営のリーダーシップにより推進する。

 

品質強化においては、「品質は命」と考え、品質を第一とする行動、事業運営、文化を醸成することを目標とし、自動化・デジタル化を推し進め、生産体制を強化する。

 

人材強化においては、売上・企業規模が拡大するなか、人材と組織の抜本的な強化を実現する。高スキル人材を採用・活用しするとともに現在いる人材の成長を図り、融合させる。成長を実現するため、企業文化を醸成・浸透させる。

 

【7 長期ビジョン】

今回の中期経営計画の先、2031年3月期には「売上高3,000億円、当期純利益300億円」達成という長期ビジョンを掲げている。

(同社資料より)

 

5.今後の注目点

21年7月、8月に続き11月に今期3度目の上方修正を行った(7月は当期純利益のみ修正)。8月の修正時点では、下期は対上期減収、営業利益は横ばい予想で、高水準ながらもモメンタムは弱まると見ていたが、世界的な半導体不足に加え、米中摩擦の影響で中国国内メーカーの半導体増産ニーズが一段と高まっていることから、拡大基調は継続する見通しだ。加えて、中国に多数の拠点を有し、長年にわたり事業展開をしている同社のアドバンテージも大きく寄与している。
中期経営計画で策定した23/3期予想を1年前倒しで達成および超過する見通しとなったわけだが、売上・利益の水準のみでなく、量産と自動化導入により利益率大きく上昇している点も注目される。
2031年3月期「売上高3,000億円、当期純利益300億円」達成という長期ビジョンに至る過程で、中計最終年度の24/3月期にどのような数値目標を掲げるのか期待したい。

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査役設置会社

取締役

9名、うち社外3名

監査役

3名、うち社外2名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2021年12月20日)
<基本的な考え方>
当社グループは、「顧客に満足を」、「地球にやさしさを」、「社会に夢と活力を」を企業理念とし、行動規範として、「グローバルな視点のもと、常に国際社会と調和を図り、地域社会その他私たちに関係する世界の人々の生活に貢献できる製品とサービスを提供する企業として、各国の法令を遵守することはもちろん、確固とした企業倫理と社会的良識を持って、誠実に行動すること。」、「新エネルギー産業およびエレクトロニクス産業を中心に高品質な製品やサービスを提案し、コスト競争力のある製品やサービスを提供することにより、お客様から信頼されて、満足を頂くこと。」、「地球環境に配慮した活動を積極的に推進することを経営上の重要課題の一つとして、最新の環境規制要求への適応を順次進め、新エネルギー産業で活用できる素材・製品などを開発し、地球環境問題の解決に貢献すること。」、「コア技術を活用したものづくりを通して社会に貢献し、顧客、株主、社員、取引先、地域社会などステークホールダーの方々が成長する楽しみを持てる企業であり続け、企業活動にあたり法令遵守、社会秩序、国際ルールなど社会的良識をもって行動すること。」を掲げています。

 

当社はこれらの企業理念と行動規範に従い、環境保全活動とグループガバナンスを積極的に推進するとともに、ステークホルダーの皆様にとって「成長する楽しみが持てる企業」であり続けることに努めております。また、半導体用マテリアル製品をはじめとする新素材及び生産技術の開発に注力し、品質を第一に考えて顧客満足の向上を追求する旨の「品質理念」を掲げ、生産の自動化、デジタル化、標準化を進めております。世界での市場シェアを高め、安定的な収益体質の企業集団を形成することを経営の基本方針としております。

 

以上の企業理念、行動規範、経営の基本方針を踏まえて、企業価値を高め、株主、顧客、取引先、従業員、地域社会などステークホルダーに信頼され支持される企業となるべく、経営の健全性を重視し、併せて、経営環境の急激な変化にも迅速かつ的確に対応できる経営体制を確立することが重要であると考えております。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由>
 <補充原則2-4①: 中核人材の登用等における多様性の確保>
当社グループは、グローバルに企業規模が拡大する中、人材と組織の抜本的な強化を図り、中長期的な企業価値の向上に向け、幅広いスキルと経験を持つ女性・外国人・中途採用者を積極的に採用しております。また、女性・外国人・中途採用者の高いスキル、当社グループ以外で培われた貴重な経験等を総合的に勘案・評価し、管理職への登用も積極的に行っております。しかしながら、中長期的視点に立った女性・外国人・中途採用者の管理職への登用や多様性の確保の方針、人材育成方針及び社内環境整備方針、並びにそれらの進捗や達成状況について、併せて開示できるまでに至っておりません。今後、グローバルな企業規模の拡大に応じた中長期的な企業価値の向上に資するべく、これらの方針を設定し実施状況を開示できるよう鋭意検討を進めてまいります。

 

<補充原則3-1③: サステナビリティについての取組み、人的資本や知的財産への投資等経営戦略の開示>当社では、「顧客に満足を、地球にやさしさを、社会に夢と活力を」の企業理念の下、中長期的な企業価値向上に向け、ESG(Environment/環境、Social/社会、Governance/企業統治)が非常に重要であるとの認識から、2021年にマテリアリティ及びサステナビリティ基本方針を策定しました。今後は、ESGを推進するための組織体制の整備、社内啓蒙、定量目標の設定を進めてまいります。また、人的資本や知的財産への投資等については、日本の子会社では若手の幹部への積極登用や組織のフラット化を推進しております。また、中国の子会社では半導体関係の研究院の設置や博士クラス人材の採用強化、優秀な特許出願者があった場合には、表彰や報奨金の付与等を適宜実施するなどにより知的財産への投資に積極的に取り組んでおります。今後は、設定した定量目標のモニタリングを行い、取組み状況をホームページやIR資料等で公開してまいります。

 

 

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示>

 

<原則2-4:女性の活躍促進を含む社内の多様性の確保>社内に異なる経験や価値観が存在することは、特に当社のようなグローバルに展開している経営環境下においては、会社の持続的な成長を確保する強みであると考え、現地子会社のマネジメントは現地に任せる方針の下、女性を含めた多様性の確保に努めております。

 

<補充原則4-11①:取締役会全体としての知識・経験・能力のバランス、多様性及び規模に関する考え方>当社の取締役会は、業務執行の監督と重要な意思決定には、多様な視点と経験、及び多様で高度なスキルを持った取締役の構成が必要であると考えております。また監査役についても、取締役会に出席し、必要に応じて意見を述べる義務があり、取締役と同様に多様性と高いスキルが必要であると考えております。社外役員については、取締役会による監督と監査役による監査という二重のチェック機能を果たすため、法定の社外監査役に加え、取締役会での議決権を持つ社外取締役が必要であり、ともに高い独立性を有することが重要であると考えております。各取締役・監査役の知識・経験・能力等を一覧化したスキル・マトリックスは、当社ホームページhttps://www.ferrotec.co.jp/esg/sdgs.phpに掲載しております。

 

 

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