(6465)ホシザキ 回復基調により営業利益黒字化

2020/11/20

 

 

小林 靖浩社長

ホシザキ株式会社(6465)

 

 

企業情報

市場

東証1部、名証1部

業種

機械(製造業)

代表取締役社長

小林 靖浩

所在地

愛知県豊明市栄町南館3-16

決算月

12月末日

HP

https://www.hoshizaki.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

10,310円

72,421,650株

607,617百万円

10.6%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(倍)

110.00円

1.1%

138.08円

74.7倍

3,256.25円

3.2倍

*株価は11/10終値。発行済株式数、DPS、BPSは2020年12月期第2四半期決算短信より。ROEは2019年12月期実績。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2016年12月

265,548

34,575

34,140

21,430

295.95

70.00

2017年12月

282,215

36,065

37,086

23,144

319.62

70.00

2018年12月

292,774

36,446

36,372

25,717

355.14

80.00

2019年12月

290,136

32,664

34,224

24,437

337.45

110.00

2020年12月(予)

230,000

15,000

15,300

10,000

138.08

110.00

*単位:百万円、円。

 

ホシザキ株式会社の2020年12月期第2四半期決算概要などをお伝えします。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2020年12月期第2四半期決算概要
3.2020年12月期業績予想
4.新型コロナウイルスの影響と今期の取り組み
5.今後の注目点
<参考:コーポレートガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 20年12月期第2四半期の売上高は前年同期比19.1%減の1,210億円。国内売上高は、同11.9%減の862億円。新型コロナウイルス感染拡大による販売先の設備投資抑制の影響に加え、限定的な営業活動を余儀なくされたことにより減収となった。海外売上高は、同32.7%減の348億円。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、全ての地域セグメントにおいて減収となった。営業利益は同43.4%減の105億円。営業利益率は同3.7%低下の8.7%。国内は同27.5%の減益、海外は同76.3%の減益だった。 
  • 2020年12月期通期業績については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、合理的な業績予想の算出が困難なため未定としていたが、現時点で入手可能な情報及び予測に基づき連結業績予想を公表した。新型コロナウイルス感染拡大の第2波による緊急事態宣言発出等の大規模な社会経済活動の停滞はないものとして策定している。 
  • 2020年12月期通期業績予想の売上高は前期比20.7%減の2,300億円、営業利益は同54.1%減の150億円の予想。売上高は5月を底に回復基調で、営業利益は第2四半期(4-6月)で黒字を確保した。通期の営業キャッシュフローも黒字を堅持し、来年からの段階的業績回復を想定して、配当は前期と同じ110円/株を予定。予想配当性向は80%。自己株式取得については今後継続的に検討していく考えだ。 
  • 2020年12月期下期は売上高1,089億円、営業利益44億円の予想となっている。月次売上は、国内が5月、海外が4月でボトムを打った形だが、同社の場合、売上・利益ともに第4四半期(10‐12月)のウエイトが低く、今期予想の着地を見るうえでは売上の年間ピークとなる第3四半期(7‐9月)でどれだけ回復するかが大いに注目される。 

     

1.会社概要

飲食店、病院・介護老人保健施設(以下、病院老健)、学校・保育園、スーパー、コンビニエンスストア、オフィスなどを顧客とし、製氷機、冷蔵庫を始めとしたフードサービス機器の研究開発・製造・販売及び保守サービスを行っている。

 

製氷機、冷蔵庫、食器洗浄機、生ビールディスペンサ等の主力製品では国内トップシェア。製氷機に関してはグローバル市場でもトップシェアである。独自の製品開発力、高品質、強力な営業力、迅速できめ細かなサービス&サポート体制等が強みであり、同業他社に対する大きな優位性となっている。

 

海外売上高比率は34.5%(2019年12月期)。ホシザキを含む連結グループ会社は、国内18社、米州13社、欧州・アジア等21社の合計52社。工場は国内9、米州6、欧州・アジア10とグローバルでの生産体制を構築している。国内営業体制は、北海道から沖縄までの15販売会社及びその436営業所によって日本全国をカバーしている。また海外では米州、ヨーロッパ、アジア・オセアニアに販売会社を配置し、全世界を幅広くカバーできる体制を整備している。(グループ会社数、拠点数などは2020年6月末時点)

 

(同社資料より)

 

【事業内容】

製品群別売上は、製氷機17.8%、冷蔵庫25.9%、食器洗浄機6.9%、ディスペンサ9.0%、その他製品9.9%、保守・修理17.5%、他社仕入商品13.0%となっている。(2019年12月期)

 

(同社資料より)

【特徴・強み】

1.独自の技術に基づく製品開発&高い品質基準
独自技術に基づいた製品企画から製品化までの一貫した研究体制を持つことにより、最終顧客の多様なニーズに迅速に対応している。また、新製品開発、既存製品の改良、シリーズ展開及び原価低減活動に加え、販売及び保守サービス活動から得られる情報や市場品質情報を製品開発に活用する体制を確立している。また、独自の品質基準を設定し、業務用という厳しい使用環境に耐えられる構造設計を行っており、過酷な条件で繰り返し行われるテストに合格した部品や技術のみが採用されている。

 

2.主要製品でトップシェア
高品質、サービス&サポート体制、省エネ・低環境負荷、耐久性、使いやすさ、デザイン性等といった様々なポイントが顧客に評価され、製氷機、冷蔵庫、食器洗浄機、生ビールディスペンサといった主力製品では国内トップシェアとなっている。また、製氷機に関しては、グローバル市場においても、トップシェアである(同社推計)。

 

(同社資料より)

 

3.きめ細かいサービス&サポート体制
同社では国内を15販売会社及びその436営業所でカバーし、2,700名のサービススタッフによる地域密着型のきめ細かいサービス&サポート体制をとっており、ユーザーから故障やトラブルの問い合わせがあった際は、短時間で駆けつける「即日対応」を掲げて、スピーディーな対応を行っている。(2020年6月末現在)

 

4.営業力の強さと強固な顧客基盤
日本全国を3,250名の営業スタッフがカバーする直販体制による営業力の強さも同社の大きな特徴である。高い直販比率のため顧客との密着度は高く、現在の強固な顧客基盤の構築に繋がっている。また、サービススタッフとの緊密な連携により、顧客の状況に即応した提案を行う事が出来る機動性の高さも顧客から高く評価されている。(2020年6月末現在)

2.2020年12月期第2四半期決算概要

(1)連結業績

 

19/12期2Q

構成比

20/12期2Q

構成比

前年同期比

売上高

149,631

100.0%

121,078

100.0%

-19.1%

売上総利益

56,988

38.1%

45,606

37.7%

-20.0%

販管費

38,357

25.6%

35,062

29.0%

-8.6%

営業利益

18,631

12.5%

10,543

8.7%

-43.4%

経常利益

18,451

12.3%

10,031

8.3%

-45.6%

四半期純利益

12,800

8.6%

6,484

5.4%

-49.3%

*単位:百万円。四半期純利益は親会社株主に帰属する四半期純利益。以下、同様。

 

減収減益
売上高は前年同期比19.1%減の1,210億円。
国内売上高は、同11.9%減の862億円。新型コロナウイルス感染拡大による販売先の設備投資抑制の影響に加え、限定的な営業活動を余儀なくされたことにより減収となった。
海外売上高は、同32.7%減の348億円。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、全ての地域セグメントにおいて減収となった。
営業利益は同43.4%減の105億円。営業利益率は同3.7pt低下の8.7%。国内は同27.5%の減益、海外は同76.3%の減益だった。海外の人件費削減をはじめ、約50億円のコストダウン活動を実施し、利益確保に努めた。

 

(四半期推移)

 

18/12期

19/12期

20/12期

 

1Q

2Q

3Q

4Q

1Q

2Q

3Q

4Q

1Q

2Q

3Q

4Q

売上高

73,519

76,466

76,778

66,011

76,057

73,574

78,305

62,200

72,568

48,510

増収率

+5.2%

+3.6%

+1.6%

+4.9%

3.5%

-3.8%

+2.0%

-5.8%

-4.6%

-34.1%

営業利益

10,860

10,587

10,645

4,354

9,649

8,982

10,735

3,298

9,559

984

増益率

+11.2%

+1.5%

-3.6%

-9.9%

-11.2%

-15.2%

+0.8%

-24.3%

-0.9%

-89.0%

*単位:百万円。増収率、増益率は対前年同期比。

 

(2)セグメント別動向

 

19/12期2Q

構成比

20/12期2Q

構成比

前年同期比

売上高

         

日本

97,899

65.4%

86,254

71.2%

-11.9%

米州

33,181

22.2%

22,691

18.7%

-31.6%

欧州・アジア

18,550

12.4%

12,133

10.0%

-34.6%

海外合計

51,732

34.6%

34,824

28.8%

-32.7%

合計

149,631

100.0%

121,078

100.0%

-19.1%

営業利益

         

日本

12,707

13.0%

9,214

10.7%

-27.5%

米州

4,519

13.6%

1,077

4.7%

-76.2%

欧州・アジア

1,938

10.4%

453

3.7%

-76.6%

海外合計

6,457

12.5%

1,530

4.4%

-76.3%

調整額

-534

-201

合計

18,631

12.5%

10,543

8.7%

-43.4%

※単位:百万円。売上高は、「外部顧客への売上高」を示す。営業利益の構成比は売上高営業利益率。

 

<国内>
売上高は前年同期比11.9%減の862億円。営業利益は同27.5%減の92億円。
冷蔵庫、製氷機、食器洗浄機及び電解水生成装置等の拡販や新規顧客の開拓に取り組んだが、新型コロナウイルス感染症の影響により、営業活動は限定的な展開を余儀なくされた。
顧客別では、飲食店が昼間店・夜間店共に大幅な減収。飲食店以外も学校・保育園は増収も、ビール会社、加工販売等を中心に減収となった。

 

大手チェーンの全店店舗数は今年に入り減少傾向にあったが、4月以降さらに加速している。一方、売上高は、4月を底に、郊外・地方立地や食事主体業態で回復の兆しが比較的早く見えてきた。しかし、都心部・繁華街立地、飲酒業態などは回復が遅れるなど、業態によって大きな差が見られる。
業態別では、ファーストフードやファミリーレストランは店内飲食の戻りが比較的早く、テイクアウト需要もあり回復傾向にあるが、ディナーレストランやパブ・居酒屋は法人需要や繁華街での集客が見込めず、引き続き厳しい状況にある。
(出典:日本フードサービス協会)

 

<海外>
(米州)
売上高は前年同期比31.6%減の226億円。営業利益は同76.2%減の10億円。
製氷機、ディスペンサ等の拡販に努めたが、米国等における新型コロナウイルス感染拡大に伴う営業・生産活動への制約と受注環境の悪化で減収、減益。

 

(欧州・アジア)
売上高は前年同期比34.6%減の121億円。営業利益は同76.6%減の4億円。
アジア各国並びに欧州地域における新型コロナウイルス感染拡大に伴う営業・生産活動への制約と受注環境の悪化で減収、減益。

 

(3)製品群別売上動向

製品群別では、国内のその他製品を除き、国内海外共に全ての製品が減収。

 

(4)財政状態

◎主要BS

 

19年12月末

20年6月末

 

19年12月末

20年6月末

流動資産

281,343

275,615

流動負債

86,878

86,413

現預金

215,093

212,558

仕入債務

16,555

12,481

売上債権

31,708

28,569

前受金

26,829

25,553

たな卸資産

30,336

28,132

固定負債

22,970

22,871

固定資産

70,543

70,989

負債

109,848

109,285

有形固定資産

44,303

43,367

純資産

242,038

237,319

無形固定資産

4,695

4,092

株主資本

245,328

243,846

投資その他の資産

21,543

23,528

為替換算調整勘定

-3,196

-6,494

資産合計

351,887

346,605

負債純資産合計

351,887

346,605

*単位:百万円

 

現預金、売上債権、たな卸資産の減少等で資産合計は前期末比52億円減少の3,466億円となった。
一方、仕入債務の減少等で負債合計は同5億円減少し、1,092億円となった。純資産は利益剰余金減、為替換算調整勘定のマイナス幅拡大等で同47億円減の2,373億円。この結果、自己資本比率は前期末より0.4ポイント低下し68.0%となった。

 

3.2020年12月期業績予想

◎連結業績予想

 

19/12期 実績

構成比

20/12期 予想

構成比

前期比

進捗率

売上高

290,136

100.0%

230,000

100.0%

-20.7%

52.6%

売上総利益

109,464

37.7%

86,400

37.6%

-21.1%

52.8%

販管費

76,799

26.5%

71,400

31.0%

-7.0%

49.1%

営業利益

32,664

11.3%

15,000

6.5%

-54.1%

70.3%

経常利益

34,224

11.8%

15,300

6.7%

-55.3%

65.6%

当期純利益

24,437

8.4%

10,000

4.3%

-59.1%

64.8%

*単位:百万円。予想は会社側予想。

 

減収減益
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、合理的な業績予想の算出が困難なため未定としていたが、現時点で入手可能な情報及び予測に基づき連結業績予想を公表した。
新型コロナウイルス感染拡大の第2波による緊急事態宣言発出等の大規模な社会経済活動の停滞はないものとして策定している。

 

売上高は前期比20.7%減の2,300億円、営業利益は同54.1%減の150億円の予想。
売上高は5月を底に回復基調で、営業利益は第2四半期(4-6月)で黒字を確保した。
通期の営業キャッシュフローも黒字堅持し、来年からの段階的業績回復を想定して、配当は前期と同じ110円/株を予定。予想配当性向は80%。自己株式取得については今後継続的に検討していく考えだ。

 

 

4.新型コロナウイルスの影響と今期の取り組み

(1)新型コロナウイルスの影響

①各セグメントの稼働状況
7月の段階で日本、欧州、東アジアでは通常の稼働に復帰している一方、米州、東南アジア、インドでは一時帰休や一部テレワークを実施しながら稼働している。
製造は全セグメントで生産調整しながら稼働している。

 

②国内外フードサービス業界の現状
◎国内
*都心部・繁華街立地、飲酒業態などは回復が遅れる。特に「居酒屋・パブレストラン」は依然として厳しい状況が続く。
*飲食店でのデリバリーやテイクアウトの需要が増加。
*2020年上半期における飲食店事業者の倒産は上半期として過去最多。
*外食産業の店舗閉鎖が続く。低迷が長引くとみて、宅配特化などの業態転換や業種を越えた店員融通に動く企業も。
(出典:日本フードサービス協会、帝国データバンク、東京商工リサーチ、日本経済新聞)

 

◎海外
*米国のレストラン及びフードサービス業界は2020年売上高の減少を2,400億ドル(約25兆円)と予測。また、800万人以上の飲食店従業員が失業。
*飲食店の大量の休業、閉店。
*中国で外食や小売りなど消費関連企業の業績改善に遅れ。
(出典:全米レストラン協会、米国口コミサイト「イェルプ」)

 

③セグメント別動向
月次売上高の推移を見ると、米州、アジア、欧州は4月を底に、国内および連結は5月を底に回復基調。

 

(2)今期の取り組み

①国内
◎需要変化に対応した戦略商品の拡充・提案
店内飲食に加えて、テイクアウト・デリバリーや販路拡大のためのインターネット販売等、新たな取り組みを始める顧客に向け、製品提案と顧客サポートを実施する。
ハード面においては、衛生的な調理加工により、食中毒のリスクや食品ロスの抑制に貢献する機器を提案。
ソフト面では、コンサル室がテイクアウトに適したメニュー提案、各種法令・ルールの指南、各種申請の補助などを行っている。

 

◎HACCPワンストップソリューション提案強化
2021年6月に完全施行(食に携わる全事業者が管理対象となる)となるHACCPについて、500名以上のHACCPの専門教育修了者が、顧客が抱えるHACCPの課題や不安の解消にむけて、提案・協業を推進する。

 

◎指定管理医療機器の認証を取得
同社の医療用消毒器「強酸性電解水生成装置」が指定管理医療機器の認証を取得した。
「強酸性電解水生成装置」は、水道水に食塩を微量添加した原水を電気分解して、次亜塩素酸を主成分とする強酸性電解水を連続的に製造するもの。製造された水は殺菌消毒能力を有し、手術者、介護者等の手洗い用として使用される。
手指消毒に用いる強酸性電解水は、アルコール製剤と同等の効果を有するものとして有効に活用されることも期待できる。
コロナ禍の中、まがい物が流通している点を厚生労働省は問題視しており、認証には厳しい姿勢である中の認証取得は同社の高い技術力が評価されたものである。

 

◎補助金活用の支援
活動再開や新規事業に取り組む顧客に、小規模事業者持続化補助金や家賃支援給付金といった補助金制度の提案から申請補助まで、一括してサポートする。
新規設備導入による販路拡大や売上の回復に協力している。

 

◎サービス活動と営業の連携強化
飲食店等の活動再開にあわせ、修理コールが急増するなどサービス活動も徐々に回復している。
同社の強みである営業(3,250名)・サービス(2,700名)の連携を活かし、一定のエリアを営業とサービスがペアで活動し、双方が情報共有をしながら強力なタッグを組み、顧客の困り事をより確実に、より迅速に解決へ導くことで、売上回復を目指す。

 

◎大型プロジェクト受注実績
コロナ禍の中でも、大型物件の竣工は続いている。

 

②海外
◎衛生管理を意識した新製品の開発
新型コロナウイルス感染拡大の影響が大きい中、衛生管理を意識した新製品で売上促進を図る。
丸氷を手でなく機械で作ることのできる「ホールインアイスメーカー」は全自動で日産約500個の丸氷を製氷する。飲料サービスにおける衛生・省人化のニーズが高まるなか、レストランバー、ホテル、カジノ等へ導入している。
また、赤外線センサーにより、機械に触れることなく、氷や水を抽出する「タッチレスディスペンサ」も、ナースステーション、ロビー、休憩室、カフェテリアなど様々な場所に導入が可能である。

 

◎欧州2社の合併完了
当初2020年6月1日の予定であったHEBV(オランダ)とGRAM(デンマーク)の合併が、コロナ禍におけるオランダのロックダウン影響等により遅延したが、2020年7月1日に完了した。

 

2017年1月の販売機能統合に続く製販の機能最適化であり、製販一体となることで意思決定を迅速化し、業務効率の更なる向上を図るとともに、冷蔵庫の商品企画機能強化による商品競争力向上を目指す。
今回の合併により、「北欧のみならず欧州全域で勝てる冷蔵庫事業」とする考えだ。

 

◎インド市場での拡販強化
足元好調だったインドのウエスタン社だが、新型コロナウイルス感染拡大及びロックダウンの影響で水を差された形となった。
ただ、コロナ禍を受けてインド国内では内食が拡大しており、ステイホームの中、チョコレートの需要が堅調なほか、保存のきかない食品を確保するため冷凍の需要が拡大している。
ウエスタン社ではチョコレート用冷蔵庫や冷凍食品用冷凍庫を取り扱っており、こうした点が復活へ向けての足がかりになると考えている。

 

◎ホシザキアメリカが「Partner of the Year – Product Brand Owner」を受賞
ホシザキアメリカが、米国環境保護庁が主催するENERGY STARアワード2020において、9年連続で「Partner of the Year – Product Brand Owner」を受賞した。

 

ENERGY STARは、米国環境保護庁が定める国際的な省エネルギー制度で、コンピューターや電化製品、住宅設備や厨房機器など幅広い製品や設備が対象となり、一定の省エネルギー基準をクリアするとラベルの表示が認められる。

 

省エネ性を追求した製氷機「KMEdge X」シリーズ(年間170万USドル相当、8.5%消費電力を削減)および、ノンフロン冷媒採用の業務用冷蔵庫「Steelheart」シリーズ(年間2.5万トン、21%の温室効果ガス排出を削減)の2製品の省エネ効果が評価された。
また、「Partner of the Year」を複数年連続して受賞した企業の中から選出される最高位の賞「Partner of the Year –SUSTAINED EXCELLENCE AWARD」も6年連続の受賞となった。

 

ESGがメインストリームとなる中、今後も環境問題への継続的な取り組みを積極的に推進していく。

 

5.今後の注目点

2020年12月期下期は売上高1,089億円、営業利益44億円の予想となっている。
月次売上は、国内が5月、海外が4月でボトムを打った形だが、同社の場合、売上・利益ともに第4四半期(10‐12月)のウエイトが低く、今期予想の着地を見るうえでは売上の年間ピークとなる第3四半期(7‐9月)でどれだけ回復するかが大いに注目される。

 

<参考:コーポレートガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態 監査等委員会設置会社
取締役 11名、うち社外4名

 

◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日:2020年8月19日

 

<基本的な考え方>
当社は、経営の透明性、効率性の向上を図るため、株主をはじめとするステークホルダーの立場にたって企業収益、価値の最大化を図ることをコーポレート・ガバナンスの基本的な方針及びその目的としております。

 

<実施しない主な原則とその理由>

原則

実施しない理由

【原則1-2 株主総会における権利行使】

補充原則1-2-4

当社は、総議決権に対する議決権行使比率が70%以上であることから、議決権行使の電子化は実施しておりませんが、外国人株主比率の状況を踏まえ、招集通知の英訳を実施しております。
【原則1-4 政策保有株式】 当社は、政策保有株式を原則として保有いたしません。

保有する場合は、事業戦略、業務提携、取引関係の維持・強化等を保有目的とし、毎年、取締役会において、個別の株式について保有の適否を検証します。また、同株式に係る議決権行使は、当該議案が、当該企業の企業価値の向上、また、株主価値の向上につながるか否かを検討して議決権を行使いたします。

【原則5-2 経営戦略や経営計画の策定・公表】 現状では、法定書類等の他に、半期に一度、株主に対する事業内容の説明を、任意に「グループ報告書」により行っております。また経営戦略、経営計画、及び収益力・資本効率等に関する目標の具体的な提示、説明等に関しては、今後の課題と捉え、適時適切な開示を検討してまいります。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づいて開示している主な原則>

原則

開示内容

【原則4-11 取締役会・監査役会の実効性確保のための前提条件】

補充原則4-11-1

 

当社取締役会は、当社の業務に精通した社内出身の取締役と、法務、財務、会計その他の高度の専門性を有する社外取締役で構成とすることとしており、取締役会全体としての知識・経験・能力のバランス、多様性が確保されるよう努めています。また、独立社外取締役は取締役会の3分の1以上とすることとしております。この方針に基づき、現在、取締役会は、監査等委員でない取締役8名、監査等委員である取締役3名で構成されています。このうち、独立社外取締役4名の経歴は、公認会計士及び弁護士が各1名、グローバルに事業展開する上場会社の経営経験者が2名であります。また、事業規模や業容等と照らし、適正な規模での取締役会構成に努めており、定款において、監査等委員でない取締役の人数については15名以内、監査等委員である取締役の人数5名以内と定めています。

 

補充原則4-11-3 当社は、取締役会における「議論・検討の実効性」、「監督機能の実効性」、「リーダーシップの実効性」、「環境整備状況の実効性」、「株主・ステークホルダーへの対応の実効性」、「取締役会の構成等に関する実効性」の6項目について、全取締役(監査等委員である取締役を含む)14名に対し27問のアンケートを実施し、その結果等を踏まえて、取締役会において審議した結果、2019年度に開催した取締役会は、前記6項目すべてにおいて良好な水準で機能していたと判断いたしました。
【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】 当社は、持続的な成長と長期的な企業価値向上のためには、株主・投資家と積極的な対話を行い、その意見や要望を経営に反映させ、当社を成長させることが重要と認識しています。中長期的な企業価値向上の投資方針を有する主要な株主・投資家の皆様との対話については、以下の基本方針を定めています。

(1)株主・投資家との対話全般について、IR担当取締役が統括しています。

(2)IR担当取締役は経営企画部、人事部、総務部等のIR活動に関連する部署を統括し、日常的な部署間の連携を図っています。

(3)経営企画部にて、投資家からの電話取材やスモールミーティング等のIR取材を積極的に受け付けるとともに、決算説明会を半期に1回開催し、社長、IR担当取締役が説明を行っています。

(4)投資家からの電話取材やスモールミーティング等のIR取材等の結果は、 IR担当取締役が必要に応じ、取締役会へフィードバックしています。

(5)投資家との対話の際は、決算説明会やスモールミーティングを問わず、当社の持続的成長、中長期における企業価値向上に関わるテーマを対話の軸とすることにより、インサイダー情報管理に留意しています。

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